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第4話 傲慢なアイドル
令嬢のサプライズ
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週明けの月曜日は、学校へ行くのが苦痛である。時間ギリギリまで家にいた直哉は、遅刻しそうになりながら全速力で学校へ向かったのだ。
学校に着いた時には予鈴が鳴り響いており、休む暇もなく教室まで全力疾走は続いたのだ。
「直哉君、今日はギリギリだったね」
「う、うん。月曜日はどうして家から出るのが苦痛で・・・・・・」
「それなら私が起こしに行ってあげようか?」
「え?あ、そ、それは優子に悪いって言うか・・・・・・」
「えー、遠慮する事ないのにぃ」
「・・・・・・来られると不味い事でもあるんじゃないかなぁ。ね?直哉君」
昼休みの会話で亜子が意味深な言葉を発すると、優子と紗英はキョトンとしていた。直哉は冷や汗をかきお昼を買いに購買部へ逃げようとしていた。
今逃げなければ、きっと亜子に余計な事を言われそうであった。カバンから財布を出そうとしていると、突然クラスがざわめきだしたのだ。
「あの、このクラスに直哉様・・・・・・神崎直哉様がいると伺ったのですが」
浮世離れした美しさに、クラス中の男子は直哉を訪ねてきた生徒に見惚れていた。そして、直哉を指名した事に嫉妬した男子達は、恨みの視線を直哉に向けていた。
その視線に気がついた直哉が、教室の入口を見ると思わず大声をあげたのだった。
「さ、沙織さん・・・・・・?何でここにいるんですか?」
「そんな事・・・・・・決まってますわ。直哉様に会う為に転校して来たのです」
「へぇ~、直哉君に会う為に転校ねぇ。それで昨日ばったり会ったんだぁ」
「亜子、何それ?昨日会ったって北村さんと?」
「そうだよ、うん、偶然に北村さんと・・・・・・ね?」
優子には内緒にしておいてあげると、亜子は直哉に向けてアイコンタクトを送ってきた。
これで、亜子の口から昨日一緒に沙織と買い物をしていたと、優子や紗英に知られる事はなくなったのだ。問題は・・・・・・沙織がどういう行動に出るかであった。
「何せ直哉様は、わたくしを守ると約束してくれましたし、それに・・・・・・今日来たのは直哉様へ愛妻弁当を届けるためですわ」
「ちょ、ちょっとぉ、愛妻弁当ってどういう事よ!」
「愛する妻から夫への、愛情がたっぷり入ったお弁当ですわ」
「そういう事を聞いてるんじゃな~い」
優子の言葉をさらりと受け流し、沙織は直哉へ手作り弁当を渡すと、さも当たり前の様に直哉の隣に座ったのだ。
その状況にクラスの男子から、怨念じみた視線が直哉へ注がれたのだった。
「あ、えっと・・・・・・ありがとう。でも、何で手作り弁当なんて持ってきたの?」
「もちろん、愛する夫の為ですわ。と、冗談は半分くらいにしておき、直哉様にご相談がごさいますの」
「沙織さん・・・・・・楽しむ為にわざとやってるよね?」
またしても小悪魔沙織が顔を出して、直哉を困らせその状況を楽しんでいたのだ。紗英は口を挟む暇もなく、ぽかんと口を開けたまま固まっていた。
学校に着いた時には予鈴が鳴り響いており、休む暇もなく教室まで全力疾走は続いたのだ。
「直哉君、今日はギリギリだったね」
「う、うん。月曜日はどうして家から出るのが苦痛で・・・・・・」
「それなら私が起こしに行ってあげようか?」
「え?あ、そ、それは優子に悪いって言うか・・・・・・」
「えー、遠慮する事ないのにぃ」
「・・・・・・来られると不味い事でもあるんじゃないかなぁ。ね?直哉君」
昼休みの会話で亜子が意味深な言葉を発すると、優子と紗英はキョトンとしていた。直哉は冷や汗をかきお昼を買いに購買部へ逃げようとしていた。
今逃げなければ、きっと亜子に余計な事を言われそうであった。カバンから財布を出そうとしていると、突然クラスがざわめきだしたのだ。
「あの、このクラスに直哉様・・・・・・神崎直哉様がいると伺ったのですが」
浮世離れした美しさに、クラス中の男子は直哉を訪ねてきた生徒に見惚れていた。そして、直哉を指名した事に嫉妬した男子達は、恨みの視線を直哉に向けていた。
その視線に気がついた直哉が、教室の入口を見ると思わず大声をあげたのだった。
「さ、沙織さん・・・・・・?何でここにいるんですか?」
「そんな事・・・・・・決まってますわ。直哉様に会う為に転校して来たのです」
「へぇ~、直哉君に会う為に転校ねぇ。それで昨日ばったり会ったんだぁ」
「亜子、何それ?昨日会ったって北村さんと?」
「そうだよ、うん、偶然に北村さんと・・・・・・ね?」
優子には内緒にしておいてあげると、亜子は直哉に向けてアイコンタクトを送ってきた。
これで、亜子の口から昨日一緒に沙織と買い物をしていたと、優子や紗英に知られる事はなくなったのだ。問題は・・・・・・沙織がどういう行動に出るかであった。
「何せ直哉様は、わたくしを守ると約束してくれましたし、それに・・・・・・今日来たのは直哉様へ愛妻弁当を届けるためですわ」
「ちょ、ちょっとぉ、愛妻弁当ってどういう事よ!」
「愛する妻から夫への、愛情がたっぷり入ったお弁当ですわ」
「そういう事を聞いてるんじゃな~い」
優子の言葉をさらりと受け流し、沙織は直哉へ手作り弁当を渡すと、さも当たり前の様に直哉の隣に座ったのだ。
その状況にクラスの男子から、怨念じみた視線が直哉へ注がれたのだった。
「あ、えっと・・・・・・ありがとう。でも、何で手作り弁当なんて持ってきたの?」
「もちろん、愛する夫の為ですわ。と、冗談は半分くらいにしておき、直哉様にご相談がごさいますの」
「沙織さん・・・・・・楽しむ為にわざとやってるよね?」
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