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第2話 人見知りのクラスメイト

二人だけの特訓

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「ごめん・・・・・・やっぱり『特別な』は外して欲しい・・・・・・」

 今までに見た事のないタイプで、直哉は紗英に振り回されっぱなしであった。そして、ようやく本題に入れたのは喫茶店に入って三十分後であった。

「でも、どうやって人見知りを治そうか・・・・・・。ん~、そうだなぁ・・・・・・。そうだ中学の時はどうだったの?」
「中学は女子中だったのと、小学校からの友達がいたのです。でも、高校入学と同時に引っ越してしまい、知り合いが誰もいないのです」
「そっかぁ、いきなり知らない土地だと、友達作るのも大変だからね。お店の店員さんとかとは普通に話せるんだよね?」

「それがですね・・・・・・全てお友達に代弁して貰っていたのです。初めての人を見ると、目の前が真っ白になってしまい言葉が出てこないのです」
「僕と話すのは初めてだよね?」
「ええ、だから特別な人なんです。直哉君の前では何故か緊張したり、真っ白にならないのですよ」

 直哉が特別だからなのか、それとも誰かと似ているからなのか、自分の前だけは緊張しないなんて事が不思議に感じたが、紗英はいたって真面目な目付きで直哉を見つめている。

「わ、分かったよ。それならまずは、店員さんで練習を重ねていこうか。最初は、ここの喫茶店で慣れたら他の場所でといった風に」
「はい、直哉君の言う通りに致します。では、ここの会計は私が店員に言いますので・・・・・・」

 そう言うと、紗英は手を高く上げて店員を呼んだのだ。そう、呼ぶ所までは順調であった・・・・・・男性店員が紗英の近くに来ると、目を背けてしまい静かな時間だけが流れていった。直哉は店員に悪いと思い、紗英に代わり会計を店員に伝えたのだ。

「うぅ・・・・・・ごめんなさい。やっぱり舞い上がってしまい難しいです・・・・・・」

 帰り道でしょぼくれる紗英を、直哉は優しくなだめていた。流石にいきなり店員は難易度が高かった様で、もう少し優しい事から始めようとしていたのだ。

「気にする事はないよ。徐々に時間をかければいいさ。そうだ、学校でのお昼ご飯を僕達と一緒に食べないかい? そうすれば、人に慣れていくと思うし」
「私が行ってもお邪魔ではないでしょうか?」
「大丈夫だよ。それに、一人で食べるよりはみんなで食べた方が美味しいし、何かあったら僕がフォローするからね」
「はい、直哉君がいるなら・・・・・・安心です。でも・・・・・・人見知りの事は・・・・・・」

「言わないから安心して、約束だからね」
その日は成果を上げられなかったが、昼食を他の人と取るだけでも大した進歩だと直哉は思っていた。
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