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第1話 恋する幼なじみ
幼なじみの訪問 その三
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「優子・・・・・・それは・・・・・・あれよ、健全な男なら・・・・・・普通だと思うんだ。だから・・・・・・」
「・・・・・・・・・ねぇ、直哉」
「はい・・・・・・優子・・・・・・さん?」
直哉は普段とトーンの違う優子の声に呼び捨てが出来なくなっていた。
「やっぱり・・・・・・そういう事なのね。直哉は胸の大きい人がいいのね・・・・・・。どうせ私の胸なんか・・・・・・小さくて悪かったわねっ」
小刻みに震えながら、写真の胸と自分の胸を比較する優子は、突然怒りが込み上げ雑誌を破り捨てる。そして、直哉を鋭く睨んだと思うと、突然涙目になったのだ。
慌てた直哉が優子を優しくなだめ、その場は一応収まったのである。
「もぅ、どうして男の子は大きい胸にぞっこんなのかしらね」
「だから、価値は胸で決まらないって言ったじゃないか。それに・・・・・・・・・優子は普通だと思うよ」
「普通・・・・・・・・・そうよね。普通だよねっ!ってやっぱり胸を見てたんじゃない~」
優子が掃除を再開したのは十分後であった。顔を膨らませながら、ベッドの下を丁寧に掃除していた。
直哉も溜まっていた洗い物をし、気がついた時には十九時を回っていたのだ。
「ふぅ、やっと終わった・・・・・・。今度からはこまめに掃除すると約束します」
「うむ、それでよろしい。さて、晩御飯作ってあげるわね。楽しみにしててね」
「今からだと、帰るの遅くなっちゃうけど大丈夫かい?」
「大丈夫だって~。でも、心配してくれてありがとうね」
優子は鼻歌交じりに、次々と料理を作っていった。普段から母親の手伝いをしていないと、こう手際よく出来ないだろう。
直哉は自炊する為に、料理を優子に教えて貰おうと思っていた。直哉の目の前に次々と料理が並べられていく。
テーブルからは、食欲をそそる匂いが直哉の鼻をかすめ思わずヨダレが垂れそうになったのだ。
「さぁ、出来たわよ。どう? 料理・・・・・・上手になったんだよ。最近、お母さんに教えて貰ってるんだぁ」
「優子は凄いなぁ。小さい頃からはとても想像も出来ないよ」
「ふふふふ、もっと有難く思いたまえ。うら若き乙女の手料理を食べられるなんて、直哉は幸せなんだぞっ」
二人は手を合わせ、『いただきます』の声とともに夕食にありついたのだ。部屋の掃除という労働の後もあり、普段の食事より遥かに美味しく感じていた。
自分の作った料理を美味しそうに頬張る直哉を見ると、優子は頬杖をついて新婚夫婦の様に嬉しそうに見つめていたのだ。
「美味しかった~、優子の料理初めて食べたけどすごく美味しいよ」
「えへへへ。そうでしょ? そうでしょ? もっと褒めなさ~い。でも、誰にでも作るわけじゃないからね?」
「まぁ、そうだよね。料理って作るの大変だから、誰にでも作ってたら倒れそうだからね」
「いや・・・・・・そういう事じゃないんだけどなぁ・・・・・・」
言葉の意味をよく分かっていない直哉に、少しがっかりした優子であった。それでも、直哉に美味しいと言われた事が嬉しくて、無意識に顔から笑みが零れていた。
テーブルの料理を綺麗に平らげると、二人はお皿を台所に運ぶとそのまま洗い物をしたのだ。
「・・・・・・・・・ねぇ、直哉」
「はい・・・・・・優子・・・・・・さん?」
直哉は普段とトーンの違う優子の声に呼び捨てが出来なくなっていた。
「やっぱり・・・・・・そういう事なのね。直哉は胸の大きい人がいいのね・・・・・・。どうせ私の胸なんか・・・・・・小さくて悪かったわねっ」
小刻みに震えながら、写真の胸と自分の胸を比較する優子は、突然怒りが込み上げ雑誌を破り捨てる。そして、直哉を鋭く睨んだと思うと、突然涙目になったのだ。
慌てた直哉が優子を優しくなだめ、その場は一応収まったのである。
「もぅ、どうして男の子は大きい胸にぞっこんなのかしらね」
「だから、価値は胸で決まらないって言ったじゃないか。それに・・・・・・・・・優子は普通だと思うよ」
「普通・・・・・・・・・そうよね。普通だよねっ!ってやっぱり胸を見てたんじゃない~」
優子が掃除を再開したのは十分後であった。顔を膨らませながら、ベッドの下を丁寧に掃除していた。
直哉も溜まっていた洗い物をし、気がついた時には十九時を回っていたのだ。
「ふぅ、やっと終わった・・・・・・。今度からはこまめに掃除すると約束します」
「うむ、それでよろしい。さて、晩御飯作ってあげるわね。楽しみにしててね」
「今からだと、帰るの遅くなっちゃうけど大丈夫かい?」
「大丈夫だって~。でも、心配してくれてありがとうね」
優子は鼻歌交じりに、次々と料理を作っていった。普段から母親の手伝いをしていないと、こう手際よく出来ないだろう。
直哉は自炊する為に、料理を優子に教えて貰おうと思っていた。直哉の目の前に次々と料理が並べられていく。
テーブルからは、食欲をそそる匂いが直哉の鼻をかすめ思わずヨダレが垂れそうになったのだ。
「さぁ、出来たわよ。どう? 料理・・・・・・上手になったんだよ。最近、お母さんに教えて貰ってるんだぁ」
「優子は凄いなぁ。小さい頃からはとても想像も出来ないよ」
「ふふふふ、もっと有難く思いたまえ。うら若き乙女の手料理を食べられるなんて、直哉は幸せなんだぞっ」
二人は手を合わせ、『いただきます』の声とともに夕食にありついたのだ。部屋の掃除という労働の後もあり、普段の食事より遥かに美味しく感じていた。
自分の作った料理を美味しそうに頬張る直哉を見ると、優子は頬杖をついて新婚夫婦の様に嬉しそうに見つめていたのだ。
「美味しかった~、優子の料理初めて食べたけどすごく美味しいよ」
「えへへへ。そうでしょ? そうでしょ? もっと褒めなさ~い。でも、誰にでも作るわけじゃないからね?」
「まぁ、そうだよね。料理って作るの大変だから、誰にでも作ってたら倒れそうだからね」
「いや・・・・・・そういう事じゃないんだけどなぁ・・・・・・」
言葉の意味をよく分かっていない直哉に、少しがっかりした優子であった。それでも、直哉に美味しいと言われた事が嬉しくて、無意識に顔から笑みが零れていた。
テーブルの料理を綺麗に平らげると、二人はお皿を台所に運ぶとそのまま洗い物をしたのだ。
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