柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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27話

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「別にワックでなくても良いでしょ。ここで聞き出せば」
「二人とも消極的っ。どうして~、行こうよ~。あたしたち高校生になったんだよ。友達と一緒にファストフード店に言って駄弁るのって高校生の憧れじゃん。まさに青春じゃん」

 二人にワックに行くことを断られた舞はショックを受けつつも、高校生の憧れや青春について熱弁する。
 まさか舞も青春に夢見ている女の子だったとは。瑞希は心の中でため息を吐く。
 どうして大人も高校生も高校生に青春を求めるのだろうか。
 友達と帰り道、ワックに寄って買い食いすることが青春?
 全然意味が分からない。
 そもそもワックになんていつもで行けるし、別に青春なんて求めていない。
 まさに青春は呪いだ。

「白鳥は金森の言っていることが分かるか?」
「ごめんなさい。私も分からないわ」

 撫子は本当に分からなそうに首を横に振る。

「分からないなら試して見よう~。さぁ、二人とも帰る用意は終わってるから行くよ行くよ」
「ちょっと待て金森。私は行くとは一言も言ってないぞ」
「ちょっと金森さん。そんなに腕を引っ張らなくても……」

 言葉では二人に勝てないと察したのか、舞は強引に瑞希と撫子の腕を組み引っ張っていく。
 瑞希と撫子は強引な舞に抗議するが、舞の聞く耳を持たなかった。
 瑞希も撫子も最初は抵抗したものの、途中で面倒になり諦めた。
 舞を真ん中に腕を組む三人の姿は、傍から見れば仲良し三人組のようにキラキラ輝いていた。

「なんだ。瑞希ちゃんもちゃんと青春してるじゃないか」

 三人して仲良く?廊下を歩く姿を見ていた尚美は嬉しそうな表情を浮かべていた。
 だから学校で『瑞希ちゃん』言うな。



 放課後の大通りは人が多い。
 放課後ということもあり、自校の生徒はもちろん他校の生徒も帰宅ラッシュということもありたくさん溢れていた。
 もちろん、高校生以外にもオシャレな大学生や、忙しそうなサラリーマン、あまり清潔感がない人まで、いろんな人種が大通りを行き来してた。

「もう学校の外なんだから離せ。恥ずかしいだろ」
「柊さんの言う通りよ。自分で歩くから離してくれないかしら」

 学校の中でも恥ずかしいのに、学校の外で三人して腕を組みながら歩くのは想像するよりも恥ずかしい。

「仲が良いわね~、あの三人組」
「みんな可愛いわね」
「やっぱり高校生は青春よね~」

 若い女子大生か男の娘か分からないが、瑞希たちを見て昔に思いをはせていた。
 大学生ならつい数年前まで同じ高校生だっただろう。
 それに大学生は大学生で夢のキャンパスライフがあるではないか。
 それは青春とは呼ばないのだろうか?
 甚だ疑問である。
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