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第二章 牢獄出たらダンジョンで
無双(に見える耐久戦)
しおりを挟む「でやああぁっ!」
俺は貯金箱を片手に突撃した……のだが、当然このままでは迎撃されるのは目に見えている。なので、まずは陣形を崩す。
「これでも……喰らえっ!」
俺は手に握った銀貨をスケルトン達の頭上に来るように放り上げる。そしてなるべくスケルトン達の中央に来るタイミングを見計らい、
「金よ、弾けろっ!」
その声と同時に銀貨が光ったかと思うと、多くのスケルトン達を巻き込んで炸裂する。
閃光と共に爆炎と爆風が巻き起こり、階段が一瞬大きく揺れると共に周囲一帯は煙に包まれる。銀貨一枚は正直懐が辛いが、これで少しでも陣形を崩せれば儲けものだ。そう思っていたのだが、
「……なんか前よりも威力が上がってないか?」
予想よりも爆発の規模が大きい。直撃したのは四、五体だが、ある者は頭蓋骨が砕け散り、ある者は肩の関節が吹き飛び、一番酷いのは上半身が丸々大破と酷い有り様だ。
ゴリラ凶魔の時は腕の肉が少し抉れるだけだったからそこまでではないと考えていた。しかしこの惨状を見ると思っていたよりもエグイ。幸いスケルトン達は骨だけなので血も肉片もない。だがなんとなく敵だけどすまない気になってくる。
「なんかゴメン。しかし手加減出来るほど俺は強くないからな。やられたくない奴は道を開けろっ!」
俺はそう叫びながらスケルトン達の中に飛び込んだ。さっきの爆発でスケルトンの大半が体勢を崩している。今しか懐に入る機会はない。
一応降伏勧告をしたんだが、当然のことながらどのスケルトンも道を開けようとはしない。ならばこっちも暴れるだけだ。
俺はスケルトン達の中で貯金箱を強引に振り回した。当たる端から砕けていくスケルトン達。やはり骨だけの身体だから脆いようだ。しかしスケルトンは胸部の奥辺りにある核を何とかしない限り動き続ける。
目的は時間稼ぎだが、守勢に回っていたら押し切られかねない。まだまだ続々と壁から出てくる上に、相手には弓を持った奴も居る。
持久戦は悪手。ならば……こっちから攻め込むだけだっ!
「うるああぁっ!」
剣を振り下してきた奴に、下から貯金箱を振り上げて腕ごと剣を弾き飛ばす。そのままの勢いで貯金箱を投げつけ、奥から弓矢でエプリ達を狙っていた奴の胸部に叩きつける。
武器が無くなったとばかりに左右からそれぞれ槍で突いてくるのを、片方に銅貨を投げつけて撃退。もう片方を、再び貯金箱を手元に出現させてそのまま弾く。
槍の手入れはイマイチだったようでぽっきりと折れ、武器のなくなったスケルトンに、お返しとばかりに蹴りを入れて通路から放り出した。そのまま落ちていくスケルトンを見届けもせず、俺は次のスケルトンとの戦いに臨む。
この部分だけ抜き出すと無双系の主人公かと思うかもしれないが、実際はそこまで無双ではない。
元々スケルトン達の動きは鼠凶魔などに比べれば大分遅いし、カクカクしているから次の動きが読みやすい。それになんだかんだジューネの援護も効いていた。
「このっ! このっ! 他に何か無かったですかね?」
ジューネが追いついてきたボーンバット達に放っていたのは、店で見たお札のような物。投げられたお札は空中で何故かピタリと停止すると、一瞬光の膜のようなものを周囲に造ってボーンバット達を足止めする。
エプリが溜めで動けない以上、ボーンバットを足止めしてくれるなら大助かりだ。
しかしそれでも何回か躱し損ねて身体は傷だらけだし、自分が穴に落ちそうになってヒヤッとしたのも一度や二度ではない。
戦っていて改めて分かったが、俺の頑丈さは結構な物だったりする。一度途中で脇腹に斧を受けた時はもうだめだと思った。しかし痛いのだが大した傷にはならなかったのだ。
勿論斧自体がボロボロだったというのもある。だが考えてみれば、これまで牢屋で床に顔面ダイブしたり、額に“風弾”を何発も受けても平気だったことを思えばこれくらい大丈夫なのかもしれない。
「ま、まだまだぁ。かかって、こいやぁ」
だが体力が無限という訳じゃない。俺ははぁはぁと肩で息をしながら周りのスケルトン達を睨みつける。もうスケルトンを何体倒したか分からない。
元々俺は戦い方なんて知らないのだ。だが何とか戦えているのは俺の加護と、以前イザスタさんの戦い方を見ていたのが大きいのだろう。
あの人の戦い方は無駄がなかった。つまりそれだけ体力を消費しない戦い方だ。途中でそれを思い出し、なるべく無駄な動きを抑えるよう努める。
だがそれもあくまで見様見真似。もう身体のあちこちがギシギシと鳴り、まるで重りでも付けているかのように重い。だが、
「エプリの準備が出来るまで、ここを、通さないぞ」
それでも戦いを止める訳にはいかない。まだ時間稼ぎが終わっていないのだ。……なんだか時間稼ぎばっかりしているな。次は金を稼ぎたいね。そんな事を考えるくらいには余裕があるかもしれないが、そろそろキツくなってきた。頼むから早くしてくれエプリ。
「……準備できたわっ!! そこから離れてっ!!」
その言葉を待ってたぜ。俺は力を振り絞ってスケルトン達に銅貨をばらまき、半ば転がり落ちるようにエプリ達の所に戻る。
「……待たせたわね。疲れた?」
「なに。もう二、三十分くらい余裕だったさ」
俺はそんな状態でニヤッと笑ってみせた。こういう時でも男は見栄を張らなければならないのだ。
エプリはそんな俺を見てフッと呆れたように笑う。その彼女の周囲には、風が俺達を護るように渦を巻いて吹き荒れている。以前見た“竜巻”の時よりもさらに凄そうだ。
「……ジューネ。これから突破口を切り拓くわ。反動があると思うから、しっかり私に掴まっていて」
「わ、分かりました」
ジューネはガシッとエプリの腰のあたりに手を回す。
「ついでに俺も」
「アナタは自力で踏ん張りなさい」
即答である。いつも……と少し間をおいて話すエプリがノータイムでバッサリである。あと微妙に視線が冷たい。
冗談だって。だからジューネもジト~っとした視線を向けないように。……ほらっ! スケルトン達が手に手に武器を構えてまたやってきた。だから早いとこ何とかして!
「……それじゃあ行くわ」
その言葉と共に、周りに吹き荒れる風が一段と強くなり、目に見える小型の竜巻が二つエプリの前に出現する。二つ? 牢屋で戦った時は三つ出していたと思うが魔力の温存か?
そう思った時、なんと小型の竜巻が二つぶつかって一つに重なった。その分勢いを増し、もはや俺自身踏ん張るのがだんだんきつくなってきている。スケルトン達もこの余波だけで飛ばされ始める個体が現れる。これはヤバいぞ!
「……風よ。今一つの槍となり、我が敵を薙ぎ払え」
エプリはそこで両手を前に突き出し、それに合わせるように一つとなった竜巻も前方に向けて角度を変える。まるで巨大な風の槍のように。……待てよ? さっきの俺の銭投げ(銀貨)でも結構階段がアレだったよな。そこにこんな凄そうなのが決まったら……。
そして、エプリはその言葉を紡ぐ。
「……吹き抜けろ。“大竜巻”」
次の瞬間、巨大な風の槍がスケルトン達ごとこの階層を貫いた。
吹き荒れる暴風。響き渡る轟音。あまりの暴風に両腕で顔を庇いながら前傾姿勢になって踏ん張る。まさかここまでとは。もしこれを牢獄で使われていたらエライことになっていたぞ。
“大竜巻”は触れるスケルトン達をことごとくバラバラに吹き飛ばしながら階段を吹き荒れ、そのままの勢いで階段沿いに上部へ突き進んでいく。だが、
「マズイっ! 崩れる!」
予想通りと言うか何というか、“大竜巻”の威力に階段や壁が耐えきれずに崩壊が始まった。上からもボロボロと小石サイズの瓦礫が降ってくる。スケルトンは一掃できたがこれでは……。
「エプリがあんな物凄い技を使うからだぞ! 階段まで壊しちゃこっちも通れない!」
「……問題ないわ。ジューネはしっかり掴まっていて……飛ぶわよ!」
飛ぶ? 飛ぶって一体? 一瞬理解に苦しんでいると、エプリはなんとジューネと一緒に階段から穴に向かってジャンプした。わぁバカ!? 何やってんだ!? 俺は慌てて通路の淵に駆け寄る。すると、
「“強風”」
その言葉と共に、落下するエプリとジューネがそのまま空中に浮いたのだ。それだけでなく、崩れ落ちてくる階段の破片が二人に当たる直前で軌道が逸れていく。どうやら風で直撃を避けているようだ。
「このままジューネを連れて出口まで最短距離で上がるわ」
「何だよ! 飛べるなら最初から言えよ! 焦って損した。それに最初から飛んでいけばこんなに苦労しなくても良かったのに」
俺は文句を言う。一瞬本気で焦ったんだからな!
「……飛べると言っても長時間は無理だし、護衛だけ先に行っても意味無いわ。それにどのみちスケルトンがあれだけいたら妨害されるから、まずは数を減らさないといけなかったの」
エプリは淡々と説明する。理由は分かったけど、次からは先に言っておいてほしい。心臓に悪い。
「……エプリさん」
ジューネが掴まったままの状態で呼びかける。両手でがっしり掴まっているので今は大丈夫そうだが、あまり長くはもちそうにない。よく見たら腕がプルプルしている。
「分かってる。……じゃあ私達は先に行くから、アナタは自力で追ってきて」
「自力でって、こんな瓦礫が降ってくる中を一人で行けっての?」
さっきから微妙に小さい瓦礫が頭にコンコン当たっているのだ。今はまだ小さい破片程度だが、もっとデカいのが降ってくるかも。
「一度に飛べるのは二人が限度よ。……それ以上になると不安定になるし、風による落下物避けもうまく働かなくなる。それでも良い?」
ちょっと想像してみる。俺が一緒に掴まって出口まで行こうとすると……うん。降ってきた瓦礫に頭をぶつけて落っこちる様子が簡単に浮かんでくる。それに俺だけならたんこぶで済むかもしれないが、エプリやジューネに当たったらたんこぶではすみそうにない。
「仕方ないか。それじゃあ先にジューネを頼む。俺は何とかついていくから」
「分かったわ。……ジューネを送ったらすぐ戻るから、それまで頑張って」
そう言うとエプリはジューネを連れて、ふわりと吹き抜けになっている部分を昇っていった。最短距離だし結構速度もあるので、これならすぐ到着しそうだ。……よし。あとは俺だけだな。俺は瓦礫の降り注ぐ階段を慎重に走っていった。
「はぁ。はぁ」
俺は階段を駆け上がる中、大竜巻から僅かに生き残ったスケルトン達は降りかかる瓦礫を避けられずに更に数を減らしていた。壁の穴も瓦礫で塞がれたので増援の心配はない。
床が瓦礫でデコボコしているためまともに動けるものが少なく、俺を攻撃する余裕のなさそうな奴はそのまま放置して先へ。いちいち戦っている暇はない。
「とりゃあっ」
それでも立ち塞がってきた一体に貯金箱を叩きつける。武器を持つ腕を破壊し、倒したか確認もせずそのまま横をすり抜けて先へ進む。今は時間が惜しいんだってば。襲ってくんな! 俺は目の前に落ちてきたやや大きめの瓦礫を避けながら心の中で呟く。
出口の位置を確認すると、瓦礫やスケルトンの妨害で進みは遅いがもう少しだ。遠目だが人影が出口に見える。おっ! エプリも空中を飛んでこちらに向かってくるな。
「…………よ!!」
一人だからか、ジューネを連れていた時より凄い速さでこちらに向かってくる。そんなに急がなくてももうすぐ到着するってのに。何か叫んでいるようだけど……何だ?
「……急いでっ! 後ろよっ!!」
ようやく聞き取れる距離まで来た時、エプリの緊迫した声が響いた。後ろ? 後ろって……。
「キイキイ。キイキイ。キイキイキイキイ……」
「げっ!?」
おびただしい数のボーンバットの群れが、降り注ぐ瓦礫をものともせずこちらに向かっていたのだ。
「“風刃”」
エプリがこちらに向かいながら風の刃を放つ。だが、それによって数体が切り裂かれ、他にも瓦礫によってそれなりの数が墜落していくのにも関わらず、集団の勢いはまるで弱まることが無い。
「う、うおおおおおっ!」
もう少しだってのに、あんなのと戦っていられるか! 俺は力を振り絞って階段を駆け上がる。しかしどうしても空中という最短距離を飛ぶボーンバット達の方が速い。あと出口まで壁を一回り半という所で遂に追いつかれてしまった。
「このっ! 離れろっての!」
体中に骨蝙蝠達が纏わりつき、俺に牙を突き立てようとする。必死に振り払おうとするが、はらってもはらってもキリがない。そして、
「離れ…………えっ!?」
ボーンバット達に気を取られて、階段の崩落に追いつかれたと気付いた時、俺の身体を浮遊感が襲っていた。
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