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29話
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「ほらー、やっぱりイライラしてたじゃん」
「分かったから少し離れろ。顔が近い」
「あっ、ごめん……」
顔が近いことを舞に指摘すると、舞は申し訳なさそうに顔を遠ざける。
テンションが高かったと思えば急に低くなる。
舞は情緒不安定なのだろうか。もしかして生理かもしれない。
でもそんなことを言うとセクハラになるので、このことは心の中でだけにとどめておこう。
それにあんなに距離が近いと吐息がかかって、ドキドキする。
人との接触を最低限しかしてこなかった瑞希は女の子の免疫があまりなかった。
「先輩か先生に目を付けられてイライラしていたとか」
「もしかして告白して振られたとか」
「さすがにそれは早すぎるだろ。白鳥も妄想で喋るな」
「だったらなににイライラしてたのかしら。白状しないと金森さんは多分柊さんを解放しないんじゃないかしら」
「解放しません。えっへん」
なぜ舞は偉そうに威張っているのだろうか。
瑞希的にはこんなことで自分の時間を奪われたくはない。
ほとんどの人間は忘れているのかもしれないが、人間の人生は有限だ。
人間いずれ必ず死ぬ。
だからこそ、こんなところで時間を浪費している場合ではない。
でもファストフードを全て食べ終えたからって、舞が大人しく瑞希を解放してくれる可能性はゼロである。
「分かったよ。話せば良いんだろ」
だからここは瑞希が折れることにする。
こんなところで時間を浪費させるなら、さっさと話して解放される方が有意義である。
その後、瑞希は昼休みに起こった顛末を話した。
ここで意外だったのは舞も撫子も瑞希のこととを一度も茶化すことなく真剣に聞いていたことだった。
「それは柊さんじゃなくてもイライラするわね。私だったらもっと激しい喧嘩になっていたかもしれないわ」
瑞希の話を聞き終えた撫子はまるで自分のことのように怒りを滲ませる。
「えっ、全然あたしの話しじゃん。瑞希ちゃん、嘘はダメだよ」
話を聞き終えた舞は、予想通りというか瑞希が嘘を言ったことに憤慨していた。
憤慨と言っても可愛らしく頬を膨らませているだけなのだが。
「だからあまり話したくなかったんだよ」
舞がそんな反応をすると予想していたから、瑞希は舞たちに話したくはなかったのだ。
舞と椿はいつも一緒にいるほど仲が良い。つまり、友達だ。
だから椿の友達である舞には、こんな椿の悪口みたいな愚痴を言いたくなかったのである。
誰だって友達の悪口なんて聞きたくはないだろう。
「反省ね。確かにこれは金森さんにはあまり聞かせたくない内容だったわね。だから柊さんは言いたくなかったのね」
撫子も興味本位で聞いたことを反省しているらしく、声のテンションが低い。
瑞希の言いたかったことが撫子に伝わったのは良かったのだが、できればもう少し早く気づいてほしかった。
「分かったから少し離れろ。顔が近い」
「あっ、ごめん……」
顔が近いことを舞に指摘すると、舞は申し訳なさそうに顔を遠ざける。
テンションが高かったと思えば急に低くなる。
舞は情緒不安定なのだろうか。もしかして生理かもしれない。
でもそんなことを言うとセクハラになるので、このことは心の中でだけにとどめておこう。
それにあんなに距離が近いと吐息がかかって、ドキドキする。
人との接触を最低限しかしてこなかった瑞希は女の子の免疫があまりなかった。
「先輩か先生に目を付けられてイライラしていたとか」
「もしかして告白して振られたとか」
「さすがにそれは早すぎるだろ。白鳥も妄想で喋るな」
「だったらなににイライラしてたのかしら。白状しないと金森さんは多分柊さんを解放しないんじゃないかしら」
「解放しません。えっへん」
なぜ舞は偉そうに威張っているのだろうか。
瑞希的にはこんなことで自分の時間を奪われたくはない。
ほとんどの人間は忘れているのかもしれないが、人間の人生は有限だ。
人間いずれ必ず死ぬ。
だからこそ、こんなところで時間を浪費している場合ではない。
でもファストフードを全て食べ終えたからって、舞が大人しく瑞希を解放してくれる可能性はゼロである。
「分かったよ。話せば良いんだろ」
だからここは瑞希が折れることにする。
こんなところで時間を浪費させるなら、さっさと話して解放される方が有意義である。
その後、瑞希は昼休みに起こった顛末を話した。
ここで意外だったのは舞も撫子も瑞希のこととを一度も茶化すことなく真剣に聞いていたことだった。
「それは柊さんじゃなくてもイライラするわね。私だったらもっと激しい喧嘩になっていたかもしれないわ」
瑞希の話を聞き終えた撫子はまるで自分のことのように怒りを滲ませる。
「えっ、全然あたしの話しじゃん。瑞希ちゃん、嘘はダメだよ」
話を聞き終えた舞は、予想通りというか瑞希が嘘を言ったことに憤慨していた。
憤慨と言っても可愛らしく頬を膨らませているだけなのだが。
「だからあまり話したくなかったんだよ」
舞がそんな反応をすると予想していたから、瑞希は舞たちに話したくはなかったのだ。
舞と椿はいつも一緒にいるほど仲が良い。つまり、友達だ。
だから椿の友達である舞には、こんな椿の悪口みたいな愚痴を言いたくなかったのである。
誰だって友達の悪口なんて聞きたくはないだろう。
「反省ね。確かにこれは金森さんにはあまり聞かせたくない内容だったわね。だから柊さんは言いたくなかったのね」
撫子も興味本位で聞いたことを反省しているらしく、声のテンションが低い。
瑞希の言いたかったことが撫子に伝わったのは良かったのだが、できればもう少し早く気づいてほしかった。
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