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嫉妬
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洸くんと少し話をしていると、宮川くんがコピーの終わった資料を持って帰ってきた。
…普通部長って他の人のコピー頼むのにな…
なんて思いながら宮川くんを見て、あっ本田さんと思い出す。
「部長、企画部の本田さんが先ほどいらしてましたよ」
少し宮川くんに近寄ってそう言うと、宮川くんは「はぁ…」とため息をついた。
「部長って言わないでくださいって言いませんでした?」
そう言って資料を机に置く宮川くんに「流石にここでは…」と口を濁す。
すると宮川くんは「企画部の本田さんだっけ?じゃあそこ行くのついてきて。取りに行く物もあるし」と私の手を掴む。
「え?!ちょっ…!」
私の手を掴んだまま歩き出す彼に引きずられるようにして部署を出る。
「洸くんっ!」
助けてっと伸ばした手は、「いってらっしゃい~」と笑顔で手を振る洸くんを見て行き場を無くす。
…その時だった。
「五月先輩もうおばさんのくせに調子乗らないでほしいよね」
「宮川くんに手握られて嬉しそうにしちゃってさ」
ドアの近くにいた宮川くんより一歳下の女性社員が私を指差して言った。
…宮川くんモテるもんなぁ。
調子に乗ってるわけでもないし、嬉しそうにしてるわけでも無いけれど。彼女達が嫉妬をしているのにはなんとなく共感できた。
…私はいたって真面目で、後輩にも先輩にも敵のいない平凡な社員でいたかったのにな。
宮川くんに掴まれた右手を見てそう思う。
女性社員からは結構反感買うだろうな。
宮川くん、モテるし。
そう思って小さく、宮川くんに聞こえないぐらいのため息を吐く。
「…気にしないでください。あなたが悪いわけじゃないです。俺の身勝手て振り回したせいですから…」
…前からそんな声が聞こえた。
もしかして、ため息聞こえちゃった感じかな。
しまったと思っても既にどうしようもなくて私は黙って俯いた。
…普通部長って他の人のコピー頼むのにな…
なんて思いながら宮川くんを見て、あっ本田さんと思い出す。
「部長、企画部の本田さんが先ほどいらしてましたよ」
少し宮川くんに近寄ってそう言うと、宮川くんは「はぁ…」とため息をついた。
「部長って言わないでくださいって言いませんでした?」
そう言って資料を机に置く宮川くんに「流石にここでは…」と口を濁す。
すると宮川くんは「企画部の本田さんだっけ?じゃあそこ行くのついてきて。取りに行く物もあるし」と私の手を掴む。
「え?!ちょっ…!」
私の手を掴んだまま歩き出す彼に引きずられるようにして部署を出る。
「洸くんっ!」
助けてっと伸ばした手は、「いってらっしゃい~」と笑顔で手を振る洸くんを見て行き場を無くす。
…その時だった。
「五月先輩もうおばさんのくせに調子乗らないでほしいよね」
「宮川くんに手握られて嬉しそうにしちゃってさ」
ドアの近くにいた宮川くんより一歳下の女性社員が私を指差して言った。
…宮川くんモテるもんなぁ。
調子に乗ってるわけでもないし、嬉しそうにしてるわけでも無いけれど。彼女達が嫉妬をしているのにはなんとなく共感できた。
…私はいたって真面目で、後輩にも先輩にも敵のいない平凡な社員でいたかったのにな。
宮川くんに掴まれた右手を見てそう思う。
女性社員からは結構反感買うだろうな。
宮川くん、モテるし。
そう思って小さく、宮川くんに聞こえないぐらいのため息を吐く。
「…気にしないでください。あなたが悪いわけじゃないです。俺の身勝手て振り回したせいですから…」
…前からそんな声が聞こえた。
もしかして、ため息聞こえちゃった感じかな。
しまったと思っても既にどうしようもなくて私は黙って俯いた。
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