ヤクザと私と。~養子じゃなく嫁でした

ごめんなさい

side 沙織


「沙織ちゃん、ご飯だよ」


駒井さんの言葉に目がさめる。


あれ…もう朝…？


そっと身体を起こすと突然起きたからか頭がフラッとして駒井さんの肩にしがみつく。


「大丈夫？ご飯 あとで二人で食べる？」

気を使ってくれる駒井さんに首を横に振って立とうとする。

…するとなぜか力が入らなくてペタンと座り込む。

…？

風邪かな…

駒井さんを待たせてるから急いで立たないとと思うと「よいしょ」と言って駒井さんが肩を持ちベットへ座らせてくれる。

「睡眠薬が抜けきってないみたい？ユウ、どんだけ入れたんだよ…」


…あ、思い出した。

「ごめんなさい…」


駒井さんに謝る。

彼は優しく笑って「ユウのせいだから、立てないのはしょうがないよ。部屋に持ってきて二人で食べよっか」と言う。

「そうじゃなくて…」


その言葉にえ？と首をかしげる。


「…盗聴器…つけたりしてごめんなさい。ユウくんの部屋入ったりしてごめんなさい」

彼の目が見れなくて俯いて謝ると彼は黙った。

…沈黙が怖くて顔を上げれない。


するとそっと頭に手が乗って「僕こそごめんね」と駒井さんが謝った。

「お母さんのこと、ちゃんと言えばよかったね。」

そう言う彼に何も言えないままけど小さく頷く。


「お母さんは友達のところでバイトしながら元気に暮らしてるらしいよ。今度真斗が話に行くみたいだけど、一緒に行きたい？」


突然の誘いに少し躊躇いながら小さく首を振った。


「…拒絶されたら、」

その言葉に駒井さんは悲しそうに微笑んで「僕と結果を待つことにしよっか」といってそっと抱きしめた。