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第五章 塵も積もればなんとやら
IFルート『もしも時久がイザスタと一緒に行くことを選ばなかったら』その二
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という事で、ひとまずこの爺ちゃんに協力することになった訳だ。……あくまでひとまずだけどな。
行方不明のイザスタさんをダシにされるとこちらとしても断りづらい。おまけにもし俺が引き受けなくても、ディラン看守の方で既に捜索しているんじゃと話している最中に気がついた。なんか悔しい。
ついでに冗談で『勇者』になったら一千万デンくらいくれるかと聞いたら、「それだけの国益を出せるなら検討しよう」と大真面目に返された。一千万デン分の仕事って何すりゃ良いんだよ!?
とまあ色々言ったものの、特に凄い事をしている訳ではない。
「え~っと、朝は城内の清掃や資材の搬入の手伝い。昼から町の復興作業の手伝い。夕方からは城の厨房で皿洗い。今日はそんな感じですかね」
今俺が報告で挙げたのは今日手伝いに行った場所だ。襲撃で怪我人続出、町はボロボロ、どこもかしこも大忙し。ウィーガスさんはそういう場所に俺を派遣している。
俺に何が出来るか探っているようだが、おかげですっかり雑用係としてあちこちに顔見知りが出来た。少ないながらも給料も出るし、食事もあるから待遇自体は悪くない。個室も用意してもらったしな。
「ふむ……では加護で何か分かった事は?」
「今のところ何も。“適性強化”は魔法の威力が上がったらしいですけど、元々の金魔法の威力が分からないし比較の仕様もないですね。他に金属性を使える人を探して比べた方が早いと思います」
以前採った俺の血から色々調べたらしいけど、それでも全てが分かるわけじゃない。実際加護の名前が“適性昇華”とは分かったけど、既にある“適性強化”とどう違うのかはすり合わせ中だ。
あと俺の適性が金属性というのも判明した。金を投げると爆発するのは驚きだが、そんなものどこで使うんだとツッコミを入れたくなる。瓦礫を吹っ飛ばすのに役立ったぐらいか?
「……よろしい。では報告書をヘクターに提出したまえ。後で目を通しておく」
「へいへい。じゃあ部屋に戻らせてもらいます。ウィーガスさんも早めに休んでくださいね」
「善処しよう」
毎日書類の山とにらめっこだからな。油断ならない系爺ちゃんではあるが、一応仕事や寝床を世話してもらってる。なので気遣ったのだが相変わらず手はペンを走らせたまま。……その内ホントに倒れるんじゃないか不安だ。なんか差し入れでもするべきか?
「失礼しました」
俺が部屋を出ると、外で難しい顔をして待っていたヘクターが入れ違いに入る。今の内に自室で報告書を書くか。
大体これが毎回の流れだ。毎日ウィーガスさんの指示した場所で手伝いをし、夜にヘクターが呼びに来て部屋に行き、仕事の内容や能力について分かった事を報告。終わったら自室で報告書を書き、ヘクターに提出してから明日に備えてぐっすり寝る。
イザスタさん関係の方は進展があればディラン看守から知らせてもらう手筈になっている。進捗状況を聞かれなかったから言わなかったとかやりそうだからなあの爺ちゃん。ディラン看守の方が信用できる。
『勇者』関係は今の所特別な指示はない。一見拍子抜けだけど、そもそも俺はウィーガスさん風に言えば“スペア”だ。本来なら使われない方が良い。
『勇者』達のフォローも現在進行中であり、それが無事に済めば俺はお役御免……だと良いんだけど、少し雲行きが怪しい。
噂によると『勇者』の調子が思わしくないらしい。肉体的にはともかく精神的に結構参っているとか。
『いっそ当初の予定通り『勇者』になる手で行った方が良いかもね。そうすれば『勇者』権限で多少は動けるでしょう?』
「それはそうだけど……今『勇者』になっても厄介事の気配しかないんだよなぁ」
毎日の日課として、寝る前にアンリエッタとの通信も欠かしていない。自分一人だけで悩んでもどうにもならないからな。
アンリエッタは相変わらずふんぞり返って上から目線。まあこれが基本だと分かっていれば腹も立たないが。
「襲撃のせいでまだあちこちピリピリムードだし、なったらなったであの爺ちゃんに良いように使われそうだ。何せその為に今はあまり役に立たない俺を囲い込んでいるぐらいだし」
『国外に出るのも難しいでしょうね。今は近くに居ないけど、時々監視役が周りをうろついているわ』
俺は気がつかなかったのだが、アンリエッタが言うには仕事中や勉強中に時折そういうのが来ているらしい。こっそり逃げても連れ戻されるな。自室には監視が無いと貯金箱で確認出来たのが救いか。
「牢獄から出れたと思ったら今度は国に捕まっているってオチか。まったく嫌になる」
『嫌になるのはコッチよ。今のままじゃ目標額には程遠いし、このやり方じゃ評価になり得ないわ。せめてもっとこう……アイツが好む起伏のある稼ぎ方じゃないと』
そうなんだよな。働くのは嫌いじゃないけど、異世界に来たんだから冒険したいという気持ちもある。凶魔みたいに狂暴な奴もいるかもだけど、ワクワクして心躍る何かもきっとある筈だ。
だからこの場所にずっと留まっている訳にはいかない。
「でもひとまずは爺ちゃんに従って地盤固めだな。少なくともイザスタさんの情報が入るか旅費が溜まるまでは」
『そうね。……それじゃあ頼むわよトキヒサ。ワタシの手駒。しっかり課題をクリアしてよね』
「分かってるって。そっちも何か分かったら知らせてくれよな。……頼りにしてる」
アンリエッタがほんの少しだけ顔を赤くしたかと思うとそのまま通信は切れた。まさか照れたんじゃないよな?
そうして今日も一日を終え、俺はベッドの中に潜り込んだ。また明日も働かないとな。
異世界生活十六日目。
「……っと。ふぅ。これで大体終わりかね」
今日の午前は城内の清掃作業。割り当てられた通路をモップ掛けし、俺はググっと背筋を伸ばす。
「さあて。終わった事を報告して昼飯でも食べに行くか」
腹も減ってきたし、そうと決まれば善は急げ。早速行こうとした時、通路の先をメイドさん達が何か運んでいるのが見えた。……何やら美味そうな匂いがするな。
「すみません。それ何ですか?」
「……? ああ。こちらは『勇者』様のお食事ですよ。お部屋にお運びする途中です」
気になって声をかけてみると、メイドさん達は隠す事なく気楽に話してくれる。へえ~これがねぇ。俺は料理をチラリと見る。
鳥肉っぽい物のローストにソースを絡めた物をメインに、周りには品良く野菜を散りばめてある。
横には魚の切り身を浮かべたスープに瑞々しいサラダ。焼きたてのパンとデザートに果物の盛り合わせまである。実に豪勢だ。
「凄く美味しそうですね。だけど四人分にしちゃ少なくないですか?」
「これは御一方の分ですから。それぞれ『勇者』様の好みに合ったお食事をご用意しておりますので」
料理の内容は各自別々ってことか。使用人の食事は基本同じだからなぁ。
「これが毎回食べれるとは羨ましいですね。さぞかし『勇者』様も喜んでいるんじゃないですか?」
俺の立場は雑用係。『勇者』を呼び捨ても出来ないし一応様付けする。あと『勇者』になりたいとはあまり思っていないが、食事に関して羨ましいのはホントだ。
その気持ちを素直に言ったのだが、何故かメイドさん達の表情が曇る。何か気に障ったのだろうか?
「そう……だと良いのですが。……っと。こうしてはいられません。急ぎお運びしなくては」
「なら俺も手伝いますよ。丁度仕事も終わったし、お時間を取らせましたから」
考えてみれば肝心の『勇者』をまだ見たこと無かった。これを機にどんな人か見てみるのも悪くない。……ちょっと日本が恋しくなって話を聞きたいという気持ちもあるし。
メイドさん達は最初渋っていたが、ここで時間をかけている訳にはいかないと思い直したのか了承してくれた。よっしゃ。荷運びならお任せくださいっ!
こうして俺はメイドさん達と一緒に『勇者』に食事を運ぶのだった。
「ごめんなさい。食欲ないんです。……持って帰ってくれませんか?」
だが、食事を運んだ俺達への対応は扉越しの言葉のみだった。姿すら見せないとはどういう了見だ?
「昨日もそう仰って召し上がらなかったではありませんか。食事を摂らなくてはお身体に差し障ります」
「そうですよ『勇者』様。お願いですから少しでも召し上がってください」
「……後で頂きます。ですから、今は放っておいてください」
「……分かりました。扉の前に置いておきますので、出来れば温かい内にお召し上がりください。失礼します」
説得を続けたメイドさん達だったが、『勇者』が一向に出てこないので持ってきた食事を扉の前に置き、静かにその場を一礼して立ち去る。『勇者』は気になるが俺もメイドさん達と一緒に下がる。
それにしても何だアレ? 引きこもりか? 『勇者』が精神的にまいってるって聞いたけどまさかここまでとは。
「この度は申し訳ありませんでした。折角手伝っていただいたのに」
「あの、俺『勇者』様って初めて見るんですけど、あの方はいつもああなんですか?」
「……襲撃前はああではなかったのですけどね。子供を守って大怪我をなされて、やっと数日前に完治されたのですがそれ以来私共を避けるようになってしまって」
その時『勇者』に何かあったのかね? 怪我でトラウマにでもなったとか。
「最近はめっきり食欲も無くなってしまって、私共もどうすれば良いのか」
「……でも今回は扉の前に置いてあるし、腹が減ったら自分で取りに来るんじゃないでしょうか?」
「それなら良いのですが」
メイドさん達は皆本当に心配しているようだ。この様子からして、少なくともあの部屋の『勇者』はそれなりに慕われているみたいだな。
俺はそのままメイドさん達と別れ、仕事の報告をしようとして掃除道具を置きっぱなしにしていた事に気がついた。
「え~っと、どこ置いたっけかな? ……おっ! あったあった!」
急いでさっきの通路にとって返し、見つけた道具を手に取ってふと先ほどの事を思い出す。
蓋もしてあるけど、食事を通路に置きっぱなしというのは落ち着かない。誰か盗み食いしないとも限らないしな。……俺みたいな丁度昼時で腹ペコの奴とか。気になってまた『勇者』の部屋の前まで来てみれば、
「……まるで手を付けてないじゃないか」
料理は手つかず。蓋を取って確認したが一切れも減っていない。スープもちょっと冷めている。
なんて勿体ない。このまま放っておいたら捨てられ……いや。ディラン看守の伝手で牢獄の囚人達に特別メニューとして振る舞われるかもしれないが、それでもこのまま捨てられる可能性の方が高い。
目の前の美味そうなものがこのまま捨てられるなんて許されるのか? いや、許される筈はないっ!
ならどうするか? 簡単だ。ここには丁度昼食前で腹ペコな高校男子が居るじゃあないか!
俺は周囲を見渡し念の為耳を澄ます。……近くに人影なし。誰かの足音もなし。ふっふっふ。絶好のつまみ食いチャンスだ。
「……待てよ?」
さっき『勇者』は後で頂くと言っていた。偶々時間がかかっているだけなら食べるのはマズイ。
これはあくまでこのままだと捨てられる料理をその前に美味しく頂く為であり、人が食べようとしている物を横取りするのが目的ではない。
食べるという結果は同じでも、大義名分有る無しはかなり大きい。主に罪悪感の有無で。
「もう一度だけ聞いてみるか。……あのぉ。すみません。『勇者』様いらっしゃいますか?」
「…………何ですか?」
軽くノックして様子を伺うと、中から小さく返事があった。
「お加減は如何ですかね? 食事に手を付けてないし、もしや体調が悪くて食欲がないのかなあって」
「……そうなんです。お腹が減らなくて。……食事を下げてもらっても良いですか?」
「じゃあ……すみませんが、俺が摘まんじゃっても良いですか? 実は昼飯を食べてなくてもう腹ペコなんです。『勇者』様が食べる品なんてこんな機会じゃなければ食べられませんから」
扉越しで見えないかもしれないが、俺は両手を合わせて拝むような仕草をする。その後僅かな沈黙の後、
「……良いですよ。私は要りませんから」
「おうっ! ありがとうございます!」
よっしゃっ! 言質取った。もうこっちのもんだ。俺は料理の蓋をゆっくりと取り、その香しき匂いを胸いっぱいに吸い込む。
匂いだけで口の中に涎が量産され、腹の虫がグルグル鳴って早く寄こせと催促する。もうちょっと待て。これからたっぷり詰め込んでやるからな。
備え付けられているナイフとフォークを手に取り、まずはメインの肉を一口大に切り取る。……食べる前に分かる。これは美味い。口に放り込めばどれだけの至福の時が味わえることか。
「では遠慮なく……いただきま~」
グゥ~~っ!
至福の時間はどこからともなく聞こえてきた腹の虫の音で中断された。一応言っておくが俺の腹の虫ではない。となると、
「……す、すみません」
扉の向こうからどこか恥ずかしげな声が聞こえてきた。……ちくしょう。こんな状況で食べられるかっ!
さようなら至福の味よ。俺はどこか諦観の境地に至りながら、ゆっくりと肉の刺さったフォークを下ろした。
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