6 / 9
6.
しおりを挟む「じゃ、じゃあ……エンは………、僕のこと……す、好きって、こと……?」
「そうだよ。私は、タキのことが好き。ねぇタキ、私のことお嫁さんにして?私のこと抱いて?」
「だ、抱く…?」
「あぁ、抱くっていうのはセックスするってことだよ」
「っ!!うん!抱くよ!エンのこと抱くよ!抱いてあげるよ!いっぱいいっぱい抱くからね!」
「嬉しい。タキ、好き同士はいっぱいキスするんだよ。だからたくさんキスして?」
「うん!エンがしてほしいこと、僕、全部してあげる!いっぱいキスするよ!」
勢いつけてぶつけるように唇と重ねると、すぐに離れてエンが「落ち着いて。始めは優しく、ね?」と艶美に囁かれた。
そして今度は恐々と優しく優しく唇を重ねると、僕に組み敷かれているエンの体から力が抜けてクタクタになった。
それが嬉しくて今度は優しく食むようにキスをすると、エンの方から舌を絡めてきてくれた。
「ン……っふ、……っ」
時折漏れるエンの声が婀娜っぽく、それを聞くだけで下半身と尻尾に力が入る。
エンはずっと僕のクセっ毛を撫でながら時折耳を擽るように撫でてきて、それがとても気持ちいい。
「エン、可愛い……すごく可愛い……」
「ん、…ねっ、タキ……触って?タキなら私の体、全部触っていいよ…」
「っっっ!!う、嬉しい…!触るよ!全部触ってあげるね!………あ、あのね、僕ね、エンが僕を拒絶したらどうしようって思ってたんだ」
エンに甘えるように首筋に顔を埋め、皮膚の上に唇を滑らせながら話していく。
「もしエンが僕を嫌がっても、僕の伴侶はエンだから、閉じ込めて鎖で繋ごうって思ってたんだ……」
「ッァ、……ん……タキ……」
「それでねエンとずーっとずーっとセックスするの。エンのナカに僕をずっと挿れっぱなしにしてエンが気持ちよくてグズグズになるまでずーっとするの。そしたらきっとエンは僕に絆されてくれるか、壊れてくれるでしょう?……壊れてもなんでもよかったんだ。僕から離れられないって心底わかってくれれば。……だけど、エンは僕のこと、嫌じゃないんでしょ……?」
「嫌じゃないどころか大好きだよ」
「っっっ!!ぼ、僕も大好き!大大大好きだよ!」
顔を緩ませながらエンが着ている亡者用の質素なワンピースに手を掛けると簡単に脱がすことができた。
そしてその下に下着なんて着ていない。エンは容易く一糸纏わぬ姿となった。
「エン、綺麗…。すごくすごく綺麗。肌、真っ白だ……」
「ずっと見てたなら私の裸も見てたんでしょ?」
「み、見てたけど……でも、なんか違うっていうか、エンが僕を見てくれて、僕の下に裸のエンがいることが、その……」
エンのそばにいるとき、風呂のときだって一緒にいたし、着替えだって見ていた。
でも違う。違うんだ。
うまく言葉にできず焦っていると、エンが小さく笑ってまた僕にキスをしてくれた。
「っ!」
「タキも脱いで…?1人だけ裸は、嫌だな……」
「あ、そ、そっか、そうだよね、ごめんね?すぐ脱ぐね」
元より脱げかけの浴衣を剥がすように脱ぎ、素肌でエンを抱きしめると泣きそうなほどにあったかかった。
ずっと求めていた、エンの熱。
ずっと触れられなかったエンの肌。
――――それを今、全身で感じているんだ……。
「タキなら、私に何をしてもいいよ。タキが望むなら閉じ込めて鎖で繋いでもいいし、ずっと挿れっぱなしでもいいよ。だからタキ、私をずっと離さないで?」
「も、もちろん!僕はずっとエンといるよ!僕は一途だから、エン以外本当にどうでもいいんだ!エンが僕を受け入れてくれるなら鎖なんてしないよ!あ、でも挿れっぱなしはしたいかな……。エンとずっと繋がってたい……。あぁ、エンッ…!僕のエン!………あ、そ、そうだ。あのね、君の今のこの体ね、22歳と155日の体なんだけどね」
「うん?」
「君の処女最後の日の体なんだ……」
生前の記憶は自分の名前関連以外はあるものだ。
エンはきっと人生で6回の性行為を覚えているだろう。
記憶はあっても体の初めてを僕は奪いたかった。
どうか過去の2人の男と比べてほしい。
僕が君にとっての一番だとわかってほしい。
過去のへたくそで、大して好きじゃなかった男とのセックスと僕とのセックスを比べてほしい。
エンが他の男とセックスしたことは吐くほど嫌なのに比べてほしいだなんて矛盾してるのはわかってる。
―――……僕っておかしいのかな……?
でも、比べてほしいんだ……。
「そっか。じゃあ初めてをタキにあげられるね」
「! き、気持ち悪くない?引かない?僕の事嫌いにならない?」
「なんでそんなこと思うの?タキに初めてをあげられるなんてすっごく幸せだよ。タキ、私の体、初めてだから優しくね?でもたくさん愛して?」
「ハアアァァ…♡ エンッ!僕、優しくするよ、エンをたくさん愛するよ!ドロドロになるくらい激しくして、それでもエンを求め続けるよ!」
「嬉しい……、タキ、大好き」
それから、エンが望んだとおり、たくさんたくさんキスをした。
互いの舌を纏わりつけるようなキスはそれだけで交尾みたいだと思った。エンのヌルヌルした舌を味わって吸ってしゃぶって、クチュクチュと音を奏でながら絡めて、舌だけじゃなくて口内も全部舌で触れて、自分の口内とエンの口内とじゃこんなにも気持ちよさが違うんだなと感動した。
エンから漏れるくぐもった声と熱い吐息を全部僕に浴びせてくれながら濃密なキスをし続けた。
お椀型の胸は指が沈むほどに柔らかくて、揉みすぎてエンから「ちょっと痛い」って言われてしまった。痛くして申し訳なくて、代わりに胸をたくさん舐めてあげると今度はとても気持ちよさそうにしてくれた。よかった。可愛い。
胸の先端が固くなっていてエンは柔らかくて可愛いのに、固くても可愛いんだと今日だけで何千回目の感動をしてからしゃぶりつくとさらに声を高くして喘いでくれた。
過去の男共とは違うエンの反応が、なにより嬉しかった。
1
あなたにおすすめの小説
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる