3 / 48
3 男爵令嬢プリシラ・スワロー
しおりを挟む
プリシラ視点です。
――*――
私はプリシラ。
元々は日本人だったのだが、どうやらこの世界のヒロインに転生したようだ。
私の記憶が戻ったのは、王立貴族学園に入学する前日である。
田舎の男爵令嬢プリシラは、学園でとある男性と恋をして、未来の王妃になるのだ。
眉目秀麗なる王太子、ラインハルト・ヴァン・レインフォード。
私は、転生前からラインハルト推しだった。
小説には騎士のアレクを始め、教師や幼馴染など数多のイケメンが登場するので、ファンの間では推しが分かれている。
だが、私はメインヒーローで優しく万能、未来の国王という最高の地位を持つラインハルトが一番好きで、現実世界の男性が全員霞むほどだった。
生まれ変わったらヒロインのプリシラになりたいと思うほど、ラインハルトが好きだったのだ。
その思いが通じたのか、私はあれ程望んだプリシラに転生したのである。
記憶が蘇った瞬間は、夜中にも関わらず大喜びで思わず叫んでしまい、ちょっとした騒ぎになったが、そんな事は些事である。
********
予定が狂ったのは、学園の入学式で入場した時である。
私の視線は、憧れのラインハルトにすぐに吸い込まれていった。
小説の挿絵そのものの、眩いほどに尊く美しい彼がそこにいた。
いつまでも見ていられる……そう思って、陶然とラインハルトを見ながらゆっくりと歩を進めていると、隣にいる金髪碧眼の、これまた美しい女性が目に入った。
私の敵――悪役令嬢、エミリア・ブラウンである。
私の大好きなラインハルトはエミリアと婚約していて、私は嫉妬に駆られたエミリアに嫌がらせを受けることになるのだ。
エミリアは、私をじっと見ていたようだった。
その時点で私は違和感を覚えたのだが、なんとエミリアは私と目が合った瞬間に涙を流したのだ。
その時、私は確信した。
エミリアも転生者だと。
エミリアはラインハルトに一言二言話しかけられたものの、ハンカチを顔に当ててそのまま外に出て行った。
ラインハルトはエミリアを追う気配はなかったので、私は満足した。
小説では、この時点で既にラインハルトはエミリアに愛情を抱いていなくて、体調が悪いエミリアを気遣う事もなく、エミリアは見送られる事もないまま一人で早退したのだった。
次のイベントは、ラインハルトのスピーチの後、お手洗いから会場に戻る時に発生するから、まだ時間があるはずだ。
私はエミリアの事が気になったので、新入生の入場する列が途切れる前に人に紛れて会場の外に出て、エミリアを探す事にした。
エミリアは、泣いて腫れてしまった目を気にして教室に戻れず、ため息をついているようだった。
……少し、カマをかけてみよう。
そう思って、私はエミリアに話しかけることにした。
「エミリア・ブラウン様ですか?」
私が声をかけると、エミリアはびくりと肩を揺らして、そーっと振り返る。
泣き腫らした顔は、とてもじゃないが『王国の花』とは程遠い。
それでも、彼女は気丈に振る舞おうとしているようだ。
「……ええ、そうです。私に何か御用でしょうか?」
「あれぇ、泣いてらしたんですかぁ? 目が腫れてますよぉ」
「……少々、体調が悪かったものですから。御用がないのでしたら、お引き取り下さい。私はもう少しこちらで休んでから戻りますので」
いいや、エミリアは早退するのだ。
誰にも見送られずに。
私は、ここでカマをかけてみる事にした。
「あ、そうだったんですかぁ。ごめんなさい。ところで、エミリア様、私のことご存知ですよね?」
「……いえ、初対面だと思いますが。何故そう思われたのですか?」
「エミリア様、入学式で私をじっと見てましたよね? それに私と目が合ったら急に涙を流されたので、びっくりしちゃいましたぁ」
「そうだったかしら? 確かに入学式の途中で目にゴミが入って涙が出てしまいましたけれど、その時に誰かと目が合った記憶はありませんわ」
目が一瞬泳いでいたのを、私は見逃さなかった。
彼女はほぼ確実に転生者だ。
私は、それでもシラを切り通そうとしているエミリアに、無性に苛々した。
「ふぅん、誤魔化すんだ。まぁいいけど。……エミリア様、ご存知だとは思いますが、私はプリシラ・スワローと申します。あなたの愛しの王子様は私がいただいちゃいますから、覚悟しておいて下さいねぇ」
「……!! どういう、事かしら?」
エミリアは大きな反応を見せた。
眉間に皺を寄せ、怒りと驚きに顔を歪めている。
私は徐々に楽しくなってきて、大きく出てみた。
「やあねぇ、言葉通りよぉ。私はヒロイン、あなたは悪役令嬢。あなたも転生者なら、わかってるでしょう? 諦めて大人しくしててくれたら、修道院は回避させてあげてもいいわよぉ」
「……意味が、わからないわ」
「ふふふん、どうあってもシラを切るつもりねぇ。なら、物語通りに退場してもらいますからぁ。では、ご機嫌よう、エミリア様」
エミリアの歪んだ表情を尻目に、私は校舎へと引き返した。
この後は、ラインハルトとの出会いイベントが待っている。
悪役令嬢と遊んでいて大切な出会いを逃してしまっては、元も子もない。
私は少し早歩きで、入学式の会場近くのお手洗いに向かったのだった。
********
ラインハルトとの出会いイベントは、予定通り上手くいった。
いつもラインハルトと一緒にいる騎士アレクも何故かこの時は居らず、小説の通り、ラインハルトは一人で歩いていた。
私がわざとらしく迷子のフリをすると、ラインハルトの方から話しかけてくれた――これも予定通りである。
ひとまず私の事をラインハルトに印象付けることは成功だ。
その後入学式に戻った私は、一年生の教室へ案内され、無事学園での初日を終えたのであった。
帰り際、近くを通った三年生の会話に聞き耳を立てていると、エミリアも予定通り一人きりで早退したようだった。
今のところ、私の知る物語の通りに進んでいる。
「……悪役令嬢の件は杞憂だったかしら……いえ、でもまだ油断は出来ないわ。でないとあの涙もあの反応も説明がつかないもの」
私が下を向いて考え事をしながら歩いていると、額のあたりがごつんと何かにぶつかった。
「いだっ」
「……ああ、申し訳ありません、急いでいたもので。お怪我はありませんか?」
上から降ってきた声に顔を上げると、背が高くしなやかな体躯の男性がそこにいた。
赤みがかった茶髪は短く揃えられていて、キリッとした男らしい顔をしている。
涼やかな目元に反して、瞳の色は情熱的な紅色だ。
右手に鞄、左手には数冊の本を抱えているその男性は、ラインハルトの御付きの騎士、アレク・ハーバートである。
「えっと、大丈夫ですぅ。ごめんなさい、私も余所見をしてて」
「それなら良かったです。……では、失礼」
本当に急いでいたのだろう、そう言ってアレクは足早に去っていく。
ラインハルトが側にいなかった所をみると、ラインハルトから何か言いつかっていたのかもしれない。
「あ、これ……」
足元に、アレクが本に挟んでいた物と思われる、押し花のしおりが落ちている。
……思い出した。
そういえばアレクはプリシラにぶつかって落とし物をして、それをプリシラが返しに行くことで、アレクと一緒にいたラインハルトと話す機会が出来るんだった。
この押し花のしおりはアレクが昔エミリアに貰った物で、アレクがとても大切にしている品なのである。
小説では、実はアレクはエミリアに密かに想いを寄せていて、ラインハルトとエミリアの婚約を破るためにプリシラに協力してくれるのだ。
プリシラとラインハルトが結ばれると、アレクは修道院行きになったエミリアを現地まで護衛し、そのまま王城には戻って来なくなる。
ただし、主人公が絡まない部分なので、二人がその後どうなったのかまでは記されていなかったが。
「よし、これで堂々と三年生の教室に行けるわね。あ、でもその前に校門前でイベか。よしよし、予定通り~っと」
そうして私は、ご機嫌で帰路についたのだった。
――*――
私はプリシラ。
元々は日本人だったのだが、どうやらこの世界のヒロインに転生したようだ。
私の記憶が戻ったのは、王立貴族学園に入学する前日である。
田舎の男爵令嬢プリシラは、学園でとある男性と恋をして、未来の王妃になるのだ。
眉目秀麗なる王太子、ラインハルト・ヴァン・レインフォード。
私は、転生前からラインハルト推しだった。
小説には騎士のアレクを始め、教師や幼馴染など数多のイケメンが登場するので、ファンの間では推しが分かれている。
だが、私はメインヒーローで優しく万能、未来の国王という最高の地位を持つラインハルトが一番好きで、現実世界の男性が全員霞むほどだった。
生まれ変わったらヒロインのプリシラになりたいと思うほど、ラインハルトが好きだったのだ。
その思いが通じたのか、私はあれ程望んだプリシラに転生したのである。
記憶が蘇った瞬間は、夜中にも関わらず大喜びで思わず叫んでしまい、ちょっとした騒ぎになったが、そんな事は些事である。
********
予定が狂ったのは、学園の入学式で入場した時である。
私の視線は、憧れのラインハルトにすぐに吸い込まれていった。
小説の挿絵そのものの、眩いほどに尊く美しい彼がそこにいた。
いつまでも見ていられる……そう思って、陶然とラインハルトを見ながらゆっくりと歩を進めていると、隣にいる金髪碧眼の、これまた美しい女性が目に入った。
私の敵――悪役令嬢、エミリア・ブラウンである。
私の大好きなラインハルトはエミリアと婚約していて、私は嫉妬に駆られたエミリアに嫌がらせを受けることになるのだ。
エミリアは、私をじっと見ていたようだった。
その時点で私は違和感を覚えたのだが、なんとエミリアは私と目が合った瞬間に涙を流したのだ。
その時、私は確信した。
エミリアも転生者だと。
エミリアはラインハルトに一言二言話しかけられたものの、ハンカチを顔に当ててそのまま外に出て行った。
ラインハルトはエミリアを追う気配はなかったので、私は満足した。
小説では、この時点で既にラインハルトはエミリアに愛情を抱いていなくて、体調が悪いエミリアを気遣う事もなく、エミリアは見送られる事もないまま一人で早退したのだった。
次のイベントは、ラインハルトのスピーチの後、お手洗いから会場に戻る時に発生するから、まだ時間があるはずだ。
私はエミリアの事が気になったので、新入生の入場する列が途切れる前に人に紛れて会場の外に出て、エミリアを探す事にした。
エミリアは、泣いて腫れてしまった目を気にして教室に戻れず、ため息をついているようだった。
……少し、カマをかけてみよう。
そう思って、私はエミリアに話しかけることにした。
「エミリア・ブラウン様ですか?」
私が声をかけると、エミリアはびくりと肩を揺らして、そーっと振り返る。
泣き腫らした顔は、とてもじゃないが『王国の花』とは程遠い。
それでも、彼女は気丈に振る舞おうとしているようだ。
「……ええ、そうです。私に何か御用でしょうか?」
「あれぇ、泣いてらしたんですかぁ? 目が腫れてますよぉ」
「……少々、体調が悪かったものですから。御用がないのでしたら、お引き取り下さい。私はもう少しこちらで休んでから戻りますので」
いいや、エミリアは早退するのだ。
誰にも見送られずに。
私は、ここでカマをかけてみる事にした。
「あ、そうだったんですかぁ。ごめんなさい。ところで、エミリア様、私のことご存知ですよね?」
「……いえ、初対面だと思いますが。何故そう思われたのですか?」
「エミリア様、入学式で私をじっと見てましたよね? それに私と目が合ったら急に涙を流されたので、びっくりしちゃいましたぁ」
「そうだったかしら? 確かに入学式の途中で目にゴミが入って涙が出てしまいましたけれど、その時に誰かと目が合った記憶はありませんわ」
目が一瞬泳いでいたのを、私は見逃さなかった。
彼女はほぼ確実に転生者だ。
私は、それでもシラを切り通そうとしているエミリアに、無性に苛々した。
「ふぅん、誤魔化すんだ。まぁいいけど。……エミリア様、ご存知だとは思いますが、私はプリシラ・スワローと申します。あなたの愛しの王子様は私がいただいちゃいますから、覚悟しておいて下さいねぇ」
「……!! どういう、事かしら?」
エミリアは大きな反応を見せた。
眉間に皺を寄せ、怒りと驚きに顔を歪めている。
私は徐々に楽しくなってきて、大きく出てみた。
「やあねぇ、言葉通りよぉ。私はヒロイン、あなたは悪役令嬢。あなたも転生者なら、わかってるでしょう? 諦めて大人しくしててくれたら、修道院は回避させてあげてもいいわよぉ」
「……意味が、わからないわ」
「ふふふん、どうあってもシラを切るつもりねぇ。なら、物語通りに退場してもらいますからぁ。では、ご機嫌よう、エミリア様」
エミリアの歪んだ表情を尻目に、私は校舎へと引き返した。
この後は、ラインハルトとの出会いイベントが待っている。
悪役令嬢と遊んでいて大切な出会いを逃してしまっては、元も子もない。
私は少し早歩きで、入学式の会場近くのお手洗いに向かったのだった。
********
ラインハルトとの出会いイベントは、予定通り上手くいった。
いつもラインハルトと一緒にいる騎士アレクも何故かこの時は居らず、小説の通り、ラインハルトは一人で歩いていた。
私がわざとらしく迷子のフリをすると、ラインハルトの方から話しかけてくれた――これも予定通りである。
ひとまず私の事をラインハルトに印象付けることは成功だ。
その後入学式に戻った私は、一年生の教室へ案内され、無事学園での初日を終えたのであった。
帰り際、近くを通った三年生の会話に聞き耳を立てていると、エミリアも予定通り一人きりで早退したようだった。
今のところ、私の知る物語の通りに進んでいる。
「……悪役令嬢の件は杞憂だったかしら……いえ、でもまだ油断は出来ないわ。でないとあの涙もあの反応も説明がつかないもの」
私が下を向いて考え事をしながら歩いていると、額のあたりがごつんと何かにぶつかった。
「いだっ」
「……ああ、申し訳ありません、急いでいたもので。お怪我はありませんか?」
上から降ってきた声に顔を上げると、背が高くしなやかな体躯の男性がそこにいた。
赤みがかった茶髪は短く揃えられていて、キリッとした男らしい顔をしている。
涼やかな目元に反して、瞳の色は情熱的な紅色だ。
右手に鞄、左手には数冊の本を抱えているその男性は、ラインハルトの御付きの騎士、アレク・ハーバートである。
「えっと、大丈夫ですぅ。ごめんなさい、私も余所見をしてて」
「それなら良かったです。……では、失礼」
本当に急いでいたのだろう、そう言ってアレクは足早に去っていく。
ラインハルトが側にいなかった所をみると、ラインハルトから何か言いつかっていたのかもしれない。
「あ、これ……」
足元に、アレクが本に挟んでいた物と思われる、押し花のしおりが落ちている。
……思い出した。
そういえばアレクはプリシラにぶつかって落とし物をして、それをプリシラが返しに行くことで、アレクと一緒にいたラインハルトと話す機会が出来るんだった。
この押し花のしおりはアレクが昔エミリアに貰った物で、アレクがとても大切にしている品なのである。
小説では、実はアレクはエミリアに密かに想いを寄せていて、ラインハルトとエミリアの婚約を破るためにプリシラに協力してくれるのだ。
プリシラとラインハルトが結ばれると、アレクは修道院行きになったエミリアを現地まで護衛し、そのまま王城には戻って来なくなる。
ただし、主人公が絡まない部分なので、二人がその後どうなったのかまでは記されていなかったが。
「よし、これで堂々と三年生の教室に行けるわね。あ、でもその前に校門前でイベか。よしよし、予定通り~っと」
そうして私は、ご機嫌で帰路についたのだった。
153
あなたにおすすめの小説
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
【完結】きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
Mimi
恋愛
若様がお戻りになる……
イングラム伯爵領に住む私設騎士団御抱え治療士デイヴの娘リデルがそれを知ったのは、王都を揺るがす第2王子魅了事件解決から半年経った頃だ。
王位継承権2位を失った第2王子殿下のご友人の栄誉に預かっていた若様のジェレマイアも後継者から外されて、領地に戻されることになったのだ。
リデルとジェレマイアは、幼い頃は交流があったが、彼が王都の貴族学院の入学前に婚約者を得たことで、それは途絶えていた。
次期領主の少年と平民の少女とでは身分が違う。
婚約も破棄となり、約束されていた輝かしい未来も失って。
再び、リデルの前に現れたジェレマイアは……
* 番外編の『最愛から2番目の恋』完結致しました
そちらの方にも、お立ち寄りいただけましたら、幸いです
最初から勘違いだった~愛人管理か離縁のはずが、なぜか公爵に溺愛されまして~
猪本夜
恋愛
前世で兄のストーカーに殺されてしまったアリス。
現世でも兄のいいように扱われ、兄の指示で愛人がいるという公爵に嫁ぐことに。
現世で死にかけたことで、前世の記憶を思い出したアリスは、
嫁ぎ先の公爵家で、美味しいものを食し、モフモフを愛で、
足技を磨きながら、意外と幸せな日々を楽しむ。
愛人のいる公爵とは、いずれは愛人管理、もしくは離縁が待っている。
できれば離縁は免れたいために、公爵とは友達夫婦を目指していたのだが、
ある日から愛人がいるはずの公爵がなぜか甘くなっていき――。
この公爵の溺愛は止まりません。
最初から勘違いばかりだった、こじれた夫婦が、本当の夫婦になるまで。
転生令嬢はのんびりしたい!〜その愛はお断りします〜
咲宮
恋愛
私はオルティアナ公爵家に生まれた長女、アイシアと申します。
実は前世持ちでいわゆる転生令嬢なんです。前世でもかなりいいところのお嬢様でした。今回でもお嬢様、これまたいいところの!前世はなんだかんだ忙しかったので、今回はのんびりライフを楽しもう!…そう思っていたのに。
どうして貴方まで同じ世界に転生してるの?
しかも王子ってどういうこと!?
お願いだから私ののんびりライフを邪魔しないで!
その愛はお断りしますから!
※更新が不定期です。
※誤字脱字の指摘や感想、よろしければお願いします。
※完結から結構経ちましたが、番外編を始めます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる