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99話
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「でも今日柊さんの口から『友達』と聞けて心が晴れた気がする。私も柊さんの中では友達なんだって分かって。私だけじゃなかったんだって」
今まで不安そうな表情が一変、晴れやかな笑みを浮かべる撫子。
気のせいか、さっきよりも空の雲が減ったような気がする。
「おかしいわよね。今まで柊さんが他の人に取られて私とはもう話してくれないじゃないかって寂しがってショックを受けていたのに、今は柊さんと友達だということが分かって嬉しいわ」
撫子の本心を聞いて、言葉にしないと伝わらないこともたくさんあるんだなと瑞希は知った。
もし、撫子が言ってくれなかった今も撫子が避けている理由も分からず、お互いモヤモヤしていただろう。
「私も白鳥と仲直りができて安堵している」
これでようやく一件落着で良いだろう。
昨日とは違い、今日の撫子は本当に晴れやかな表所を浮かべている。
「これで私と柊さんは友達になったのよね」
「多分、友達になったで良いと思う」
「そう。私、中学の頃友達いなかったから友達のなり方とかよく分からないから」
「そうなんだ。私も中学の頃友達とかいなかったから、友達ってどういうものか分からん」
「確かになんとなく想像がつくかも」
「お前だって友達いなかったくせに」
「「うふふ」」
雨降って地固まるというのだろうか。
『友達』とお互い口に出して伝え合ったことによって、さらに絆が深まった気がする。
「放課後、金森さんと柊さんが一緒に帰った姿を見た時は凄くモヤモヤしたのに今はもう大丈夫だわ」
撫子の言った放課後はきっと二人の秘密の約束をした放課後のことだろう。
その時しか舞と二人っきりで帰っていないからすぐに分かった。
でもあの時はどこにも撫子の姿を見えなかった気がする。
どこに撫子がいたかを思い出そうとするものの、思い出すことはできなかった。
「良かったね二人とも仲直りできて」
屋上前の踊り場から飛び出してきた舞は、仲直りした二人を見て嬉しそうな表情を浮かべながら二人に抱き着く。
「ちょっと金森。いきなり抱き着くな」
「柊さんの言う通りよ。いきなりビックリするじゃない」
「でーもー、やっと仲直りできたんだよ。ホントに心配だったんだよ」
いきなり舞に抱き着かれた瑞希と撫子は舞に抗議するものの、そんなことを舞に言われると瑞希も撫子も強く拒むことはできなかった。
「でも良かった……これでまた三人でいられるね」
「そうだな」
「ご心配とご迷惑をかけてごめんなさい金森さん。もう大丈夫よ。私と柊さんは友達だから」
「あたしも友達でしょ。あたしは瑞希ちゃんと撫子ちゃんのこと友達だと思ってるよ。……って友達だと思っていたのはあたしだけだったのっ」
舞は『友達』という前から瑞希と撫子と友達だと思っていた。
自分だけ友達だと思い込んでいたのがショックだったのか、舞は驚きの声を上げる。
やはり人間関係というものは難しい。
例えば恋人になりたいなら告白して恋人になるのに対して、友達は告白のように相手に宣言する儀式がない。
どこをもって友達とするかは個人の裁量にゆだねられる。
「金森が言うなら三人はみんな友達だな」
「そうね。みんな友達ね」
「ちょっと二人があたしのこと友達と思ってるのか、凄く不安なんだけどー」
舞の絶叫が屋上の空へと吸い込まれていく。
その後に残ったものは三人の笑い声だった。
今まで不安そうな表情が一変、晴れやかな笑みを浮かべる撫子。
気のせいか、さっきよりも空の雲が減ったような気がする。
「おかしいわよね。今まで柊さんが他の人に取られて私とはもう話してくれないじゃないかって寂しがってショックを受けていたのに、今は柊さんと友達だということが分かって嬉しいわ」
撫子の本心を聞いて、言葉にしないと伝わらないこともたくさんあるんだなと瑞希は知った。
もし、撫子が言ってくれなかった今も撫子が避けている理由も分からず、お互いモヤモヤしていただろう。
「私も白鳥と仲直りができて安堵している」
これでようやく一件落着で良いだろう。
昨日とは違い、今日の撫子は本当に晴れやかな表所を浮かべている。
「これで私と柊さんは友達になったのよね」
「多分、友達になったで良いと思う」
「そう。私、中学の頃友達いなかったから友達のなり方とかよく分からないから」
「そうなんだ。私も中学の頃友達とかいなかったから、友達ってどういうものか分からん」
「確かになんとなく想像がつくかも」
「お前だって友達いなかったくせに」
「「うふふ」」
雨降って地固まるというのだろうか。
『友達』とお互い口に出して伝え合ったことによって、さらに絆が深まった気がする。
「放課後、金森さんと柊さんが一緒に帰った姿を見た時は凄くモヤモヤしたのに今はもう大丈夫だわ」
撫子の言った放課後はきっと二人の秘密の約束をした放課後のことだろう。
その時しか舞と二人っきりで帰っていないからすぐに分かった。
でもあの時はどこにも撫子の姿を見えなかった気がする。
どこに撫子がいたかを思い出そうとするものの、思い出すことはできなかった。
「良かったね二人とも仲直りできて」
屋上前の踊り場から飛び出してきた舞は、仲直りした二人を見て嬉しそうな表情を浮かべながら二人に抱き着く。
「ちょっと金森。いきなり抱き着くな」
「柊さんの言う通りよ。いきなりビックリするじゃない」
「でーもー、やっと仲直りできたんだよ。ホントに心配だったんだよ」
いきなり舞に抱き着かれた瑞希と撫子は舞に抗議するものの、そんなことを舞に言われると瑞希も撫子も強く拒むことはできなかった。
「でも良かった……これでまた三人でいられるね」
「そうだな」
「ご心配とご迷惑をかけてごめんなさい金森さん。もう大丈夫よ。私と柊さんは友達だから」
「あたしも友達でしょ。あたしは瑞希ちゃんと撫子ちゃんのこと友達だと思ってるよ。……って友達だと思っていたのはあたしだけだったのっ」
舞は『友達』という前から瑞希と撫子と友達だと思っていた。
自分だけ友達だと思い込んでいたのがショックだったのか、舞は驚きの声を上げる。
やはり人間関係というものは難しい。
例えば恋人になりたいなら告白して恋人になるのに対して、友達は告白のように相手に宣言する儀式がない。
どこをもって友達とするかは個人の裁量にゆだねられる。
「金森が言うなら三人はみんな友達だな」
「そうね。みんな友達ね」
「ちょっと二人があたしのこと友達と思ってるのか、凄く不安なんだけどー」
舞の絶叫が屋上の空へと吸い込まれていく。
その後に残ったものは三人の笑い声だった。
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