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一章:教育されてます!
作家様は大学生 33*
しおりを挟むずるずると上半身は落ちて、遂には片頬が板目に着いてしまう。
もう体を支える力は残っていなかった。
尻だけを突き出す格好でよがっている。
涙を流し涎で顔を汚す様は、まさしく快感に溺れているように見えた。
ビクンビクンと大きく背中を反らして唇を噛み締め始める羽李に、神流は耳元で囁く。
「嘘吐き。本当はもっとして欲しいんでしょ? イきたい?」
神流の手が背中から前に回され、びゅくびゅくと先走りを垂れ流す亀頭を指で押された。
ぃうぅうあぁっ、と嬌声なのか苦痛なのか判断の着かない叫びが迸る。
「いっ、イき……たい!」
「でも、先輩。さっき一緒にって、誘ってくれましたよね。どうします?」
つつつ、と優しく円を描いて鈴口周辺を撫でられた。
優しく問い掛けられると、心の奥底がほんわかと暖かくなる。
「ぁっ、あぅう、……が、我慢! する、からぁ」
はっはっ、と苦し気に息を吐き出し、一旦言葉を区切れば、背後の神流に視線を投げた。
潤んだ目からは、また涙が伝い頬を濡らす。
「はや、くっ……うご、いて……俺のっ、……っナカ、に、セーエキ……ドピュドピュ、っ、し……て?」
お願いだから、と赤い舌を覗かせ神流に顔を向けるように半身を捻る。
熱に浮かされた表情で、自分が何を口走っているのかも、最早もう羽李には認識出来ていなかった。
ごくり、と神流の喉が上下し、熱情を抑えるように羽李を背中から抱き締めて首元に顔を埋める。
「そんな誘い文句、何処で覚えたんですか? もう、滅茶苦茶に犯したくておかしくなりそうです。責任、取って下さいね」
耳元に囁き掛けて神流は、目の前の形のいい耳朶を口に含みながら、ゆっくりと腰を引いた。
ずるり、と内壁を擦り肉棒が抜けていく感触に、羽李の口からは、ひぁあ、と悲鳴が飛び出す。
「ぁっ、もっ……意地悪っ、すんな!」
抜けそうで抜けないところで動きを止められ、快感を待っている体が勝手に動いていく。
羽李は肉棒を追い掛けるように腰を動かして中に迎え挿れていこうとした。
だが、羽李から僅かに体を離した神流に腰を掴まれて動きを封じられてしまう。
「あ、なんでえ?」
「そんなに僕が、欲しいですか?」
抑揚の感じられぬ口調で問い掛けられ、羽李は必死で首を縦に振りたくる。
イきたくて、イくためには神流の欲望で突いて貰うしかなくて、それだから、羽李は神流が欲しかった。
単純な三段論法だが、普段ならば出されることのない答えが、今の羽李の頭を埋め尽くす。
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