愛が胸に響くんだけど。

ひとりぼっち辺境伯

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愛が胸に響くんだけど。

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愛が胸に響くんだけど。





「申し訳ないが、婚約を破棄させて頂けないだろうか」


そう、本当に申し訳なさそーな表情で今にも泣きそうな耳まで赤い堪え顔を見せられて。


だっぱーん!!と、愛がわたくしの胸を波打たせた。


(うぐっ……?!!)


わたくしの返事を待つ第二王子殿下の心臓のあたりから、渦状のの魔力波にも似た暖かな波が流れてくる。


最初の、決壊したダムから流れ込んでくるような愛ではなく、慢性的に抱き続ける愛おしさのようなものを伝えてくる。


(ん?ん?婚約破棄だよね……?)


泣きそうな顔に付け加え、何故か伝わるようになった恋愛の類の愛情。


事情がありますと自白しているようなものではないだろうか。


「理由を教えていただけますでしょうか」


「ッ、それは……セバス、皆を下がらせてくれ」


「承知致しました」




「理由は……すまない、貴女を責めるわけではないことを知っていて欲しい」


「承知致しましたわ」


「では……こほん、貴女の幸せのためだ」


「婚約破棄はわたくしの望むところではありません。却下」


「却下?!いや、しかしそれでは貴女が想う人と思いを通わせることが…」


「現状維持が1番その道に近いのですが」


「ッ、だが、兄上は先日婚約破棄を……!!」


「あんなクソッタレ腹黒陰険野郎には微塵も興味なくてよ?」


「だから貴女も候補に……ん?!クソっ……淑女がそのような言葉遣いを!!」


「想い人と結ばれるためならば婚約破棄も手段のうちと言い切った殿下と良い勝負ですわ」


「いやッ、俺は別に自分が好いた女と結ばれたいわけではなく……!!」


「ではわたくしのことをどう思っておりますの?簡単に婚約破棄できるような魅力のない女ですか」


「違うッッ!!シャルルはこの世で1番魅力的で聖母のような淑女だ!!!」


「あら、お褒めいただきありがとうございますわ。それでどうして婚約破棄などと?」


「それはだから、シャルル嬢は兄上を想っていて……!」


「お待ちください殿下。とりあえず、あのような鬼畜をわたくしがお慕い申し上げているなどという妄想はおやめくださいまし」


「鬼畜?!シャルル嬢は兄上にどんな人物像を抱いておられるのか?!」


「能力あるわたくしの愛しい殿下を馬車馬の如くこき使う憎き独裁者ですわ」


「だから言葉遣い……って、愛しい?」


「ええ。わたくし、愛が重すぎることに定評がございますの。それゆえに敬遠されることもしばしば。ですから、殿下とは一方的な好意の押し付けで成り立った婚約だと思っておりましたわ」


「……過去形だ」


「そうなんですの。婚約破棄を言い渡された瞬間でしょうか、わたくしの破棄を拒絶する感情と同調した魔力がこの世界に干渉したようで……何故か、殿下のわたくしへの愛を魔力波のように感じ取れるようになりましたの」


「愛?!え、いま……ダダ漏れ?!!」


「入り口が破壊された瞬間の愛の威力は凄かったですわ……この国一の魔力耐性を誇るわたくしが隠しきれぬほどの衝撃を受けましたもの。いまもずっと、殿下の愛に包まれておりますのよ?時に声も聞こえますわ……萌えってなんですの?萌ゆるのは緑のみと思っておりましたが…」


『シャルルのまっすぐな瞳綺麗すぎる……小顔に大きい瞳……萌え…』


「うわあぁぁ!なんか!さっきの心の声が漏れてる気がする!うわーん!!」


「あぁっ、愛おしい……泣き虫殿下、最高…」


「レオン、何をしている」


「あ、兄上…」


「わたくしが王太子殿下をお慕いしているという微塵も可能性のない突拍子もない勘違いをされていたので、否定していたところですの」


「凛々しい見た目と幼い中身が好きな脳内熟女のこいつがそんなわけないだろ」


「うるさい、陰険伊達メガネ。わたくし、メガネはあまり好きでないんですの。殿下の目が悪くなったら、王太子殿下の目を治療の際に使わせていただきますわね。同じ色ですもの、誰にもわかりませんわ」


「相変わらず扱いの差が露骨だなロリコン」


「ロリコンは少女愛ですの。正しくはペドフィリアですわ、知ったかぶり脛齧り」


「兄上、ほんとはあまり勉強が得意ではないんだからこれ以上は…」


「ッ、天然を盾にしやがって嫌味な女だ!」


「天然が勝手に盾をしてくださるのですわ。行きましょう、殿下。今夜は王族教育のため城に泊まることにします。二度と婚約破棄など言い出さないようわたくしの愛を注ぎ込んで差し上げますわ」


「えっ…」


『愛を注ぎ込む?!き、キスしてくれるとか?……いやいや、落ち着け俺。そういうのは男の俺がリードしてだな……はぁあああイケメンシャルルちょー萌え…』


(純情か。結婚前だし、未通のままでいなきゃいけないんなら、殿下を貫いて差し上げようかしら……名案だわ)






「はぅっ、そこは……!」


「ここがいいんですの?」


「んぁあっ……だめ、だっ…」


「だめ、ですの?殿下が気持ちよくないのでしたら、用意したバイブなるモノも不要ですわね…」


「いるっ、いるからぁっ……んぅっ……うぅっ、それ挿れてぇ…」


「ふふ、かわいい殿下……一生可愛がって差しあげますわ」


「んぁっ、ぁっ……はんっっっ!!!」







影「これを報告する、のか…」

影「シャルル嬢はタチで殿下はネコですって?笑えないな」

影「シャルル嬢の口癖は

"隠居したい……殿下を可愛がるだけの存在になりたい…"

だぞ。危険はないと判断していいんじゃないか?」

影「それなら確かに、第二王子殿下をのし上がらせて後ろから操るなんていうこともしなさそうだな」

影「実際能力も大したことないしな。殿下がらみならあんなに天才なのに……魔力耐性以外なんもないしな」

影「結論。シャルル嬢は殿下大好き、か」

影「「報告しづらい…」」

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