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第四章 町に着いても金は無く
解呪師の居場所と勉強会の約束
しおりを挟む「よ~し。やる気も出たし早速出発するとしますか」
キリはそう言うとグッと体を伸ばす。出発って……何処へ? そう尋ねる
「まずはその箱があった町に。現地でないと分からない事も多いからね! という訳でゴメンエプリん。戻るまで依頼は受けられそうにないや」
「だからエプリんと呼ばない! ……別に依頼は良いわ」
「まあまあそう言わずに。戻ったら色々と引き受けるからね。例えばそう……エプリんの探している薬の在処とかね」
「……っ!? どうしてそれをっ!?」
薬? 不意に出たその言葉にエプリは妙な反応をした。隠していた秘密をズバリ暴かれたような。
「さ~てどうしてでしょう。おっと。馬車に乗り遅れちゃうよ! それじゃあ皆さん。またね~」
「待って。まだ話は……」
エプリの呼びかけに応えることなく、キリはそのままシュッと指を振ると身を翻して走り出した。……速っ!? 瞬く間に人混みに紛れてしまったぞ。
見えない程の速さだったアシュさんとは違い、こっちは視界には入るけど視線から上手く外されてしまうというか。どうやらそれはエプリも同じだったらしく、悔しそうにキリの消えた方を睨みつけている。
「ふぅ。いつも現れる時もいなくなる時も突然なんだから困ります。まあ仕事が早いのは良いんですけどね。それで商談は終わりましたがどうします? 少し町を見て回りますか?」
「いや。一度アシュさんと合流しよう。向こうの様子も気になるし。そうだろエプリ?」
「……そうね」
見て回りたいが今の俺達はジューネの護衛だ。なら先にアシュさんと合流した方が良い。そう思いエプリに声をかけたのだが……どこか気のないというか心ここにあらずと言う感じだ。どうしたのだろうか?
「そうですか。では戻るとしましょうか。皆さんクラウドシープに乗り込んでください」
そうして俺達が都市長さんの屋敷に戻る中、エプリはずっと何か考え事をしているようだった。
「今日はありがとうございました。おかげで助かりました」
「そうかなぁ。あの分だったらジューネだけでも大丈夫だったんじゃないか?」
屋敷に到着し、アシュさんと合流して護衛の仕事は終了した。しかしお礼を言われても、エプリとセプトはともかくとして今回俺は特に何もしていない。
「いえいえ。一緒に居るだけで揉め事の抑止になるんですよ。何せ私はほらっ! ただのか弱い少女ですから」
「いや雇い主様よ。か弱い少女が護衛一人でダンジョンに潜ったりはしないだろ」
アシュさんの的確なツッコミにジューネは軽く目を逸らす。全くその通りだと思う。あんなに堂々とした交渉をしてか弱いとは何だって話だ。
「まあ何はともあれ皆ありがとうな。……こっちもそれなりに進展があった。まずこれからのヒースの鍛錬にひとまず十日の予定を組んだから、その間ここに滞在する事になる」
出かける前にもそんな感じに言っていたな。セプトの治療にも最低七日くらいかかるらしいし、キリと話した時の期限も十日だった。ほぼ確定って事か。
「それともう一つ。指輪を解呪できる奴が何処に居るか分かった」
「本当ですかアシュ!」
「ああ。さっき連絡が来た。大体の居場所は掴んでいたんだが、本人からの連絡を待っていたんだ」
「……やっとね」
指輪の解呪。これはエプリもジューネも他人事ではないので身を乗り出す。
ジューネからすれば欲しがっている幸運を呼ぶ青い鳥の羽がかかっているし、エプリも俺がダンジョンで手に入れた金目の物を売却した利益の二割を払う事になっている。
この場合ダンジョンの中で指輪(の入った箱)を手に入れたので、権利はエプリにもあるのだ。
「それでアシュさん。その人は何処に?」
「それが……場所はハッキリしたが少々厄介な場所でな。今エイラ……俺の知り合いの解呪師なんだが、交易都市群第十二都市ラガスにいる」
「ラガスっ!? 何でまたそんな所に?」
「それがよく分からない。あそこは性格的にも能力的にも合わないと思うんだがなぁ」
何やら場所を聞いた瞬間、ジューネが驚いたように話すとアシュさんも首を傾げながら答える。二人だけで納得していないで俺にも教えてくださいよ!
「うん? ああ。トキヒサは知らなかったか?」
「はい。地理とか詳しくなくて」
「じゃあ私が説明しますね。エプリさん達は大丈夫ですか?」
ジューネが確認するとエプリは知っているようだった。セプトは知らないので俺と一緒に聞く事に。
「簡単に説明すると、交易都市群の各都市にはそれぞれ特色があります。例えばこのノービスは交易都市群の中で魔国と一番近い都市。その為魔族の方への対応も他の都市よりかなりしっかりしています。そして話題に上がったラガスは、一言でいえば賭け事に力を入れている都市です」
ジューネの説明によると、そこは別名ギャンブル都市とも呼ばれていて都市の五分の一が賭け事に関連する店らしい。全交易都市の中で金の流れだけで言えば一、二を争うほど賑やかだとか。
「ただ特色上治安が悪く、護衛をつけていないと危険なんです」
つまり金と欲望渦巻く危険地帯って訳か。確かにそれは厄介そうだ。だが、
「大丈夫。私が、トキヒサを守る」
「……やっと護衛らしい仕事が出来そうね」
しかしこっちは頼れる護衛と言うか仲間が居る。まあやる気を見せている二人はひとまず置いておく。
「ラガスはノービスからだと馬車でおよそ二日かかります。やはりネッツさんに物資の準備をしてもらって正解でしたね」
馬車で二日か。これは遠いのか近いのか。日本に居た頃の感覚で言ったら遠いというべきだけど、この世界においては近い気もする。
「ところでアシュさん。そのエイラさんは賭け事には強い方なんですか?」
「微妙だな。くじ運や引きの強さだけなら結構強いと思うが、心理戦が絡むとちょっと不安って所だ。ポーカーフェイスも下手だし」
「じゃあ強くないけど賭け事自体が好きとか?」
「それもどちらかと言うと違う。賭け事を否定はしないが積極的にする奴でもない。だから妙なんだ」
確かに不思議だ。そんな人が何の用があってラガスにいるのか?
「今は気にしても仕方ない。エイラとはまた連絡を取り合うから、その時にでも聞けば良いさ。それより今はこっちでやる事だ」
「セプトの治療とヒースの事ですね」
「そうだ。鍛錬は俺が受け持つとして、話を聞くのはジューネ達に任せる。頼むぜ」
こうして俺達の次の目的地は決まり、話の途中で夕食の時間となり一時解散。今回は都市長も食事に間に合い、身体に打ち身を作ったヒースも交えて和やかな夕食の席となった。次もこうだと良いんだが。
夕食の後、ジューネの部屋で、
「文字の読み書きを教えてほしい……ですか?」
そう切り出したら何故か驚かれた。
「ちょっと予想外です。トキヒサさんはそういう教育を受けていそうな感じがあったので」
「えっ! そんなに頭良さそうに見えるか?」
「頭がというより育ちが良さそうな見た目ですね」
「……同感ね。雰囲気的に苦労知らずのお坊ちゃんって感じかな」
何か女性陣からの評価が胸に痛いっ! こっちは平和な国で育った学生だからねっ! これが基本だからっ! それにエプリは俺が異世界出身だって知ってるだろうに。ちょっとはフォローしてくれっ!
「おうおう。散々だなトキヒサ」
先に来ていたアシュさんがこっちを見ながら笑っている。笑ってないで助けてくださいよ。セプトとボジョがポンポンと背中を擦ってくれるのが逆にツライ。
今回の事で、俺も簡単な読み書きくらいは出来ないとマズイと思い知った。“言語翻訳”の力で会話は問題ないが、文字が読めないのでは色々と支障が出る。金を稼ぐのにも知識は必要だ。
「育ちの方は置いといてだ。会話はともかく読み書きは全くできない。そこでジューネにここにいる間だけで良いから少し教えてもらえないかなぁと」
「はぁ。私も商人ですから仕事上読み書きも出来ますし、基礎的な事であれば教えるのも吝かではありません。……しかし商人に頼むという事は、分かっていると思いますがタダでは動きませんよ」
ジューネはニヤリと笑って掌を差し出す。まあ予想通りと言えば予想通りだ。なので、
「分かってるとも。……いくらぐらいだ?」
貯金箱を出して金を出す意思をアピールする。ますます金が無くなっていくが、先行投資と思って我慢しよう。しかしジューネは掌をグッと握ってそのまま引っ込めた。
「現金も良いのですが……代わりにお願いを一つ聞いていただければ」
「お願い?」
雲行きが怪しくなってきた。俺は次の言葉を聞き洩らさないよう全神経を集中させる。すると、
「別に大した事じゃありませんよ。トキヒサさんは色々と儲け話に縁があるようですからね。また何かあったら優先的に一口乗らせていただきたい。それだけです」
「……それだけか? 言っちゃあ何だけど、俺に損がまるで無いぞ。儲け話だってそうそうあるとは限らないし、もしかしたら丸損になるかもよ」
「いえいえ。多分そうはならないと思いますよ。ダンジョンで箱を開けれたのはトキヒサさんでしたし、マコアとの話し合いもトキヒサさんがいなければ無理でした。それに昨日の時計の件も。……時々いるんですよ。自然とそういう特殊な流れを引き寄せるヒトが」
ジューネの言葉に何故か皆してうんうんと頷く。そうかなぁ? ちょっとこの世界に来てからアクシデントばっかりに見舞われているけど、そこまで俺はトラブルメーカーではないと思うぞ。
着いたと思ったらいきなり牢獄にぶち込まれたり、出所直前に牢獄が襲撃を受けたり、そのままダンジョンに跳ばされてダンジョンコアを見つけたり……って思った以上にトラブルに見舞われているな。結構ショック。
「まあ……そういう事なら良いよ。うん。ジューネが良いならそれで」
「交渉成立ですね」
交渉成立の証としてガッチリ握手をする。……何かエプリから気になる視線が飛んできている気がするけど何故だろうか?
「ちなみにトキヒサさん、何故私に頼んだんですか? エプリさんだって以前の手紙を考えるに相当学がありそうですし、ヒースさんの講師の方を都市長様に紹介してもらう手もあったでしょうに」
……考えてみればそうだ。置手紙を残せるくらいだからエプリも読み書きは得意だろうし、本職の人に頼むという手もあった。ジューネは商人だから読み書きも一番上手だって先入観で物事を見てたな。
「……今からでも変えちゃダメかな?」
「ダメです。もう交渉は成立しちゃいましたから!」
ジューネが意地の悪い笑顔でこちらを見ている。だよなぁ。商人にとって約束はとても重い。口約束で書面もないとは言え下手に破れない。
さっきのエプリの視線はこれか。気が付いて止めようとしてくれたのかもしれない。ごめんエプリ。チラリと振り返ると……あちゃ~。何かさっきより不機嫌そうだ。気のせいだと良いんだけど違うよな。
「では明日から早速やっていきますよ。ちなみにトキヒサさんは今現在どの程度読み書きが出来ます?」
「それがその……まるっきりダメで」
「言葉通りの意味よ。……まだそこらの子供の方がマシかもね」
エプリのフォローだか口撃だか分からない言葉に、ジューネは口元に手を当てて考え込む。
「分かりました。じゃあ明日の夕食後くらいにまたこの部屋に来てください。そういうヒトだと分かっていればやりようもありますから」
「ねぇ。私も、やって良い?」
「……付き添いは必要よね?」
話もまとまってさて帰ろうと言う時に、エプリとセプトが待ったをかけた。
「やるって、読み書きの勉強ですか?」
「うん」
「私は付き添いとして。……護衛が依頼人から離れる訳にもいかないから」
二人してやる気十分のようで、断る理由もないし明日一緒に勉強することに。あと何故かボジョも触手を伸ばしてアピールしていた。何だ結局全員じゃないか。
「二人とも。商人にモノを頼む時は対価をですね」
「……今日アシュの代わりに護衛した件の謝礼についてだけど」
「無料で引き受けさせていただきますっ!」
お代を吹っかけようとしたジューネだが、エプリのその言葉に素早く意見を翻す。え~っ!? それで良かったのか! それだったら俺も、
「トキヒサさんとの交渉はもう終わってますからね」
やっぱり間に合いませんでした。まあセプトもお代は今回の護衛の件で良いってなったが。ボジョの分は……余った俺の分の謝礼で払うってことでOKをもらった。
ボジョも自分で払おうとしたのだが、持ち物と言ったら以前調査隊から貰った袋と食料くらいだったからな。……少し小銭が混じっていたのは驚いたが。
そうして明日からの勉強会を約束し、俺達は自分の部屋に戻った。
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