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第2話 人見知りのクラスメイト

尾行する幼なじみ

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「あっ、そうだ、ついでに・・・・・・神崎君の事も下の名前で呼ぼうかしら。ふふふ、な~お~やっ」
「あ~こ~。何どさくさに紛れようとしてるの~」
「だってぇ~、私だけ神崎君じゃおかしいでしょ?私の事も亜子って呼んでね? じゃないと口聞かないわよ」
「うぅ・・・・・・分かったわよ。直哉もいいよね?」
「選択肢が『はい』か『YES』しかないよ・・・・・・ね」

 仕方なく直哉も亜子の提案を受け入れたのだった。
こうして、賑やかな昼食に紗英は最初オロオロしていたが、徐々に慣れていき優子や亜子との距離も縮まっていった。

 元々女子中出身であるから、女子とは会話しやすかったのか、いつの間にか三人は談笑する程になっていたのだ。
放課後になると、紗英は今日も直哉と二人きりの特訓をしに街へ繰り出していた。女子との会話は優子と亜子で大分慣れてきたので、今度は見知らぬ男子と普通に会話出来る様にするのが目標である。

「直哉君、今日はどうします? 今日ので少し自信がつきましたので、今なら何でも来いという感じです」

 ガッツポーズを取り自信満々に意気込みを語ると、紗英は直哉の手を取り早く特訓をしに行こうと言わんばかりに引っ張っていった。

 そんな紗英の行動に直哉は少し照れながら、男性店員と話せる様に特訓為、ショッピングモールへと足を運んだのだ。後ろから・・・・・・二人の怪しい影が付いてきてるとは知らずに・・・・・・。

 ショッピングモールに着くと、直哉と紗英はアパレルショップに入り、まるで恋人同士のデートの様に洋服を選んでいた。直哉に似合いそうな服を紗英が選ぶ、そして直哉に試着してみる様促していた。紗英の選んだ服が気に入ったのか、紗英に男性店員を呼んで貰い購入する事にしたのだ。

 そんなラブラブショッピングを、柱の影から憎らしい目で見ていた少女がいた。今にも飛び出していきそうな形相で、もう一人の少女がそれを止めていたのだ。

「亜子ちょっと、離してよ! 今すぐ直哉を殺して私も死ぬぅ~」
「まぁ、少し落ち着こ? 直哉君に・・・・・・そんな度胸はないと思うけどぉ」
「うぅ・・・・・・そ、そうね・・・・・・。直哉の家に泊まっても何もなかったぐらいだからね」
「ねぇ、その話・・・・・・後で詳しく教えてね?」

 余計な事を言ってしまった気がしたが、今は直哉の事で頭がいっぱいである。冷静さを取り戻した優子は、亜子と一緒に再び直哉と紗英を尾行したのだった。

 買い物を終えた直哉と紗英は、ファミレスで少し休憩していた。男性店員に完璧ではないが、たどたどしくも紗英なり頑張っていたのだ。以前なら、全く話せなかった事を考えると大きな進歩であった。

「紗英さん、頑張ったじゃないか。昼間に優子や亜子さんと話した事で、少しは人見知りも改善したんじゃないかな」
「うん・・・・・・最初の頃よりは・・・・・・話せる様になったかな。これも直哉君のお陰だよ。ありがとうね」
「そんな大した事してないよ。でも、早く普通に話せる様になるといいね。あっ、そうそう。これ・・・・・・服を選んでくれたお礼ね」

 直哉がカバンから取り出したのは、綺麗な花柄で包装された小さなケースであった。紗英に手渡しすると、嬉し泣きをして丁寧にそのケースを開けたのだ。
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