柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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35話

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「椿も早織も別に舞や柊が悪いことしてるわけじゃないでしょ。落ち着いて」

 リア充の中でも帆波は良いリア充らしく、瑞希を一度も貶すどころか一生懸命宥めている。

「帆波。あんたは一体どっちの味方なのっ」
「もちろん基本は椿の味方だよ。でも今回は椿の方が悪いよ。柊に嫉妬して。別に舞は僕たちのものじゃないよ。だから舞が誰といようが舞の勝手だし、僕たちが口出すことじゃないよ」

 癇癪ばかり起こしている椿とは違い、やはり帆波は物分かりが良いリア充のようだ。

「そうね。今の話を聞いていると栗山さんの方が正しいわ。金森さんは誰のものでもないわ。一色さんのものでも柊さんのものでも」

 撫子は静かに帆波の意見に賛同する。

「だそうだ。別に金森が私と話そうが一色と話そうが別に良いだろ。どっかのグループに所属したらそのグループの人間としか話しちゃいけないルールなんてないだろ」

 そもそも、その考えがおかしいのだ。
 別にクラスメイトだったら好きな人と話せば良い。
 確かに、属性ごとにグループが分かれてしまうのはしょうがないだろう。
 だからと言って椿のグループに所属したら瑞希と話してはいけないルールなんてない。

「あっそ。ならご自由に。だったら舞も柊のグループに行けば良いじゃない」
「別にそんなつもりは――」
「それじゃー」
「ふん」

 むんつけた椿は怒りを滲ませながら舞を拒絶した。
 つまり、もう二度と自分たちのグループには来るなということだ。
 もちろん舞にそんな気持ちはない。
 だから否定しようとするものの、聞く耳を持たない椿は冷たい言葉を残して自分の席に行ってしまった。
 早織は椿の味方らしく、鼻を鳴らして椿の後を追う。
 椿と沙織は自分の席に戻り、取り残される四人。
 他のクラスメイトはまるで触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに傍観していた。

「ごめんね三人とも。椿たちは僕がなんとかしておくから」

 常識人の帆波が三人に軽く謝ると、椿のグループに戻っていった。

「あはは、ごめんね瑞希ちゃん、撫子ちゃん。勝手に喧嘩に巻き込んで」

 三人の中で最初に口を開いたのは舞だった。
 舞は笑みはまるで作り笑いのようだった。

「別に金森が悪いわけじゃないだろ。気にするな」
「そうね、柊さんの言う通りよ。あれは子供のように駄々をこねたあっちが悪いわ」

 別に舞の味方ではないが、あれは誰がどう見ても椿たちが悪い。

「……あたし追い出されちゃったな……」

 別にあんな奴らと一緒にいる必要は全くないと思うのだが、グループを追い出された舞はなぜか悲しそうだった。
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