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第2部 エピソード2024
「特産品」
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「特産品」
翌日、朝から穴吹と上坊は精力的に動いた。ウェブカメラを手に畜舎の清掃から搾乳を済ませ放牧まで午前中のルーチンが終わるまで現場に留まり、昨日とは逆にアグリ神標津の業務に対し質問を投げ続け、広志と美咲が対応にあたった。
牛耳の付いた帽子姿の美咲が上坊に「淡路島に牛にモーツァルトを聞かせてる牧場があるって聞いたことがあるんですけど効果ってあるんですか?」、「牛に語りかけながらマッサージすると肉質が良くなるって本当なんですか?」と尋ねた。
「犬飼さんが言われてるのは淡路島牛乳株式会社の「モーツァルト牛乳」や栃木の「那須ハーブ牛協会」の「さくら和牛」の事例の事ですね。イタリアやオーストラリアで畜舎でクラッシック音楽をかけて搾乳量が上がった事例を取り入れたものですね。
音楽の「揺らぎ」によって牛がリラックスして良い効果が出るのは科学的に証明もされていて「本当」です。イギリスではスロージャズをかけてる牧場もあるんですよ。まあ、機械化酪農が広まり、牛が嫌う搾乳機のポンプ音やモーター音を薄れさせる意味合いだと思いますので、速すぎる旋律や激しいビートの音楽は避けた方が良いと思いますね。
語りかけについての科学的根拠はありませんが、愛情をもって接するという事なんでしょうね。罵倒するような語りかけや激しい口調はマイナスに働く可能性もありますが、ゆったりとしたペースで語りかけながらマッサージする事で牛がリラックスできる環境を作ることは大切だと思いますよ。」
と上坊が丁寧に答えるのを美咲はしっかりとメモを取った。
広志は「あー、神標津出身の歌手が居れば、その歌手の「バラード集」のCDでもかけて育てれば「売り」になったのになぁ。」と冗談半分で言うと、子牛に哺乳していた夏子と陽菜がしゃしゃり出てきて「じゃあ、私らが「神標津アイドル」としてデビューしたろか!「なつ&陽菜」の歌で育ったって「売り」になるやろ。」と口を挟むと穴吹が苦笑いして取りなした。
「競馬の世界に女性ジョッキーが少ないのは馬が女性特有の高い声が苦手だっていう事があるように、牛も低い音を好む面がありますので太い声の男性演歌歌手の方がいいかもしれませんね。まあ、牡の子牛相手にアイドルの歌を聞かせれば別の効果があるかもしれませんので、良い結果が出たら教えてください。」
続いては一郎と直が神標津に咲く花の群生地を案内した。運転手役は休日扱いだった三朗が買って出た。道東の夏の花である「大姥百合」、「穂咲下野」、「糊空木」を見て回ったが難しい顔をしているように感じた直が、何を求めているのかを問いた。
「神標津の花を使った「蜂蜜」を考えてたんですよ。もちろんスイーツや肉料理で使うんですけど…、」と切り出し、昨晩出た「酒」の話から「日本酒」や「焼酎」ジャンルに参入するより、新たなジャンルにチャレンジする方が面白いと思い「蜂蜜酒」を考えたという。同じ造るのであれば、地元の特徴ある花の蜜をうたいたいと考えていたのだが、「姥」、「下」、「空木」という「字面」のイメージが今一つとの感想を持ったことと、養蜂するにあたって単一品種をうたえる程、群生している場所ではなかったことが浮かない表情の理由として語られた。
「養蜂ってよくわからんけど、この北海道でもできるもんなんじゃろか?」と直が尋ねると依頼があればどこにでも蜜蜂の入った巣を設置してくれる養蜂家が居るという。アグリ神標津としては、巣箱の設置場所だけ提供できれば「地元産」や「主たる花」をうたえる蜜を得られるという事だった。
ミツバチの行動範囲はおよそ2キロ圏内なので、特定の花が群生しているところであれば「さくら蜜」、「みかん蜜」、「れんげ蜜」といったような単一蜜名を名乗ることができるという事だった。蜜の採集は通常1ケ月だが、「さくら」などは2週間程の開花で採集期間が短い分、希少価値の高い蜜という「付加価値」がついているという。
「ふーん、「群生」と「花の名前のイメージ」が大事なんですね…。あっ、「蝦夷竜胆」なんかいかがでしょうか?「蝦夷」とつくのでいかにも「北海道」産イメージですし、直さんの裏山の沼に群生してて、今はまだ咲いていないですけど秋には一気に花をつけます。先生方、いかがでしょうか?」
一郎が提案すると、穴吹がスマホで「蝦夷竜胆」を検索した。
「へー、「リンドウ」と名がつくだけあってかわいらしい花ですね。おっ、さらに根は「竜胆根」って言われる胃腸薬になるんですね。薬膳種も考えられますね。是非とも見させてください。」
穴吹の一言で車は直の家に戻り、「蝦夷竜胆」を求めて裏山に入っていった。9月半ばから10月後半に開花する為、まだ花は見られなかったが、そこそこ大きさのある沼に群生しており、来年は種子を蒔けば十分採蜜できる規模だと上坊と共に笑顔になった。
商品の「付加価値」の中には「ストーリー」も重要との事で、穴吹が山を散策中に偶然見つけた群生地でオリジナルの蜂蜜を得る為に「蜜箱」を設置してみたら良い蜜が取れたというシナリオがその場で作られた。
段取りよく、穴吹は「一般社団法人日本養蜂協会」をスマホで調べ、道東で委託養蜂を行っている養蜂家を調べてもらった結果、十勝の養蜂園の紹介を得ることができた。穴吹は聞いた養蜂家に電話を入れると「蝦夷竜胆」が群生する沼の写真を送った。「本来ならこれの「倍」は咲いてほしいけど何とか1、2箱ならとれるっぺ。」との判断で、9月半ばから10月半ばの1か月間に試験的に小型の蜜蜂の巣を2台設置することを依頼した。うまく採蜜できれば約10キロの収穫になるようである。
出張費を含めた巣箱設置費用と缶詰作業費で約6万円かかるので蜂蜜単体で売るには利益は期待できないが、「付加価値」をつけることで他で大きな利益を考えているようだった。
穴吹、上坊共に蜂蜜を使ったレシピを多数持っているようで、2人で調理メニュー談義が始まった。来年は春に種を蒔き、今年の10倍の収穫目標を立てたかと思うと、その利用方法と分配までその場で計算し始めた。プロの仕事の速さと幅広い知識と「販売戦略」に直接触れた三朗は一言一句聞き漏らさぬようメモを取り続けた。
その後、厨房に戻ると調理加工担当の女性陣が集まって来た。上坊は調理材料として在庫していた一般的な「百花蜜」を木製のスプーンでひとさじ舐めると「糖度78ってところかな。」とつぶやくと電卓アプリで計算を始めた。晶が持ってきた4リットルのペットボトル2本に計量カップで各々別の量を入れて適宜ミネラルウォーターを足しては穴吹がボトルをシェイクした。最終的に濃度の違う3リットルの蜂蜜水溶液が出来上がった。油性マジックで「糖度25%水溶液」、「糖度20%水溶液」とボトルに書き込むと晶に言った。
「すみません、「イースト菌」下さい。本来なら「酒酵母」を使うんですけど、皆さんに「はちみつ酒」を知ってもらう為なんでとりあえずの方法です。この時期でしたら2週間から3週間で仕上がりますので。」
上坊は計量スプーンでイースト菌を計量し、各々のペットボトルに投入すると軽くシェイクした。アルコール濃度計は高価なので、ネット通販でいいので「糖度計」を購入して1週間目から毎日糖度を記録して欲しいという事が晶たちに伝えられた。
蜂蜜水溶液内の糖分が酵母菌によりアルコールに転化していくので、25度、20度の水溶液から下がった糖度がほぼアルコール度数に相当すると説明があった。過去の経験からいくと、25度の蜂蜜水溶液は糖度10パーセントで日本酒やワインと同等のアルコール度数15度前後のフルボディークラスまで上がるという。20度水溶液は、アルコール度数8から10パーセント程度で甘さを残した女性向きのライトボディーのはちみつ酒になるという。
蜂蜜は殺菌成分が強い為、水溶液が濃すぎると酵母菌を殺してしまうので25パーセントを上限にするように言われた。
糖度計が10%前後を示したら、ボトルごと60度程度で湯煎して酵母の働きを止め一晩安置し、沈殿した酵母や熱により澱化した蜂蜜中の水溶性タンパク質を混ぜ込まないようにサイフォンの原理で吸い上げボトリングすれば世界最古の酒と言われ、クレオパトラも飲んだと言われる「はちみつ酒」は完成であるという。
「先生、醸造途中で攪拌とか温度調整は必要ないんですか?」とあまりの楽な製造工程に不安を覚えた晶が質問をした。
「放ったらかしでいいのが「ミード」のいいところなんですよ。何と言っても「木の穴にできた蜂の巣と吹き込んだ雨水だけでできたのが「ミード酒」ですから。クレオパトラの時代には甕に蜂蜜を入れて3倍希釈して、葡萄や小麦を咀嚼したものを混ぜただけで作ったという説もあるくらいですから。
よほど雑菌が入らない限りまず失敗のしようがないです。発酵時にガスが出ますのでキャップに少し隙間を開けておくか、ペットボトルが膨らんでるようでしたら脱気してください。注意点はそれくらいです。
まあ、今の時点では「密造酒」扱いですからこっそり作ってくださいね。くれぐれもSNSアップは厳禁ですよ!実際に作るとなったら、「酒造免許」の方は伝手がありますので任せてください。」
とあまりに軽く言うので信じるしかなかった。
そして3週間後にもう一度来村する際に、試飲をすると同時に国内でわずかながら販売されている「日本酒用酵母使用」、「醸造用アルコール使用」、「蒸留式」、「リキュール混和」の「ミード酒」と飲み比べをすることにした。
「まあ、神標津の特産品になる「秘密兵器」を用意しておきますのでそこは楽しみにしててください。あと、ミード酒を使ったスイーツや肉料理のレシピも用意しておきますね。素敵な「神標津の特産品」になるよう僕たちも応援させてもらいますよ。」
と穴吹も自信たっぷりに言うので、皆が3週間後を楽しみに待つことにした。
穴吹と上坊と過ごす2日目の夜は皆が「夢」を語る楽しい宴となった。
翌日、朝から穴吹と上坊は精力的に動いた。ウェブカメラを手に畜舎の清掃から搾乳を済ませ放牧まで午前中のルーチンが終わるまで現場に留まり、昨日とは逆にアグリ神標津の業務に対し質問を投げ続け、広志と美咲が対応にあたった。
牛耳の付いた帽子姿の美咲が上坊に「淡路島に牛にモーツァルトを聞かせてる牧場があるって聞いたことがあるんですけど効果ってあるんですか?」、「牛に語りかけながらマッサージすると肉質が良くなるって本当なんですか?」と尋ねた。
「犬飼さんが言われてるのは淡路島牛乳株式会社の「モーツァルト牛乳」や栃木の「那須ハーブ牛協会」の「さくら和牛」の事例の事ですね。イタリアやオーストラリアで畜舎でクラッシック音楽をかけて搾乳量が上がった事例を取り入れたものですね。
音楽の「揺らぎ」によって牛がリラックスして良い効果が出るのは科学的に証明もされていて「本当」です。イギリスではスロージャズをかけてる牧場もあるんですよ。まあ、機械化酪農が広まり、牛が嫌う搾乳機のポンプ音やモーター音を薄れさせる意味合いだと思いますので、速すぎる旋律や激しいビートの音楽は避けた方が良いと思いますね。
語りかけについての科学的根拠はありませんが、愛情をもって接するという事なんでしょうね。罵倒するような語りかけや激しい口調はマイナスに働く可能性もありますが、ゆったりとしたペースで語りかけながらマッサージする事で牛がリラックスできる環境を作ることは大切だと思いますよ。」
と上坊が丁寧に答えるのを美咲はしっかりとメモを取った。
広志は「あー、神標津出身の歌手が居れば、その歌手の「バラード集」のCDでもかけて育てれば「売り」になったのになぁ。」と冗談半分で言うと、子牛に哺乳していた夏子と陽菜がしゃしゃり出てきて「じゃあ、私らが「神標津アイドル」としてデビューしたろか!「なつ&陽菜」の歌で育ったって「売り」になるやろ。」と口を挟むと穴吹が苦笑いして取りなした。
「競馬の世界に女性ジョッキーが少ないのは馬が女性特有の高い声が苦手だっていう事があるように、牛も低い音を好む面がありますので太い声の男性演歌歌手の方がいいかもしれませんね。まあ、牡の子牛相手にアイドルの歌を聞かせれば別の効果があるかもしれませんので、良い結果が出たら教えてください。」
続いては一郎と直が神標津に咲く花の群生地を案内した。運転手役は休日扱いだった三朗が買って出た。道東の夏の花である「大姥百合」、「穂咲下野」、「糊空木」を見て回ったが難しい顔をしているように感じた直が、何を求めているのかを問いた。
「神標津の花を使った「蜂蜜」を考えてたんですよ。もちろんスイーツや肉料理で使うんですけど…、」と切り出し、昨晩出た「酒」の話から「日本酒」や「焼酎」ジャンルに参入するより、新たなジャンルにチャレンジする方が面白いと思い「蜂蜜酒」を考えたという。同じ造るのであれば、地元の特徴ある花の蜜をうたいたいと考えていたのだが、「姥」、「下」、「空木」という「字面」のイメージが今一つとの感想を持ったことと、養蜂するにあたって単一品種をうたえる程、群生している場所ではなかったことが浮かない表情の理由として語られた。
「養蜂ってよくわからんけど、この北海道でもできるもんなんじゃろか?」と直が尋ねると依頼があればどこにでも蜜蜂の入った巣を設置してくれる養蜂家が居るという。アグリ神標津としては、巣箱の設置場所だけ提供できれば「地元産」や「主たる花」をうたえる蜜を得られるという事だった。
ミツバチの行動範囲はおよそ2キロ圏内なので、特定の花が群生しているところであれば「さくら蜜」、「みかん蜜」、「れんげ蜜」といったような単一蜜名を名乗ることができるという事だった。蜜の採集は通常1ケ月だが、「さくら」などは2週間程の開花で採集期間が短い分、希少価値の高い蜜という「付加価値」がついているという。
「ふーん、「群生」と「花の名前のイメージ」が大事なんですね…。あっ、「蝦夷竜胆」なんかいかがでしょうか?「蝦夷」とつくのでいかにも「北海道」産イメージですし、直さんの裏山の沼に群生してて、今はまだ咲いていないですけど秋には一気に花をつけます。先生方、いかがでしょうか?」
一郎が提案すると、穴吹がスマホで「蝦夷竜胆」を検索した。
「へー、「リンドウ」と名がつくだけあってかわいらしい花ですね。おっ、さらに根は「竜胆根」って言われる胃腸薬になるんですね。薬膳種も考えられますね。是非とも見させてください。」
穴吹の一言で車は直の家に戻り、「蝦夷竜胆」を求めて裏山に入っていった。9月半ばから10月後半に開花する為、まだ花は見られなかったが、そこそこ大きさのある沼に群生しており、来年は種子を蒔けば十分採蜜できる規模だと上坊と共に笑顔になった。
商品の「付加価値」の中には「ストーリー」も重要との事で、穴吹が山を散策中に偶然見つけた群生地でオリジナルの蜂蜜を得る為に「蜜箱」を設置してみたら良い蜜が取れたというシナリオがその場で作られた。
段取りよく、穴吹は「一般社団法人日本養蜂協会」をスマホで調べ、道東で委託養蜂を行っている養蜂家を調べてもらった結果、十勝の養蜂園の紹介を得ることができた。穴吹は聞いた養蜂家に電話を入れると「蝦夷竜胆」が群生する沼の写真を送った。「本来ならこれの「倍」は咲いてほしいけど何とか1、2箱ならとれるっぺ。」との判断で、9月半ばから10月半ばの1か月間に試験的に小型の蜜蜂の巣を2台設置することを依頼した。うまく採蜜できれば約10キロの収穫になるようである。
出張費を含めた巣箱設置費用と缶詰作業費で約6万円かかるので蜂蜜単体で売るには利益は期待できないが、「付加価値」をつけることで他で大きな利益を考えているようだった。
穴吹、上坊共に蜂蜜を使ったレシピを多数持っているようで、2人で調理メニュー談義が始まった。来年は春に種を蒔き、今年の10倍の収穫目標を立てたかと思うと、その利用方法と分配までその場で計算し始めた。プロの仕事の速さと幅広い知識と「販売戦略」に直接触れた三朗は一言一句聞き漏らさぬようメモを取り続けた。
その後、厨房に戻ると調理加工担当の女性陣が集まって来た。上坊は調理材料として在庫していた一般的な「百花蜜」を木製のスプーンでひとさじ舐めると「糖度78ってところかな。」とつぶやくと電卓アプリで計算を始めた。晶が持ってきた4リットルのペットボトル2本に計量カップで各々別の量を入れて適宜ミネラルウォーターを足しては穴吹がボトルをシェイクした。最終的に濃度の違う3リットルの蜂蜜水溶液が出来上がった。油性マジックで「糖度25%水溶液」、「糖度20%水溶液」とボトルに書き込むと晶に言った。
「すみません、「イースト菌」下さい。本来なら「酒酵母」を使うんですけど、皆さんに「はちみつ酒」を知ってもらう為なんでとりあえずの方法です。この時期でしたら2週間から3週間で仕上がりますので。」
上坊は計量スプーンでイースト菌を計量し、各々のペットボトルに投入すると軽くシェイクした。アルコール濃度計は高価なので、ネット通販でいいので「糖度計」を購入して1週間目から毎日糖度を記録して欲しいという事が晶たちに伝えられた。
蜂蜜水溶液内の糖分が酵母菌によりアルコールに転化していくので、25度、20度の水溶液から下がった糖度がほぼアルコール度数に相当すると説明があった。過去の経験からいくと、25度の蜂蜜水溶液は糖度10パーセントで日本酒やワインと同等のアルコール度数15度前後のフルボディークラスまで上がるという。20度水溶液は、アルコール度数8から10パーセント程度で甘さを残した女性向きのライトボディーのはちみつ酒になるという。
蜂蜜は殺菌成分が強い為、水溶液が濃すぎると酵母菌を殺してしまうので25パーセントを上限にするように言われた。
糖度計が10%前後を示したら、ボトルごと60度程度で湯煎して酵母の働きを止め一晩安置し、沈殿した酵母や熱により澱化した蜂蜜中の水溶性タンパク質を混ぜ込まないようにサイフォンの原理で吸い上げボトリングすれば世界最古の酒と言われ、クレオパトラも飲んだと言われる「はちみつ酒」は完成であるという。
「先生、醸造途中で攪拌とか温度調整は必要ないんですか?」とあまりの楽な製造工程に不安を覚えた晶が質問をした。
「放ったらかしでいいのが「ミード」のいいところなんですよ。何と言っても「木の穴にできた蜂の巣と吹き込んだ雨水だけでできたのが「ミード酒」ですから。クレオパトラの時代には甕に蜂蜜を入れて3倍希釈して、葡萄や小麦を咀嚼したものを混ぜただけで作ったという説もあるくらいですから。
よほど雑菌が入らない限りまず失敗のしようがないです。発酵時にガスが出ますのでキャップに少し隙間を開けておくか、ペットボトルが膨らんでるようでしたら脱気してください。注意点はそれくらいです。
まあ、今の時点では「密造酒」扱いですからこっそり作ってくださいね。くれぐれもSNSアップは厳禁ですよ!実際に作るとなったら、「酒造免許」の方は伝手がありますので任せてください。」
とあまりに軽く言うので信じるしかなかった。
そして3週間後にもう一度来村する際に、試飲をすると同時に国内でわずかながら販売されている「日本酒用酵母使用」、「醸造用アルコール使用」、「蒸留式」、「リキュール混和」の「ミード酒」と飲み比べをすることにした。
「まあ、神標津の特産品になる「秘密兵器」を用意しておきますのでそこは楽しみにしててください。あと、ミード酒を使ったスイーツや肉料理のレシピも用意しておきますね。素敵な「神標津の特産品」になるよう僕たちも応援させてもらいますよ。」
と穴吹も自信たっぷりに言うので、皆が3週間後を楽しみに待つことにした。
穴吹と上坊と過ごす2日目の夜は皆が「夢」を語る楽しい宴となった。
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