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第1部 エピソード2023
「役割分担」
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「役割分担」
翌日、村中に典史とさくらの婚約の噂が広まり、典史の畜舎にはお祝いの言葉をかける中高齢村民が集まった。その中に、青年部メンバーの常に「廃業」を口にしていた後ろ向きメンバーの「載田龍二」の姿があった。
「典史、婚約おめでとう。まさか、おまえが最初に結婚することになるとは思ってなかったっぺ。ところで、お前の婚約者って、あの金髪ショートカットで「SDF17」の「フォエローゼス」メンバーの「空技廠桜花」ちゃんに似てる娘だっぺ?
一郎さんからの話じゃ、農業法人の方も新規案件で直売りのネタが出てきたり、直さんとお前のところの畜舎に空調入れたりするんだっぺな…。それに稀世ちゃんの他にも3人の美魔女やかわいこちゃんが入って来たらしいな。リーダーや和樹さん、翔には内緒でちょっと詳しく、聞かせてくれねっぺか?」
いつになく、下から話しかけてくる龍二に事情を聞くと、親に内緒でこっそり受けていた札幌での転職の話が完全にボツになって、今しばらくはここで頑張るしかないとなってしまったとの事だった。そんなこともあり先日、出会い系アプリで知り合った女性からは「あんたがもうすぐ札幌に出るって聞いてたから会ってただけよ。私、神標津みたいな田舎に住む気なんか全く無いからね。」と縁が切られたという。
典史は少し困って、話はできるが、その先の話は、相談役で実質金主の直と組合長の一郎に直接話をするべきだと龍二には伝えた。そこに、直から典史のスマホに「お前の畜舎にもエアコン入ったぞ。さくらちゃんも掃除に来てるから、お前も来い!」と電話が入った。横で聞いていた龍二はこれ幸いと同行を申し出た。
典史が畜舎に到着すると、夏場は開放するしかなかったシャッターが全閉されていた。元農産物保管庫は無人だったので、畜舎の勝手口から中に入ると、内部は体感温度で25度程でひんやりと心地よかった。さくらと掃除をしていた直が一緒に来ている龍二の顔を見て驚いたが、口は悪いままだが、やさしく声をかけた。
「おっ、珍しい組み合わせじゃないか?龍二、お前がグジグジ言うてる間に、典史は会社を興して、嫁をもらって新しい事に向けて頑張ってるんじゃぞ。お前も、辞める辞めるばっかり言ってないでちょっとは性根を入れて頑張ってみたらどうじゃい。」
龍二は、いつになく神妙な表情で直に会釈をした。龍二の事を知らないさくらに直が説明すると、さくらが「初めまして。万朶野さくらです。これからここで「ずっと」お世話になりますのでよろしくお願いします。」と丁寧に頭を下げた。
30坪の畜舎に見覚えのない物が設置されているのに典史は気づいた。牛の係留柵と反対側の牛糞溝の後ろに今までなかった装置が設置されている。よく見ると低床型のベルトコンベアーのように見える。畜舎列の端には、大きなホッパーが設置されている。ベルトコンベアーの先にはかまぼこ製造機のような「押し出し成型機」と「シート状の製品を製造する」圧延ローラーのついた成型機とキャスター付きの移動棚が置かれていた。
典史が直に質問をすると、ホッパーの中身はコンポストトイレで使用している「間伐材」のウッドチップとその「燻炭」の混合剤という事だった。今までは、牛糞は一部は牧草地に肥料として撒き、一部は「発酵タンク」に放り込み「牛糞堆肥」として農協に卸していたのだが、重量当たりの販売単価は安く、高年齢酪農家ではその出荷もままならない事が知られていた。
副島の冬季暖房用に薪ストーブで使える「コンポスト燃料」に牛糞を活用するという案が直から改めて語られた。牛糞をコンポスト化することで牛糞独特の臭気は無くなり、牧草地用にはさらに「もみ殻燻炭」、米ぬか糊等を混ぜて「圧延ローラー成形機」で薄いシート状に加工し乾燥させることで軽量かつ防虫性の高い水をかけるだけで使える「堆肥シート」になり、今後のマーケティングリサーチによってはプランターや小規模家庭菜園用にも活用できる可能性があるという。
本題の冬季暖房用の燃料は、角型ダイスの取り付けられた練り製品用の押出成形機から出てきたコンポスト牛糞の四角材をワイヤーカッターでレンガ状に縦にカットし、一定の長さで横に切る物との事だった。こちらの材料も乾燥させることで火持ちの良い固形燃料になり、牛糞とウッドチップ材料は無限にある原材料費ゼロに近い燃料である。
「まあ、「臭い」のネックが無けりゃ、街から来た女の子でもできる作業じゃろ。5月初旬から11月後半の雪の季節までの牛糞で冬の重油、灯油代が要らんようになるんやったら美味しい話じゃ。もちろん、暖房排熱は「燃料の乾燥」にも「肥料の熟成」にも使えるからな。牛に捨てるとこ無しってなもんじゃい!カラカラカラ。」
と笑いながら話すと、顔つきの変わった龍二からいくつかの質問が出た。そのどれもが前向きなものだったので、「龍二、お前さんが一からやり直す気持ちがあるんじゃったら、わしらは迎えるぞい。わしらも稀世ちゃんが来てまだひと月ちょいじゃ。あほの徹と岡山兄弟にも言うといてくれな。」とやさしい言葉をかけると龍二は少し考えこんだ後、直に一礼して典史の祖父の畜舎を出て行った。
その日の夜は、一郎や直は近隣農協の会合があった為、久しぶりに「定例会」となっていた「宴会」ではなく、広志と三朗が自主的に懇親会を開いた。
「今日は堅苦しい話は一切なしで無礼講で行きましょう!」
の発声で始まった会は、晶がチョイスしたジャージー牛の「牛刺し」、「炙り」で始まり、「ローストビーフ」と陶板焼きの「バーベキュー」の2種類の「焼き」料理にしっかりと煮込んだ「シチュー」と、牛脛とテールの野菜「スープ」に最後に「ゴールデンアイス」に「天然生クリーム」乗せのフルコースだった。
一郎が居ないのを幸いとばかりに、礼も出席しガイルの小さな娘二人と一緒に遊び相手を務めながら舌鼓を打っている。晶の料理を次々と食べながら、質問を繰り返していく。
「晶さんの料理ってやっぱり街のレストランやビストロの味だよねー!私の中学の友達のおじさんが屈斜路湖でおしゃれなペンションやってんだけど、お客さんは8割が内地の女性客なんだって。
おばさんが亡くなって、女性ニーズが分からなくなって困ってるっていうから一度話を聞いてもらっていいかな?」
「ここは、直さんを筆頭に40代のお母さんに、まりあさん、そして大阪から来てくれてる30代の晶さんに稀世ちゃんに新しく来てくれた唯さん!20代はさくらちゃんにガイルちゃんも居るでしょ。
若い人向けの宿泊施設や、女性向けのペンションは今どき「屯田汁」や「開拓鍋」じゃないよね。何かしてあげられないかな?」
「どこの施設でも「晶さん監修レシピ」とか「晶さん作成のコースメニュー」っていう方が付加価値が上がると思うんだけどどうかな?」
「あと、ガイルちゃんのところみたいに小さい子供ちゃんが居るとこでも出せるように「冷凍ハンバーグ」や「甘口キーマカレー」とかあったらいいと思うんだけどねー!」
といたってまともなことを言うので祥が間に入った。
「確かに、礼ちゃんが言うように本土の旅行会社のアンケートでは、50代以下の女性客は「郷土料理」よりも「美味しい物」を求められています。単なる海産物の刺身や羊やジビエの焼肉やステーキやしゃぶしゃぶよりもオリジナリティーのある「創作料理」を望む傾向がありますね。
「ザンギ」、「豚丼」、「ジンギスカン」は若い男性には人気が高いですけど、ペンション向けのプラン提案は地元ニーズを掘り起こすにはいいかもしれませんね。」
礼の意見に賛同した祥の意見に機嫌を良くした礼は「じゃあ、役割分担をして情報収集をしましょうよ!うちのお父さんを筆頭に、男の人はそういう情報に疎いだろうから、女性が主となってマーケティングと商品開発を行うのがいいと思うの。」とどこかのドラマから借りてきたようなセリフだったが、参加者全員が礼の意見に賛同した。
ネットおよびメール広告を唯が打ち出し、本業のテレマーケティングでのアポ取りはさくらが行い、営業は晶と稀世を主にガイルがサポートに当たることになった。「土日は、私も神標津の「中学生実業家・坂井礼」としてコンサルタント業務に参加させてね!」と自らの参加も申し出て、結局は「経営会議」化した宴会は10時のお開きまで大いに盛り上がった。
ガイルの2人の娘の凛と蘭は寝ついてしまい、宴もたけなわとなったところで男性陣は帰宅し、残った女性陣はさくらを中心にした「女子会トーク」の2次会へとなだれ込んでいった。
その中で「33年間、男女交際経験なし」の「いつか王子様が症候群」の唯と、22歳にして2度続けての「DV夫」に当たってしまった「バツ2」のガイルの生々しい話を聞いているうちに組合の会合から直が返って来た。
2人の両極端な男性観と人生について今後の希望を尋ねた直の質問に対し、唯は「頑張って神標津町で一歩を踏み出してみたい。人生を変えるためにここに来たので仕事も恋愛にも積極的にいきたい。」と弱々しい態度だがしっかりと言い切り、ガイルは「もう、DV男は絶対に嫌…。惚れやすい自分を反省して、娘の為にも第一に経済力を身に付け男に依存しなくてもいい様に頑張りたいです。」と語った。
「まあ、唯ちゃんは都合の良い「迎えに来てくれる王子さまはこの世にいない。」って事を前提にこれからいろんな出逢いを大切にして欲しい。そんな神標津に「王子様」は似合わんじゃろ。カラカラカラ。ガイルちゃんに関してはこの村に「DV男」は居らんから安心してええぞ。仮に何かあれば、わしがそんな男は速攻で成敗してやるでな。」と直は2人に優しく励ましの声をかけた。
さくらが少し照れながら「ここの男の人たちはみんなピュアでいい人よ。」とフォローを入れている間に、副島から稀世のスマホに「万朶野さんが大変やったみたいやな。大阪地裁の方で接近禁止命令を出してもらったから、明日にでも府警を通じて道警に今しばらくの警護は頼んでおくわ。安さんには面倒掛けてしもたな。ありがとさん。ちなみに北浜さんと蒸芽さんは馴染んでますか?明日も3人行くからよろひこー!」とさくらの件の事後と明日来る3人の各々の釣書と簡易の経歴書がラインで送られてきた。
翌日、村中に典史とさくらの婚約の噂が広まり、典史の畜舎にはお祝いの言葉をかける中高齢村民が集まった。その中に、青年部メンバーの常に「廃業」を口にしていた後ろ向きメンバーの「載田龍二」の姿があった。
「典史、婚約おめでとう。まさか、おまえが最初に結婚することになるとは思ってなかったっぺ。ところで、お前の婚約者って、あの金髪ショートカットで「SDF17」の「フォエローゼス」メンバーの「空技廠桜花」ちゃんに似てる娘だっぺ?
一郎さんからの話じゃ、農業法人の方も新規案件で直売りのネタが出てきたり、直さんとお前のところの畜舎に空調入れたりするんだっぺな…。それに稀世ちゃんの他にも3人の美魔女やかわいこちゃんが入って来たらしいな。リーダーや和樹さん、翔には内緒でちょっと詳しく、聞かせてくれねっぺか?」
いつになく、下から話しかけてくる龍二に事情を聞くと、親に内緒でこっそり受けていた札幌での転職の話が完全にボツになって、今しばらくはここで頑張るしかないとなってしまったとの事だった。そんなこともあり先日、出会い系アプリで知り合った女性からは「あんたがもうすぐ札幌に出るって聞いてたから会ってただけよ。私、神標津みたいな田舎に住む気なんか全く無いからね。」と縁が切られたという。
典史は少し困って、話はできるが、その先の話は、相談役で実質金主の直と組合長の一郎に直接話をするべきだと龍二には伝えた。そこに、直から典史のスマホに「お前の畜舎にもエアコン入ったぞ。さくらちゃんも掃除に来てるから、お前も来い!」と電話が入った。横で聞いていた龍二はこれ幸いと同行を申し出た。
典史が畜舎に到着すると、夏場は開放するしかなかったシャッターが全閉されていた。元農産物保管庫は無人だったので、畜舎の勝手口から中に入ると、内部は体感温度で25度程でひんやりと心地よかった。さくらと掃除をしていた直が一緒に来ている龍二の顔を見て驚いたが、口は悪いままだが、やさしく声をかけた。
「おっ、珍しい組み合わせじゃないか?龍二、お前がグジグジ言うてる間に、典史は会社を興して、嫁をもらって新しい事に向けて頑張ってるんじゃぞ。お前も、辞める辞めるばっかり言ってないでちょっとは性根を入れて頑張ってみたらどうじゃい。」
龍二は、いつになく神妙な表情で直に会釈をした。龍二の事を知らないさくらに直が説明すると、さくらが「初めまして。万朶野さくらです。これからここで「ずっと」お世話になりますのでよろしくお願いします。」と丁寧に頭を下げた。
30坪の畜舎に見覚えのない物が設置されているのに典史は気づいた。牛の係留柵と反対側の牛糞溝の後ろに今までなかった装置が設置されている。よく見ると低床型のベルトコンベアーのように見える。畜舎列の端には、大きなホッパーが設置されている。ベルトコンベアーの先にはかまぼこ製造機のような「押し出し成型機」と「シート状の製品を製造する」圧延ローラーのついた成型機とキャスター付きの移動棚が置かれていた。
典史が直に質問をすると、ホッパーの中身はコンポストトイレで使用している「間伐材」のウッドチップとその「燻炭」の混合剤という事だった。今までは、牛糞は一部は牧草地に肥料として撒き、一部は「発酵タンク」に放り込み「牛糞堆肥」として農協に卸していたのだが、重量当たりの販売単価は安く、高年齢酪農家ではその出荷もままならない事が知られていた。
副島の冬季暖房用に薪ストーブで使える「コンポスト燃料」に牛糞を活用するという案が直から改めて語られた。牛糞をコンポスト化することで牛糞独特の臭気は無くなり、牧草地用にはさらに「もみ殻燻炭」、米ぬか糊等を混ぜて「圧延ローラー成形機」で薄いシート状に加工し乾燥させることで軽量かつ防虫性の高い水をかけるだけで使える「堆肥シート」になり、今後のマーケティングリサーチによってはプランターや小規模家庭菜園用にも活用できる可能性があるという。
本題の冬季暖房用の燃料は、角型ダイスの取り付けられた練り製品用の押出成形機から出てきたコンポスト牛糞の四角材をワイヤーカッターでレンガ状に縦にカットし、一定の長さで横に切る物との事だった。こちらの材料も乾燥させることで火持ちの良い固形燃料になり、牛糞とウッドチップ材料は無限にある原材料費ゼロに近い燃料である。
「まあ、「臭い」のネックが無けりゃ、街から来た女の子でもできる作業じゃろ。5月初旬から11月後半の雪の季節までの牛糞で冬の重油、灯油代が要らんようになるんやったら美味しい話じゃ。もちろん、暖房排熱は「燃料の乾燥」にも「肥料の熟成」にも使えるからな。牛に捨てるとこ無しってなもんじゃい!カラカラカラ。」
と笑いながら話すと、顔つきの変わった龍二からいくつかの質問が出た。そのどれもが前向きなものだったので、「龍二、お前さんが一からやり直す気持ちがあるんじゃったら、わしらは迎えるぞい。わしらも稀世ちゃんが来てまだひと月ちょいじゃ。あほの徹と岡山兄弟にも言うといてくれな。」とやさしい言葉をかけると龍二は少し考えこんだ後、直に一礼して典史の祖父の畜舎を出て行った。
その日の夜は、一郎や直は近隣農協の会合があった為、久しぶりに「定例会」となっていた「宴会」ではなく、広志と三朗が自主的に懇親会を開いた。
「今日は堅苦しい話は一切なしで無礼講で行きましょう!」
の発声で始まった会は、晶がチョイスしたジャージー牛の「牛刺し」、「炙り」で始まり、「ローストビーフ」と陶板焼きの「バーベキュー」の2種類の「焼き」料理にしっかりと煮込んだ「シチュー」と、牛脛とテールの野菜「スープ」に最後に「ゴールデンアイス」に「天然生クリーム」乗せのフルコースだった。
一郎が居ないのを幸いとばかりに、礼も出席しガイルの小さな娘二人と一緒に遊び相手を務めながら舌鼓を打っている。晶の料理を次々と食べながら、質問を繰り返していく。
「晶さんの料理ってやっぱり街のレストランやビストロの味だよねー!私の中学の友達のおじさんが屈斜路湖でおしゃれなペンションやってんだけど、お客さんは8割が内地の女性客なんだって。
おばさんが亡くなって、女性ニーズが分からなくなって困ってるっていうから一度話を聞いてもらっていいかな?」
「ここは、直さんを筆頭に40代のお母さんに、まりあさん、そして大阪から来てくれてる30代の晶さんに稀世ちゃんに新しく来てくれた唯さん!20代はさくらちゃんにガイルちゃんも居るでしょ。
若い人向けの宿泊施設や、女性向けのペンションは今どき「屯田汁」や「開拓鍋」じゃないよね。何かしてあげられないかな?」
「どこの施設でも「晶さん監修レシピ」とか「晶さん作成のコースメニュー」っていう方が付加価値が上がると思うんだけどどうかな?」
「あと、ガイルちゃんのところみたいに小さい子供ちゃんが居るとこでも出せるように「冷凍ハンバーグ」や「甘口キーマカレー」とかあったらいいと思うんだけどねー!」
といたってまともなことを言うので祥が間に入った。
「確かに、礼ちゃんが言うように本土の旅行会社のアンケートでは、50代以下の女性客は「郷土料理」よりも「美味しい物」を求められています。単なる海産物の刺身や羊やジビエの焼肉やステーキやしゃぶしゃぶよりもオリジナリティーのある「創作料理」を望む傾向がありますね。
「ザンギ」、「豚丼」、「ジンギスカン」は若い男性には人気が高いですけど、ペンション向けのプラン提案は地元ニーズを掘り起こすにはいいかもしれませんね。」
礼の意見に賛同した祥の意見に機嫌を良くした礼は「じゃあ、役割分担をして情報収集をしましょうよ!うちのお父さんを筆頭に、男の人はそういう情報に疎いだろうから、女性が主となってマーケティングと商品開発を行うのがいいと思うの。」とどこかのドラマから借りてきたようなセリフだったが、参加者全員が礼の意見に賛同した。
ネットおよびメール広告を唯が打ち出し、本業のテレマーケティングでのアポ取りはさくらが行い、営業は晶と稀世を主にガイルがサポートに当たることになった。「土日は、私も神標津の「中学生実業家・坂井礼」としてコンサルタント業務に参加させてね!」と自らの参加も申し出て、結局は「経営会議」化した宴会は10時のお開きまで大いに盛り上がった。
ガイルの2人の娘の凛と蘭は寝ついてしまい、宴もたけなわとなったところで男性陣は帰宅し、残った女性陣はさくらを中心にした「女子会トーク」の2次会へとなだれ込んでいった。
その中で「33年間、男女交際経験なし」の「いつか王子様が症候群」の唯と、22歳にして2度続けての「DV夫」に当たってしまった「バツ2」のガイルの生々しい話を聞いているうちに組合の会合から直が返って来た。
2人の両極端な男性観と人生について今後の希望を尋ねた直の質問に対し、唯は「頑張って神標津町で一歩を踏み出してみたい。人生を変えるためにここに来たので仕事も恋愛にも積極的にいきたい。」と弱々しい態度だがしっかりと言い切り、ガイルは「もう、DV男は絶対に嫌…。惚れやすい自分を反省して、娘の為にも第一に経済力を身に付け男に依存しなくてもいい様に頑張りたいです。」と語った。
「まあ、唯ちゃんは都合の良い「迎えに来てくれる王子さまはこの世にいない。」って事を前提にこれからいろんな出逢いを大切にして欲しい。そんな神標津に「王子様」は似合わんじゃろ。カラカラカラ。ガイルちゃんに関してはこの村に「DV男」は居らんから安心してええぞ。仮に何かあれば、わしがそんな男は速攻で成敗してやるでな。」と直は2人に優しく励ましの声をかけた。
さくらが少し照れながら「ここの男の人たちはみんなピュアでいい人よ。」とフォローを入れている間に、副島から稀世のスマホに「万朶野さんが大変やったみたいやな。大阪地裁の方で接近禁止命令を出してもらったから、明日にでも府警を通じて道警に今しばらくの警護は頼んでおくわ。安さんには面倒掛けてしもたな。ありがとさん。ちなみに北浜さんと蒸芽さんは馴染んでますか?明日も3人行くからよろひこー!」とさくらの件の事後と明日来る3人の各々の釣書と簡易の経歴書がラインで送られてきた。
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