柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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28話

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「ダーメ。離したら二人とも逃げるでしょ」

 舞はまるで子供のように唇を尖らせている。
 力づくで逃げ出すこともできるが、明日会った後が面倒になるため瑞希たちは我慢するしかない。
 その後、舞に連行された瑞希たちは目的地に着き中に入る。

「凄い油の臭いね」
「まさにファスト店だな」

 中に入った瞬間、吸っただけで胃が重くなるほどの油の臭いが瑞希たちの嗅覚を刺激した。
 ちなみにワックというのは、全国チェーンのファスト店である。
 その後三人は各々注文し、四人掛けの席に座る。
 ちなみに瑞希の向かい側に舞が座りはす向かいに撫子が座る。
 空いている瑞希の横の席はカバンなど荷物を置く。

「それじゃーいただきます」
「「いただきます」」

 見た目がギャルなのに、変なところで真面目である。

「やっぱりワックのハンバーガーはおいしいよね」

 さっそく包み紙を開けてハンバーガーを頬張る舞。
 瑞希も包み紙を開けてチーズバーガーを食べる。
 さすが全国にチェーンがある店である。
 味の保証は完璧である。

「うぅ……詰まった……」
「なにをしてるんだ、ほらドリンク飲んで」
「全く金森さんったら」

 一気に食べすぎたせいで喉を詰まらせる舞。
 おっちょこちょいである。
 瑞希は急いで舞にドリンク渡し、舞は急いでドリンクを受け取り一気に飲む。
 撫子は呆れながら舞の背中をさすっている。

「ぷはー、ありがとう瑞希ちゃん、撫子ちゃん。マジでやばかった」
「さすがに喉にハンバーガー詰まらせて救急車は恥ずかしいから辞めてよね。まだ高校生なんだし」
「柊さんの言う通りよ。喉に詰まらせないようにゆっくり食べなさい」
「はい……すみません」

 瑞希と撫子に怒られた舞はシュンと肩をすぼめる。
 二人に結構な勢いで怒られた舞はかなり落ち込んでいた。

「まっ、次から気を付けて」
「そうね。喉に食べ物を詰まらせると最悪死ぬから、気を付けてちょうだいね」

 瑞希も撫子も少し強く言い過ぎたと思ったらしく、優しい言葉に言い直す。
 その後、ハンバーガーを食べ終えた三人はポテトをつまみながら、舞がまるで世間話をするかのように自然に話を切り出す。

「そう言えばどうして瑞希ちゃんは午後の授業、ずっとイライラしてたの」
「別に金森達には関係ないだろ」
「やっぱりイライラはしてたのね」
「……」

 やはりと言うかのように撫子は瑞希がイライラしていたことを指摘する。
 撫子に言葉尻を捉えられた瑞希は、しまったと思い無言になるも時すでに遅い。
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