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第十二話:ダンジョン探索【最奥で待つ者】
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魔族を倒し、俺達は20階層まで戻って来ていた。
まだ昼過ぎだったのだが、今日の狩りはここまでにする。
あの魔族は、一体何だったのだろうか。
システムバグか何かか?
そんな訳ないか。
黒犬を倒した時にアイテムをドロップしていた。
魔素という黒い結晶だ。何かに使えるかもしれないので、ストレージにしまっておく。
しかし、魔族には注意が必要だと再認識させられた。今回は俺よりもレベルが低かったから良かったが、あのテレポートみたいなのは正直反則だろう。
セリアが久々に表に出てきた。
「もうお気付きとは思いますが、先程のは魔族です」
どうやら精霊には分かるようだ。
「しかし、魔族の目撃例は、ここ何十年となかったはずですが、嫌な予感がしますね」
嫌な予感というのは言うまでもな俺には見当が付いていたので、あえて聞かないでおく。
ユイを怯えさせても駄目だしね。
昼食を取り、安全層を探検したいと言うユイに着いて行く事にした。
10分程歩いたが、端まで辿り着かない。なかなかに広いようだ。
更に10分程歩いて、ようやく安全層の端まで辿り着いた。
単純計算で2kmほどだろうか。
それにしても、道中誰も見かけなかったが、誰もこの階層まで降りて来ていないのだろうか。
グルっと壁を添うように1周し、テントが張ってある場所まで戻ってきた。
これと言って目ぼしいものは何もなく、冒険者の残していった野営の残骸程度だった。
歩き回って分かった事は、安全層の至るところに妙な花が咲いてあった事だ。
鑑定して驚いたのだが、この妙な花のおかげで、安全層にモンスターが近づかないようだ。
サーキュレイトフラワーというその花は、俺には分からなかったが、モンスターの嫌いな匂いを常に発しているそうだ。ユイにもセリアにも分からなかった。恐らくモンスターのみに分かる何かだろう。
何かに使えるかもしれないので、掘り起こしていくつかストレージに放り込んでおくとする。
いつの間にか時間帯は夜になっていた。
食事の準備をする。
今夜の食事は、ブルーライギョの塩焼きと白飯だ。やっぱり1日1食は白飯を食べないとね。
量が少ないようだが、俺は元々小食だったので、このくらいの量で十分だった。
隣のユイはバカ食いしていて俺の3倍は食べていた。
食べ終わって満足したのか、気が付けばユイはテントで寝ていた。
寝る子は育つよね。
寝ているのを確認した上で、昼間の事をセリアに聞いてみる。
セリアが知っていた話はこうだ。
魔族の動きが活発化するのは、魔王の復活が近いからであること。
魔王は約80年ほど前に人族獣人族同盟の勇者たちに封印されたという。
その戦いは1か月以上も続き、戦場となった大陸は見る影もなく、草木の生えない不毛な荒れ地へと変化していたそうだ。
今ではその大陸は、死霊大陸と呼ばれているそうだが、激戦の末、ついに倒すことは叶わなかったが、何とか封印する事に成功していた。
封印されてからも、魔王の抵抗は強く、その強さは年々増して来ている。封印自体も代々勇者と呼ばれる者たちが、魔力を注ぎ維持していかねばすぐに破壊されてしまうそうだ。
現状、封印している事がギリギリの状況なのだ。
つまり、魔族には絶対に魔王の封印されている場所を知られてはならない。もし知られでもしたら、現存している魔族の軍勢に簡単に魔王を復活させられてしまう。
それだけ魔族の強さは圧倒的で、モンスターの非ではない。
今日出会った魔族もレベル55と非常に高い。いつかのキマイラと同等レベルだ。
そんな奴らがゾロゾロと大群となって攻めて来れば、人族側になす術はない。
しかしセリアが言うには、今日出会った魔族は、はぐれ魔族と呼ばれる類で、たまたま姿を見せただけだろうと言っている。
精霊たちには、少しでも魔王の復活の兆候があれば、神からの神託が降りるのだという。
それはありがたい。少なくともセリアと居れば兆候の気があればすぐに分かるという事だ。
夜も更けてきたので、俺達も寝ることにした。
そして次の日の朝がきた。
少し体が重い気がするが、気のせいだろうと思い、目を開けてみた。視界に入ってきたのはユイだった。
俺の上で器用に寝ているじゃないか。
寝相が悪いにもほどがある。頭をグリグリして優しく起こしてあげた。
ユイが涙目なのは気のせいだろう。朝だしね。
「よし、今日の狩の再開だな」
ユイと一緒に21階層で無双のごとく、モンスターを狩り始める。
昨日大量殺戮をした時は、モンスターの姿は消えていたのだが、今日は復活している。
一体どこから湧いてくるのやら。
ユイのレベルも35を超え21階層では、もはや俺の出る幕は無くなっていたので、俺達は22階層へと降りる事にした。
俺は鑑定で確認する。
もはや恒例となっている、降りた時の初動作なのだが、この階層は弱点属性は火らしい。
俺は魔術付与で火属性をユイの短剣に付与する。
さぁ、殺戮の開始だ。
1つの階層にだいたい5種類くらいのモンスターがいるのだが、さすがに21階層は見飽きてしまっていたので、新しいモンスターは新鮮で見栄えする。
しかし油断はしない。初のモンスターに対しては、厄介なスキルを持っていないか、弱点となる部分はないかなどちゃんと分析している。
この階層に降りて来て、3時間ほど狩をしただろうか。
今俺達の目の前に、一つの箱がある。
もしかすると、あれが噂に聞く宝箱だろうか?
それともダンジョンにありがちなトラップの類だろうか?
あまいな。
俺には鑑定があるのだ。仮にトラップだとしても開けなくても分かるのだ。
名前:トレジャーボックス
説明:様々なアイテムが格納されている。ダンジョン産トレジャーボックス。
トラップの記載はないようだな。開けてみよう。
ユイが私が開けていい?と言っている。
「モンスターが出てくるかもだから、注意しろよ」
少し意地悪してみる。
ユイがドキドキしながら、トレジャーボックスを開けていた。
中から出てきたのは、指輪のようだ。
名前:ポータルリング
説明:魔力を消費して1日に2度だけ、指定のエリアにワープする事が出来る。
同時にワープ候補として保存しておける数は最大4か所。
特殊効果:破壊不可
相場:金貨1000枚
希少度:★★★★★☆
これはヤバいぞ。希少度5なんて初めて見た。しかもワープとはこれいかに。
「凄いの、これー?」
ユイが興奮して聞いてくる。
「ああ、すごい。」
後でじっくりと使い方を検証してみる事にしよう。
場合によっては、ダンジョンに籠らなくても、宿屋からダンジョン最下層へ一瞬でワープ出来るかもしれない。
想像に胸躍らせながらストレージに指輪をしまっておく。
狩の合間に昼食を済ませ、狩を再開した。
階層の出入り口付近にはモンスターが出現しないのだ。
後で分かった事だが、その付近にも例の花が咲いていた。
通りで階層を跨ってモンスターが存在していないんだなと納得していた。
1階層に、ここのモンスターがいたら、それこそ大惨事になる。
この階層のモンスターを狩り終えたのか、周りに見当たらなくなったので、今日はここまでとする。
20階層のベースキャンプに戻ってきた俺達の目の前に冒険者の団体がいた。
俺はテントを張りっぱなしにしていたのだ。
中には枕とか布団の類しか置いていない。
もちろん貴重品の類なんて置いてはいない。当たり前だけどね。
予備はあるからと別に気にしていなかったのだが、どうやらその放置が良くなかったようだ。
「お、このテントはあんたのかい?」
無精ひげを生やした、俺の脳内イメージのドアーフのような風貌の人物が問いかけてきた。
俺は、ついにこの世界のドアーフに会えた!と思っていたのだが・・。
名前:ゲヘルナ・マルコ
レベル:37
種族:人族
職種:剣士
スキル:火斬撃Lv1、剣破Lv2、地雷撃Lv1、連撃斬Lv3、治癒Lv1
どうやら人族のようだ。
「ああ、そうだけど」
「随分と若造だが、あんたレベルは?それに隣にいるのは獣人族の女の子のようだが?」
質問は一つずつにして欲しいものだ。
とりあえず、初見でユイの事を奴隷を言わなかったので、素直に質問に答えることにした。
実に上から目線だな、俺。
「レベルは34の魔術師です。この子は俺の妹です」
とりあえず、本当のレベルは言えないので、差し支えないレベルを答えておく。
「ユイって言います。レベルは36です」
そうかそうかとドアーフもどきのおじさんは頷いている。
「それにしてもたった2人でここで狩をするのは危険だぞ。と言おうと思ったが、嬢ちゃんがいるなら大丈夫だろうな」
?
俺はなんで大丈夫なのか分からなかった。
色々と話を聞いてみると、どうやらこの間助けた青年のパーティーが街へ戻り、色々と噂をまいているそうだ。
とても強い狐人の子供に命を救われたと。
悪気はないんだろうが、あまり広めてもらっても困るんだけどね。
ドアーフもどき、もといマルコさんもその話を聞いていたそうだ。
冒険者同士これからも縁があるだろうと言い残し、マルコさんたちは去っていった。
まぁ、どのみち地上に戻れば、すぐにこの街を出立するつもりなので、噂の類は良しとしよう。
あと、絡まれるのも面倒なので、今度から痕跡は残さないようにしておく。
その後は特に何のイベントもなく、3日が経過していた。下層へ降りては、狩をして戻っての繰り返しだ。
ベースキャンプを25階層へ移していた。狩のステージは、28階層になっている。
ここまで来るとモンスターのレベルも40を超えていた。
今まで見てきた冒険者では、余程の者か集団でない限りは、ここまで来れないのではないだろうか?
26層を超えてからは、モンスターの数は減っているようだった。
両より質という事なのだろう。
ユイの動きは相変わらずなのだが、さすがにモンスターのレベルも40を超えると、そう簡単には倒されてくれないようで、間にスキル攻撃による大ダメージを混ぜながら何発も攻撃を入れて、やっと倒せている感じだった。
危なげなさはないのだが、やはりモンスターのHPが高すぎる。
俺の魔術でもLv3を2回ほど入れてやっと倒せている感じだ。
どうせここまで来たのなら、せめて30階層までは行きたいと思っている。
しかし、明日でダンジョンに潜ってから期限としていた1週間が経過する。
実質の下層への探索は今日までだろう。
明日からは戻ることを考えないといけない。道中のモンスターを無視し、戻る事だけに専念すれば1日あれば十分戻れるだろうと計算している。
俺達は、朝一から目標30階層を目指して進むことにした。
各階層の広さは、普通に直進して30分程度だった。もちろんモンスターとの戦闘もあるのでもう少し時間は必要だが、走ればもっと早く下層への階段へ辿り着ける。
今回は俺も積極的に戦闘に参加していた。
そして、今俺達は29階層まで辿り着いていた。
この階層に到着した途端、妙な違和感を感じていた。
レーダーにモンスターの反応がないのだ。
いつかのケースもあるので、レーダーだけに頼らず、自らの目やユイの索敵力に頼ることも忘れない。
30分ほど直進したが、結局モンスターと遭遇する事は無かった。
目の前にあるのは、何かの卵のような物体だ。
またしても嫌な予感しかしないのだが、このまま無視して通るのも、何か悪い気がするし、調べてみる事にした。
直径1mくらいはありそうな白い卵だ。
名前:何かの卵
説明:????
鑑定を使っても何一つ分からなかった。
ユイが卵をペタペタと触っている。
「これだけ大きかったら、目玉焼き何個作れる~?」
ユイが聞いてくる。
こんな得体の知れないものを食べるのかよ。
俺が卵に触った瞬間、俺の魔力が卵に流れている感覚に苛まれた。
流れているというより、むしろ吸い取られているといってもいいかもしれない。
もちろん俺は何もしていない。
慌ててすぐに卵から手を放してしまった。
そして卵がヒビ割れていく。
俺は咄嗟にユイを後ろに隠して、俺も1歩下がる。
さて、鬼が出るか蛇が出るか・・。
バリバリッと音を響かせ、卵が砕け散った。
中から出てきたのは、真っ黒な子犬のような生物だった。
名前「????」
レベル1
種族:魔族
弱点属性:なし
スキル:なし
また、魔族か。しかしレベルが低すぎる。あの時倒した魔族の子供だろうか?
だが、このレベルなら、もしかしてもまずないだろう。
俺は近づいてみる。
子犬は俺の顔を凝視していた。
顔立ちはなんとも愛らしいというか、普通に子犬みたいで可愛いのだが。
でも魔族には変わりはない。何か害があるのだろうか?
この世界にも普通に犬は存在していた。現に王都でも街中にはちらほらと野良犬を見かけたし、ペットとして飼っている人にも出くわしたことがある。
外見は、こいつもただの子犬なのだ。ただ一つ種族を除いては。
俺のようなビジョンスキルの持ち主でない限りは誰もコイツを魔族と思わないだろう。
そういえば、ギルドに入った時の水晶に触れば、たしか種族はバレるんだったな。
俺はなぜこんな事を考えているのかと言うと、この子犬をお持ち帰りしようと思っていたのだ。
というのも、さっきから、俺にじゃれている。
まるで初めて見た生き物を自分の親だと思ってしまう、刷り込みのような感じだろうか?
そんな事を思っていると、セリアが出てきた。
「ユウさん、そいつは魔族です」
「ああ、知ってるよ」
「危険です。例え未熟な魔族であろうと、成長すれば大きな災いとなります。今のうちに倒しましょう」
言うと思ったよ。
しかし、いくら魔族と知っていても、こんなに子犬にしか見えない、しかも俺に懐いている子犬を果たして倒すなんて事出来るだろうか?
俺には・・無理だ。
いずれ、全種族との共存を目指している俺としては、魔族も例外ではなかった。
魔族の中にだって、話せばわかる奴もいるかもしれない。
「セリア、この子を連れ帰っちゃだめだろうか?」
一応、セリアに聞いてみる。
セリアは少し考えてからその小さな口を開いた。
「ユウさんならそう言うと思いましたよ。すぐに成長する事はないでしょうし、ユウさんは強いですから、大丈夫でしょう。でも危険だと思った時は、躊躇せずに倒して下さいね、あと、街中で襲い掛からないとも限らないですので、街に戻ったら主従契約を結んで下さい。それが条件です」
主従契約というのは、奴隷の契約とは違い、対モンスターと行う契約の事だ。
俺のように中にはモンスターをペットにして自慢している富裕層の連中がいるらしい。
どちらがより強いモンスターをペットにしているかで張り合っていた時代も過去にあったらしい。
一種の富裕層のステータスだ。
それに主従契約は、ビーストテイマーが使う契約でもある。
モンスターを使役させ、モンスターに戦闘を行ってもらうのだ。
街中を歩いていて、何人かビーストテイマーは見かけたことがあるが、モンスターの類は見た事がなかった。
何にしても、俺はセリアに了解と返事をする。
言葉が分かるのか分からないが、一応聞いてみる。
「俺と一緒に来るかい?」
ワンワン!と嬉しそうに尻尾をせわしなく振っている。
ほんと子犬にしか見えない。
その後は何も起こらず、というかやはりこの階層にはモンスターがいなかった。
とうとう下に降りる階段も見つけられなかった。
最奥には何かあると思っていたのだが、残念だ。
帰ろうと思ったその時だった。
ユイがスキルで宝箱を見つけたと言っている。
宝視宝視というスキルをユイは取得していた。
ユイに連れられて、その場所へと向かう。
「見つけた」
ユイが指差している。
また魔導具だろうか?
ユイがトレジャーボックスを開ける。
中から出てきたのは、紅い色をした拳大ほどの結晶だった。
名前:バイゼルダンジョン最深部到達者の証
説明:世界に点在する24個のダンジョンの内の一つバイゼルダンジョンの最深部に到達した者に贈られる証。全24種集めると何かが起こる。
特殊効果:破壊不可
これはまたなんというか。コンプガチャの類だろうか。
ツッコミたい部分はあるが、そのままストレージに放り込む。
そして、俺達は25階層のベースキャンプまで戻って来ていた。
今日はここまでにして、明日から、地上へ戻ろう。
急げば1日で戻れるはずだ。かなり急げばね。
黒犬も俺達にちゃんとついてきている。
おとなしいものだ。
そういえば、いつまでも黒犬なんて呼ぶのも良くないな。
なんという名前にしようか。
よし、クロにしよう。
名前の由来? 黒いからに決まっている。
相変わらず俺のネーミングセンスは、ないな・・と自分で思う。
餌は何を食べるだろうか?
ストレージから、適当に食材を並べてみた。
しかしクロは反応しない。
「お前は一体何を食べるんだい?」
ダメもとで聞いてみた。
すると、どうだろうか。クロは俺の所に寄って来て、俺の肩に乗ってきた。
そして、俺の腕にガブリとかぶりつき、俺から魔力を吸っているではないか。
卵に触った時もそうだったが、もしかするとクロの餌は魔力なのかもしれない。
少ししたら、クロは俺の肩から降りて、満腹になり満足したのか、その場で寝てしまった。
すぐにMPゲージを確認したが、まったく減っていない。
吸われた分は極少量なのだろう。
そして次の日の朝を迎えた。今日はダンジョン探索に入ってから1週間目だ。
「さて、みんな、帰ろうか」
ユイが元気よく返事していた。
セリアの反応はない。というかどこにいるのか見えない。
クロは喋らない。
道中は少し駆け足で、ユイと二人でモンスターを殲滅し、階層を駆け上がった。今日中に帰るのが目的なので少し急いでいた。
早朝に出発して、休憩を何度か挟み、俺達は地上へと戻ってきた。外は夕方だろうか、2つの太陽が沈みそうになっていた。
まだ昼過ぎだったのだが、今日の狩りはここまでにする。
あの魔族は、一体何だったのだろうか。
システムバグか何かか?
そんな訳ないか。
黒犬を倒した時にアイテムをドロップしていた。
魔素という黒い結晶だ。何かに使えるかもしれないので、ストレージにしまっておく。
しかし、魔族には注意が必要だと再認識させられた。今回は俺よりもレベルが低かったから良かったが、あのテレポートみたいなのは正直反則だろう。
セリアが久々に表に出てきた。
「もうお気付きとは思いますが、先程のは魔族です」
どうやら精霊には分かるようだ。
「しかし、魔族の目撃例は、ここ何十年となかったはずですが、嫌な予感がしますね」
嫌な予感というのは言うまでもな俺には見当が付いていたので、あえて聞かないでおく。
ユイを怯えさせても駄目だしね。
昼食を取り、安全層を探検したいと言うユイに着いて行く事にした。
10分程歩いたが、端まで辿り着かない。なかなかに広いようだ。
更に10分程歩いて、ようやく安全層の端まで辿り着いた。
単純計算で2kmほどだろうか。
それにしても、道中誰も見かけなかったが、誰もこの階層まで降りて来ていないのだろうか。
グルっと壁を添うように1周し、テントが張ってある場所まで戻ってきた。
これと言って目ぼしいものは何もなく、冒険者の残していった野営の残骸程度だった。
歩き回って分かった事は、安全層の至るところに妙な花が咲いてあった事だ。
鑑定して驚いたのだが、この妙な花のおかげで、安全層にモンスターが近づかないようだ。
サーキュレイトフラワーというその花は、俺には分からなかったが、モンスターの嫌いな匂いを常に発しているそうだ。ユイにもセリアにも分からなかった。恐らくモンスターのみに分かる何かだろう。
何かに使えるかもしれないので、掘り起こしていくつかストレージに放り込んでおくとする。
いつの間にか時間帯は夜になっていた。
食事の準備をする。
今夜の食事は、ブルーライギョの塩焼きと白飯だ。やっぱり1日1食は白飯を食べないとね。
量が少ないようだが、俺は元々小食だったので、このくらいの量で十分だった。
隣のユイはバカ食いしていて俺の3倍は食べていた。
食べ終わって満足したのか、気が付けばユイはテントで寝ていた。
寝る子は育つよね。
寝ているのを確認した上で、昼間の事をセリアに聞いてみる。
セリアが知っていた話はこうだ。
魔族の動きが活発化するのは、魔王の復活が近いからであること。
魔王は約80年ほど前に人族獣人族同盟の勇者たちに封印されたという。
その戦いは1か月以上も続き、戦場となった大陸は見る影もなく、草木の生えない不毛な荒れ地へと変化していたそうだ。
今ではその大陸は、死霊大陸と呼ばれているそうだが、激戦の末、ついに倒すことは叶わなかったが、何とか封印する事に成功していた。
封印されてからも、魔王の抵抗は強く、その強さは年々増して来ている。封印自体も代々勇者と呼ばれる者たちが、魔力を注ぎ維持していかねばすぐに破壊されてしまうそうだ。
現状、封印している事がギリギリの状況なのだ。
つまり、魔族には絶対に魔王の封印されている場所を知られてはならない。もし知られでもしたら、現存している魔族の軍勢に簡単に魔王を復活させられてしまう。
それだけ魔族の強さは圧倒的で、モンスターの非ではない。
今日出会った魔族もレベル55と非常に高い。いつかのキマイラと同等レベルだ。
そんな奴らがゾロゾロと大群となって攻めて来れば、人族側になす術はない。
しかしセリアが言うには、今日出会った魔族は、はぐれ魔族と呼ばれる類で、たまたま姿を見せただけだろうと言っている。
精霊たちには、少しでも魔王の復活の兆候があれば、神からの神託が降りるのだという。
それはありがたい。少なくともセリアと居れば兆候の気があればすぐに分かるという事だ。
夜も更けてきたので、俺達も寝ることにした。
そして次の日の朝がきた。
少し体が重い気がするが、気のせいだろうと思い、目を開けてみた。視界に入ってきたのはユイだった。
俺の上で器用に寝ているじゃないか。
寝相が悪いにもほどがある。頭をグリグリして優しく起こしてあげた。
ユイが涙目なのは気のせいだろう。朝だしね。
「よし、今日の狩の再開だな」
ユイと一緒に21階層で無双のごとく、モンスターを狩り始める。
昨日大量殺戮をした時は、モンスターの姿は消えていたのだが、今日は復活している。
一体どこから湧いてくるのやら。
ユイのレベルも35を超え21階層では、もはや俺の出る幕は無くなっていたので、俺達は22階層へと降りる事にした。
俺は鑑定で確認する。
もはや恒例となっている、降りた時の初動作なのだが、この階層は弱点属性は火らしい。
俺は魔術付与で火属性をユイの短剣に付与する。
さぁ、殺戮の開始だ。
1つの階層にだいたい5種類くらいのモンスターがいるのだが、さすがに21階層は見飽きてしまっていたので、新しいモンスターは新鮮で見栄えする。
しかし油断はしない。初のモンスターに対しては、厄介なスキルを持っていないか、弱点となる部分はないかなどちゃんと分析している。
この階層に降りて来て、3時間ほど狩をしただろうか。
今俺達の目の前に、一つの箱がある。
もしかすると、あれが噂に聞く宝箱だろうか?
それともダンジョンにありがちなトラップの類だろうか?
あまいな。
俺には鑑定があるのだ。仮にトラップだとしても開けなくても分かるのだ。
名前:トレジャーボックス
説明:様々なアイテムが格納されている。ダンジョン産トレジャーボックス。
トラップの記載はないようだな。開けてみよう。
ユイが私が開けていい?と言っている。
「モンスターが出てくるかもだから、注意しろよ」
少し意地悪してみる。
ユイがドキドキしながら、トレジャーボックスを開けていた。
中から出てきたのは、指輪のようだ。
名前:ポータルリング
説明:魔力を消費して1日に2度だけ、指定のエリアにワープする事が出来る。
同時にワープ候補として保存しておける数は最大4か所。
特殊効果:破壊不可
相場:金貨1000枚
希少度:★★★★★☆
これはヤバいぞ。希少度5なんて初めて見た。しかもワープとはこれいかに。
「凄いの、これー?」
ユイが興奮して聞いてくる。
「ああ、すごい。」
後でじっくりと使い方を検証してみる事にしよう。
場合によっては、ダンジョンに籠らなくても、宿屋からダンジョン最下層へ一瞬でワープ出来るかもしれない。
想像に胸躍らせながらストレージに指輪をしまっておく。
狩の合間に昼食を済ませ、狩を再開した。
階層の出入り口付近にはモンスターが出現しないのだ。
後で分かった事だが、その付近にも例の花が咲いていた。
通りで階層を跨ってモンスターが存在していないんだなと納得していた。
1階層に、ここのモンスターがいたら、それこそ大惨事になる。
この階層のモンスターを狩り終えたのか、周りに見当たらなくなったので、今日はここまでとする。
20階層のベースキャンプに戻ってきた俺達の目の前に冒険者の団体がいた。
俺はテントを張りっぱなしにしていたのだ。
中には枕とか布団の類しか置いていない。
もちろん貴重品の類なんて置いてはいない。当たり前だけどね。
予備はあるからと別に気にしていなかったのだが、どうやらその放置が良くなかったようだ。
「お、このテントはあんたのかい?」
無精ひげを生やした、俺の脳内イメージのドアーフのような風貌の人物が問いかけてきた。
俺は、ついにこの世界のドアーフに会えた!と思っていたのだが・・。
名前:ゲヘルナ・マルコ
レベル:37
種族:人族
職種:剣士
スキル:火斬撃Lv1、剣破Lv2、地雷撃Lv1、連撃斬Lv3、治癒Lv1
どうやら人族のようだ。
「ああ、そうだけど」
「随分と若造だが、あんたレベルは?それに隣にいるのは獣人族の女の子のようだが?」
質問は一つずつにして欲しいものだ。
とりあえず、初見でユイの事を奴隷を言わなかったので、素直に質問に答えることにした。
実に上から目線だな、俺。
「レベルは34の魔術師です。この子は俺の妹です」
とりあえず、本当のレベルは言えないので、差し支えないレベルを答えておく。
「ユイって言います。レベルは36です」
そうかそうかとドアーフもどきのおじさんは頷いている。
「それにしてもたった2人でここで狩をするのは危険だぞ。と言おうと思ったが、嬢ちゃんがいるなら大丈夫だろうな」
?
俺はなんで大丈夫なのか分からなかった。
色々と話を聞いてみると、どうやらこの間助けた青年のパーティーが街へ戻り、色々と噂をまいているそうだ。
とても強い狐人の子供に命を救われたと。
悪気はないんだろうが、あまり広めてもらっても困るんだけどね。
ドアーフもどき、もといマルコさんもその話を聞いていたそうだ。
冒険者同士これからも縁があるだろうと言い残し、マルコさんたちは去っていった。
まぁ、どのみち地上に戻れば、すぐにこの街を出立するつもりなので、噂の類は良しとしよう。
あと、絡まれるのも面倒なので、今度から痕跡は残さないようにしておく。
その後は特に何のイベントもなく、3日が経過していた。下層へ降りては、狩をして戻っての繰り返しだ。
ベースキャンプを25階層へ移していた。狩のステージは、28階層になっている。
ここまで来るとモンスターのレベルも40を超えていた。
今まで見てきた冒険者では、余程の者か集団でない限りは、ここまで来れないのではないだろうか?
26層を超えてからは、モンスターの数は減っているようだった。
両より質という事なのだろう。
ユイの動きは相変わらずなのだが、さすがにモンスターのレベルも40を超えると、そう簡単には倒されてくれないようで、間にスキル攻撃による大ダメージを混ぜながら何発も攻撃を入れて、やっと倒せている感じだった。
危なげなさはないのだが、やはりモンスターのHPが高すぎる。
俺の魔術でもLv3を2回ほど入れてやっと倒せている感じだ。
どうせここまで来たのなら、せめて30階層までは行きたいと思っている。
しかし、明日でダンジョンに潜ってから期限としていた1週間が経過する。
実質の下層への探索は今日までだろう。
明日からは戻ることを考えないといけない。道中のモンスターを無視し、戻る事だけに専念すれば1日あれば十分戻れるだろうと計算している。
俺達は、朝一から目標30階層を目指して進むことにした。
各階層の広さは、普通に直進して30分程度だった。もちろんモンスターとの戦闘もあるのでもう少し時間は必要だが、走ればもっと早く下層への階段へ辿り着ける。
今回は俺も積極的に戦闘に参加していた。
そして、今俺達は29階層まで辿り着いていた。
この階層に到着した途端、妙な違和感を感じていた。
レーダーにモンスターの反応がないのだ。
いつかのケースもあるので、レーダーだけに頼らず、自らの目やユイの索敵力に頼ることも忘れない。
30分ほど直進したが、結局モンスターと遭遇する事は無かった。
目の前にあるのは、何かの卵のような物体だ。
またしても嫌な予感しかしないのだが、このまま無視して通るのも、何か悪い気がするし、調べてみる事にした。
直径1mくらいはありそうな白い卵だ。
名前:何かの卵
説明:????
鑑定を使っても何一つ分からなかった。
ユイが卵をペタペタと触っている。
「これだけ大きかったら、目玉焼き何個作れる~?」
ユイが聞いてくる。
こんな得体の知れないものを食べるのかよ。
俺が卵に触った瞬間、俺の魔力が卵に流れている感覚に苛まれた。
流れているというより、むしろ吸い取られているといってもいいかもしれない。
もちろん俺は何もしていない。
慌ててすぐに卵から手を放してしまった。
そして卵がヒビ割れていく。
俺は咄嗟にユイを後ろに隠して、俺も1歩下がる。
さて、鬼が出るか蛇が出るか・・。
バリバリッと音を響かせ、卵が砕け散った。
中から出てきたのは、真っ黒な子犬のような生物だった。
名前「????」
レベル1
種族:魔族
弱点属性:なし
スキル:なし
また、魔族か。しかしレベルが低すぎる。あの時倒した魔族の子供だろうか?
だが、このレベルなら、もしかしてもまずないだろう。
俺は近づいてみる。
子犬は俺の顔を凝視していた。
顔立ちはなんとも愛らしいというか、普通に子犬みたいで可愛いのだが。
でも魔族には変わりはない。何か害があるのだろうか?
この世界にも普通に犬は存在していた。現に王都でも街中にはちらほらと野良犬を見かけたし、ペットとして飼っている人にも出くわしたことがある。
外見は、こいつもただの子犬なのだ。ただ一つ種族を除いては。
俺のようなビジョンスキルの持ち主でない限りは誰もコイツを魔族と思わないだろう。
そういえば、ギルドに入った時の水晶に触れば、たしか種族はバレるんだったな。
俺はなぜこんな事を考えているのかと言うと、この子犬をお持ち帰りしようと思っていたのだ。
というのも、さっきから、俺にじゃれている。
まるで初めて見た生き物を自分の親だと思ってしまう、刷り込みのような感じだろうか?
そんな事を思っていると、セリアが出てきた。
「ユウさん、そいつは魔族です」
「ああ、知ってるよ」
「危険です。例え未熟な魔族であろうと、成長すれば大きな災いとなります。今のうちに倒しましょう」
言うと思ったよ。
しかし、いくら魔族と知っていても、こんなに子犬にしか見えない、しかも俺に懐いている子犬を果たして倒すなんて事出来るだろうか?
俺には・・無理だ。
いずれ、全種族との共存を目指している俺としては、魔族も例外ではなかった。
魔族の中にだって、話せばわかる奴もいるかもしれない。
「セリア、この子を連れ帰っちゃだめだろうか?」
一応、セリアに聞いてみる。
セリアは少し考えてからその小さな口を開いた。
「ユウさんならそう言うと思いましたよ。すぐに成長する事はないでしょうし、ユウさんは強いですから、大丈夫でしょう。でも危険だと思った時は、躊躇せずに倒して下さいね、あと、街中で襲い掛からないとも限らないですので、街に戻ったら主従契約を結んで下さい。それが条件です」
主従契約というのは、奴隷の契約とは違い、対モンスターと行う契約の事だ。
俺のように中にはモンスターをペットにして自慢している富裕層の連中がいるらしい。
どちらがより強いモンスターをペットにしているかで張り合っていた時代も過去にあったらしい。
一種の富裕層のステータスだ。
それに主従契約は、ビーストテイマーが使う契約でもある。
モンスターを使役させ、モンスターに戦闘を行ってもらうのだ。
街中を歩いていて、何人かビーストテイマーは見かけたことがあるが、モンスターの類は見た事がなかった。
何にしても、俺はセリアに了解と返事をする。
言葉が分かるのか分からないが、一応聞いてみる。
「俺と一緒に来るかい?」
ワンワン!と嬉しそうに尻尾をせわしなく振っている。
ほんと子犬にしか見えない。
その後は何も起こらず、というかやはりこの階層にはモンスターがいなかった。
とうとう下に降りる階段も見つけられなかった。
最奥には何かあると思っていたのだが、残念だ。
帰ろうと思ったその時だった。
ユイがスキルで宝箱を見つけたと言っている。
宝視宝視というスキルをユイは取得していた。
ユイに連れられて、その場所へと向かう。
「見つけた」
ユイが指差している。
また魔導具だろうか?
ユイがトレジャーボックスを開ける。
中から出てきたのは、紅い色をした拳大ほどの結晶だった。
名前:バイゼルダンジョン最深部到達者の証
説明:世界に点在する24個のダンジョンの内の一つバイゼルダンジョンの最深部に到達した者に贈られる証。全24種集めると何かが起こる。
特殊効果:破壊不可
これはまたなんというか。コンプガチャの類だろうか。
ツッコミたい部分はあるが、そのままストレージに放り込む。
そして、俺達は25階層のベースキャンプまで戻って来ていた。
今日はここまでにして、明日から、地上へ戻ろう。
急げば1日で戻れるはずだ。かなり急げばね。
黒犬も俺達にちゃんとついてきている。
おとなしいものだ。
そういえば、いつまでも黒犬なんて呼ぶのも良くないな。
なんという名前にしようか。
よし、クロにしよう。
名前の由来? 黒いからに決まっている。
相変わらず俺のネーミングセンスは、ないな・・と自分で思う。
餌は何を食べるだろうか?
ストレージから、適当に食材を並べてみた。
しかしクロは反応しない。
「お前は一体何を食べるんだい?」
ダメもとで聞いてみた。
すると、どうだろうか。クロは俺の所に寄って来て、俺の肩に乗ってきた。
そして、俺の腕にガブリとかぶりつき、俺から魔力を吸っているではないか。
卵に触った時もそうだったが、もしかするとクロの餌は魔力なのかもしれない。
少ししたら、クロは俺の肩から降りて、満腹になり満足したのか、その場で寝てしまった。
すぐにMPゲージを確認したが、まったく減っていない。
吸われた分は極少量なのだろう。
そして次の日の朝を迎えた。今日はダンジョン探索に入ってから1週間目だ。
「さて、みんな、帰ろうか」
ユイが元気よく返事していた。
セリアの反応はない。というかどこにいるのか見えない。
クロは喋らない。
道中は少し駆け足で、ユイと二人でモンスターを殲滅し、階層を駆け上がった。今日中に帰るのが目的なので少し急いでいた。
早朝に出発して、休憩を何度か挟み、俺達は地上へと戻ってきた。外は夕方だろうか、2つの太陽が沈みそうになっていた。
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