遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?

黒月天星

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第三章 ダンジョン抜けても町まで遠く

頼られた男

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「……それでだ。わざわざ俺達の話し合いを黙って見ていたお前には、待っていてくれてありがとうとでも言えば良いのか? クラウン」
「いえいえ結構ですよ。私もお二人の話を聞いて感動しましたから。……そう。なんて面白い喜劇かとねぇ。クハハハハ」

 正直途中で襲ってくるかと思っていたんだが拍子抜けだ。クラウンはエプリの強風で空いた距離を保ったまま動かなかったのだ。エプリが毒で弱っている絶好のチャンスなのに何故? 俺を警戒してって訳もないだろうし。

「仲間? 一緒にこの状況を切り抜ける? はっ! 出来もしないことを夢見がちに語る愚か者と、雰囲気に流されて自分の境遇を忘れたふりをしている哀れな道具。その何とも言えない馬鹿馬鹿しさに、私つい見入ってしまいましたよ。チップを投げてあげても良いくらいです」
「悪いけどそれは遠慮するわ。……チップの代わりにナイフでも飛んで来たらたまらないものね」

 クラウンの嘲りに皮肉で返しながら、ふらつきながらもしっかりと相手を見据えて立つエプリ。

「……ダメね。身体がフラフラしてまだまともに動けないし、さっきみたいな事もあと何回出来るか分からないわ。……だけど、 クラウン?」
「何を言い出すかと思えば」
「エプリ。それはどういう事だ?」

 クラウンの奴も同じって……もしやアイツも毒か何か受けたんだろうか?

「さっきクラウンと戦った時から何か違和感があったの。動きにキレが無いって言うか……さっきから動かない事も踏まえて考えると、向こうも本調子じゃないみたいね。……さしずめ牢獄を出た後『勇者』にちょっかいを出して、返り討ちにあったという所かしら? ……そちらの方が余程喜劇的じゃなくて?」
「っ!? い、言わせておけばこの混血の分際でっ!」

 おっ! クラウンの奴結構頭にきてるみたいだな。フードで素顔は見えないが、僅かに見える頬が引きつっている! 

「図星みたいね。……ほらっ! 頭に来たならさっさとかかってきなさい。いつもの短距離転移でも使って……ね」

 うわぉ。何かエプリの挑発がガンガンヒットしている。これまでの事からクラウンは人をいたぶるのが趣味の変態だと思われるが、逆に自分がおちょくられるのはあまり慣れていないと見た。これだけ言われたら早速襲い掛かってきそうなものだが。

「ぐっ……」

 動かない。ナイフを両手に構えるもののそれだけだ。転移も使わないし確かに違和感がある。

「……傷はランクの高いポーションで治せる。体力も無理やり回復させる事は可能ね。……だけど魔力はそうはいかない。魔力の元である魔素は有っても、それを自分の魔力に変換するのはあくまで自分の身体。……おまけに空属性は魔力消費が激しい。この前の戦いではさぞ何回も転移を繰り返したでしょうね。私がいなくなった後も」

 エプリは淡々と推測を述べていくが、クラウンは悔しそうに歯ぎしりをしながらもやはり動かない。

「そしてその後『勇者』にちょっかいをかけてボロボロにされ、アナタは這う這うの体で逃げ帰った。惨めに、顔を苛立ちで歪ませながら……」
「だ、誰が『勇者』などに返り討ちにされるものかぁっ!! 忌々しくも邪魔してきたあのイザスタという女さえいなければ、今頃は『勇者』を確保していたのだっ!」
「……成程。あの女イザスタにやられたの」

 クラウンの奴相当頭に血が上っているな。イザスタさんにやられたって自白したぞ。イザスタさん強いもんなあ。牢獄でもトラブルがなかったら、あのまま多分クラウンを仕留めていたと思う。……元々『勇者』に近づこうとしていたから、牢を出てすぐ向かったんだろう。

「あの女にやられながらも撤退したアナタは、おそらく相当魔力を消耗したんでしょうね。襲撃のメンバーを全員拾って脱出したとしたら、もうその時点で魔力はほぼ尽きていたはず。数日経ったけどまだ全快しきっていないから、あまり頻繁に転移してまた消耗するのは避けたいといった所ね。だから最初はさっさと私を殺して撤収するつもりだった。……だけどトキヒサの乱入で話が変わってきた」
「……俺っ?」
「そう。本来さっき私は死ぬ筈だったけど、トキヒサのどさくさで僅かに回復している。これ以上長引けばまた転移を使わざるを得ない。かと言って使い過ぎれば撤退用の魔力が無くなりかねない。だから動かず待っているのでしょう……コイツが来るのをねっ! “風刃”!」

 そう言い終わると同時に、エプリは風刃を放った。一体何をとあっけにとられたが、次の瞬間地面から何かが飛び出してきて風刃を迎撃する。あれは……影だ! 影が動いて盾のようになって風刃を防いだのだ。




 戦端が開かれたのはそれが合図だった。謎の影の出現と同時に、クラウンがエプリを狙って転移を仕掛けた。エプリの注意は完全に影に向かっていて、その背後から忽然と現れたクラウンには気がついていない。エプリの読みだともう何度も使えないカード。それをこの絶好のタイミングで切ったのだ。

「死になさい」

 聞こえるか聞こえないかという小さな声で呟きながら、クラウンは持っているナイフを振り下ろそうとする。その顔は相変わらずフードで隠れて見えないが、口元に嫌な嗤いを浮かべているのだけは視えた。

 今のエプリは身体をまともに動かせず、気付いていたとしても躱しようがない一撃。クラウンも必殺を予想していたであろう一撃。だけど、

「トキヒサっ!!」
「おうっ!」

 

 クラウンがいつ転移を使ってきても良いように、エプリの周りに神経を集中していたともさ。……まあ自分の警戒は疎かになっていた気もするが、そこはエプリが何とかしてくれるから良いのだ。

 俺は密かに持っていた銅貨を投げつけた。銅貨は振り下ろされるナイフを持つ手に当たり、衝撃でクラウンはナイフを取り落とす。

 爆発させた方がダメージはデカいが、人に向かって爆発物を投げるのも気が引けるし、下手したらエプリまで巻き込む位置だからやめとく。……う~む。これが正しい銭投げかもな。

「……そっちは任せたわよ」
「任されたっ!」

 交わす言葉はこれで十分。エプリは今の状況で、クラウンが自分に仕掛けてくるのをおそらく予測していたのだと思う。だが分かった上で影の対処を優先した。俺がクラウンを何とかすると。さっきの一緒に何とかするという言葉を信じて。

 これまでエプリはほとんどの事を自分だけでやろうとしていた。戦いの時も真っ先に自分が出て俺を護ろうとしていた。そのエプリが、ここで俺を頼って戦いの一部を任せた。護衛としてだけではなく、互いに護り合う仲間として。

 これで奮い立たない奴は男じゃないだろっ!

 僅かな時間痛みで動きを止めたクラウンに、俺は身体ごとぶつかる勢いで殴り掛かった。クラウンはお得意の転移で避けるかと思いきや、バックステップをしながらこちらにもう片方の手でナイフを投げつける。だけどなぁ。

「そんなんに負けるかぁっ!」

 ここしばらくエプリの魔法を見たりその身に受けたりしてきたせいだろうか? 飛んでくるナイフを冷静に見ることが出来た俺は貯金箱を振り回して弾き返す。こんなのエプリの風刃や風弾に比べれば怖くないっての! ……比較的だけど。

「なっ!?」

 しかしこれはクラウンも予想外だったのだろう。一瞬弾かれたナイフに目が行く。チャンスっ! 俺は一気にクラウンとの間合いを詰めた。くらえっ!

「うるああぁっ!」
「ぐふっ!?」

 俺はこれまでの怒りやら諸々込めた貯金箱を、下から掬い上げるようにぶん回してクラウンの顎をかち上げた。そのまま思いっきり振り抜き、この世界に来てからそれなりに上がった腕力でクラウンの身体を吹っ飛ばす。……手応えあった! 

 クラウンはそのまま受け身を取ることもなく背中から地面に落ちる。牢獄でもイザスタさんの一撃を受けて耐えていたからな。見た目よりタフみたいだから死にはしないだろう。だが顎を打ち抜いたからしばらく頭がグラグラするはずだ。

「これは牢獄の巨人種の人の分と、エプリにあんな事をした分だ。他の悪さの分は起きてからまた個別にお返ししてやるからそこでしばらく寝てろよ」

 本当なら縛り付けた方が良いのだが、考えてみれば転移されたら縛っても無駄だ。なので今はエプリの手助けに行くことを優先する。待ってろエプリ。すぐにそっちに行くからな。




 さっきのポーションで傷や体力は何とかなっても。多少復調したとはいえ、解毒しない限り不調は続くのだ。エプリもそんな状態で長く戦えない。

 クラウンから解毒剤を分捕れれば良かったが、どれがそうかなんて分からない。下手に違う薬を飲ませて悪化したら大変だし……エプリに薬の知識が有ったら見てもらうか。そんな事を考えながら向かったのだが。

「……ありゃっ!?」

 そこには。エプリは近くの岩に寄り掛かって動かず、頭上から月明かりが岩場を照らしている。

「エプリっ! こっちはひとまず大丈夫だ」
「……影に気を付けてっ! そこから襲いかかってくるわっ!」

 俺に気づいたエプリだが、そのままの体勢で地面から……正確には地面に伸びる影から視線を切らさない。影を操る魔法か! しかし、

「影ったって……どこの影だ?」

 そこら中岩の影だらけでどこから来るか分からない。ひとまずエプリの近くへ、

「……っ!? トキヒサ足元っ!」
「なぬっ!?」

 その言葉に足元を見ると、真下の。かと思うとそのまま槍のように突き上がってくるっ!

 咄嗟に首を傾けて躱すが、僅かに頬を掠めて血が噴き出す。……もしエプリの声で気付かなかったら、頬じゃなくて首に直撃してなかったか?

 呆然としている俺に向かって影は再度攻撃を仕掛けてきた。だが、

「“風弾”! ……トキヒサ。今よ!」

 エプリが影に向かって風弾を打ち込み追撃を止める。呆然としていた俺はハッとして、慌ててエプリの近くに転がり込んだ。どうやら操っている影は俺の影ではなく重なっていた岩場の影だったようで、影はその場で再び元の平面に戻っていた。

「あっぶな~っ! 異世界を舐めてたつもりは無かったけど、今エプリがいなかったらヤバかったな。ありがとエプリ」
「……私が居たから危ない目に遭ったって言い方も出来るけどね。だけど……これで分かったでしょう? これはかなりマズい状況だって」

 確かにな。そこらから影が襲ってくるってかなりマズイ状況だ。エプリが何故ここから動かないのかと気になっていたが、体の不調だけでなくここが周りの影から離れている事もあるようだ。これなら警戒する場所は少なくて済む。
 
「この魔法は闇属性の“影造形”と“潜影”。影を操りながら術者も影に潜っているの。影の中にいる間はこちらも攻撃できないから、どうしても動きが後手に回ってしまう」
「成程。ところでそいつは一体誰なんだ? クラウンの仲間か?」

 いきなり襲われては何が何だか分からない。ここは少しでも情報が欲しい。

「……私も初めて会ったからよく知らないわ。クラウンが言うには奴の名はセプト。私の後任……らしいわね」
「後任ってつまりアイツの護衛役か? 護衛しきれてないじゃん!」

 さっきクラウンにキツ~い一発を食らわせたばかりだぞ。護衛役なら妨害の一つくらいしても良さそうだけどな。……もしエプリだったらここまで簡単にはいかなかったと思う。牢獄で俺がクラウンを殴った時は、イザスタさんが援護してくれたおかげだしな。

「……そこはまだ連携がなってないようね。仮にも私の後任なら最低限はこなしてほしいものだけど……どちらかと言うと奇襲や暗殺の方が得意そうね」

 それは言えてる。静かに影に潜み、こっそりと至近距離から影の刃で一撃。どこの始末人だと声を大にして言いたい。……まあ静かに風の刃で相手を仕留めるエプリも結構それっぽいけどな。もしやそういう意味での後任か? そんな事を考えていたらエプリがこちらをじろりと睨んできた。

「……アナタ今失礼な事を考えなかった?」

 うおっ! ごめんなさい! これ以上考えないよ! イザスタさんといいエプリといい、俺の知り合う女性は勘が鋭すぎる気がする。

 しかし……この影どうしたもんかなぁ。
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