18 / 48
18 天体観測と悪役令嬢
しおりを挟む
エミリア視点です。
――*――
プリシラが去り、一頻り殿下の胸を借りて泣いたあと。
私達はマクレディ先生の手伝いのため、まずは理科準備室で観測と記録の方法を教わり、レジャーシートや時計、記録用のノートなどを持って屋上と校庭の二箇所に分かれて観測する事になった。
頭の良い殿下はすぐにやり方を理解したようで、逆にアレクは少し分からない点があったらしい。
アレクも成績は悪くないが、理系科目はどうやら少し苦手なようだ。
そのため、アレクは先生と組み、私は殿下と組んでサポートに回ることになった。
「いいかい、七時半から三十分間観測をするよ。放射点を見つけたら、そこから流れてくる光の強さと時間を……」
最終確認を終えると、私と殿下は屋上へ、アレクと先生は校庭へ向かった。
観測が始まるまで、あと五分ぐらいある。
私達はレジャーシートに座って、その時間を待っている。
「エミリア、もう落ち着いたかい?」
「はい。先程は、ご迷惑をおかけしました……」
「迷惑なんかじゃないよ。それより、これ以上君に悲しい思いをさせるようなら、私は……」
「いえ、いいんです。殿下が私の事を想って下さっているのは、良く分かっていますから」
「エミリア……」
「ふふ、なんだか不思議ですわ。記憶が戻るまでは、私は殿下と婚約者としては仲が良いものの、恋愛対象として見ていただけていないと思っていました。でも、この困った泣き癖のお陰で、殿下の想いを知ることが出来て……今、とても幸せなのです。どんな未来が待っていても、きっと私は今この時、胸を張って幸せだったと言えますわ」
私は空を眺めながら、殿下に語りかける。
プリシラの件で大変な思いをしてはいるが、こうやって毎日殿下やアレクと過ごすことが出来て、本当に楽しいし、充実しているし、幸せなのだ。
「……じゃない」
殿下は、小さい声で呟いた。
「え?」
――風に揺れる銀色の髪、月に照らされる美しいお顔。
「幸せだった、じゃない。これからもずっと、幸せにする。ずっと、一生」
――私を真っ直ぐに見つめる、熱の灯った銀色の瞳。
「……殿下……」
「……名前」
「え?」
「名前で、呼んでほしい」
「……」
「エミリア……お願い」
――優しく私を呼ぶ声。私は、このひとが、
「……ラインハルト様……」
「……!」
殿下は、今までで一番強く私を抱きしめる。
――好き。
「エミリア……。絶対に、離さない」
「ラインハルト様……」
私は殿下の背中に、そっと手を回す。
少しして殿下は私から体を離すと、私のおとがいに手を添えた。
再び、二人の距離が縮まっていく。
その距離が限りなくゼロに近くなった時――
ジリリリリリリ!
間が悪く、観測開始を告げる目覚まし時計の音が鳴ったのだった。
********
「よし、充分データは取れたな」
「ええ。三十分間でこんなに流れ星が観測出来るとは思いませんでしたわ」
「マクレディ先生に報告に行く前に、願い事でもしていくかい?」
「ふふ、そうですね」
こうしている間にも、幾つもの流れ星が夜空を滑っていく。
「こんなに沢山の流れ星に願い事をしたら、本当に叶いそうだな」
「そうかもしれないですね。叶うといいなあ」
夜空にはひっきりなしに星が流れていく。
周りには障害物も殆ど無いし、まるで二人きりで星に包まれているかのような、幻想的な光景である。
こんなにも美しい夜は、初めてだ。
「エミリアは何を願ったんだい? 私は……」
「しー、です」
私は、流れ星にかけた願い事を言おうとした殿下の口に、人差し指をそっと置いた。
殿下は目を丸くしている。
「願い事は、人に言うと叶わなくなっちゃうんですよ」
私が指をどけると、殿下はその手を優しく取った。
美しい目をすっと細め、形良い唇が弧を描き、甘い微笑みを形作る。
「じゃあ、言わない」
殿下は、もう片方の手で、私の頬に触れる。
その瞳には、甘い熱を宿している。
「でも、一つは……今叶う」
頬に触れていた手は、すうっと顎まで降りてゆく。
私が目を閉じると、今度こそ、唇が優しく触れ合ったのだった。
********
それからしばらくして。
秋も深まり、肌寒い日々が続くようになったある日のこと。
学園では先週中間テストが終わり、今まさにその結果が貼り出されている。
「流石ですわ、殿下は単独主席ですわね」
「ふふ、エミリアに褒められると嬉しいな」
「殿下は社交も学問も芸術も、さらには運動まで全てに秀でておいでですからね。俺は総合では上位に入りますが、馬術と剣術で点を伸ばしているだけでそれ以外は平均的です。というかエミリア様もかなり上位に入っていらっしゃるじゃないですか」
「私は運動はあまり得意ではないけれど、それ以外の部分は王太子妃教育のお陰で鍛えられましたからね」
「エミリアは社交も完璧だし、刺繍やピアノ演奏はプロ級だ。その上賢くて可愛らしくて優しくて美しくて努力家で可愛らしくて」
「はいはい、わかりましたから」
ひとまず私達三人は、何の問題もない。
だが問題は、三年生とは反対側の壁に掲示されている成績表だ。
「……プリシラ嬢、ぶっちぎりの最下位ですね」
「……落第の危機だな」
「……唯一まともに点が取れているのは運動系の科目、それも平均より少し低い程度ですわね」
私達が小声でヒソヒソと話している場所から数メートル先、ピンク色の髪の頭上には、どんよりと重たい空気が漂っている。
誰一人として、暗いオーラを漂わせる彼女の近くに寄る者はいない。
「……プリシラ嬢、学園では私達以外に話せる相手がいないらしいですよ」
「……一年生にも仲の良い者はいないのか?」
「……年度が始まってすぐ、校門前で悪目立ちしてから、誰一人近寄ろうとする人はいないようですよ。更にあの茶会の騒動で、居合わせた令嬢達から悪い噂が広まっているようですね」
「……孤立しているのね。可哀想に……」
天敵とはいえ、不思議な縁で知り合いになったのだから、このまま見過ごすのも何となく可哀想である。
「……ねえ、私達で何とかしてあげられないかしら?」
「ええっ?」
アレクが大きい声を出したせいで、プリシラがこちらに気づいて駆け寄ってきた。
殿下も信じられないと言わんばかりに、こちらを見ている。
「ラインハルト殿下ぁー! こんにちはぁ!」
「あ、ああ……」
「……エミリア様、正気ですか? あんなのに情けをかけることないんじゃないですか?」
プリシラが殿下と話している間に、アレクが小声で私に耳打ちしてくる。
「……だって、スワロー男爵領は貧乏なのよ。それなのに頑張って貴族学園に入学させて……それだけプリシラに期待しているはずよ。なのに落第してしまったら、男爵もプリシラも可哀想よ」
「……本当にお優しい人ですね。自分を苦しめている相手だというのに」
アレクはため息をついた。
お人好しと言われようが何だろうが、困っている者を助けるのも貴族の務めである。
私は、少しだけ悪役令嬢らしく振る舞ってみることにした。
「お話し中申し訳ありません、少しよろしいでしょうか?」
「エミリア……何だい?」
「プリシラ様に一言言いたい事がございまして。殿下のご歓談を遮る形となり、申し訳ございません」
「私は構わないよ。さあ、どうぞ」
「ありがとうございます」
殿下は心配そうな顔で私とプリシラを見るが、一歩下がる。
アレクが殿下に何やら耳打ちする気配を感じつつ、プリシラが私に話しかける。
「あーん折角殿下とお話ししてたのにぃ。邪魔しないで下さいよぉ。何のご用事ですかぁ?」
プリシラのその言葉を聞いて、周りで野次馬をしていた生徒たちがヒヤヒヤし始めた。
だが、私もようやく最近プリシラに慣れてきた。
プリシラのためだもの、今日は泣かないで強気でいくわよ。
「プリシラ様、失礼を承知で申し上げますが、この成績は何なのです? このままでは落第です。あなたを信じて入学させて下さったスワロー男爵に、何と説明するおつもりですか?」
「うっ……こ、これから頑張るんですぅ! 余計なお世話ですよぉ!」
「頑張ると言っても、どう頑張るおつもりです? どの科目も及第点まで程遠い点数ですわよ。お一人では限界があるのではなくて?」
「うぅ……! な、何とかなりますよぉ……!」
「教師や、友人を頼りになさい。真剣に努力するつもりがあるのなら、私も手を貸して差し上げても良くってよ」
「~~~!! 間に合ってますっ! 授業の準備があるので失礼しますっ!」
プリシラは悔しそうな顔をして、そう言い放った。
彼女が一年生の教室へ走り去っていったのを見て、私は満足し、悪い笑顔を浮かべたのだった。
――*――
プリシラが去り、一頻り殿下の胸を借りて泣いたあと。
私達はマクレディ先生の手伝いのため、まずは理科準備室で観測と記録の方法を教わり、レジャーシートや時計、記録用のノートなどを持って屋上と校庭の二箇所に分かれて観測する事になった。
頭の良い殿下はすぐにやり方を理解したようで、逆にアレクは少し分からない点があったらしい。
アレクも成績は悪くないが、理系科目はどうやら少し苦手なようだ。
そのため、アレクは先生と組み、私は殿下と組んでサポートに回ることになった。
「いいかい、七時半から三十分間観測をするよ。放射点を見つけたら、そこから流れてくる光の強さと時間を……」
最終確認を終えると、私と殿下は屋上へ、アレクと先生は校庭へ向かった。
観測が始まるまで、あと五分ぐらいある。
私達はレジャーシートに座って、その時間を待っている。
「エミリア、もう落ち着いたかい?」
「はい。先程は、ご迷惑をおかけしました……」
「迷惑なんかじゃないよ。それより、これ以上君に悲しい思いをさせるようなら、私は……」
「いえ、いいんです。殿下が私の事を想って下さっているのは、良く分かっていますから」
「エミリア……」
「ふふ、なんだか不思議ですわ。記憶が戻るまでは、私は殿下と婚約者としては仲が良いものの、恋愛対象として見ていただけていないと思っていました。でも、この困った泣き癖のお陰で、殿下の想いを知ることが出来て……今、とても幸せなのです。どんな未来が待っていても、きっと私は今この時、胸を張って幸せだったと言えますわ」
私は空を眺めながら、殿下に語りかける。
プリシラの件で大変な思いをしてはいるが、こうやって毎日殿下やアレクと過ごすことが出来て、本当に楽しいし、充実しているし、幸せなのだ。
「……じゃない」
殿下は、小さい声で呟いた。
「え?」
――風に揺れる銀色の髪、月に照らされる美しいお顔。
「幸せだった、じゃない。これからもずっと、幸せにする。ずっと、一生」
――私を真っ直ぐに見つめる、熱の灯った銀色の瞳。
「……殿下……」
「……名前」
「え?」
「名前で、呼んでほしい」
「……」
「エミリア……お願い」
――優しく私を呼ぶ声。私は、このひとが、
「……ラインハルト様……」
「……!」
殿下は、今までで一番強く私を抱きしめる。
――好き。
「エミリア……。絶対に、離さない」
「ラインハルト様……」
私は殿下の背中に、そっと手を回す。
少しして殿下は私から体を離すと、私のおとがいに手を添えた。
再び、二人の距離が縮まっていく。
その距離が限りなくゼロに近くなった時――
ジリリリリリリ!
間が悪く、観測開始を告げる目覚まし時計の音が鳴ったのだった。
********
「よし、充分データは取れたな」
「ええ。三十分間でこんなに流れ星が観測出来るとは思いませんでしたわ」
「マクレディ先生に報告に行く前に、願い事でもしていくかい?」
「ふふ、そうですね」
こうしている間にも、幾つもの流れ星が夜空を滑っていく。
「こんなに沢山の流れ星に願い事をしたら、本当に叶いそうだな」
「そうかもしれないですね。叶うといいなあ」
夜空にはひっきりなしに星が流れていく。
周りには障害物も殆ど無いし、まるで二人きりで星に包まれているかのような、幻想的な光景である。
こんなにも美しい夜は、初めてだ。
「エミリアは何を願ったんだい? 私は……」
「しー、です」
私は、流れ星にかけた願い事を言おうとした殿下の口に、人差し指をそっと置いた。
殿下は目を丸くしている。
「願い事は、人に言うと叶わなくなっちゃうんですよ」
私が指をどけると、殿下はその手を優しく取った。
美しい目をすっと細め、形良い唇が弧を描き、甘い微笑みを形作る。
「じゃあ、言わない」
殿下は、もう片方の手で、私の頬に触れる。
その瞳には、甘い熱を宿している。
「でも、一つは……今叶う」
頬に触れていた手は、すうっと顎まで降りてゆく。
私が目を閉じると、今度こそ、唇が優しく触れ合ったのだった。
********
それからしばらくして。
秋も深まり、肌寒い日々が続くようになったある日のこと。
学園では先週中間テストが終わり、今まさにその結果が貼り出されている。
「流石ですわ、殿下は単独主席ですわね」
「ふふ、エミリアに褒められると嬉しいな」
「殿下は社交も学問も芸術も、さらには運動まで全てに秀でておいでですからね。俺は総合では上位に入りますが、馬術と剣術で点を伸ばしているだけでそれ以外は平均的です。というかエミリア様もかなり上位に入っていらっしゃるじゃないですか」
「私は運動はあまり得意ではないけれど、それ以外の部分は王太子妃教育のお陰で鍛えられましたからね」
「エミリアは社交も完璧だし、刺繍やピアノ演奏はプロ級だ。その上賢くて可愛らしくて優しくて美しくて努力家で可愛らしくて」
「はいはい、わかりましたから」
ひとまず私達三人は、何の問題もない。
だが問題は、三年生とは反対側の壁に掲示されている成績表だ。
「……プリシラ嬢、ぶっちぎりの最下位ですね」
「……落第の危機だな」
「……唯一まともに点が取れているのは運動系の科目、それも平均より少し低い程度ですわね」
私達が小声でヒソヒソと話している場所から数メートル先、ピンク色の髪の頭上には、どんよりと重たい空気が漂っている。
誰一人として、暗いオーラを漂わせる彼女の近くに寄る者はいない。
「……プリシラ嬢、学園では私達以外に話せる相手がいないらしいですよ」
「……一年生にも仲の良い者はいないのか?」
「……年度が始まってすぐ、校門前で悪目立ちしてから、誰一人近寄ろうとする人はいないようですよ。更にあの茶会の騒動で、居合わせた令嬢達から悪い噂が広まっているようですね」
「……孤立しているのね。可哀想に……」
天敵とはいえ、不思議な縁で知り合いになったのだから、このまま見過ごすのも何となく可哀想である。
「……ねえ、私達で何とかしてあげられないかしら?」
「ええっ?」
アレクが大きい声を出したせいで、プリシラがこちらに気づいて駆け寄ってきた。
殿下も信じられないと言わんばかりに、こちらを見ている。
「ラインハルト殿下ぁー! こんにちはぁ!」
「あ、ああ……」
「……エミリア様、正気ですか? あんなのに情けをかけることないんじゃないですか?」
プリシラが殿下と話している間に、アレクが小声で私に耳打ちしてくる。
「……だって、スワロー男爵領は貧乏なのよ。それなのに頑張って貴族学園に入学させて……それだけプリシラに期待しているはずよ。なのに落第してしまったら、男爵もプリシラも可哀想よ」
「……本当にお優しい人ですね。自分を苦しめている相手だというのに」
アレクはため息をついた。
お人好しと言われようが何だろうが、困っている者を助けるのも貴族の務めである。
私は、少しだけ悪役令嬢らしく振る舞ってみることにした。
「お話し中申し訳ありません、少しよろしいでしょうか?」
「エミリア……何だい?」
「プリシラ様に一言言いたい事がございまして。殿下のご歓談を遮る形となり、申し訳ございません」
「私は構わないよ。さあ、どうぞ」
「ありがとうございます」
殿下は心配そうな顔で私とプリシラを見るが、一歩下がる。
アレクが殿下に何やら耳打ちする気配を感じつつ、プリシラが私に話しかける。
「あーん折角殿下とお話ししてたのにぃ。邪魔しないで下さいよぉ。何のご用事ですかぁ?」
プリシラのその言葉を聞いて、周りで野次馬をしていた生徒たちがヒヤヒヤし始めた。
だが、私もようやく最近プリシラに慣れてきた。
プリシラのためだもの、今日は泣かないで強気でいくわよ。
「プリシラ様、失礼を承知で申し上げますが、この成績は何なのです? このままでは落第です。あなたを信じて入学させて下さったスワロー男爵に、何と説明するおつもりですか?」
「うっ……こ、これから頑張るんですぅ! 余計なお世話ですよぉ!」
「頑張ると言っても、どう頑張るおつもりです? どの科目も及第点まで程遠い点数ですわよ。お一人では限界があるのではなくて?」
「うぅ……! な、何とかなりますよぉ……!」
「教師や、友人を頼りになさい。真剣に努力するつもりがあるのなら、私も手を貸して差し上げても良くってよ」
「~~~!! 間に合ってますっ! 授業の準備があるので失礼しますっ!」
プリシラは悔しそうな顔をして、そう言い放った。
彼女が一年生の教室へ走り去っていったのを見て、私は満足し、悪い笑顔を浮かべたのだった。
71
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
悪役令嬢の品格 ~悪役令嬢を演じてきましたが、今回は少し違うようです~
幸路ことは
恋愛
多くの乙女ゲームで悪役令嬢を演じたプロの悪役令嬢は、エリーナとして新しいゲームの世界で目覚める。しかし、今回は悪役令嬢に必須のつり目も縦巻きロールもなく、シナリオも分からない。それでも立派な悪役令嬢を演じるべく突き進んだ。
そして、学園に入学しヒロインを探すが、なぜか攻略対象と思われるキャラが集まってくる。さらに、前世の記憶がある少女にエリーナがヒロインだと告げられ、隠しキャラを出して欲しいとお願いされた……。
これは、ロマンス小説とプリンが大好きなエリーナが、悪役令嬢のプライドを胸に、少しずつ自分の気持ちを知り恋をしていく物語。なろう完結済み Copyright(C)2019 幸路ことは
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
【完結】きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
Mimi
恋愛
若様がお戻りになる……
イングラム伯爵領に住む私設騎士団御抱え治療士デイヴの娘リデルがそれを知ったのは、王都を揺るがす第2王子魅了事件解決から半年経った頃だ。
王位継承権2位を失った第2王子殿下のご友人の栄誉に預かっていた若様のジェレマイアも後継者から外されて、領地に戻されることになったのだ。
リデルとジェレマイアは、幼い頃は交流があったが、彼が王都の貴族学院の入学前に婚約者を得たことで、それは途絶えていた。
次期領主の少年と平民の少女とでは身分が違う。
婚約も破棄となり、約束されていた輝かしい未来も失って。
再び、リデルの前に現れたジェレマイアは……
* 番外編の『最愛から2番目の恋』完結致しました
そちらの方にも、お立ち寄りいただけましたら、幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる