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11話
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「どうせブラコンの亜美のことだから、瑞希を――」
「黒川先生。ここは学校ですよ」
「いったっ。だからって肘打ちすることはないだろう」
いつもの感じで話しかける尚美に喝を入れるために、瑞希は尚美のわき腹を肘で突く。
尚美が不平不満を言っているが、無視しよう。
「……別に私はそこまで距離を取らなくても良いと思うんだけど」
「……黒川先生には分からないと思うけど、学生の私は大変なんですよ。特定の先生と仲が良すぎると『好きなのか』ってからかわれたり、嫌味とか言われたり」
尚美は別にいつも通りの関係でも気にしないらしいが、瑞希の方が気にするのだ。
学校という閉塞的な空間で生活している以上、高校生はそういうゴシップネタが好きな生き物である。
「……お前ボッチだろ――いたっ、足を踏むな、足を」
「ごめんなさい、黒川先生」
尚美が瑞希はボッチだからそんな噂流されることないだろと言った瞬間、カチンと来た瑞希は謝罪する気ゼロの顔で謝罪する。
「謝罪するなら表情と言葉を一致させろ」
「それよりも黒川先生、私も教室に向かいますので先生ももう職員室に行ったらどうですか。私は黒川先生と違って忙しいんです」
そもそも瑞希は今、とても忙しいのだ。
こんなどうでも良いことに時間を使っている暇なんてない。
「どうしてそんなに忙しいんだ」
「それを私に言いますかっ。言うんですかっ。自分で部活に入りたくないなら部活を作れっていったくせに」
暢気な声で瑞希に忙しい理由を聞いてくる尚美にイラっとした瑞希は、嫌味ったらしく大声で説明する。
「……お前、まだ三人集まってなかったのか」
「だからそろそろ失礼します。今日中に三人目を見つけないといけないので」
「……そっか、分かった。今日中に私に入部届出しに来いよ」
瑞希には今日中にやらなければならないことがあったし、それにこれ以上尚美と話している姿を見られるのは、瑞希的不利益だ。
軽く会釈して瑞希が尚美の横を通り抜けると幼馴染として瑞希のことが心配だったのが、最後にお節介な言葉を投げかける。
本当に姉の亜美と言い、尚美と言い過保護である。
亜美や尚美には口が裂けも言えないが、別に悪い気はしていなかった。
その後教室に入り、自分の席に向かう。
もちろん、友達がいない瑞希に話しかけてくる気狂いはいない。
瑞希が教室に入っても誰も瑞希に注目してくる人はいない。
まるで透明人間である。
瑞希という人間は確かにここに存在しているのに、誰も瑞希を気にしていない。
そこには彼ら、彼女たちの日常があり、瑞希のことは意識の範囲外の存在でしかない。
それが苦痛かと聞かれれば、別に苦痛ではない。
むしろ、むやみに他人となれ合うことが苦手な瑞希にとっては心地が良い環境だった。
「黒川先生。ここは学校ですよ」
「いったっ。だからって肘打ちすることはないだろう」
いつもの感じで話しかける尚美に喝を入れるために、瑞希は尚美のわき腹を肘で突く。
尚美が不平不満を言っているが、無視しよう。
「……別に私はそこまで距離を取らなくても良いと思うんだけど」
「……黒川先生には分からないと思うけど、学生の私は大変なんですよ。特定の先生と仲が良すぎると『好きなのか』ってからかわれたり、嫌味とか言われたり」
尚美は別にいつも通りの関係でも気にしないらしいが、瑞希の方が気にするのだ。
学校という閉塞的な空間で生活している以上、高校生はそういうゴシップネタが好きな生き物である。
「……お前ボッチだろ――いたっ、足を踏むな、足を」
「ごめんなさい、黒川先生」
尚美が瑞希はボッチだからそんな噂流されることないだろと言った瞬間、カチンと来た瑞希は謝罪する気ゼロの顔で謝罪する。
「謝罪するなら表情と言葉を一致させろ」
「それよりも黒川先生、私も教室に向かいますので先生ももう職員室に行ったらどうですか。私は黒川先生と違って忙しいんです」
そもそも瑞希は今、とても忙しいのだ。
こんなどうでも良いことに時間を使っている暇なんてない。
「どうしてそんなに忙しいんだ」
「それを私に言いますかっ。言うんですかっ。自分で部活に入りたくないなら部活を作れっていったくせに」
暢気な声で瑞希に忙しい理由を聞いてくる尚美にイラっとした瑞希は、嫌味ったらしく大声で説明する。
「……お前、まだ三人集まってなかったのか」
「だからそろそろ失礼します。今日中に三人目を見つけないといけないので」
「……そっか、分かった。今日中に私に入部届出しに来いよ」
瑞希には今日中にやらなければならないことがあったし、それにこれ以上尚美と話している姿を見られるのは、瑞希的不利益だ。
軽く会釈して瑞希が尚美の横を通り抜けると幼馴染として瑞希のことが心配だったのが、最後にお節介な言葉を投げかける。
本当に姉の亜美と言い、尚美と言い過保護である。
亜美や尚美には口が裂けも言えないが、別に悪い気はしていなかった。
その後教室に入り、自分の席に向かう。
もちろん、友達がいない瑞希に話しかけてくる気狂いはいない。
瑞希が教室に入っても誰も瑞希に注目してくる人はいない。
まるで透明人間である。
瑞希という人間は確かにここに存在しているのに、誰も瑞希を気にしていない。
そこには彼ら、彼女たちの日常があり、瑞希のことは意識の範囲外の存在でしかない。
それが苦痛かと聞かれれば、別に苦痛ではない。
むしろ、むやみに他人となれ合うことが苦手な瑞希にとっては心地が良い環境だった。
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