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第6話 約束の約束
引き出される記憶 その一
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「沙織さん・・・・・・やっぱり味方は貴方だけだわ。この差出人・・・・・・約束をかなり気にしているみたいね。直哉、何か心当たりないの?」
「う~ん、思い当たるのは・・・・・・夢でもそんな事言ってたような・・・・・・」
「それどんな夢よ!名前とか言ってなかった?約束の内容は?」
優子が直哉の襟を掴むと、思い出せと言わんばかりに首を前後に揺さぶったのだ。その激しさで、目を回しそうになる直哉を亜子と葵が助けに入った。
「落ち着きなさいよ。全く、これじゃ直哉が可哀想よ。ねぇ直哉、その夢の子・・・・・・どこに住んでるの?ちょっと手を出させないように、優し~く話をつけてくるわ」
「葵ちゃん・・・・・・顔が笑ってないよ・・・・・・」
「それが、大体の場所は分かるんだけど、他が全然思い出せないんだよ。何か大切な事を約束してたような・・・・・・そうでないような・・・・・・」
「もし、その夢が今回の差出人と関係あるのでしたら、その場所に向かわれてはどうでしょう?何か思い出せるかもしれないですわ」
「よし、そうと決まれば早速行くしかないよね。直哉、その場所ってどこなの?」
「多分・・・・・・実家の近くだと思うんだけど・・・・・・」
「よしそれじゃ、今から行くわよ~」
部屋を真っ先に飛び出そうとする葵を、沙織が散歩中の犬の様に髪の毛を掴み止めてみせる。
「痛いわね。髪の毛が抜けたらどうしてくれるのよ」
「そしてらウィッグでもお付けになればよろしいかと。それにもうすでに夕方ですから、今から向かっても遅くなってしまいますわ。明日、朝早くからその場所へ向かわれるのはどうでしょう?」
「沙織さんの言う通りにしようか。昔よく行った場所に行けば何か思い出せるかもしれないし」
「それじゃ、明日ね。ふふふ、見てなさいよ。私の直哉を誑かす女がどうなるかをねっ」
「南雲様、明日は仕事ですわ。ですから、必然的に不参加となります」
「この一大事に何を言ってるのよ!仕事なんかよりも大切だわ」
「・・・・・・仕方ありませんわね。直哉様、明日はお任せ致しますわ。この駄々っ子を仕事に連れてかなくてはなりませんので」
突如黒いオーラを吹き出した沙織に、産まれたての子鹿のように怯える葵。絶対的な力の前にあがらう事が出来ず、葵は沙織の監視の元で仕事へと向かったのだ。
直哉の記憶引き出しツアーの参加者は、優子、紗英、亜子と直哉の四人となった。
一旦直哉のアパートに集合してから実家の周辺まで移動し、歩き回りながら思い出して貰う事だけ決めて、その日は解散となったのだ。
「う~ん、思い当たるのは・・・・・・夢でもそんな事言ってたような・・・・・・」
「それどんな夢よ!名前とか言ってなかった?約束の内容は?」
優子が直哉の襟を掴むと、思い出せと言わんばかりに首を前後に揺さぶったのだ。その激しさで、目を回しそうになる直哉を亜子と葵が助けに入った。
「落ち着きなさいよ。全く、これじゃ直哉が可哀想よ。ねぇ直哉、その夢の子・・・・・・どこに住んでるの?ちょっと手を出させないように、優し~く話をつけてくるわ」
「葵ちゃん・・・・・・顔が笑ってないよ・・・・・・」
「それが、大体の場所は分かるんだけど、他が全然思い出せないんだよ。何か大切な事を約束してたような・・・・・・そうでないような・・・・・・」
「もし、その夢が今回の差出人と関係あるのでしたら、その場所に向かわれてはどうでしょう?何か思い出せるかもしれないですわ」
「よし、そうと決まれば早速行くしかないよね。直哉、その場所ってどこなの?」
「多分・・・・・・実家の近くだと思うんだけど・・・・・・」
「よしそれじゃ、今から行くわよ~」
部屋を真っ先に飛び出そうとする葵を、沙織が散歩中の犬の様に髪の毛を掴み止めてみせる。
「痛いわね。髪の毛が抜けたらどうしてくれるのよ」
「そしてらウィッグでもお付けになればよろしいかと。それにもうすでに夕方ですから、今から向かっても遅くなってしまいますわ。明日、朝早くからその場所へ向かわれるのはどうでしょう?」
「沙織さんの言う通りにしようか。昔よく行った場所に行けば何か思い出せるかもしれないし」
「それじゃ、明日ね。ふふふ、見てなさいよ。私の直哉を誑かす女がどうなるかをねっ」
「南雲様、明日は仕事ですわ。ですから、必然的に不参加となります」
「この一大事に何を言ってるのよ!仕事なんかよりも大切だわ」
「・・・・・・仕方ありませんわね。直哉様、明日はお任せ致しますわ。この駄々っ子を仕事に連れてかなくてはなりませんので」
突如黒いオーラを吹き出した沙織に、産まれたての子鹿のように怯える葵。絶対的な力の前にあがらう事が出来ず、葵は沙織の監視の元で仕事へと向かったのだ。
直哉の記憶引き出しツアーの参加者は、優子、紗英、亜子と直哉の四人となった。
一旦直哉のアパートに集合してから実家の周辺まで移動し、歩き回りながら思い出して貰う事だけ決めて、その日は解散となったのだ。
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