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19 綱渡り
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アレク視点です。
――*――
「どうかしら? 悪役令嬢っぽかった?」
プリシラが去った後、開口一番、エミリア様はそう言った。
目をキラキラと輝かせている。
「いや、どう見てもただの面倒見の良い先輩でしたけど」
「エミリアに悪役という言葉は似合わないよ」
「まあ! なんて事でしょう! 渾身の名演技だと思いましたのに!」
「素晴らしい悪役令嬢っぷりだったよ」
「殿下さっきと言ってること矛盾してますけど」
エミリア様は、プリシラに学業にもっと真面目に取り組むようにと発破をかけた。
その上、いざとなったら教師や自分達に頼れと。
プリシラに散々嫌な思いをさせられているのに、エミリア様も人が良すぎる。
そして恐らくだが、プリシラのあの性格からして、ただ単に馬鹿にされたとしか思っていないような気がする。
……それで少しでも努力する気になってくれるのなら御の字だが。
「それにしても、エミリアがプリシラ嬢の事を本気で心配しているようだとアレクから聞いた時は驚いたよ。君は本当に優しくて素晴らしい女性だ」
「一年生の最初の中間テストは基本的な内容ですから、それが分からないとなると今後に支障が出ますわ。社交に関しても、卒業までに基本を身につけなくては、貴族として生きていく上で困ってしまいます」
「俺としてはプリシラ嬢が困ろうがどうでも良いんですけどね……」
「私も同感だ」
「まあ、それはいけませんわ! 困っている知人がいて、放っておくなんて出来ませんわ。それに、社交マナーを身に付けていただければ、もう少し……」
「ん? 何て言ったんだい?」
「いえ! 何でもありませんわ」
エミリア様は赤くなって誤魔化している。
だが俺は目も耳も良いし、騎士として音を拾う訓練もしているから、聞こえてしまった。
……社交マナーを身に付けていただければ、もう少し、婚約者のいる殿方との距離感も覚えて下さるのではないかしら。
「成る程……一理ありますね。エミリア様、俺、協力しますよ。後でプリシラ嬢に接触して、何とかやる気になるよう俺からも発破をかけてみます」
「あ、ありがとう」
「ん? んん? 何故そうなった?」
よく分かっていない殿下は置いといて……今後の展開についても何も聞いていないから、どっちみち情報収集が必要だ。
プリシラには早めに接触する必要がある。
********
放課後、誰もいない演習場の一角。
俺は、先を丸めた演習用の模造剣を手に取り、素振りをしていた。
精神を研ぎ澄まして、しばし素振りに集中する。
しばらくすると、こつん、こつんと足音が聞こえてきて、俺は素振りをやめた。
「やっぱり来たか。今日は来るだろうと思ってたよ」
「あら、読まれてたぁ? 私ってそんなに分かりやすいですかぁ?」
俺はいつもこの演習場で同じ時間帯に素振りをするようにしていて、プリシラは俺に接触したい時だけこの時間にここに現れる。
俺にとっても、毎日の鍛錬のついでに時折情報収集が出来るので、都合がいい。
ちなみに、殿下は今年度に入ってから毎日エミリア様を送って帰るようにしているので、俺は一緒に帰らなくても問題ない。
というか一緒の馬車に乗り込んだ日にはそれこそ馬に蹴られる。
「ああ、分かりやすいな。大方エミリア様に指摘された事で凹んでいるんだろう」
「当たり前ですぅ! だって、よりにもよって殿下の前で、私が落ちこぼれだなんて! 性格悪すぎますぅ!」
プリシラは顔を真っ赤にして怒っている。
短気なやつだ。
「お前には悪いが、あれは正論だぞ。今のうちに何とかしないと今後全くついていけなくなる。恋愛にうつつを抜かしてないで、本気で学業に取り組んだ方がいいと思うぞ」
「アレク様はいつもエミリアの肩を持ちますねっ! 腹が立ちますぅ! 乙女が恋して何が悪いんですかぁ!?」
恋をするのは悪くないが、婚約者がいる王族に恋をするのは頗る悪い。
「そもそも学業を疎かにするような人間では、王太子妃教育になんてついていけないぞ。エミリア様も血の滲むような努力をしてきたからこそ、常に成績上位におられるんだからな」
「またエミリアエミリアって……! でも、王太子妃教育……そうよね、私は王太子妃になるんだもの、勉強が出来ないと殿下にご迷惑をかけてしまうかもしれないのね。少しは頑張らないとダメかぁ……」
「……その意気だ。それで、次は俺に何を依頼しに来たんだ?」
「えーっとですねぇ……この時期から、徐々に悪役令嬢の嫌がらせがエスカレートしてくるんですぅ。次は、殿下から図書室で勉強を教わっていたら、それに嫉妬したエミリアがマクレディ先生を呼びに行って、毎日補習を受ける事になるんですぅ。でも補習だけは物語通りにならないでほしいなぁ……」
「……物語でも、お前は赤点だったのか」
「ほっといて下さいぃ! とにかく、図書室で勉強は大事なイベントですぅ。ですから、放課後に殿下が図書室に来てくれるように仕向けてほしいんですぅ。……でも、マクレディ先生は呼ばないように、エミリアと一緒にいてくれませんかぁ?」
「エミリア様と一緒に過ごすのは構わないが、教師の行動までは操れないぞ、俺は」
「むぅ……、分かりましたぁ。まあでも補習になったらそれはそれで物語通りの展開ですぅ、文句は言いませんっ。とにかく、図書室に殿下を呼んで下さいぃ!」
「はぁ……分かったよ」
「……しばらくは勉強勉強で辛い日々ですぅ。楽しい日々よ帰ってこーい……」
「勉強しなかったお前が悪い。ウィンターホリデーも補習にならないように、期末試験までに基礎だけでも身に付けておくんだな」
「アレク様冷たいですぅ……」
「知るか。俺はお前が嫌いなんだ。もう用がないなら帰ってくれ」
「……あらぁ? そんな事言っていいんですかぁ?」
プリシラの瞳が昏い色を帯び、声が脅すように低くなる。
プリシラは俺の弱みを握っていると思っているが、実際にはそうではない。
俺はギリギリのラインを綱渡りするように返答する。
このヒリヒリした感覚は戦場で感じる物と似ていて、嫌いじゃない。
「……一つだけ忠告しておこう。俺は王家だけに忠誠を誓っている。お前が殿下や王族に害を為す存在になるなら、俺はすぐさまお前の敵になる。その事を決して忘れるな」
「なら大丈夫よぉ。私は未来の王族ですもの。その時にはしっかり守って……って、そっか、あなたはエミリアと一緒に平民として暮らすんだったわねぇ」
「……ふん、勝手にほざいてろ」
俺は小声で呟き、素振りを再開する。
プリシラは、俺が何を言ったか聞こえなかったようだ。
肩をすくめて嗤いながら演習場を出て行った。
「……俺が忠誠を誓うのは、殿下と本物の未来の王族だよ、馬鹿女」
その言葉は、ヒュッ、ヒュッと演習場に響く、小気味良い音に掻き消された。
********
「という訳ですから、殿下は図書室で少しの間プリシラ嬢の面倒を見てやって下さい。マクレディ先生には事前に伝えておいて、補習を開いてもらえるよう頼んでみますよ」
「うーん、仕方ないな。なるべく早く先生に来てもらえるように頼むぞ」
「承知しておりますよ。あと、エミリア様、プリシラがしばらくは勉強漬けの日々で、これから徐々に悪役令嬢の嫌がらせがエスカレートすると言っていましたけど」
「そうねえ……確かテストの後はしばらく勉強やマナーの練習に精を出して、新年のデビュタント・ボールまでになんとか見せられる形になるよう頑張るみたいな感じだったと思うのだけど……。エミリアは頑張るプリシラにダメ出しをしまくったり自分の優秀さを見せつけて、心をぼきぼき折っていたような気がするわ。でも結局、何度も心折れつつもウィンターホリデーまでには何とか形になるのよね」
「そうやって言葉尻だけ聞くと確かに悪役っぽい気もしますが、実際のプリシラ嬢があれだけダメダメでやる気もない人間ですからね。よくよく考えると物語のエミリア様もプリシラ嬢の為に頑張ろうとしたのかもしれませんね」
うんうん、と殿下は頷いている。
最近の俺は、エミリア様やプリシラの語る物語に、正直少し懐疑的になってきている。
現状、表面上は物語通りに展開が進んでいるが、水面下ではプリシラが一人で突っ走っているだけで、殿下とエミリア様は暑苦しいぐらいラブラブだし、周りの生徒達も百パーセントエミリア様の味方で、プリシラだけが浮いている。
エミリア様とプリシラの言う最後の局面は、どうやったって起きようがない気がするのだ。
「そうかもしれないわね……。ただ、今は上手いこと物語が進んでいるように思えるけど、デビュタント・ボール以降の展開が問題よ。プリシラの言った通り、この後エミリアの悪行はエスカレートするの。そのまま進めるには余りにも支障がある展開が用意されているわ。油断は禁物よ」
……やはりエミリア様は、まだ不安に思っているようだ。
懸念材料がまだあるなら、思う存分戦ってみればいい。
いざという時は、俺も殿下もエミリア様を全力で守るだろう。
俺たちはまだ学生、回り道をするのも綱渡りをするのも、それはそれで楽しいものである。
――*――
「どうかしら? 悪役令嬢っぽかった?」
プリシラが去った後、開口一番、エミリア様はそう言った。
目をキラキラと輝かせている。
「いや、どう見てもただの面倒見の良い先輩でしたけど」
「エミリアに悪役という言葉は似合わないよ」
「まあ! なんて事でしょう! 渾身の名演技だと思いましたのに!」
「素晴らしい悪役令嬢っぷりだったよ」
「殿下さっきと言ってること矛盾してますけど」
エミリア様は、プリシラに学業にもっと真面目に取り組むようにと発破をかけた。
その上、いざとなったら教師や自分達に頼れと。
プリシラに散々嫌な思いをさせられているのに、エミリア様も人が良すぎる。
そして恐らくだが、プリシラのあの性格からして、ただ単に馬鹿にされたとしか思っていないような気がする。
……それで少しでも努力する気になってくれるのなら御の字だが。
「それにしても、エミリアがプリシラ嬢の事を本気で心配しているようだとアレクから聞いた時は驚いたよ。君は本当に優しくて素晴らしい女性だ」
「一年生の最初の中間テストは基本的な内容ですから、それが分からないとなると今後に支障が出ますわ。社交に関しても、卒業までに基本を身につけなくては、貴族として生きていく上で困ってしまいます」
「俺としてはプリシラ嬢が困ろうがどうでも良いんですけどね……」
「私も同感だ」
「まあ、それはいけませんわ! 困っている知人がいて、放っておくなんて出来ませんわ。それに、社交マナーを身に付けていただければ、もう少し……」
「ん? 何て言ったんだい?」
「いえ! 何でもありませんわ」
エミリア様は赤くなって誤魔化している。
だが俺は目も耳も良いし、騎士として音を拾う訓練もしているから、聞こえてしまった。
……社交マナーを身に付けていただければ、もう少し、婚約者のいる殿方との距離感も覚えて下さるのではないかしら。
「成る程……一理ありますね。エミリア様、俺、協力しますよ。後でプリシラ嬢に接触して、何とかやる気になるよう俺からも発破をかけてみます」
「あ、ありがとう」
「ん? んん? 何故そうなった?」
よく分かっていない殿下は置いといて……今後の展開についても何も聞いていないから、どっちみち情報収集が必要だ。
プリシラには早めに接触する必要がある。
********
放課後、誰もいない演習場の一角。
俺は、先を丸めた演習用の模造剣を手に取り、素振りをしていた。
精神を研ぎ澄まして、しばし素振りに集中する。
しばらくすると、こつん、こつんと足音が聞こえてきて、俺は素振りをやめた。
「やっぱり来たか。今日は来るだろうと思ってたよ」
「あら、読まれてたぁ? 私ってそんなに分かりやすいですかぁ?」
俺はいつもこの演習場で同じ時間帯に素振りをするようにしていて、プリシラは俺に接触したい時だけこの時間にここに現れる。
俺にとっても、毎日の鍛錬のついでに時折情報収集が出来るので、都合がいい。
ちなみに、殿下は今年度に入ってから毎日エミリア様を送って帰るようにしているので、俺は一緒に帰らなくても問題ない。
というか一緒の馬車に乗り込んだ日にはそれこそ馬に蹴られる。
「ああ、分かりやすいな。大方エミリア様に指摘された事で凹んでいるんだろう」
「当たり前ですぅ! だって、よりにもよって殿下の前で、私が落ちこぼれだなんて! 性格悪すぎますぅ!」
プリシラは顔を真っ赤にして怒っている。
短気なやつだ。
「お前には悪いが、あれは正論だぞ。今のうちに何とかしないと今後全くついていけなくなる。恋愛にうつつを抜かしてないで、本気で学業に取り組んだ方がいいと思うぞ」
「アレク様はいつもエミリアの肩を持ちますねっ! 腹が立ちますぅ! 乙女が恋して何が悪いんですかぁ!?」
恋をするのは悪くないが、婚約者がいる王族に恋をするのは頗る悪い。
「そもそも学業を疎かにするような人間では、王太子妃教育になんてついていけないぞ。エミリア様も血の滲むような努力をしてきたからこそ、常に成績上位におられるんだからな」
「またエミリアエミリアって……! でも、王太子妃教育……そうよね、私は王太子妃になるんだもの、勉強が出来ないと殿下にご迷惑をかけてしまうかもしれないのね。少しは頑張らないとダメかぁ……」
「……その意気だ。それで、次は俺に何を依頼しに来たんだ?」
「えーっとですねぇ……この時期から、徐々に悪役令嬢の嫌がらせがエスカレートしてくるんですぅ。次は、殿下から図書室で勉強を教わっていたら、それに嫉妬したエミリアがマクレディ先生を呼びに行って、毎日補習を受ける事になるんですぅ。でも補習だけは物語通りにならないでほしいなぁ……」
「……物語でも、お前は赤点だったのか」
「ほっといて下さいぃ! とにかく、図書室で勉強は大事なイベントですぅ。ですから、放課後に殿下が図書室に来てくれるように仕向けてほしいんですぅ。……でも、マクレディ先生は呼ばないように、エミリアと一緒にいてくれませんかぁ?」
「エミリア様と一緒に過ごすのは構わないが、教師の行動までは操れないぞ、俺は」
「むぅ……、分かりましたぁ。まあでも補習になったらそれはそれで物語通りの展開ですぅ、文句は言いませんっ。とにかく、図書室に殿下を呼んで下さいぃ!」
「はぁ……分かったよ」
「……しばらくは勉強勉強で辛い日々ですぅ。楽しい日々よ帰ってこーい……」
「勉強しなかったお前が悪い。ウィンターホリデーも補習にならないように、期末試験までに基礎だけでも身に付けておくんだな」
「アレク様冷たいですぅ……」
「知るか。俺はお前が嫌いなんだ。もう用がないなら帰ってくれ」
「……あらぁ? そんな事言っていいんですかぁ?」
プリシラの瞳が昏い色を帯び、声が脅すように低くなる。
プリシラは俺の弱みを握っていると思っているが、実際にはそうではない。
俺はギリギリのラインを綱渡りするように返答する。
このヒリヒリした感覚は戦場で感じる物と似ていて、嫌いじゃない。
「……一つだけ忠告しておこう。俺は王家だけに忠誠を誓っている。お前が殿下や王族に害を為す存在になるなら、俺はすぐさまお前の敵になる。その事を決して忘れるな」
「なら大丈夫よぉ。私は未来の王族ですもの。その時にはしっかり守って……って、そっか、あなたはエミリアと一緒に平民として暮らすんだったわねぇ」
「……ふん、勝手にほざいてろ」
俺は小声で呟き、素振りを再開する。
プリシラは、俺が何を言ったか聞こえなかったようだ。
肩をすくめて嗤いながら演習場を出て行った。
「……俺が忠誠を誓うのは、殿下と本物の未来の王族だよ、馬鹿女」
その言葉は、ヒュッ、ヒュッと演習場に響く、小気味良い音に掻き消された。
********
「という訳ですから、殿下は図書室で少しの間プリシラ嬢の面倒を見てやって下さい。マクレディ先生には事前に伝えておいて、補習を開いてもらえるよう頼んでみますよ」
「うーん、仕方ないな。なるべく早く先生に来てもらえるように頼むぞ」
「承知しておりますよ。あと、エミリア様、プリシラがしばらくは勉強漬けの日々で、これから徐々に悪役令嬢の嫌がらせがエスカレートすると言っていましたけど」
「そうねえ……確かテストの後はしばらく勉強やマナーの練習に精を出して、新年のデビュタント・ボールまでになんとか見せられる形になるよう頑張るみたいな感じだったと思うのだけど……。エミリアは頑張るプリシラにダメ出しをしまくったり自分の優秀さを見せつけて、心をぼきぼき折っていたような気がするわ。でも結局、何度も心折れつつもウィンターホリデーまでには何とか形になるのよね」
「そうやって言葉尻だけ聞くと確かに悪役っぽい気もしますが、実際のプリシラ嬢があれだけダメダメでやる気もない人間ですからね。よくよく考えると物語のエミリア様もプリシラ嬢の為に頑張ろうとしたのかもしれませんね」
うんうん、と殿下は頷いている。
最近の俺は、エミリア様やプリシラの語る物語に、正直少し懐疑的になってきている。
現状、表面上は物語通りに展開が進んでいるが、水面下ではプリシラが一人で突っ走っているだけで、殿下とエミリア様は暑苦しいぐらいラブラブだし、周りの生徒達も百パーセントエミリア様の味方で、プリシラだけが浮いている。
エミリア様とプリシラの言う最後の局面は、どうやったって起きようがない気がするのだ。
「そうかもしれないわね……。ただ、今は上手いこと物語が進んでいるように思えるけど、デビュタント・ボール以降の展開が問題よ。プリシラの言った通り、この後エミリアの悪行はエスカレートするの。そのまま進めるには余りにも支障がある展開が用意されているわ。油断は禁物よ」
……やはりエミリア様は、まだ不安に思っているようだ。
懸念材料がまだあるなら、思う存分戦ってみればいい。
いざという時は、俺も殿下もエミリア様を全力で守るだろう。
俺たちはまだ学生、回り道をするのも綱渡りをするのも、それはそれで楽しいものである。
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