ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん

渋谷かな

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「あ~! 忙しい! 忙しい! これなら闇ポンと戦っている方がマシよ!?」

 本当に大変だったのはポン戦争よりも、戦後の世界であった。ポン皇女様は、ポンの世界の復興に尽力していた。

「どいつもこいつも、私よりもポンコツね!」

「皇女よ! 後は任せた! ワッハッハー!」

 なぜならポン国王、ポン王妃、ポン大臣などは全員ポンコツで笑うだけだったからである。

「愛ちゃん! 壊れた病院を立て直して!」

 AIの愛ちゃんは健在。

「は~い! 愛ちゃんです! 病院を立て直すには8000万ポンが必要です! エヘッ!」

「緊急事態ぐらいは大目に見てよ!?」

 相変わらずの愛ちゃんのポンコツぶりにキレる皇女様。

「でも、愛ちゃんらしいわ。退屈だけど平和が戻ってきたのね。」

 戦いの後の何もない毎日に幸せを感じる皇女様であった。

「平和っていいわ~。平和には、お茶とお団子が良く似合うわ。」

 ポン休みしてしみじみとしている皇女様。

「早く8000万ポン払ってください。ギブ・ミー・ポン!」

「チッ! 忘れていなかったのか。普段はポンコツAIのくせに。」

 皇女様が成長すると、皇女様の脳みそを学習するAIの愛ちゃんも少しは成長する。

「どうせ、すぐに忘れるわ。アハッ!」

 欠点は、2、3日すれば皇女様同様、忘れてしまうことである。

「私は悪くありませんよ。私は皇女様からできたAIですからね。エヘッ!」

「ワッハッハー!」

 皇女様も愛ちゃんが2、3日もすれば、病院を復興してくれると信じている。

「それにしても困ったわね。ポンが不足して、ポンの世界の治安が不安定になっているわ。まさか!? もう闇ポン市が開かれているなんて!? ビックリよ!?」

 たくましい闇ポン。

「そうですね。ポン警察やポン自衛隊も募集はしているんですが、なかなかポンが集まりませんね。」

 人手不足ならぬ、ポン不足。

「あなたがいてくれて良かったわ。ポン執事。」

 そこに現れた、新キャラクターポン執事の姿は!? まさにあのお方だった!?

 つづく。

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「ギャアアアアアアー!? ポン魔王!?」

 AIの愛ちゃんはポン執事を見て戦慄が走り凍り付いた。なぜなら、あのポンの悲劇を引き起こした本人が執事姿をしているのだから。

「やめてよ。オーバーリアクション。愛ちゃん。知ってるくせに。」

「ですよね。エヘッ!」

 皇女様が知っていることは、皇女様と同期しているAIの愛ちゃんも知っている。

「でも、本当に私なんかが皇女様の執事を務めさせてもらっていいのですか?」

 まだポン執事は皇女様の執事をするのに、過去のポン魔王の頃の行いを気にしていた。

「いいんじゃない。私は気にしないし。それに誰だって、道を間違える時だってあるわよ。私だって、宿題を忘れるんだから。たまたま、あなたの周りに良い人がいなかっただけよ。良い人? 私のことですか! 私は良い人なのだ! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホッホー!」

「そうです。大切なのは、人生をやり直すことができることを知ることです。そうすれば悪いことはしませんよ。エヘッ!」

 皇女様と愛ちゃんのありがたいお言葉。

「皇女様・・・・・・愛ちゃん・・・・・・。」

 思わず瞳が濡れるポン執事。

「もう、あなたは一人じゃない。これからは私たちが一緒よ! アハッ!」

「エヘッ!」

 優しくも温かく微笑みかける皇女様と愛ちゃん。

「はい。これから誠心誠意、お仕えいたします。この命に代えても。」

 闇ポンから解放されたポン執事にポン魔王の面影はなった。

「命に代えてもは大げさだって!?」

「そうですよ! 死んだら元も子もありませんからね!」

「ワッハッハー!」

 戦った両者が今、一つになる。

「あ、報告を忘れていました。問題になっていた闇ポン市には、PPSSを向かわせました。」

「PPSS?」

 ポン・皇女様・シークレット・サービスの略である。

 つづく。

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「やって来ました! 闇ポン市!」

 PPSSの隊員たちは、戦後の闇ポン市にやってきた。

「いいか! 二度と戦争を起こさないために、しっかり闇ポンを取り締まるんだ!」

「おお!」

 PPSSの隊長が隊員たちに目的を伝える。

「私がPPSSの隊長の、魔ポンだ!」

 元ポン魔王四天王筆頭の魔ポン。

「ポン魔じゃないのか?」

「こら。隊長をメンマみたいに言うな。」

「エヘッ!」

 魔ポンは愛され隊長であった。

「そういう暗ポン、おまえはアン、ポン! タンだろうが。」

「上手い! 座布団一枚!」

「やったー!」

 暗ポン、なぜか性格は明るい。これでも元ポン魔王四天王の一人。

「隊長!? 大変です!? 無ポンが動きません!?」

「・・・・・・。」

「隅っこどころか、中央でも動かないからな。」

 無ポンは存在感が無かった。どうやってここまで来たのかは謎。動かなくても元ポン魔王四天王の一人。

「ああ~! どうして私はこいつらと同じ扱いを受けないといけないの!?」

「なんか言ったか? 悪ポン。」

 悪ポンは、なぜか気遣いができる。ネットも触れる比較的優秀な元ポン魔王四天王の一人。

「よし! 闇ポン市に突撃だ!」

「おお!」

 自己紹介も終わりPPSSは仕事に入る。

「なんじゃこりゃ!? 闇ポン市は、ほぼコミケ会場だな!? ラブ・イズ・闇ポンTシャツってなんだ!?」

 闇ポン・ファンで会場は満員電車状態であった。

「すごい!? 闇ポンの同人誌に、闇ポン・フィギュア!? あっちでは闇ポン・コスプレ写真撮影会!?」

 会場は、闇ポングッツで溢れていた。

「What is Pon!?」

 海外旅行者ポンも闇ポンの魅力に大興奮!

「ギャアアアアアアー!」

 その時、暗ポンが悲鳴を上げた。

「どうした!?」

「ビンゴ! 巨大闇ポンぬいぐるみ当たりました! ヤッホー!」

 暗ポンは景品をもらって大喜び。

「バカ野郎! 仕事をしろ! 仕事を俺たちは何しに来たと思っているんだ!」

「そういう隊長だって、さっきから写真撮影ばっかりしてるじゃないですか?」

 魔ポン・ファンが長蛇の列を作って並んでいた。

「あの!? あの伝説の魔ポンさんですよね!? 私、ファンです! 一緒に写真を撮ってもいいですか? ニコッ!」

「いいですよ。お嬢さん。良かったら記念に、ミニ闇ポンをどうぞ。」

「ありがとうございます! 私、益々魔ポンさんのファンになりました!」

「気を付けて帰ってね。スリとか盗撮には気を付けてね。」

 魔ポン。元ポン魔王四天王の筆頭として、闇ポンファンには、大人気。しかも紳士。

「はあ・・・・・・私たちは本当にポン魔王様の四天王だったのだろうか? さっさと巡回して一人で帰ろっと。」

 どこかポンコツな隊長と隊員のお世話をしないといけない、悪ポンの苦労は絶えない。

「・・・・・・。」

 無ポンはスタート地点から一歩も動いていない。

「あ、お地蔵さんだ。どうか、家族が笑って暮らせますように。」

「・・・・・・。」

 そして、たまにお地蔵様と間違えられ、お供え物を供えられる。

 チーン!

 つづく。

1-15-4

「皇女様。PPSSの報告によると、闇ポン市は無事に終了したそうです。」

 マジか!?

「だろうな。あいつらの通った後に草も生えないというからな。」

 ある意味、本当。

「あ、虹ポンだ! 今日はいいことありそうだな。」

 雨ポンが上がりの空ポンに虹ポンがかかって見ることが出来たら幸せになれそう。

「なんだろう? 儲かるポン! アニメ化してくれポン! 海外展開もできるポン! スポンサー様を納得させる商業用のプレゼンの神回が続くな~。」

「いいじゃないですか。それだけ平和になったということですよ。エヘッ!」

「そだね。綿あめポンも美味しいしね。アハッ!」 

 AIの愛ちゃんもつかの間の平和を楽しんでいた。

「クソッ!? どうして闇ポンの方が人気なんだ!? そんなにみんなの心が荒んでいるというのか!?」

 あながち間違いではない。

「仕方がないですよ。だって、まだ光ポンだけで、聖ポン、火ポン、水ポン、雷ポン、風ポン、土ポンとか一切出てきてませんからね。エヘッ!」

「神ポンシリーズもありますよ。ゼウスポン、ポセイドポン、ハーデースポンとか。女神ポン、火神ポンとか。星座ポンでペガサスポンとか、フェニックスポンも。」

「キャラクターだけじゃないわよ。お馴染みのポン警察に、ポン病院、ポン消防、ポン駅、ポン空港。富士山ポン、知床ポン、網走刑務所ポン。」

「食べ物もポンですよ! ソフトクリームポン、おでんポン、お寿司ポン、オムライスポン、ケーキポン、りんごポン。」
 
「動物もいけますね。くまポン、いぬポン、猫ポン、コンドルポン、パンダポン。」

「ポン休み、ポン休暇、ポンの日、マイポン、ポン旅、スーパーポン、ポン百貨店、ポン・シューズ、ルイヴィポンもいけます。」

「すごい! 世界にポンが広がっていく!」

 不思議とポンは全方位対応型の万能な魔法の言葉であった。

ピキーン!

「そうだ! 愛ちゃん量産化計画はどうなっているの?」

 ポン皇女AI搭載の愛ちゃんが大量生産される!?

「酷い!? 皇女様は愛を捨てる気なんですね!? シクシクッ!?」

「ち、違うわよ!? おもちゃよ! おもちゃ! 愛ちゃんは私の者よ! 誰にも渡さないんだから!」

「は~い! 愛ちゃんはどこにも行きませんよ! いつも一緒です! へっへっへっ!」

「怖っ!?」

 皇女様と愛ちゃんは、いつも仲良く一緒。

「じゃあ、愛ちゃん、後は任せたわよ。私は行かないといけないから。」

「トイレですか?」

「ズコー!」

 久しぶりにこけた皇女様。

「違うわい! ログアウトして、人間界に戻るのよ! 絶対にあっちの方が大変なことになっているから!?」

 皇女様の女の感は良く当たる。

 つづく。
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