ウザい先輩と可愛げのない後輩

黒姫百合

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33話

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「そうですか。鈴木先輩はともかく黒木先輩のいう通りです。沢田先輩ももう高校三年生なんですから、もっとしっかりしてください。社会に出て困るのは沢田先輩なんですよ」
「後輩なのに全然先輩に優しくなーい」
「後輩だからって無条件で先輩に優しくするとは思わないでください」

 年上だから優しくされると思っていた清美だが、的が外れて文句を言っている。
 そもそも真希にそんな忖度を求めること自体間違っている。
 清美にそこまで優しくする義理なんてない。

「それじゃー沢田先輩。ちゃんと明日お金返してくださいね。こういうのはちゃんとしてないと後々トラブルになりますから」
「もちのろんだよ。今日はありがとー、ホント助かったわー」

 これ以上清美とは話すことがなかった真希は、明日お金を返す約束をしてから一礼して別れる。
 金銭トラブルはとても面倒なため、真希は清美に念を押す。
 清美と関係がこじれること自体はなんの問題もないが、お金が返ってこないのは嫌だ。
 清美は暢気そうな表情で言っていることから、トラブルのことなんてなにも考えていないのだろう。
 次の日の朝。
 駅で紗那と合流し、電車で移動して、学校の最寄り駅で清美と麗奈と合流する。

「おはよー紗那ー、北野ー」
「おはようございます、紗那、北野さん」
「おはよう二人とも。相変わらず清美は元気だな」
「先輩方おはようございます」

 朝、先輩三人と学校に行くのが日常になりかけている今日この頃である。
 朝からテンションの高い清美は真希たちに大きく手を振ってあいさつをする。
 清美は朝からテンションマックスである。
 いつになってもこのテンションにはついてはいけないだろうと思う真希だった。

「北野。昨日借りたお金返すね」
「清美。お前後輩にお金を借りたのか……」
「……信じられません……」
「はぁ~……」

 やはり清美は馬鹿である。
 昨日、散々紗那と麗奈にお金を借りたら馬鹿にされたり説教されると言ったのはどこの馬鹿だろうか。
 きっと馬鹿だから昨日の会話も覚えていないのだろう。
 紗那は後輩にお金を借りた清美にドン引きをし、麗奈は呆れて言葉を失っていた。
 真希も麗奈同様呆れてため息をこぼす。

「あっ……」

 言ってやっと気づいたのか、清美は慌てて口を塞ぐも時すでに遅し。

「さすがに後輩からお金を借りるなんて、さすがのあたしもドン引きだぞ」
「全く清美は……。良いですか清美、後輩の北野さんにお金を借りるなんて言語道断です」
「いやだって……家に財布忘れちゃったから……喉乾いてたし」

 麗奈の説教に耳が痛くなったのか、清美は子供みたいにふてくさって言い訳を言う。

「財布を忘れたから北野さんにお金を借りたんですかっ。そもそも財布を忘れて喉が乾いてたら水道水でも飲めば良いじゃないですか」

 全く麗奈の言うとおりである。
 擁護のしようもない。
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