123 / 143
10 最終章
22階——前編
しおりを挟む
21階は、なんとか抜けることができた。
怪我をした後もフェンネルさんが前衛で、シアトルさんは投擲や索敵をやってくれていた。
「フェンネル、怪我は!?」
舞台は今までで一番大きな大洞窟だ。
18階と同じくボス戦だけど、急に襲いかかってくるわけではない。
ボス部屋の中に、セーフティールームみたいなところが用意されている。
この部屋は、わたしが転移してきた白い部屋に酷似した立方体の部屋。
ただし時間制限付きで、時間が来ると溶けて消える。らしい。
天井には凹凸がないように見えるけど、キースはそれに捕まって逆立ちしている。
アリスメードさんがすごく心配していて、フェンネルさんの腕を見た。
「平気。もう手当てした」
「見せろ」
ロイドさんは、獣だけじゃなくて人間の傷も看られるらしい。
フェンネルさんの切り傷を見て、またスードルにポーションを持って来させている。
「どうしたんですか? わたし、あんまり聞けなかったけど……フェンネルさんが魔物にやられるなんて」
「大したことじゃない」
ロイドさんが、完成したポーションをぶっかけ始めた。
キースにするより処置が雑なような気がする。
傷の種類が違うせいかな。毛皮の有無は関係ないはずだ。
「フェンネルにしては、珍しいミスだったかしらね?」
「……」
「ごめんね、あたしがもうちょっと頑張れたかも」
「レイスさんは最善を尽くしました! 僕が途中、ちょっと失敗しちゃったせいです」
レイスさんが珍しく落ち込むのを、スードルが慰める。
「別に。ちょっと油断しただけ」
フェンネルさんは冷たく言った。
「油断?」
「眠かった」
と、フェンネルさんはやはりぶっきらぼうに言う。
「大丈夫かフェンネル、仮眠するか?」
心配したアリスメードさんが、心底不安そうにフェンネルさんに尋ねる。
浮遊チート+必中射撃という、対戦ゲームなら絶対許されない属性持ちのアリスメードさんだけど、こうして仲間のことを思いやるところが彼の本質なのだ。
「平気。もう目は覚めたから」
「だけどな……」
「フェンネルがいいって言ってんだからいいだろ。お前は過保護すぎるんだよ、アリス」
ロイドさんが、フェンネルさんの傷に雑にポーションをぶっかけながら言う。
あまりにも雑なので、フェンネルさんの服がびちゃびちゃだ。
「だがまあ、この階にはできる限り長居した方がいいだろうな。それと、こっちの腕は今回の戦闘では使わない方がいい」
ロイドさんはそう言って、フェンネルさんの傷を軽く叩く。
さすがにフェンネルさんもちょっと嫌そうに顔を顰めたが、ロイドさんは何事もなかったかのようにガーゼみたいなものを出してきて、こぼれたポーションを拭き取り始めた。
「浅かったでしょ」
フェンネルさんはロイドさんに尋ねる。
「そうだな。切れてたのは脂肪までだったから神経は無事だ。高い食事ばかりして、鍛錬を怠った甲斐があったな」
ロイドさんは、お医者さんばりの診断能力と、人格を疑うような最悪のコメントを見事に両立させている。
ロイドさんは、もうちょっとホーンウルフに対する愛情とその他に対する愛情を平均化した方がいいと思う。
なんでこのゆるっとしたメンバーの中で冒険者をやっていて、こんな感じなんだろう?
「ふぅん。ありがとう」
フェンネルさんは気を悪くした風もなく、鼻を鳴らしてお礼を言った。
「ああ」
ロイドさんもぶっきらぼうに、包帯を巻き始めた。
「ロイドさんって、お医者さんなんですか?」
「は? 医者?」
「あ、えっと……傷とか治すじゃないですか」
「俺はホーンウルフとポーションに詳しいだけで、人間の体はついでだ」
さすがはロイドさん。動物がメインで、人類がついでなのかぁ。
「ロイドさんて、人間さんのこと好きじゃないんですか?」
「俺はホーンウルフが好きなだけで、人間嫌いじゃない」
「あら、そうだったの?」
「そうだったんですか」
「そうだったんだね!」
半分くらいのメンバーには初耳だったようだ。
ロイドさん、人間嫌いだと思われてたみたいだよ。
「ロイドは飾り気がなくて、クールなだけだからな」
アリスメードさんは微笑んで言った。ロイドさんと意見が衝突しがちなアリスメードさんだけど、やっぱりパーティ結成からのメンバーだし、信頼関係があるのかな。
「……自信がないのが、欠点」
フェンネルさんが言う。ロイドさん、別に自信がないようには見えないけどな。
「なーんだ。それじゃあ、あたしと喋るときに視線が合わないのは、別にあたしと目を合わせたくないんじゃなかったんだね!」
「俺は耳か尻尾を見てるんだよ」
「そーなんだ! てっきり、あたしのこと嫌いなのかと思っちゃった!」
「別になんとも思ってない」
「なんっ!? 僕はそんなことないですよ!」
疲れのせいか、スードルが変な反応をしている。大丈夫かな。ちょっと心配だ。
「もうすぐ時間じゃないの? 大丈夫かしら?」
「ああ、そうだな……フェンネル、ここと次は休んでてくれ。25階でフェンネルが動けないと、全滅するかもしれない。スズネ、前衛をしてくれるか?」
「はい、大丈夫です!」
アリスメードさんがわたしを信頼してくれている。
嬉しい。
「フェンネル。この階の魔物はそこまで危険じゃない。元々俺が動けなくても倒せてたんだ、問題ないはずだ」
「……分かった。でも、スズネが危なくなったら、フォローするから」
フェンネルさんが答えると、ほぼ同時に部屋が溶け出した。
「キー」
キースが小さく鳴く。わたし立ち上がって剣を構える。
「スズネ」
フェンネルさんは、座ったまま剣を抱いて言った。
「気をつけてね。油断しないで」
天井に留まっていたキースが、バサバサと音を立てて飛び立ち、わたしの頭の後ろ辺りで羽ばたいている。
目の前に現れた魔物は、その姿と瓜二つ。
……いや、その目つきと色は全然違う。
翼を広げたその姿は、闇に溶けるような漆黒の巨大なコウモリだ。
怪我をした後もフェンネルさんが前衛で、シアトルさんは投擲や索敵をやってくれていた。
「フェンネル、怪我は!?」
舞台は今までで一番大きな大洞窟だ。
18階と同じくボス戦だけど、急に襲いかかってくるわけではない。
ボス部屋の中に、セーフティールームみたいなところが用意されている。
この部屋は、わたしが転移してきた白い部屋に酷似した立方体の部屋。
ただし時間制限付きで、時間が来ると溶けて消える。らしい。
天井には凹凸がないように見えるけど、キースはそれに捕まって逆立ちしている。
アリスメードさんがすごく心配していて、フェンネルさんの腕を見た。
「平気。もう手当てした」
「見せろ」
ロイドさんは、獣だけじゃなくて人間の傷も看られるらしい。
フェンネルさんの切り傷を見て、またスードルにポーションを持って来させている。
「どうしたんですか? わたし、あんまり聞けなかったけど……フェンネルさんが魔物にやられるなんて」
「大したことじゃない」
ロイドさんが、完成したポーションをぶっかけ始めた。
キースにするより処置が雑なような気がする。
傷の種類が違うせいかな。毛皮の有無は関係ないはずだ。
「フェンネルにしては、珍しいミスだったかしらね?」
「……」
「ごめんね、あたしがもうちょっと頑張れたかも」
「レイスさんは最善を尽くしました! 僕が途中、ちょっと失敗しちゃったせいです」
レイスさんが珍しく落ち込むのを、スードルが慰める。
「別に。ちょっと油断しただけ」
フェンネルさんは冷たく言った。
「油断?」
「眠かった」
と、フェンネルさんはやはりぶっきらぼうに言う。
「大丈夫かフェンネル、仮眠するか?」
心配したアリスメードさんが、心底不安そうにフェンネルさんに尋ねる。
浮遊チート+必中射撃という、対戦ゲームなら絶対許されない属性持ちのアリスメードさんだけど、こうして仲間のことを思いやるところが彼の本質なのだ。
「平気。もう目は覚めたから」
「だけどな……」
「フェンネルがいいって言ってんだからいいだろ。お前は過保護すぎるんだよ、アリス」
ロイドさんが、フェンネルさんの傷に雑にポーションをぶっかけながら言う。
あまりにも雑なので、フェンネルさんの服がびちゃびちゃだ。
「だがまあ、この階にはできる限り長居した方がいいだろうな。それと、こっちの腕は今回の戦闘では使わない方がいい」
ロイドさんはそう言って、フェンネルさんの傷を軽く叩く。
さすがにフェンネルさんもちょっと嫌そうに顔を顰めたが、ロイドさんは何事もなかったかのようにガーゼみたいなものを出してきて、こぼれたポーションを拭き取り始めた。
「浅かったでしょ」
フェンネルさんはロイドさんに尋ねる。
「そうだな。切れてたのは脂肪までだったから神経は無事だ。高い食事ばかりして、鍛錬を怠った甲斐があったな」
ロイドさんは、お医者さんばりの診断能力と、人格を疑うような最悪のコメントを見事に両立させている。
ロイドさんは、もうちょっとホーンウルフに対する愛情とその他に対する愛情を平均化した方がいいと思う。
なんでこのゆるっとしたメンバーの中で冒険者をやっていて、こんな感じなんだろう?
「ふぅん。ありがとう」
フェンネルさんは気を悪くした風もなく、鼻を鳴らしてお礼を言った。
「ああ」
ロイドさんもぶっきらぼうに、包帯を巻き始めた。
「ロイドさんって、お医者さんなんですか?」
「は? 医者?」
「あ、えっと……傷とか治すじゃないですか」
「俺はホーンウルフとポーションに詳しいだけで、人間の体はついでだ」
さすがはロイドさん。動物がメインで、人類がついでなのかぁ。
「ロイドさんて、人間さんのこと好きじゃないんですか?」
「俺はホーンウルフが好きなだけで、人間嫌いじゃない」
「あら、そうだったの?」
「そうだったんですか」
「そうだったんだね!」
半分くらいのメンバーには初耳だったようだ。
ロイドさん、人間嫌いだと思われてたみたいだよ。
「ロイドは飾り気がなくて、クールなだけだからな」
アリスメードさんは微笑んで言った。ロイドさんと意見が衝突しがちなアリスメードさんだけど、やっぱりパーティ結成からのメンバーだし、信頼関係があるのかな。
「……自信がないのが、欠点」
フェンネルさんが言う。ロイドさん、別に自信がないようには見えないけどな。
「なーんだ。それじゃあ、あたしと喋るときに視線が合わないのは、別にあたしと目を合わせたくないんじゃなかったんだね!」
「俺は耳か尻尾を見てるんだよ」
「そーなんだ! てっきり、あたしのこと嫌いなのかと思っちゃった!」
「別になんとも思ってない」
「なんっ!? 僕はそんなことないですよ!」
疲れのせいか、スードルが変な反応をしている。大丈夫かな。ちょっと心配だ。
「もうすぐ時間じゃないの? 大丈夫かしら?」
「ああ、そうだな……フェンネル、ここと次は休んでてくれ。25階でフェンネルが動けないと、全滅するかもしれない。スズネ、前衛をしてくれるか?」
「はい、大丈夫です!」
アリスメードさんがわたしを信頼してくれている。
嬉しい。
「フェンネル。この階の魔物はそこまで危険じゃない。元々俺が動けなくても倒せてたんだ、問題ないはずだ」
「……分かった。でも、スズネが危なくなったら、フォローするから」
フェンネルさんが答えると、ほぼ同時に部屋が溶け出した。
「キー」
キースが小さく鳴く。わたし立ち上がって剣を構える。
「スズネ」
フェンネルさんは、座ったまま剣を抱いて言った。
「気をつけてね。油断しないで」
天井に留まっていたキースが、バサバサと音を立てて飛び立ち、わたしの頭の後ろ辺りで羽ばたいている。
目の前に現れた魔物は、その姿と瓜二つ。
……いや、その目つきと色は全然違う。
翼を広げたその姿は、闇に溶けるような漆黒の巨大なコウモリだ。
23
あなたにおすすめの小説
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~
御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。
異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。
前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。
神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。
朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。
そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。
究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる