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ヤってるヤってる!
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声は、下の階から聞こえていた。
驚きなのは、ここに下の階があったこと。
そして、それに気付かずに、1ヶ月以上過ごしていたことだ。
それから、もう1つ。
背筋を、汗が伝っていく。
突然。
顔が、俺のすぐ前に現れていた。
『鎖』を稼働させてる状態の俺に、まったく気配を感じさせること無く。
薄暗闇の中――
女が、俺の目の前に現れていた。
まだ若い。行ってもまだ30代の、凄まじく美しい女だ。しゃらりとした銀髪に、二の腕や背中の肉をPohotShopで削りまくったような肢体。
俺はドルオタだったが、アイドルは美人がなるものではないと思っている。あるレベル以上の美人はモデルになるし、もっと美人なら、芸能界など入らず金持ちの妻や愛人になる。AVに行ったりするのは、そこで入り口を誤ってしまった人間だ。
いま目の前にいる女は、アイドルにもモデルにもならないレベルの、最上級の美女だった。
彼女は、人差し指を口の前に立てて、俺に頷く。
すると、また声がした。
今度は階下でなく、同じこの部屋で。
「お母さま、ヤってる?」
「ヤってるヤってる」
転移の魔道具から現れ、にじり寄って来た。
闇でもキラキラなブロンドに、勝ち気そうな瞳。
ミルカ=フォン=ゴーマン――『お嬢さま』だ。
床に耳を当てると、彼女は口の端を歪めた。
「本当だ。ヤッてる……良かった。お兄様の同級生を、けしかけた甲斐があったってものだわ」
ちなみに現在、3人とも床に這いつくばってる状態だ。
別にそうする必要なんてないのだが、なんとなく。
それより、さっきミルカは、なんて言った?
『お母さま』って言ったよな――ということは。
「ちょっと待って。もうすぐだから。もうすぐイクから。そうしたら、私も行きますからね。見てなさい。もう、最高のタイミングでぶっ込んであげるんだから」
この銀髪の美しい女は、ミルカの母親。グイーグ国の宰相、フンゾール=フォン=ゴーマン公爵の妻、イゼルダということになる。教師から聞いてた名前がいきなり目の前に現れて、俺は、ちょっと感動した。
すると、階下では。
『ああ、XXX,、XXX、XXXがXXっちゃう!』
『XXX! XXって! 私のXXXにXXをXXXXXXして!』
『ああ! XXXXXXXXXXX! XXXXXXXXXXXXX!XXXXXXXXXXXXX』
『XXXX! XXXXが! XXXXしちゃう~っ! XXXXXXXXXXXXXX~~~!!』
それと同時に。
「じゃ、行ってくる」
「お母さま、ファイト!」
お母さま――イゼルダが、四つん這いで転移の魔道具まで這って、部屋から出ていった。別に這って行く必要は無いんじゃないかと思うのだが。天井裏というわけでもないんだから。
夜着のお尻を振って這う母親を見送り、ミルカが笑った。
その笑みのまま、俺を見て言った。
「ご挨拶が出来なくてごめんなさい」
「いえ、こんな時ですし」
そう答えてから、挨拶っていまこの時じゃなく、王都に来てからってことかと気付いたのだが、話題は既に変わっていた。ミルカが、更に笑みを深くして訊いた。
「クサリさん。あなた一体、何をしたの?」
「と、おっしゃいますと?」
「教授たちよ。私の不手際だったんだけど、クサリさんの入学試験に派遣されたのって、学園の中でも頭の固い学究者っていうか、公爵家の紹介だからって斟酌はしない。採点に手心なんか加えないって人たちだったんだけど――分かった?」
「いえ。分かりませんでした」
「分からないでしょうね。初日の時点で夢中になってしまったみたいだから。『まだまだ何とも言えませんな~』って難しい顔してたけど、みんな、クサリさんにヤられてしまってるのが丸わかりで――来たわよ」
階下で、動きがあった。
行為は終わり、いまは『事後』に移行したようだ。
『もげろ』としかコメントできないピロートークが『鎖』を伝わってくる。
居心地が悪くて、ついつい、身体をもぞもぞさせてしまう俺。
そんな俺を見て、ミルカが興味深そうな顔になる。俺は、彼女みたく床に耳をつけていない。彼女にあわせて床に這ってはいるが、顎を腕に乗せて、崩れた頬杖みたいになっている。当然、床から耳までは離れて距離がある。なのに、階下の様子を把握している。不思議に思って当然だろう。きっと、知的好奇心を掻き立てられ――
「……可愛い」
――たりとかでは、なかったみたいだ。
「クサリさん。あなた、私と姉妹になりましょう」
ミルカが、そんなトンチキなことを言い出したのと、同時だった。
階下から、音がした。
どん!
どん!
どん!
どん!
ここからは、『鎖』からの情報を視覚的に再構成してお伝えしよう。
どん!
どん!
どん!
どん!
音は、お母さま――イゼルダが立てたものだった。
彼女は下の部屋に移動するやいなや、入り口すぐ脇の壁を叩き始めた。
というか正確には、殴った。
くるりと壁に正対し、力いっぱいのストレートを、壁に叩きつけたのだった。それから打ち下ろし気味のフックや縦拳によるアッパーを連打していく。
「「ひ、ひぃいいい………」」
怯える声は、言うまでもなく、部屋の中央のベッドから。
聞こえてきた声や、ミルカたちの会話から察すると、男はミルカの兄、ヨアキム=フォン=ゴーマン。相手の女性については、マニエラという名前しか分からない。
抱きしめあい、すっと汗のひいた身体をより密着させながら、震える2人。
ごんんんんっっっ!!!!
最後は、ジャンプしての膝蹴りだった。息子とその恋人に背を向けたまま、母、イゼルダが言った。
「屋敷では、控えなさい」
2人が、ぶんぶんと首を縦に振る。
それに合わせるように。
「可愛い~。どうしてこんなに可愛いの~。うにゃ~ん」
ミルカに髪や頬をいじられ揺すられて、俺もまた、ガクガクと首を振っていたのだった。
驚きなのは、ここに下の階があったこと。
そして、それに気付かずに、1ヶ月以上過ごしていたことだ。
それから、もう1つ。
背筋を、汗が伝っていく。
突然。
顔が、俺のすぐ前に現れていた。
『鎖』を稼働させてる状態の俺に、まったく気配を感じさせること無く。
薄暗闇の中――
女が、俺の目の前に現れていた。
まだ若い。行ってもまだ30代の、凄まじく美しい女だ。しゃらりとした銀髪に、二の腕や背中の肉をPohotShopで削りまくったような肢体。
俺はドルオタだったが、アイドルは美人がなるものではないと思っている。あるレベル以上の美人はモデルになるし、もっと美人なら、芸能界など入らず金持ちの妻や愛人になる。AVに行ったりするのは、そこで入り口を誤ってしまった人間だ。
いま目の前にいる女は、アイドルにもモデルにもならないレベルの、最上級の美女だった。
彼女は、人差し指を口の前に立てて、俺に頷く。
すると、また声がした。
今度は階下でなく、同じこの部屋で。
「お母さま、ヤってる?」
「ヤってるヤってる」
転移の魔道具から現れ、にじり寄って来た。
闇でもキラキラなブロンドに、勝ち気そうな瞳。
ミルカ=フォン=ゴーマン――『お嬢さま』だ。
床に耳を当てると、彼女は口の端を歪めた。
「本当だ。ヤッてる……良かった。お兄様の同級生を、けしかけた甲斐があったってものだわ」
ちなみに現在、3人とも床に這いつくばってる状態だ。
別にそうする必要なんてないのだが、なんとなく。
それより、さっきミルカは、なんて言った?
『お母さま』って言ったよな――ということは。
「ちょっと待って。もうすぐだから。もうすぐイクから。そうしたら、私も行きますからね。見てなさい。もう、最高のタイミングでぶっ込んであげるんだから」
この銀髪の美しい女は、ミルカの母親。グイーグ国の宰相、フンゾール=フォン=ゴーマン公爵の妻、イゼルダということになる。教師から聞いてた名前がいきなり目の前に現れて、俺は、ちょっと感動した。
すると、階下では。
『ああ、XXX,、XXX、XXXがXXっちゃう!』
『XXX! XXって! 私のXXXにXXをXXXXXXして!』
『ああ! XXXXXXXXXXX! XXXXXXXXXXXXX!XXXXXXXXXXXXX』
『XXXX! XXXXが! XXXXしちゃう~っ! XXXXXXXXXXXXXX~~~!!』
それと同時に。
「じゃ、行ってくる」
「お母さま、ファイト!」
お母さま――イゼルダが、四つん這いで転移の魔道具まで這って、部屋から出ていった。別に這って行く必要は無いんじゃないかと思うのだが。天井裏というわけでもないんだから。
夜着のお尻を振って這う母親を見送り、ミルカが笑った。
その笑みのまま、俺を見て言った。
「ご挨拶が出来なくてごめんなさい」
「いえ、こんな時ですし」
そう答えてから、挨拶っていまこの時じゃなく、王都に来てからってことかと気付いたのだが、話題は既に変わっていた。ミルカが、更に笑みを深くして訊いた。
「クサリさん。あなた一体、何をしたの?」
「と、おっしゃいますと?」
「教授たちよ。私の不手際だったんだけど、クサリさんの入学試験に派遣されたのって、学園の中でも頭の固い学究者っていうか、公爵家の紹介だからって斟酌はしない。採点に手心なんか加えないって人たちだったんだけど――分かった?」
「いえ。分かりませんでした」
「分からないでしょうね。初日の時点で夢中になってしまったみたいだから。『まだまだ何とも言えませんな~』って難しい顔してたけど、みんな、クサリさんにヤられてしまってるのが丸わかりで――来たわよ」
階下で、動きがあった。
行為は終わり、いまは『事後』に移行したようだ。
『もげろ』としかコメントできないピロートークが『鎖』を伝わってくる。
居心地が悪くて、ついつい、身体をもぞもぞさせてしまう俺。
そんな俺を見て、ミルカが興味深そうな顔になる。俺は、彼女みたく床に耳をつけていない。彼女にあわせて床に這ってはいるが、顎を腕に乗せて、崩れた頬杖みたいになっている。当然、床から耳までは離れて距離がある。なのに、階下の様子を把握している。不思議に思って当然だろう。きっと、知的好奇心を掻き立てられ――
「……可愛い」
――たりとかでは、なかったみたいだ。
「クサリさん。あなた、私と姉妹になりましょう」
ミルカが、そんなトンチキなことを言い出したのと、同時だった。
階下から、音がした。
どん!
どん!
どん!
どん!
ここからは、『鎖』からの情報を視覚的に再構成してお伝えしよう。
どん!
どん!
どん!
どん!
音は、お母さま――イゼルダが立てたものだった。
彼女は下の部屋に移動するやいなや、入り口すぐ脇の壁を叩き始めた。
というか正確には、殴った。
くるりと壁に正対し、力いっぱいのストレートを、壁に叩きつけたのだった。それから打ち下ろし気味のフックや縦拳によるアッパーを連打していく。
「「ひ、ひぃいいい………」」
怯える声は、言うまでもなく、部屋の中央のベッドから。
聞こえてきた声や、ミルカたちの会話から察すると、男はミルカの兄、ヨアキム=フォン=ゴーマン。相手の女性については、マニエラという名前しか分からない。
抱きしめあい、すっと汗のひいた身体をより密着させながら、震える2人。
ごんんんんっっっ!!!!
最後は、ジャンプしての膝蹴りだった。息子とその恋人に背を向けたまま、母、イゼルダが言った。
「屋敷では、控えなさい」
2人が、ぶんぶんと首を縦に振る。
それに合わせるように。
「可愛い~。どうしてこんなに可愛いの~。うにゃ~ん」
ミルカに髪や頬をいじられ揺すられて、俺もまた、ガクガクと首を振っていたのだった。
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