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56話
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「……早苗も緊張するんだね」
「ごめん、聞こえなかった。今、なんて言ったの」
「ううん、なにも言ってないよ」
「あれ、それじゃー私の聞き間違いかな……」
茜がなにか言ったような気がしたから、聞き取れなかった早苗は茜に聞き返すが茜はなにも言ってないらしい。
聞き間違いをした早苗は首を傾げるものの、茜が言っていないというなら言っていないのだろう。
「それにしても飯島先輩って綺麗だったな。まさかあんな綺麗な人があたしに告白してくるとは思っていなかったから驚いた。しかも本気みたいだし」
「私も飯島先輩の告白聞いてたけど、罰ゲームとか冗談には聞こえなかったよ。だから本気で飯島先輩は茜ちゃんんのことが好きなんだよ」
「そうだよね……。でも嬉しいかったな。告白されるのは。あたしを一人の女の子として見てもらえているようで」
最初は冗談や罰ゲームの可能性も考えていた茜だったが、密樹に真剣な表情で告白をされ、本気だということを実感した。
それには早苗も同意見で、相づちを打つ。
初めて本気の告白をされた茜はなぜか喜んでいた。
告白をされて喜んでいる茜に、なぜか早苗はイライラとモヤモヤしてしまい、気に食わなかった。
「でも別に茜ちゃんは飯島先輩のことが好きじゃないんでしょ」
「好きではないよ。でも嫌いでもない。でもそれはあたしが飯島先輩のことをなにも知らないからであって、飯島先輩のことを知れば早苗やミチルや渚のように好きになるかもしれない。だから友達になったんだよ。なんか早苗、怒ってないか」
「別に、怒ってないよ」
「そっか……口はでは怒ってないと言ってるけど完全に怒ってるよな。なんでだろう」
密樹に告白をされ喜んでいる茜に、早苗は刺々しい言い方をしてしまう。
早苗の幼馴染ということもあり、茜はすぐに早苗が怒っていることに気づくが、早苗は素直になれずに嘘を吐く。
こんな感情初めてだった。
いつもは大好きな幼馴染になんでも言えるのに、このイライラとモヤモヤした感情だけは言えなかった。
茜もこれ以上深入りするといけないと本能的に察し、口をつぐんだ。
茜は悪くないと頭では分かっているのだが、心が追い付かない。
ベッドや掛け布団からは茜の匂いがする。
いつもは茜と一緒にいるだけで幸せなのに、今日は一緒にいればいるほど、なぜか心が苦しくなる。
「早苗、好きだよ」
茜は早苗の背中に向けて話しかける。
早苗の背中に茜の体温を感じる。
温かくて柔らかい茜の体。
早苗は一度も茜の方を向くことができなかった。
「ごめん、聞こえなかった。今、なんて言ったの」
「ううん、なにも言ってないよ」
「あれ、それじゃー私の聞き間違いかな……」
茜がなにか言ったような気がしたから、聞き取れなかった早苗は茜に聞き返すが茜はなにも言ってないらしい。
聞き間違いをした早苗は首を傾げるものの、茜が言っていないというなら言っていないのだろう。
「それにしても飯島先輩って綺麗だったな。まさかあんな綺麗な人があたしに告白してくるとは思っていなかったから驚いた。しかも本気みたいだし」
「私も飯島先輩の告白聞いてたけど、罰ゲームとか冗談には聞こえなかったよ。だから本気で飯島先輩は茜ちゃんんのことが好きなんだよ」
「そうだよね……。でも嬉しいかったな。告白されるのは。あたしを一人の女の子として見てもらえているようで」
最初は冗談や罰ゲームの可能性も考えていた茜だったが、密樹に真剣な表情で告白をされ、本気だということを実感した。
それには早苗も同意見で、相づちを打つ。
初めて本気の告白をされた茜はなぜか喜んでいた。
告白をされて喜んでいる茜に、なぜか早苗はイライラとモヤモヤしてしまい、気に食わなかった。
「でも別に茜ちゃんは飯島先輩のことが好きじゃないんでしょ」
「好きではないよ。でも嫌いでもない。でもそれはあたしが飯島先輩のことをなにも知らないからであって、飯島先輩のことを知れば早苗やミチルや渚のように好きになるかもしれない。だから友達になったんだよ。なんか早苗、怒ってないか」
「別に、怒ってないよ」
「そっか……口はでは怒ってないと言ってるけど完全に怒ってるよな。なんでだろう」
密樹に告白をされ喜んでいる茜に、早苗は刺々しい言い方をしてしまう。
早苗の幼馴染ということもあり、茜はすぐに早苗が怒っていることに気づくが、早苗は素直になれずに嘘を吐く。
こんな感情初めてだった。
いつもは大好きな幼馴染になんでも言えるのに、このイライラとモヤモヤした感情だけは言えなかった。
茜もこれ以上深入りするといけないと本能的に察し、口をつぐんだ。
茜は悪くないと頭では分かっているのだが、心が追い付かない。
ベッドや掛け布団からは茜の匂いがする。
いつもは茜と一緒にいるだけで幸せなのに、今日は一緒にいればいるほど、なぜか心が苦しくなる。
「早苗、好きだよ」
茜は早苗の背中に向けて話しかける。
早苗の背中に茜の体温を感じる。
温かくて柔らかい茜の体。
早苗は一度も茜の方を向くことができなかった。
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