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第2部 エピソード2024
「超音波籾殻燻炭」
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「超音波籾殻燻炭」
よもやの2組の結婚と1組のカップリングで盛り上がったハニーワインの試飲会は終わり、粋華は上坊、穴吹と隣町のペンションに移動し、残ったメンバーで麗と龍二、多世と和樹のお祝いを兼ねた2次会へと進んでいった。
相変わらず広志と不思議な三角関係を続けている唯と葵も笑顔で4人を祝福している。ガイルと健司は凜、蘭がその場でクレヨンで描いた2組のカップルの絵を4人で渡した。
「青年部で残るは徹と三朗と翔だな。19歳の翔はまだまだこれからとして、徹と三朗はこれはと言う人はいないのか?安さんに立花さん、なっちゃんと陽菜ちゃん、そして本田さんとまだまだ魅力的な女の子がいるじゃないか。お前らも頑張れよ!」
とすっかりハニーワインが入りご機嫌な一郎に突っ込まれた3人の中で最初に翔が「俺は心亜ちゃんがいいと思ってんだけど…、まだ付き合える器になれてないっぺ。アグリ神標津の社員になった以上、来年は和樹兄からひとり立ちできるように頑張っぺ!」と宣言した。
徹は晶に好意を持っている事は周知の事実であったが、積極的に行動には出ていない。三朗にいたっては、女性の話をすることは殆ど無いので一郎はまりあから「ちょっと背中を押してやってくださいよ!」と言われている。
「まずは今の目の前の仕事に集中するっぺ。」、「はい、僕も同じです…。」と徹と三朗は一郎に遠慮気味に答えた横で直が「のんびりしとると、祥君と靖君に「油揚げ」さらわれてしまうでな。カラカラカラ。」とはやし立てた。
翌朝の神標津村は一気に冷え込んだ。10月も後半に入り、2番草とデントコーンの刈り取りはほぼ終了し牧草ロールにする前に混入させる酒粕と、酒米を研磨した際に残った米粉の引き取りに三朗と稀世は向かっていた。
稀世は造り酒屋に「ミードワイン」を作った事を報告した。
「へー、アグリ神標津産はなんでもチャレンジするんですね。ホームページを見させてもらいましたけど、今はメロン栽培も始めたんですって?安さんにうちの「経営コンサルタント」もやってもらいたいですね。
今年はうちが契約してる「山田錦」の田んぼが病気でやられちゃって、予定してた収穫量が上がらなくて日本酒の仕込みも十分にできなかったりして大変なんですよ。頼みは冬のハウス栽培での野菜なんですけど、どうもここ数年、土壌が痩せてしまったみたいでこちらも不安なんですよ。」
と相談事を持ち掛けられた。(うーん、販売戦略とかやったら一緒に考えられるけど、農法については専門外やからなぁ…。とりあえず、うちの「バクシート」を試してもらうくらいしか提案できへんよな。)と言葉に詰まってしまった稀世に三朗が助け舟を出した。
「ちょっと、ハウスの土を見せてもらっていいですか?」
連れて行かれたビニールハウスで三朗は置かれていた鍬で畝を掘り起こし、その土を手に取った。固く粘土状になった土は力を入れないと砕けることはなかった。
「これだけ土が固いと根が成長しないんですよ。根が伸びないと土中の養分を十分に吸収することができませんので当然のように農作物の成長にも悪影響が出ます。」
と切り出した三朗はいくつかの質問を投げかけた。
日本酒市場の縮小に伴い、売上げの落ち込みを埋めるためにハウス栽培を始めて10年になるという。JAから肥料や土壌消毒剤は購入し、生産指導を受けているという事だったが、基本的に専門的に農業を学んだことはないという事だった。
その後、倉庫を見せてもらい現在使用している肥料をチェックした。ふと、その横にある空調付きの倉庫に目が向いた。
「あの、この倉庫は何ですか?」三朗の問いに、内地から取り寄せた山田錦の籾と返答があった。籾の状態で仕入れ、工場内で籾摺りを行い、作る日本酒に合わせて精米をしているという事だった。
「籾はどうしてるんですか?」と三朗が問いかけると、酒粕と米糠、米粉はアグリ神標津が引き取るようになって廃棄費用が掛からなくなって助かっているが、籾は有料で廃棄しているという事だった。
「籾殻もうちで引き取らせてください。来週、「超音波籾殻燻炭」にしてお返しします。」
とよくわからない事を言って籾殻の詰まった大きな米袋をトラックに詰め込んだ。
帰りのトラックで稀世は三朗に「超音波籾殻燻炭」と言う聞きなれない言葉に質問をした。三朗は丁寧に稀世に説明し始めた。
現在アグリ神標津で販売している「バクシート」は牛糞と米粉糊と燻炭で薄いシート状にした肥料である事を説明したうえで、バクシートには間伐材の炭を砕いたものを入れている意味は脱臭と炭の多孔性を活かしてバクテリアを活性化させるためだと付け加えた。
籾殻燻炭は、約400度の低温で籾殻を燻すことで籾の形状を維持したまま炭にしたものだという。
「これを土壌に混ぜることで、土中に空間を作り水はけを良くして空気の通り道を作る事ができるようになるんですよ。排水性と通気性は根の成長に欠かせない条件です。また籾殻燻炭の多孔質構造は水分や肥料分を蓄える性質も持ち合わせています。籾殻燻炭にはさらに凄い効果があるんですよ!
籾殻燻炭の独特な香りはヨトウムシやネキリムシ等の害虫よけ効果もあり、さらに理屈はよくわかりませんが光に当てると超音波を発生して、微生物の成長を促すんです。それらの効果により、肥料の吸収性は向上し、土はふかふかになる為、根張りは良くなり、炭の黒は吸熱、保熱効果も高く冬のハウス栽培に凄くメリットがあるんです。」
と、いつになく熱く語る三朗の表情は生き生きとしていた。
「ふーん、そういえば、大阪でも刈り入れの終わった田んぼで籾殻に煙突刺して燃やしてる風景はよく見たわ。籾殻にはそんなメリットがあるのに今まで捨ててたって、もったいない話やな。そんないい手があるならJAも教えたったらええのにな。」
稀世が呟くと、三朗は「大人の事情」について語り始めた。
「まあ、JAも商売ですから…。正組合員ならともかく、兼業でやってる農家はある意味「美味しい客」ですからね。籾殻燻炭を教えても売上にはなりません。それよりも土壌改良剤や肥料を売り込めってなもんですよ。」
稀世は「全部の農協がそうやとは思わんけど、もう少し農家や酪農家に協力してくれたら日本の農業は大きく変われるのにな…。」と呟いた。
帰りの道中では「籾殻燻炭」をきっかけに、三朗がかつて務めていた「足寄農協」や「JAさっぽろ」では積極的に最先端の農業技術をフィードバックする部門があったり、大学の農学部との連携研究も盛んに行われている事例が紹介された。
「結局は農家が「変わる意識」を持ってるかどうかって事やねんな。「町田メロン」にしてももっと広まってくれたらええのにな。うちはサブちゃんが居るからそういう面では新しい事にはどんどんチャレンジできるな。これからもサブちゃんの事を頼りにしてるで!」
稀世が三朗を励ますと真っ赤になって「あまり買いかぶらないでくださいね。うちのメンバーの中では一番の下っ端ですから…。」と控えめに返事をした。
神標津村に到着すると三朗は早速簡単な図面を描き、健司に連絡した。ドラム缶と煙突用配管やいくつかの部品を組み合わせて燻炭製造機を作り始めた。
「ここを可動式にして生成物を取り出しやすいようにドラム缶を縦回転できるようにできますか?」、「どうせやったら燻した際に出る「煙」を冷やして「木酢液」も抽出できるようにしましょう。」、「台座にキャスターを付けて移動式にしたらいいんじゃないかな。」、「どうせなら、ブロワーもつけて高温焼成できるようになったら根曲竹の「竹炭」やシブリカカシで「なんちゃって備長炭」ができたら新商品として売り出せますよね。」と新しいおもちゃで遊ぶ子供の様に2人で案を出しては楽しそうに、2時間ほどで燻炭機を組み上げた。
早速、もらってきた籾殻を200リットルのドラム缶に放り込み、燻炭機に着火した。もくもくと白い煙が煙突から立ち上がり、約2時間で70リットルの「超音波籾殻燻炭」が仕上がった。
「三朗さん、今、ネットで見たら籾殻燻炭って18リットルで500円から900円で売られてますやん。けっこう美味しい商売かも知れませんね。」、「多くの農家さんは野焼きでやってるけど、この燻炭機も売れるんとちゃいますか?」と矢継ぎ早に話しかけてくる健司に三朗は笑顔で答えた。
「そうだね、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で屋外での燻炭づくりは「野焼き」扱いで禁止されているところも多いから、住宅地に近い田んぼや精米店なんかではそのニーズもあるかもしれないですね。」
晩御飯も食べず、表で大きな笑い声をあげながら作業している三朗と健司をガイルが呼びに来た。
翌日、三朗はできたばかりの籾殻燻炭とバクシートを酒造メーカーに届けに行った。トラクターでビニールハウス内の半分の土を盛り起こしながら砕いたバクシートと籾殻燻炭を混ぜ込んでいった。明らかに土の色は黒っぽくなり、艶が出た。
散水を済ませた後、「こちらのブロックは今年はあまり化学肥料や薬品は使わず作ってみてください。従来栽培方法よりメリットがありましたら、春からは本採用してくれればいいですから、モニター協力お願いしますね。」と代金を受け取ることなく、三朗は納品先のビニールハウスを後にした。
結果は3週間後に出た。
「岩井さん、籾殻燻炭とバクシート持ってきてくれっぺか?あの後、植えたミックスレタスの育ち方が全然違うっぺ。虫も全然寄り付かん。うちは全面、燻炭とバクシート方式にするべな!これからは「化学肥料を使わない自然派野菜」をうたうべ。今度はきっちりと請求書持ってくるっぺよ。」
とうれしい電話で「超音波籾殻燻炭」が新たな商品として加わった。
よもやの2組の結婚と1組のカップリングで盛り上がったハニーワインの試飲会は終わり、粋華は上坊、穴吹と隣町のペンションに移動し、残ったメンバーで麗と龍二、多世と和樹のお祝いを兼ねた2次会へと進んでいった。
相変わらず広志と不思議な三角関係を続けている唯と葵も笑顔で4人を祝福している。ガイルと健司は凜、蘭がその場でクレヨンで描いた2組のカップルの絵を4人で渡した。
「青年部で残るは徹と三朗と翔だな。19歳の翔はまだまだこれからとして、徹と三朗はこれはと言う人はいないのか?安さんに立花さん、なっちゃんと陽菜ちゃん、そして本田さんとまだまだ魅力的な女の子がいるじゃないか。お前らも頑張れよ!」
とすっかりハニーワインが入りご機嫌な一郎に突っ込まれた3人の中で最初に翔が「俺は心亜ちゃんがいいと思ってんだけど…、まだ付き合える器になれてないっぺ。アグリ神標津の社員になった以上、来年は和樹兄からひとり立ちできるように頑張っぺ!」と宣言した。
徹は晶に好意を持っている事は周知の事実であったが、積極的に行動には出ていない。三朗にいたっては、女性の話をすることは殆ど無いので一郎はまりあから「ちょっと背中を押してやってくださいよ!」と言われている。
「まずは今の目の前の仕事に集中するっぺ。」、「はい、僕も同じです…。」と徹と三朗は一郎に遠慮気味に答えた横で直が「のんびりしとると、祥君と靖君に「油揚げ」さらわれてしまうでな。カラカラカラ。」とはやし立てた。
翌朝の神標津村は一気に冷え込んだ。10月も後半に入り、2番草とデントコーンの刈り取りはほぼ終了し牧草ロールにする前に混入させる酒粕と、酒米を研磨した際に残った米粉の引き取りに三朗と稀世は向かっていた。
稀世は造り酒屋に「ミードワイン」を作った事を報告した。
「へー、アグリ神標津産はなんでもチャレンジするんですね。ホームページを見させてもらいましたけど、今はメロン栽培も始めたんですって?安さんにうちの「経営コンサルタント」もやってもらいたいですね。
今年はうちが契約してる「山田錦」の田んぼが病気でやられちゃって、予定してた収穫量が上がらなくて日本酒の仕込みも十分にできなかったりして大変なんですよ。頼みは冬のハウス栽培での野菜なんですけど、どうもここ数年、土壌が痩せてしまったみたいでこちらも不安なんですよ。」
と相談事を持ち掛けられた。(うーん、販売戦略とかやったら一緒に考えられるけど、農法については専門外やからなぁ…。とりあえず、うちの「バクシート」を試してもらうくらいしか提案できへんよな。)と言葉に詰まってしまった稀世に三朗が助け舟を出した。
「ちょっと、ハウスの土を見せてもらっていいですか?」
連れて行かれたビニールハウスで三朗は置かれていた鍬で畝を掘り起こし、その土を手に取った。固く粘土状になった土は力を入れないと砕けることはなかった。
「これだけ土が固いと根が成長しないんですよ。根が伸びないと土中の養分を十分に吸収することができませんので当然のように農作物の成長にも悪影響が出ます。」
と切り出した三朗はいくつかの質問を投げかけた。
日本酒市場の縮小に伴い、売上げの落ち込みを埋めるためにハウス栽培を始めて10年になるという。JAから肥料や土壌消毒剤は購入し、生産指導を受けているという事だったが、基本的に専門的に農業を学んだことはないという事だった。
その後、倉庫を見せてもらい現在使用している肥料をチェックした。ふと、その横にある空調付きの倉庫に目が向いた。
「あの、この倉庫は何ですか?」三朗の問いに、内地から取り寄せた山田錦の籾と返答があった。籾の状態で仕入れ、工場内で籾摺りを行い、作る日本酒に合わせて精米をしているという事だった。
「籾はどうしてるんですか?」と三朗が問いかけると、酒粕と米糠、米粉はアグリ神標津が引き取るようになって廃棄費用が掛からなくなって助かっているが、籾は有料で廃棄しているという事だった。
「籾殻もうちで引き取らせてください。来週、「超音波籾殻燻炭」にしてお返しします。」
とよくわからない事を言って籾殻の詰まった大きな米袋をトラックに詰め込んだ。
帰りのトラックで稀世は三朗に「超音波籾殻燻炭」と言う聞きなれない言葉に質問をした。三朗は丁寧に稀世に説明し始めた。
現在アグリ神標津で販売している「バクシート」は牛糞と米粉糊と燻炭で薄いシート状にした肥料である事を説明したうえで、バクシートには間伐材の炭を砕いたものを入れている意味は脱臭と炭の多孔性を活かしてバクテリアを活性化させるためだと付け加えた。
籾殻燻炭は、約400度の低温で籾殻を燻すことで籾の形状を維持したまま炭にしたものだという。
「これを土壌に混ぜることで、土中に空間を作り水はけを良くして空気の通り道を作る事ができるようになるんですよ。排水性と通気性は根の成長に欠かせない条件です。また籾殻燻炭の多孔質構造は水分や肥料分を蓄える性質も持ち合わせています。籾殻燻炭にはさらに凄い効果があるんですよ!
籾殻燻炭の独特な香りはヨトウムシやネキリムシ等の害虫よけ効果もあり、さらに理屈はよくわかりませんが光に当てると超音波を発生して、微生物の成長を促すんです。それらの効果により、肥料の吸収性は向上し、土はふかふかになる為、根張りは良くなり、炭の黒は吸熱、保熱効果も高く冬のハウス栽培に凄くメリットがあるんです。」
と、いつになく熱く語る三朗の表情は生き生きとしていた。
「ふーん、そういえば、大阪でも刈り入れの終わった田んぼで籾殻に煙突刺して燃やしてる風景はよく見たわ。籾殻にはそんなメリットがあるのに今まで捨ててたって、もったいない話やな。そんないい手があるならJAも教えたったらええのにな。」
稀世が呟くと、三朗は「大人の事情」について語り始めた。
「まあ、JAも商売ですから…。正組合員ならともかく、兼業でやってる農家はある意味「美味しい客」ですからね。籾殻燻炭を教えても売上にはなりません。それよりも土壌改良剤や肥料を売り込めってなもんですよ。」
稀世は「全部の農協がそうやとは思わんけど、もう少し農家や酪農家に協力してくれたら日本の農業は大きく変われるのにな…。」と呟いた。
帰りの道中では「籾殻燻炭」をきっかけに、三朗がかつて務めていた「足寄農協」や「JAさっぽろ」では積極的に最先端の農業技術をフィードバックする部門があったり、大学の農学部との連携研究も盛んに行われている事例が紹介された。
「結局は農家が「変わる意識」を持ってるかどうかって事やねんな。「町田メロン」にしてももっと広まってくれたらええのにな。うちはサブちゃんが居るからそういう面では新しい事にはどんどんチャレンジできるな。これからもサブちゃんの事を頼りにしてるで!」
稀世が三朗を励ますと真っ赤になって「あまり買いかぶらないでくださいね。うちのメンバーの中では一番の下っ端ですから…。」と控えめに返事をした。
神標津村に到着すると三朗は早速簡単な図面を描き、健司に連絡した。ドラム缶と煙突用配管やいくつかの部品を組み合わせて燻炭製造機を作り始めた。
「ここを可動式にして生成物を取り出しやすいようにドラム缶を縦回転できるようにできますか?」、「どうせやったら燻した際に出る「煙」を冷やして「木酢液」も抽出できるようにしましょう。」、「台座にキャスターを付けて移動式にしたらいいんじゃないかな。」、「どうせなら、ブロワーもつけて高温焼成できるようになったら根曲竹の「竹炭」やシブリカカシで「なんちゃって備長炭」ができたら新商品として売り出せますよね。」と新しいおもちゃで遊ぶ子供の様に2人で案を出しては楽しそうに、2時間ほどで燻炭機を組み上げた。
早速、もらってきた籾殻を200リットルのドラム缶に放り込み、燻炭機に着火した。もくもくと白い煙が煙突から立ち上がり、約2時間で70リットルの「超音波籾殻燻炭」が仕上がった。
「三朗さん、今、ネットで見たら籾殻燻炭って18リットルで500円から900円で売られてますやん。けっこう美味しい商売かも知れませんね。」、「多くの農家さんは野焼きでやってるけど、この燻炭機も売れるんとちゃいますか?」と矢継ぎ早に話しかけてくる健司に三朗は笑顔で答えた。
「そうだね、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で屋外での燻炭づくりは「野焼き」扱いで禁止されているところも多いから、住宅地に近い田んぼや精米店なんかではそのニーズもあるかもしれないですね。」
晩御飯も食べず、表で大きな笑い声をあげながら作業している三朗と健司をガイルが呼びに来た。
翌日、三朗はできたばかりの籾殻燻炭とバクシートを酒造メーカーに届けに行った。トラクターでビニールハウス内の半分の土を盛り起こしながら砕いたバクシートと籾殻燻炭を混ぜ込んでいった。明らかに土の色は黒っぽくなり、艶が出た。
散水を済ませた後、「こちらのブロックは今年はあまり化学肥料や薬品は使わず作ってみてください。従来栽培方法よりメリットがありましたら、春からは本採用してくれればいいですから、モニター協力お願いしますね。」と代金を受け取ることなく、三朗は納品先のビニールハウスを後にした。
結果は3週間後に出た。
「岩井さん、籾殻燻炭とバクシート持ってきてくれっぺか?あの後、植えたミックスレタスの育ち方が全然違うっぺ。虫も全然寄り付かん。うちは全面、燻炭とバクシート方式にするべな!これからは「化学肥料を使わない自然派野菜」をうたうべ。今度はきっちりと請求書持ってくるっぺよ。」
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