171 / 186
第十四章 最終決戦
異変
しおりを挟む
気が付くと私は自分のベットで寝ていた。
常備灯がついただけの部屋は薄暗く、ベットライトを点けて時計を確認すると深夜の二時を回っている。
コハクに呼び掛けることが出来なくてショックを受けるも、よくよく考えるとそんなことしていい立場じゃなかったことを思い出す。
カナちゃんが話してくれた気持ち、クレハに聞いた人間と妖怪の違い、シロが教えてくれた衝撃の過去が頭をぐるぐる駆け巡る。
そもそも運命の赤い糸ってなんだ。そんなほいほい切ったり繋げたり出来るものなのか?
今の私はシロが結び直した糸とカナちゃんと復活した糸、二人と繋がった状態になっている。
シロの口振りだと最近それが見えるようになったみたいだから、タイミングとしては多分──私がカナちゃんを意識したあの第一の試練あたりなのだろう。
コハクが最初からカナちゃんが私の本当の運命の相手だと気付いていたとしたら、いくら私がただの幼馴染みだと否定しても不安になるわけだ。
それで私達がコハクの居ない所でそういう関係になっていると誤解して、罪悪感で自分から身を引こうとした。
本当にカナちゃんの事が好きになってしまった今、コハクを目覚めさせるとさらに傷付ける事になってしまう。
このままシロを人間らしく変えてしまっても、彼の未来を思うといけない事だ。傍に居てはいけないと頭では分かっているけど、心はそれに追い付けていない。
コハクとシロを好きな気持ちには変わりなくて、彼等が犯した昔の過ちも……それほどまでに好意を寄せてくれていたのだと思うと、嬉しいと感じてしまっている自分が居る。
その一方で、カナちゃんもまた幼い頃から好意を寄せてくれていたわけで、今日の出来事を思い出すと胸が大きく高鳴る。
昔から口で言わなくても以心伝心な所があって、すごく波長が合うなとは思っていた。
一緒に居て普通に楽しくて、自然体で居れるのは間違いなくカナちゃんだ。かといってほいほいとカナちゃんの手を取れる程、気持ちは簡単に割りきれない。
どちらが好きかとか、今は考えるのはやめよう。
今、私がやりたい事──それはクレハとシロを仲直りさせてあげること。そして、コハクときちんと話がしたい。
今の私が居るのは、コハクのおかげだ。あんな別れ方をしたままじゃ嫌だ。今の関係をこのまま続けるのは難しいけれど、きちんと話し合った上で納得のいく答えを見つけたい。
そのためにはまず、目の前の問題を一つずつ片付けていこう。
まずは明日、クレハを何としても説得する。
彼が何を仕掛けてくるか分からないけれど、こっちにはまだ秘策が残されている。
それはメーテルから預かった言霊と、橘先生から預かった照魔鏡。
彼が出だしから変な絡み方をしてくるからペースを奪われ、すっかりその存在を忘れていた。
少なくとも言霊はクレハの足止めにはかなり効果的だろう。
そしてバレないように照魔鏡を使い本音を出させて説得を試みる。
美香と優菜さん、橘先生とウィルさんにも、朝一で連絡をしておこう。
明日はきっと最終決戦になる。
備えて眠ろうと思うが、一度目覚めてしまった身体は睡眠を受け付けない。
このまま横になっていても色々考えすぎて頭がどうにかなりそうな私は、タンスから着替えを取り出しシャワーでも浴びてくる事にした。
家族を起こさないように、そーっとお風呂場まで移動して中へ入る。
気持ちをリセットするように頭からシャワーをしばらく浴びながら、滴り落ちて排水口へ流れていくお湯をただじっと眺めていた。
うじうじ悩んでたって、時間はこのお湯のようにとどまる事なく流れていく。だったら有効に使わなきゃ損だよね。
気持ちを新たにした所で、全身をくまなく洗い汚れを落とす。
バスタオルで髪と身体の水分を拭き取り脱衣所へ移動してあることに気づく。
着替えを持っては来たが、下着を持ってくるのを忘れた。
仕方なくバスタオルを身体に巻いて、着替えを持ち自室へと戻る。
ドアを開けて私は硬直した。
それは、窓から夜空を眺めているシロが居たからだ。別に彼が部屋に居る事は別段珍しい事ではない。
ただ、何も洋服を着ていないこの状況がまずいのだ。
シロは私の方を見るなりほっと安堵の息をもらす。
そして、「桜」と名前を呼ぶなり急いでこちらに近付いてきて、きつく私の身体を抱き締めた。反動で抱えていた着替えがパサッと床に落ちる。
「し、シロ?!」
「やっぱり傍に居ないと心配だ。ここは安全って分かってても、それでも……っ!」
背中に回された手が小刻みに震えている。部屋に居なかったから不安にさせてしまったのだろう。
「ごめんね、心配かけて」
「クレハが何を言っていたか、西園寺に話は聞いた。お前が俺の未来を案じているのなら、俺は強くなる。だから、そんな理由で離れていこうとするなよ。必ずクレハに勝って、そのことを証明してやるから」
「シロ……」
「どんな奴か確認もせずに、私欲のために西園寺との縁を切ったのは悪かった。誰が好きか選べないっていうなら、今はまだ無理に考えなくていいから。今は大人しく守られてろよ。お前が思ってるより、身体は疲れてんだよ。だから無理するな」
「……ありがとう」
どうしたらいいのか分からないけど、今だけはこの腕に甘えたいと思うのはズルい事だろうか。
そっとシロの背中に手を回すと、彼はさらに私の身体をきつく抱き締めた。
逞しい腕の感触を直に感じて……じかに?!
そこである事を思い出す。私、バスタオル一枚巻いているだけだった。
この様子だと、シロは気づいていない?!
ベットライトしか点けてなかったから薄暗い部屋ではあったけど、パッと見たら容易く分かるくらいには明るかったと思うけど──
「ん……桜、髪が濡れてる」
シロがそっと腕をほどいた際、バスタオルが緩みはらりと落ちた。
慌てて前だけでも隠そうと拾って身体にあて、恐る恐る上を見るとシロは不思議そうに首を傾げてこちらを見ている。
「どうした? 急にそんなに慌てて」
普段の彼ならまずありえない反応に、本当に彼がシロなのか一瞬疑ってしまった。
だけど、よく見ると彼の視線がどこかおかしい事に気づく。
こちらを見てはいるけど、視線がわずかに私からずれている。
「シロ……」
「なんだ?」
「私、見えてる?」
「当たり前だろ、何馬鹿なことを言っておるのだ」
「じゃあ……私、今何着てる?」
「ん? 寝間着を着ているではないか」
バスタオルが寝間着に見えるの?
目を細めてまるで当てずっぽうで言っているようなその態度に、不安が強くなる。
私はそっと身体にあてていたバスタオルをとって、同じ質問をしてみた。
すると彼は「ピタッとした寝間着きてるだろ」と誤魔化すように笑って答える。
その態度に不安が的中して、後頭部を鈍器で殴られたかのような衝撃が身体に走る。
やっぱり見えていない。
全くというわけではなさそうだが、ぼんやりシルエットが分かる程度にしかシロには見えていないようだ。
そっとバスタオルを再び身体に巻いて話しかける。
「シロ……目、どうしたの?」
「何の事だ?」
「前のように、見えてないよね」
「そんなはずないだろ……」
あくまでも誤魔化そうとするシロの言葉を私は遮るように言った。
「お風呂からあがってきたばかりなの。だから今、身体にはバスタオルしか巻いてない。さっきは……何も着てなかった」
しまったと言わんばかりに顔をしかめたシロを見て、やはり彼の目はあまり見えていないのだと実感させられる。
常備灯がついただけの部屋は薄暗く、ベットライトを点けて時計を確認すると深夜の二時を回っている。
コハクに呼び掛けることが出来なくてショックを受けるも、よくよく考えるとそんなことしていい立場じゃなかったことを思い出す。
カナちゃんが話してくれた気持ち、クレハに聞いた人間と妖怪の違い、シロが教えてくれた衝撃の過去が頭をぐるぐる駆け巡る。
そもそも運命の赤い糸ってなんだ。そんなほいほい切ったり繋げたり出来るものなのか?
今の私はシロが結び直した糸とカナちゃんと復活した糸、二人と繋がった状態になっている。
シロの口振りだと最近それが見えるようになったみたいだから、タイミングとしては多分──私がカナちゃんを意識したあの第一の試練あたりなのだろう。
コハクが最初からカナちゃんが私の本当の運命の相手だと気付いていたとしたら、いくら私がただの幼馴染みだと否定しても不安になるわけだ。
それで私達がコハクの居ない所でそういう関係になっていると誤解して、罪悪感で自分から身を引こうとした。
本当にカナちゃんの事が好きになってしまった今、コハクを目覚めさせるとさらに傷付ける事になってしまう。
このままシロを人間らしく変えてしまっても、彼の未来を思うといけない事だ。傍に居てはいけないと頭では分かっているけど、心はそれに追い付けていない。
コハクとシロを好きな気持ちには変わりなくて、彼等が犯した昔の過ちも……それほどまでに好意を寄せてくれていたのだと思うと、嬉しいと感じてしまっている自分が居る。
その一方で、カナちゃんもまた幼い頃から好意を寄せてくれていたわけで、今日の出来事を思い出すと胸が大きく高鳴る。
昔から口で言わなくても以心伝心な所があって、すごく波長が合うなとは思っていた。
一緒に居て普通に楽しくて、自然体で居れるのは間違いなくカナちゃんだ。かといってほいほいとカナちゃんの手を取れる程、気持ちは簡単に割りきれない。
どちらが好きかとか、今は考えるのはやめよう。
今、私がやりたい事──それはクレハとシロを仲直りさせてあげること。そして、コハクときちんと話がしたい。
今の私が居るのは、コハクのおかげだ。あんな別れ方をしたままじゃ嫌だ。今の関係をこのまま続けるのは難しいけれど、きちんと話し合った上で納得のいく答えを見つけたい。
そのためにはまず、目の前の問題を一つずつ片付けていこう。
まずは明日、クレハを何としても説得する。
彼が何を仕掛けてくるか分からないけれど、こっちにはまだ秘策が残されている。
それはメーテルから預かった言霊と、橘先生から預かった照魔鏡。
彼が出だしから変な絡み方をしてくるからペースを奪われ、すっかりその存在を忘れていた。
少なくとも言霊はクレハの足止めにはかなり効果的だろう。
そしてバレないように照魔鏡を使い本音を出させて説得を試みる。
美香と優菜さん、橘先生とウィルさんにも、朝一で連絡をしておこう。
明日はきっと最終決戦になる。
備えて眠ろうと思うが、一度目覚めてしまった身体は睡眠を受け付けない。
このまま横になっていても色々考えすぎて頭がどうにかなりそうな私は、タンスから着替えを取り出しシャワーでも浴びてくる事にした。
家族を起こさないように、そーっとお風呂場まで移動して中へ入る。
気持ちをリセットするように頭からシャワーをしばらく浴びながら、滴り落ちて排水口へ流れていくお湯をただじっと眺めていた。
うじうじ悩んでたって、時間はこのお湯のようにとどまる事なく流れていく。だったら有効に使わなきゃ損だよね。
気持ちを新たにした所で、全身をくまなく洗い汚れを落とす。
バスタオルで髪と身体の水分を拭き取り脱衣所へ移動してあることに気づく。
着替えを持っては来たが、下着を持ってくるのを忘れた。
仕方なくバスタオルを身体に巻いて、着替えを持ち自室へと戻る。
ドアを開けて私は硬直した。
それは、窓から夜空を眺めているシロが居たからだ。別に彼が部屋に居る事は別段珍しい事ではない。
ただ、何も洋服を着ていないこの状況がまずいのだ。
シロは私の方を見るなりほっと安堵の息をもらす。
そして、「桜」と名前を呼ぶなり急いでこちらに近付いてきて、きつく私の身体を抱き締めた。反動で抱えていた着替えがパサッと床に落ちる。
「し、シロ?!」
「やっぱり傍に居ないと心配だ。ここは安全って分かってても、それでも……っ!」
背中に回された手が小刻みに震えている。部屋に居なかったから不安にさせてしまったのだろう。
「ごめんね、心配かけて」
「クレハが何を言っていたか、西園寺に話は聞いた。お前が俺の未来を案じているのなら、俺は強くなる。だから、そんな理由で離れていこうとするなよ。必ずクレハに勝って、そのことを証明してやるから」
「シロ……」
「どんな奴か確認もせずに、私欲のために西園寺との縁を切ったのは悪かった。誰が好きか選べないっていうなら、今はまだ無理に考えなくていいから。今は大人しく守られてろよ。お前が思ってるより、身体は疲れてんだよ。だから無理するな」
「……ありがとう」
どうしたらいいのか分からないけど、今だけはこの腕に甘えたいと思うのはズルい事だろうか。
そっとシロの背中に手を回すと、彼はさらに私の身体をきつく抱き締めた。
逞しい腕の感触を直に感じて……じかに?!
そこである事を思い出す。私、バスタオル一枚巻いているだけだった。
この様子だと、シロは気づいていない?!
ベットライトしか点けてなかったから薄暗い部屋ではあったけど、パッと見たら容易く分かるくらいには明るかったと思うけど──
「ん……桜、髪が濡れてる」
シロがそっと腕をほどいた際、バスタオルが緩みはらりと落ちた。
慌てて前だけでも隠そうと拾って身体にあて、恐る恐る上を見るとシロは不思議そうに首を傾げてこちらを見ている。
「どうした? 急にそんなに慌てて」
普段の彼ならまずありえない反応に、本当に彼がシロなのか一瞬疑ってしまった。
だけど、よく見ると彼の視線がどこかおかしい事に気づく。
こちらを見てはいるけど、視線がわずかに私からずれている。
「シロ……」
「なんだ?」
「私、見えてる?」
「当たり前だろ、何馬鹿なことを言っておるのだ」
「じゃあ……私、今何着てる?」
「ん? 寝間着を着ているではないか」
バスタオルが寝間着に見えるの?
目を細めてまるで当てずっぽうで言っているようなその態度に、不安が強くなる。
私はそっと身体にあてていたバスタオルをとって、同じ質問をしてみた。
すると彼は「ピタッとした寝間着きてるだろ」と誤魔化すように笑って答える。
その態度に不安が的中して、後頭部を鈍器で殴られたかのような衝撃が身体に走る。
やっぱり見えていない。
全くというわけではなさそうだが、ぼんやりシルエットが分かる程度にしかシロには見えていないようだ。
そっとバスタオルを再び身体に巻いて話しかける。
「シロ……目、どうしたの?」
「何の事だ?」
「前のように、見えてないよね」
「そんなはずないだろ……」
あくまでも誤魔化そうとするシロの言葉を私は遮るように言った。
「お風呂からあがってきたばかりなの。だから今、身体にはバスタオルしか巻いてない。さっきは……何も着てなかった」
しまったと言わんばかりに顔をしかめたシロを見て、やはり彼の目はあまり見えていないのだと実感させられる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる