柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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101話

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 撫子と仲直りした翌日。
 久しぶりにすがすがしい朝だった。
 この前は撫子とのいざこざがあり、朝が来るのが本当に憂鬱だった。
 でもそれももう解決し、なにも憂うことがない。

「今日は明るいね瑞希ちゃん」

 亜美も元気のない瑞希を心配していたらしく、すぐに瑞希の変化に気づく。
 さすが血の繋がった姉というべきだろう。

「一つ肩の荷が下りたからな」
「なになに、なにかあったのー。お姉ちゃん、凄く聞きたい」
「さすがに教えないからな」

 さすがに同級生の女の子と喧嘩して仲直りしたなんて恥ずかしくて言えるわけがない。

「瑞希ちゃんも高校生だもんね。色々とあるわよね~。あぁ、青春が眩しい」

 亜美は一人納得した表情で頷いている。
 なぜ大人は高校生と青春をイコールですぐに結ぶのだろう。
 そもそも青春の意味が分からない。
 大人たちは高校生は青春で羨ましいと言うが、高校生だって毎日良いことだけではない。
 撫子と喧嘩してモヤモヤしたり、イライラしたり、ストレスや悩みだってある。
 それをくるめて青春と言い、青春で良いなという大人は、高校生の苦労を知らないのだろうか。
 そもそも瑞希は青春が羨ましいどころか嫌いである。
 自分たちの苦労を青春という言葉で美化されるのが嫌いだ。

「別に青春じゃないから」

 瑞希は冷たく亜美に言葉を吐きかけると、そのまま家を出る。

「瑞希ちゃん、おはよー」
「おはよう、柊さん」
「おはよう……珍しいな白鳥と金森が一緒に登校なんて」

 校門前で舞と撫子と出会った瑞希は、朝から二人一緒だったことに驚いた。
 朝から二人一緒の組み合わせは初めて見たかもしれない。

「珍しくたまたま会ったのよ、そこで」
「そうそう。だから一緒に来たんだ。友達だから。それに昨日や一昨日は避けられまくったから」
「そ、それはもう終わったことでしょ。もう持ち出さないで」

 雨降って地固まるというべきか。昨日よりもさらに仲良くなった気がする。
 舞にからかわれた撫子は頬を赤らめ、拗ねるようにソッポを向く。
 撫子もいつも通りに戻ったようでなによりだ。

「ねぇーねぇー。あたし瑞希ちゃんと撫子ちゃんと写真撮りたいんだけど良いかな」

 なにを思ったのか、突然三人で写真を撮ろうと言い出す舞。

「いきなりどうしたんだ金森」
「そうね、いきなりすぎて頭が追い付かないのだけれども」

 いきなりすぎる提案のせいで瑞希と撫子の頭は追い付かないでいる。
 どうして朝、三人と出会って写真を撮る流れになるのだろうか。
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