柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

文字の大きさ
81 / 103

81話

しおりを挟む
 高校生にとって最初に訪れる一番楽しみな日はいつか分かるだろうか。
 そう、ゴールデンウィークだ。
 高校二年生は高校にもなれ、受験というプレッシャーもまだないからゴールデンウィークを謳歌することができるだろう。
 高校三年生も、今年は高校生最後のゴールデンウィークだ。悔いが残らないようにゴールデンウィークを過ごすに違いない。
 高校一年生だって、高校初めてのゴールデンウィークに心を躍らせているに違いない。

「そういえば瑞希ちゃんってゴールデンウィークの予定とかあるの?」
「ない」
「えぇー、瑞希ちゃん高校生だよね。高校生って遊び盛りのお年頃よねっ」

 朝、姉の亜美にゴールデンウィークの予定を聞かれた瑞希はきっぱりとした声で『ない』と言うと、物凄く驚かれた。
 いや、ないものはないし。

「高校は三年間しかないんだから、ゴールデンウィークだって三回しかないんだよ。楽しまなきゃ損だよ」
「別に家でゴロゴロしてるから良い」
「ゴロゴロしてるなんてもったいないわ。高校生なんだからお友達と遊ぶ方が楽しいわよ。私も高校生だったらずっと友達と遊んでる」

 亜美は高校生の頃からリア充だったため、瑞希に友達と遊ぶ楽しさを押し付けてくる。
 瑞希は陽キャではなく陰キャだ。
 友達とワイワイしているよりも一人で過ごす方が楽しい。
 それに楽しみは人それぞれで、友達とワイワイするのが楽しい人もいれば、一人で過ごすのが好きな人もいる。

「それは姉さんの考えであり私の考えとは違う。私は一人でゴロゴロしてる方が楽しいから」

 一方的に亜美の価値観を押し付けられた瑞希は、少しムスッとした表情を浮かべながらリビングを出る。
 その後、学校に行く準備をして学校に向かう。
 あと一週間……いや、十日後にはゴールデンウィークがやって来る、
 ゴールデンウィークがやって来るせいか、校内はゴールデンウィーク一色に染まっている。
 ほとんどの生徒がゴールデンウィークを楽しみにしているのかソワソワしている。
 まっ、瑞希には関係ないが。

「おはよう白鳥」
「おはよう柊さん」

 昇降口で撫子と出会いあいさつをかわす。
 撫子は瑞希よりも最初に来ていたらしく、上靴に履き終えている。

「それにしても校内はゴールデンウィーク一色だな。みんな浮かれてる」
「そうね」

 瑞希が上靴に履き替えながら撫子に話しかけると、今日は機嫌が悪いのか返事が冷たい。
 いつもはもっと会話を広げるような発言をするのだが、今日は瑞希と会話をしたくないのかすぐに会話を終わらせるような返しをする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

陰キャの俺、なぜか文芸部の白髪美少女とバスケ部の黒髪美少女に好かれてるっぽい。

沢田美
恋愛
この世の中には、勝者と敗者がいる。 ――恋人がいて、青春を謳歌し、学校生活をカラフルに染める勝者。 そしてその反対側、モブのように生きる俺・高一賢聖(たかいちけんせい)。 高校入学初日、ぼっちを貫くつもりだった俺の前に、 “二人の女王”が現れた。 ひとりは――雪のように白い髪を持つ、文芸部の女神・瀬良由良(せらゆら)。 もうひとりは――バスケ部の全国エースにして完璧超人、不知火優花(しらぬいゆうか)。 陰キャ代表の俺が、なんでこの二人に関わることになるんだ!? 「文芸部、入らない?」 「由良先輩、また新入生をたぶらかしてる〜!」 平凡で静かな高校生活を夢見ていたのに―― 気づけば俺の毎日は、ラブコメと混乱で埋め尽くされていた。 青春なんて関係ないと思ってた。 だけど、この春だけは違うらしい。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密

まさき
青春
 俺は今、東大院生の実験対象になっている。  ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。  「家庭教師です。住まわせてください」  突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。  桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。  偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。  咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。  距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。  「データじゃなくて、私がそう思っています」  嘘をついているような顔じゃなかった。  偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。  不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。

処理中です...