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第3章 二人の選択
12話※
しおりを挟む密室空間に響く甘美な声と不規則に繰り返される二つの呼吸。月夜に照らされた車両の一室で、惜しげもなく素肌を晒したクリスタとテオが睦み合っていた。
「あぁ……あっ……」
「クリスタ……」
白磁の肌をテオの舌が這うたびに、クリスタの身体がしなやかに仰け反る。唾液を絡ませた肉厚な舌は頚部から二つの膨らみへと滑り、色素の薄い蕾を優しく包み込んでいく。ちゅっちゅっと音を立てて何度も吸われ、クリスタは羞恥に悶えるように首を横に振った。
「だめっ……だめ……」
「クリスタ……」
純真無垢だった少女が。健気に何度も想いを告げてきたクリスタが、あられもなく女という性を露にしている。テオはうっとりと藍色の瞳を細め、下腹部の更に下へと唇を合わせた。
「んっ……!」
舌先が花芽の周囲を焦らすように擦る。もどかしい感覚にクリスタが腰を浮かせれば、テオは弾けそうに膨らんだ淫芽を柔らかく押しては吸い付く。芽は痛みを感じるほどに勃ち上がっていき、びくびくと身体を震わせながらクリスタは達した。
「っ、あぁ……!」
クリスタが絶頂を迎えても尚、突起を愛でるテオを見下ろし、再び押し寄せる快感に耐えるように彼の髪を掴み上げる。
──じゅっぽ、じゅるっ、じゅっじゅっ。
「やっ……あぁ……んっ」
舌の動きが淫らに激しくなり、クリスタの喉の奥から色艶に満ちた声が放たれる。ぬるぬると割れ目を行き来した舌は、慎ましく閉じられたクリスタの蜜口を抉じ開けていった。
生温かい粘膜が入り口を撫で、前戯で溢れ出たたっぷりの蜜をじゅぽっと吸い取られる。クリスタは顔を真っ赤にして「汚いからやめて」と訴えたが、抗議を示した唇はテオの唇によって塞がれる。
「んんっ、あっ……」
「クリスタ。甘いだろう」
舌の表面をざらりと舐められ、愛液の味を半ば無理やり二人で味わうような状態に。反射的に顔を逸らしそうになったが、頬を固定されて舌にじゅるりと吸い付かれる。
こんなにも厭らしく舌を絡ませて、激しいキスをして、身体のあらゆるところを触れ合って。
でも、もっとテオに触れてほしい。
引き戻せないくらい、深くまで愛してほしい。
「クリスタ」
「あっ……」
両膝の裏側をぐっと持ち上げられ、花弁が押し広げられる。
視界が綺麗なテオの顔で埋め尽くされる中、秘裂に押し当てられる熱い塊。あっ、と呟く暇もなくテオは腰を上下に揺らし始めた。
「あっ、あぁっ、テオ」
「ぐっ……」
小さな感触でさえ甘い刺激として拾ってしまう花芯を怒張した雄で擦られ、クリスタの足先がピクピクと震える。摩擦で芽の皮が剥かれてしまいそうで、クリスタの腰が無意識に揺れる。
「クリスタ……クリスタ……」
愛液でぐちゅぐちゅに濡れた割れ目を往き来する熱杭は、更に重量を増していく。ぬめり汁も溢れて、最早どちらの性液なのか分からなくなるほどに秘部はびしょ濡れ。先端で花芽を押し潰された瞬間、クリスタは悲鳴を上げた。
「やっ……!」
全身を電流が駆け抜け、目の前が真っ白になる。テオも限界を迎えたのか、熱い脈動を打った昂りから白濁を放つ。
寝台のシーツは吐精によって汚され、青臭い匂いが鼻の粘膜を掠めた。
身体に染み渡る幸福感と気持ちよさ。好きな人と触れ合うことがこんなに幸せだったなんて。クリスタは焦点の定まらない瞳からはらはらと涙をこぼし、汗だくのテオに手を伸ばす。
「クリスタ……」
テオはすぐにクリスタを抱き締めてくれた。
扇情的な低い声で何度も名前を囁かれ、筋肉の鎧を纏った身体に包まれ、クリスタの頬を一粒の涙がまた伝う。
最後まで行為を続けなかったことにどこか引っ掛かりを覚えたが、それよりも今こうして触れ合っていることが幸せ。クリスタとテオは体液と汗で濡れた身体を交互に絡ませ、とろとろとした甘い余韻に浸りながら濃厚な口づけを幾度となく交わす。
──汽車はもうすぐ、最終地点にまで迫っていた。
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