柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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102話

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「えっ、なんかこの三人でいられる時間を思い出として写真に残しておきたいな~と思って。ほらっ、写真に撮っておけばずっと思い出を残せるじゃん」

 舞はどうしてもこの三人で写真が撮りたいらしく、熱弁する。
 瑞希はあまり思わないが、舞は思い出を写真とかで残しておきたいタイプらしい。
 確かに写真を撮れば、今生きている一部分を切り取って残すことができ、写真というデータという媒体で思い出を残すことができる。

「すぐに終わるから、こっちに来て」

 瑞希も撫子もあまり乗り気ではないということを悟ったのか、舞は二人の腕を抱きながら人気のないところに移動する。
 瑞希と撫子は、されるがまま舞についていく。
 瑞希も撫子も、いきなりことすぎて抵抗する暇もなかった。

「ほらっ、三人で写真を撮るから、近づいて近づいて」

 舞は本当にこの三人と写真が撮りたいらしく、上機嫌だった。
 舞を真ん中に挟み、舞の右側に瑞希、左側に撫子という並び順だ。
 三人一緒に近くで撮りたいのか、舞は二人の腕を抱きしめ三人の顔を近づける。

「瑞希ちゃん、あたし両手塞がってるから写真取れないや。だから代わりに写真撮って」
「えっ、私が」
「うんお願い。このボタンを押すと撮れるから」

 舞は自分の両手が塞がっているということに気付き、瑞希に助けを求める。
 別に撮るとは言っていないのだが、舞の中では三人で写真を撮るのは決定事項らしく、写真係を瑞希に押し付ける。
 一回撫子の方を見たのだが、腕がガッチリホールドされ逃げることができずに諦めたことをアイコンタクトで伝えてきた。

「それじゃー撮るぞー、はいチーズ」

 撫子が諦めているなら瑞希も諦めるしかないだろう。
 瑞希はスマホのシャッターボタンを押す。
 スマホの画面には三人の頬が触れ合いそうなぐらい近く、体は完全にくっつている、第三者が見れば間違いなく仲良しリア充のような写真だった。

「ありがとう瑞希ちゃん。それじゃー二人にも写真送るね」

 三人で写真が撮れて嬉しがっている舞の声は凄く弾んでいた。

「……あっ、そう言えば瑞希ちゃんも撫子ちゃんも連絡先交換してないじゃんっ」

 スマホのラインを開いて、まだ瑞希と撫子の連絡先を交換していないことに気付く舞。

「……そう言えばそうだったな」
「……確かに交換していなかったわね」

 瑞希と撫子もまだ三人で連絡先を交換していないことに気付いた。
 そもそもクラスメイトと連絡先を交換していなくてもなにも不便がなかったため、すっかり忘れていた。
 その後瑞希たちはお互いの連絡先を交換する。
 初めてラインに家族以外の友達が追加された。
 『白鳥撫子』と『金森舞』の名前が。

「せっかくだから三人のグループラインも作っておくね」

 そう言って舞はすぐに『サポート部』というグループラインを作り、二人を招待した。
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