えおにずむ

Neu(ノイ)

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一章:責任取ってね?

運命の出逢い 02

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自分に奇特な性癖を植え付けた上に、年々魅力的になっていく。
欲しいと熱望したところで手にすることは叶わない。
最初から諦めていた。
遠くからひっそりと見守るだけでいい。
それで満足していたのだ。


* * * * * *


 状況が変わったのは、勤め先でのことだった。
高校で養護教諭をしている保健医の倫成にとって、新学期は忙しい時期である。
新入生の顔とクラスを覚えることから始まり、どの学年の行事にも同行しなくてはならない。
この日も新入生のオリエンテーションに同行していた。


 気になる生徒は必ずいるもので、C組の神沼 明紫亜(カミヌマ メシア)には目を光らせなくては、と行事前から決めている。
車酔いしやすく行き帰りの送迎は家の人にしてもらう、と事前に連絡があったのだ。
少しばかり虚弱体質でゲームなども休むかもしれないと保護者代理の男性から通達があったと明紫亜の副担任から業務連絡を貰っている。
本来ならば担任から来る筈の業務連絡が副担任の篠田(シノダ)経由なのが気にはなったが、若い担任のフォローをしたのだろう、と勝手に納得した。


 行きのバスに揺られ、倫成は溜息を吐き出す。
A組のバスにお邪魔させて貰っている関係上、副担任の笹垣 司破(ササガキ シバ)を見たい放題だった。
昨夜あった電話が倫成を憂鬱にさせている。
母の従姉妹の息子に倉本 純(クラモト ジュン)という男がいた。
彼は暴力団の組長の跡取り息子で、若頭候補として組長補佐をしている、明らかに危ない世界のサラブレッドだ。
純の母と倫成の母は仲良くしているらしいが、倉本の家との交流は全くなかった。
駆け落ち婚である以上は仕方ないことではあるが、倫成自身、倉本の家と交流を持たなくていいことは救いでもある。
誰が好き好んでアウトローな世界に足を突っ込みたいと言うのか。
面倒事には関わりたくない、それが倫成の本音だった。


 そんな純から唐突に電話が入ったのだ。
教えていない電話の番号を知っていても驚きもしない。
彼はそういう男なのだ。
要件は一つ。
理科(特に化学)の臨時教師として今年赴任してきた司破のことを尋ねられた。
まだ親しくしていないから解らない、と濁した倫成に、純は笑いながら宣ってくれた。

『仲良くなってくれませんか? 彼の交友関係を知りたいんですよ。特に生徒との』

ふふ、と可憐な声で笑う純から逃げる方法が倫成には見い出せなかった。

「はあ、そうですか。でも彼、他人と馴れ合う気、なさそうだから難しいかもしれませんねえ」

と適当に誤魔化し電話を切っていた。
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