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9 物語と現実との齟齬
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エミリア視点です。
――*――
私は、安心していた。
事前にいっぱい考えてシミュレーションしていたから、泣かずに話し切れた。
それに、殿下は、一点の迷いもなく私の話を信じてくれた――それと同時に、殿下の深い想いを感じる事ができた。
まあ、一年後に殿下が婚約破棄する事になるという件だけは信じられないようだったが。
「……なら。いっその事、物語通りに進めてみるのはいかがでしょう?」
そうアレクが提案した時、私は大事な点を見落としていたことに気がついた。
今まで忘れていたが、小説ではアレクはエミリアが好きで、プリシラに協力してしまう役割だったのだ。
――だが、現実世界ではここにも矛盾点が存在している。
そして、その事をプリシラは知らない筈だ。
「アレク、どういう意味だ?」
「言葉通りです。まず俺がプリシラ嬢に……」
「待ってアレク。話を遮ってごめんなさい。あなたのやろうとしている事は何となく分かるわ……でもその話を詳しく聞く前に、どうしても一つ確認したい事があるの」
これからアレクに聞くことは、何よりも大切な事だ。
話を遮る形になってしまったが、どうしても最初に確認しなくてはならない。
そこにこの物語の鍵がある。
「何でしょうか」
「あなたは、モニカを愛しているわよね?」
しん、と部屋を静寂が支配した。
アレクは何を聞かれたのかすぐには理解出来なかったのか、一瞬固まってからじわじわと赤くなった。
殿下は目をぱちくりしている。
私だけが真顔で、じっとアレクを見つめる。
「……そっ、その事と今回の件と何の関係が……?」
「とても大事なことなのよ。あなたは今も、私の妹を愛している?」
「……あ、あ、愛しています。モニカ様は、俺の唯一無二です」
「なら、大丈夫ね」
「そ、それで、この件とモニカ様に何の関係が……?」
そこで私は微笑み、一度間を置いてから話し始める。
「よく聞いて。物語では、アレクはエミリアが好きで、エミリアと結ばれる為に殿下との婚約破棄を狙っているの。それでプリシラに協力してしまうのよ」
「なに!?」
殿下が即座に反応する。
この方ってこんなに感情豊かだったかしら……。
「殿下、さっきから落ち着いてくださいよ……そんな事、誓って有り得ませんから。俺はモニカ様を愛していますし、以前からずっと、それにこれからも、殿下とエミリア様の幸せを心から願っていますよ」
そう話すアレクの紅色の瞳は真っ直ぐで、真摯だ。
アレクとも付き合いが長いから、嘘をついていないことも真剣に考えてくれていることも、目を見れば分かる。
「ありがとう。私もモニカから聞いているし、二人の気持ちを疑う訳ではないわ。それに、勿論応援しているからね。――けれど、そこに物語と現実との齟齬があるの」
まだ分かっていない様子のアレクに、私は説明を続ける。
聡明な殿下は、私の言わんとしている事が徐々に分かってきたようで、先程と打って変わって真剣な表情をしている。
「私達や互いの家族はアレクとモニカの関係を知っているけれど、アレクは殿下の側仕え、モニカは殿下の婚約者の妹。未来を約束しあっていても、私と殿下が結婚するまではまだ、世間には公表出来ません。つまり、プリシラもその関係を知らない」
「……つまり、まとめると……プリシラ嬢は、アレクがエミリアを好きだと思い込んでいる。一方、現実でアレクが愛しているのはエミリアの妹のモニカ嬢だ。それを利用して、プリシラ嬢を逆に誘導するのだな」
「殿下の仰る通りです」
「つまり俺は、エミリア様を手に入れる為にプリシラ嬢の言いなりになっているかのように振る舞う。そして次にプリシラ嬢が何をする予定なのか聞き出す。プリシラ嬢を上手く誘導して、物語通りに展開が進んでいるように誤認させる、と」
「その通りよ。私が話を遮ってしまったけれど、アレクもそのつもりだったのよね?」
アレクは頷く。
「それで、さっき話を遮ってまで質問をした理由なのだけど――現実と物語の齟齬を上手く利用して、かつこれから先殿下やアレクが困らないようにするために、殿下とアレクにいくつか守ってほしい条件があるのです」
「私も? 何だい?」
「条件? 何でしょう」
「まず、アレク。あなたは、他人には公言出来ないが『公爵家の娘』を愛しているとプリシラに伝えるの。プリシラはそれだけでエミリアの事だと勘違いするでしょう。ブラウン家の名は出してもいいけれど、エミリアの名もモニカの名も出しては駄目よ。いつかプリシラの勘違いが明るみに出る時に、アレク自身とモニカを守るためね」
「成る程。承知いたしました」
「次に、殿下。殿下は難しい御役目です。殿下がプリシラを想っていると誤認させなくてはなりません。ただ、愛しているとか好きだとか、言葉で直接的に伝えるのは駄目です。言質を取られてしまうとどうしようもありません」
「私が愛するのは誓ってエミリアただ一人だ。君以外の人間にそんな言葉など使いたくもない」
「……ありがとうございます……。それから、その……学園で、というか、プリシラが現れる可能性がある場所では、私に冷たい態度を取って下さい」
言いながら私は悲しくなってきてしまった。
ここまで頑張って耐えたのに、泣きそうになってくる。
どうしよう、殿下が困った顔をしている……。
「エミリア……そんなに悲しそうな顔をして……。私がそういう態度を取ることで君にそんな表情をさせてしまうなんて、私は……耐えられない」
「いえ……そうしなくてはならないのです。何も知らないただの令嬢だったら私も警戒しません。……ですが、今のところ表面的には物語の通りに動いています。このまま何も対策をせずに、最後まで物語通りに進んでしまうのは、怖いのです。最後の一瞬……卒業の日が勝負です。そこでひっくり返してしまえば、その先の物語は存在しません。私は殿下も、アレクも信じていますから……ですから、どうか力をお貸し下さい」
殿下は、難しい顔で考え込んでいる。
たっぷりとした静寂の後、殿下は私の目を見て、ゆっくり頷いた。
そして静かな声で、問いかける。
「ひとつ約束してくれないか、エミリア」
「……はい、何でしょう」
「毎日、私と会って話す時間を設けてほしい。勿論プリシラ嬢の目の届かないところで」
「……はい。殿下がよろしいのでしたら、ぜひ」
そう返事をすると、殿下はふっと表情を緩めて、微笑む。
この上なく優しい、慈しむような笑みだ。
「約束だぞ。昨日、私は君のおかげで、想いを伝え合う事の大切さに気付かされたんだ。これから行おうとしている事で私達自身がすれ違ってしまっては、元も子もないからな」
「はい」
私の目から、耐え切れず一筋の涙が頬を伝った。
殿下は真剣な表情で続ける。
「私は、何があろうと君を最優先する。君との未来を確実に掴むためなら、そのように冷たく振る舞う事も……不本意ではあるが、構わない。だが、それで君が深く傷つくような事があれば、私はそれをすぐに止める。どんな手を使っても男爵令嬢を糾弾し、退学に追い込むだろう」
「……はい……」
もう一筋、涙が頬を伝う。
私はハンカチでそっと目元を覆った。
……殿下が仰った退学というのは、最終手段だ。
学園は政治と切り離された世界であり、学園独自のルールがある。
王族が強引に権力を振り翳して一人の生徒を退学させるなんてあってはならない事で、殿下にも王家にも傷がつく。
スワロー男爵にも痛手である……もしかしたら没落の最後の一手になってしまうかもしれない。
一方、上手く卒業まで乗り切れば、そのままプリシラとの縁も切れるし、プリシラも残る二年で恋人を探したり、就職に向けて準備出来るだろう。
私はハンカチを下ろし、笑顔を作って殿下に話しかけた。
「何とか卒業まで、頑張りましょう」
「ああ。そして卒業したら、すぐにでも結婚しよう」
「……はい……!」
殿下は目を細めて、再び優しく笑いかけてくれる。
美しく眩しい、完璧な理想の王子様が目の前にいる――。
「あと問題なのは、実際にはエミリア様は何も手を出してはいけないという事でしょうね。プリシラ嬢に何かしてしまえば、それは証拠の一つになってしまいますから。エミリア様は動かず、プリシラ嬢にはエミリア様が嫌がらせをしているように誤認させる……」
「もう少し仲間が必要だな」
「仲間を増やすといっても……やり方を考えないと、逆に私達が故意にプリシラを陥れようとしていると取られかねないですわ。それに、こんな話、そもそも信じてもらえるかどうか……」
「……プリシラ嬢は、次は何をするつもりなんだい?」
「それが……分からないのです。先程も言いましたが、私はその物語を読み込んでいないので、次の展開がどういう物だったか……。さわりだけ聞けば思い出すと思うんですが……」
「なら、やはり情報収集が大切になってきますね。……俺に考えがあります。一任して頂けませんか」
アレクは強い意志を感じさせる表情で、そう言ったのだった。
――*――
私は、安心していた。
事前にいっぱい考えてシミュレーションしていたから、泣かずに話し切れた。
それに、殿下は、一点の迷いもなく私の話を信じてくれた――それと同時に、殿下の深い想いを感じる事ができた。
まあ、一年後に殿下が婚約破棄する事になるという件だけは信じられないようだったが。
「……なら。いっその事、物語通りに進めてみるのはいかがでしょう?」
そうアレクが提案した時、私は大事な点を見落としていたことに気がついた。
今まで忘れていたが、小説ではアレクはエミリアが好きで、プリシラに協力してしまう役割だったのだ。
――だが、現実世界ではここにも矛盾点が存在している。
そして、その事をプリシラは知らない筈だ。
「アレク、どういう意味だ?」
「言葉通りです。まず俺がプリシラ嬢に……」
「待ってアレク。話を遮ってごめんなさい。あなたのやろうとしている事は何となく分かるわ……でもその話を詳しく聞く前に、どうしても一つ確認したい事があるの」
これからアレクに聞くことは、何よりも大切な事だ。
話を遮る形になってしまったが、どうしても最初に確認しなくてはならない。
そこにこの物語の鍵がある。
「何でしょうか」
「あなたは、モニカを愛しているわよね?」
しん、と部屋を静寂が支配した。
アレクは何を聞かれたのかすぐには理解出来なかったのか、一瞬固まってからじわじわと赤くなった。
殿下は目をぱちくりしている。
私だけが真顔で、じっとアレクを見つめる。
「……そっ、その事と今回の件と何の関係が……?」
「とても大事なことなのよ。あなたは今も、私の妹を愛している?」
「……あ、あ、愛しています。モニカ様は、俺の唯一無二です」
「なら、大丈夫ね」
「そ、それで、この件とモニカ様に何の関係が……?」
そこで私は微笑み、一度間を置いてから話し始める。
「よく聞いて。物語では、アレクはエミリアが好きで、エミリアと結ばれる為に殿下との婚約破棄を狙っているの。それでプリシラに協力してしまうのよ」
「なに!?」
殿下が即座に反応する。
この方ってこんなに感情豊かだったかしら……。
「殿下、さっきから落ち着いてくださいよ……そんな事、誓って有り得ませんから。俺はモニカ様を愛していますし、以前からずっと、それにこれからも、殿下とエミリア様の幸せを心から願っていますよ」
そう話すアレクの紅色の瞳は真っ直ぐで、真摯だ。
アレクとも付き合いが長いから、嘘をついていないことも真剣に考えてくれていることも、目を見れば分かる。
「ありがとう。私もモニカから聞いているし、二人の気持ちを疑う訳ではないわ。それに、勿論応援しているからね。――けれど、そこに物語と現実との齟齬があるの」
まだ分かっていない様子のアレクに、私は説明を続ける。
聡明な殿下は、私の言わんとしている事が徐々に分かってきたようで、先程と打って変わって真剣な表情をしている。
「私達や互いの家族はアレクとモニカの関係を知っているけれど、アレクは殿下の側仕え、モニカは殿下の婚約者の妹。未来を約束しあっていても、私と殿下が結婚するまではまだ、世間には公表出来ません。つまり、プリシラもその関係を知らない」
「……つまり、まとめると……プリシラ嬢は、アレクがエミリアを好きだと思い込んでいる。一方、現実でアレクが愛しているのはエミリアの妹のモニカ嬢だ。それを利用して、プリシラ嬢を逆に誘導するのだな」
「殿下の仰る通りです」
「つまり俺は、エミリア様を手に入れる為にプリシラ嬢の言いなりになっているかのように振る舞う。そして次にプリシラ嬢が何をする予定なのか聞き出す。プリシラ嬢を上手く誘導して、物語通りに展開が進んでいるように誤認させる、と」
「その通りよ。私が話を遮ってしまったけれど、アレクもそのつもりだったのよね?」
アレクは頷く。
「それで、さっき話を遮ってまで質問をした理由なのだけど――現実と物語の齟齬を上手く利用して、かつこれから先殿下やアレクが困らないようにするために、殿下とアレクにいくつか守ってほしい条件があるのです」
「私も? 何だい?」
「条件? 何でしょう」
「まず、アレク。あなたは、他人には公言出来ないが『公爵家の娘』を愛しているとプリシラに伝えるの。プリシラはそれだけでエミリアの事だと勘違いするでしょう。ブラウン家の名は出してもいいけれど、エミリアの名もモニカの名も出しては駄目よ。いつかプリシラの勘違いが明るみに出る時に、アレク自身とモニカを守るためね」
「成る程。承知いたしました」
「次に、殿下。殿下は難しい御役目です。殿下がプリシラを想っていると誤認させなくてはなりません。ただ、愛しているとか好きだとか、言葉で直接的に伝えるのは駄目です。言質を取られてしまうとどうしようもありません」
「私が愛するのは誓ってエミリアただ一人だ。君以外の人間にそんな言葉など使いたくもない」
「……ありがとうございます……。それから、その……学園で、というか、プリシラが現れる可能性がある場所では、私に冷たい態度を取って下さい」
言いながら私は悲しくなってきてしまった。
ここまで頑張って耐えたのに、泣きそうになってくる。
どうしよう、殿下が困った顔をしている……。
「エミリア……そんなに悲しそうな顔をして……。私がそういう態度を取ることで君にそんな表情をさせてしまうなんて、私は……耐えられない」
「いえ……そうしなくてはならないのです。何も知らないただの令嬢だったら私も警戒しません。……ですが、今のところ表面的には物語の通りに動いています。このまま何も対策をせずに、最後まで物語通りに進んでしまうのは、怖いのです。最後の一瞬……卒業の日が勝負です。そこでひっくり返してしまえば、その先の物語は存在しません。私は殿下も、アレクも信じていますから……ですから、どうか力をお貸し下さい」
殿下は、難しい顔で考え込んでいる。
たっぷりとした静寂の後、殿下は私の目を見て、ゆっくり頷いた。
そして静かな声で、問いかける。
「ひとつ約束してくれないか、エミリア」
「……はい、何でしょう」
「毎日、私と会って話す時間を設けてほしい。勿論プリシラ嬢の目の届かないところで」
「……はい。殿下がよろしいのでしたら、ぜひ」
そう返事をすると、殿下はふっと表情を緩めて、微笑む。
この上なく優しい、慈しむような笑みだ。
「約束だぞ。昨日、私は君のおかげで、想いを伝え合う事の大切さに気付かされたんだ。これから行おうとしている事で私達自身がすれ違ってしまっては、元も子もないからな」
「はい」
私の目から、耐え切れず一筋の涙が頬を伝った。
殿下は真剣な表情で続ける。
「私は、何があろうと君を最優先する。君との未来を確実に掴むためなら、そのように冷たく振る舞う事も……不本意ではあるが、構わない。だが、それで君が深く傷つくような事があれば、私はそれをすぐに止める。どんな手を使っても男爵令嬢を糾弾し、退学に追い込むだろう」
「……はい……」
もう一筋、涙が頬を伝う。
私はハンカチでそっと目元を覆った。
……殿下が仰った退学というのは、最終手段だ。
学園は政治と切り離された世界であり、学園独自のルールがある。
王族が強引に権力を振り翳して一人の生徒を退学させるなんてあってはならない事で、殿下にも王家にも傷がつく。
スワロー男爵にも痛手である……もしかしたら没落の最後の一手になってしまうかもしれない。
一方、上手く卒業まで乗り切れば、そのままプリシラとの縁も切れるし、プリシラも残る二年で恋人を探したり、就職に向けて準備出来るだろう。
私はハンカチを下ろし、笑顔を作って殿下に話しかけた。
「何とか卒業まで、頑張りましょう」
「ああ。そして卒業したら、すぐにでも結婚しよう」
「……はい……!」
殿下は目を細めて、再び優しく笑いかけてくれる。
美しく眩しい、完璧な理想の王子様が目の前にいる――。
「あと問題なのは、実際にはエミリア様は何も手を出してはいけないという事でしょうね。プリシラ嬢に何かしてしまえば、それは証拠の一つになってしまいますから。エミリア様は動かず、プリシラ嬢にはエミリア様が嫌がらせをしているように誤認させる……」
「もう少し仲間が必要だな」
「仲間を増やすといっても……やり方を考えないと、逆に私達が故意にプリシラを陥れようとしていると取られかねないですわ。それに、こんな話、そもそも信じてもらえるかどうか……」
「……プリシラ嬢は、次は何をするつもりなんだい?」
「それが……分からないのです。先程も言いましたが、私はその物語を読み込んでいないので、次の展開がどういう物だったか……。さわりだけ聞けば思い出すと思うんですが……」
「なら、やはり情報収集が大切になってきますね。……俺に考えがあります。一任して頂けませんか」
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