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55話
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「あたしは後ろを向いてたから気づかなかったけど、傘が丸見えだったよ」
「神崎さんの言う通り。それが逆に可愛くて黙ってたけど」
「ホントですかっ。うぅ~恥ずかしい」
どうやら密樹側からは傘が丸見えだったらしく、それですぐに誰かが盗み聞きをしていることに気づいていたらしい。
まさに頭隠して尻隠さずの状態だったらしい。
そんなことも気づかずに盗み聞きをしていた自分が恥ずかしくて、頬が赤くなる。
「武田さんは神崎さんの『幼馴染』だったよね」
密樹が早苗に話しかける。
やけに『幼馴染』という単語だけアクセントが強かったのは気のせいだろうか。
「はい、そうですが」
早苗は本能的に密樹を敵だと認識し、棘のある言い方をしてしまう。
「武田さんもよろしくね。武田さんとは良い関係でいたいから」
表面上は友好的に話しかけてくる密樹だったが、早苗は本能的に恐怖を覚えた。
あの笑顔は外堀を埋めるためのパフォーマンスだろう。
その後三人で少し雑談した後、解散した。
密樹は茜に対してはもちろん、早苗にも怖いぐらい優しかった。
早苗と茜は付き合っていないが、密樹からは恋敵を見るような目で雑談中見られているようで気が気ではなかった。
その後家に帰った早苗と茜は、早苗の提案により茜の家でお泊りが決定した。
夕飯やお風呂に入った後、寝る前の寝室で早苗と茜はベッドの中に入りながら今日のことを振り返っていた。
「やっぱりラブレターだったね」
「そうだね。文面見て薄々分かっていたけど、初めて告白されたから緊張した」
『あなたのことが好きです』とか『あなたを愛しています』のような直接的な表現こそなかったものの、やはりあの手紙はラブレターだった。
茜にとっては人生初めての告白ということもあり、今日はかなり精神的に疲れているようだった。
一緒のベッドで横になっているということもあり、早苗の目の前に茜の顔がある。
手を伸ばせば触れられるぐらい近くにいるのに、なぜか今日はその距離が遠い。
「私は告白したこともされたこともないから分からないけど、仮に茜ちゃんに告白したり、逆に告白されたら、相手が幼馴染で仲の良い茜ちゃんでも緊張しちゃうな」
まだ告白をしたこともされたこともない早苗にとって、告白をする人や告白される人の気持ちは未知の領域だ。
だから仮に茜で想像した早苗だったが、この世で一番仲の良い茜だったとしても間違いなく緊張するという結論に辿り着いた。
早苗が仮定の話をしている時、茜が驚いたような嬉しそうな、なんとも言えないような表情をしながら目を見開いていたことに早苗は気づいていなかった。
「神崎さんの言う通り。それが逆に可愛くて黙ってたけど」
「ホントですかっ。うぅ~恥ずかしい」
どうやら密樹側からは傘が丸見えだったらしく、それですぐに誰かが盗み聞きをしていることに気づいていたらしい。
まさに頭隠して尻隠さずの状態だったらしい。
そんなことも気づかずに盗み聞きをしていた自分が恥ずかしくて、頬が赤くなる。
「武田さんは神崎さんの『幼馴染』だったよね」
密樹が早苗に話しかける。
やけに『幼馴染』という単語だけアクセントが強かったのは気のせいだろうか。
「はい、そうですが」
早苗は本能的に密樹を敵だと認識し、棘のある言い方をしてしまう。
「武田さんもよろしくね。武田さんとは良い関係でいたいから」
表面上は友好的に話しかけてくる密樹だったが、早苗は本能的に恐怖を覚えた。
あの笑顔は外堀を埋めるためのパフォーマンスだろう。
その後三人で少し雑談した後、解散した。
密樹は茜に対してはもちろん、早苗にも怖いぐらい優しかった。
早苗と茜は付き合っていないが、密樹からは恋敵を見るような目で雑談中見られているようで気が気ではなかった。
その後家に帰った早苗と茜は、早苗の提案により茜の家でお泊りが決定した。
夕飯やお風呂に入った後、寝る前の寝室で早苗と茜はベッドの中に入りながら今日のことを振り返っていた。
「やっぱりラブレターだったね」
「そうだね。文面見て薄々分かっていたけど、初めて告白されたから緊張した」
『あなたのことが好きです』とか『あなたを愛しています』のような直接的な表現こそなかったものの、やはりあの手紙はラブレターだった。
茜にとっては人生初めての告白ということもあり、今日はかなり精神的に疲れているようだった。
一緒のベッドで横になっているということもあり、早苗の目の前に茜の顔がある。
手を伸ばせば触れられるぐらい近くにいるのに、なぜか今日はその距離が遠い。
「私は告白したこともされたこともないから分からないけど、仮に茜ちゃんに告白したり、逆に告白されたら、相手が幼馴染で仲の良い茜ちゃんでも緊張しちゃうな」
まだ告白をしたこともされたこともない早苗にとって、告白をする人や告白される人の気持ちは未知の領域だ。
だから仮に茜で想像した早苗だったが、この世で一番仲の良い茜だったとしても間違いなく緊張するという結論に辿り着いた。
早苗が仮定の話をしている時、茜が驚いたような嬉しそうな、なんとも言えないような表情をしながら目を見開いていたことに早苗は気づいていなかった。
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