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2章
8上
しおりを挟む「がっ。」「かはっ。」
目の前でお父様とお母様が崩れ落ちるように倒れた。
どこかで悲鳴があがる。何が起きているのだろう。お兄様とサーシャが駆け寄る。なんでボクは動かないの。動けないの。
恐る恐る進んでお父様とお母様を見る。なんでそんなに笑ってるの。口元の紅色はなに。
「強く、がはっ、生きなさい。」「あなたたちなら大丈夫。」
「「愛・・・して・・・る・・・」」
なんでお父様とお母様は別れの言葉みたいなのをおっしゃるの。え、なんでお父様とお母様は動かないの。お兄様はなんで涙を流してるの。
「ミーシャ様!」
メイド長の呼ぶ声が聞こえる。
やっとの事で2人の側に行き、2人の手を握る。急速に冷えていく2人の身体。
両親が死んだと脳が認識した時、
ボクの中のナニカガハズレタ。
こうなるとわかっていたのに、どうしてこんなに悲しいのだろう。視界が滲むのだろう。
アイ、涙を流している場合じゃないわ。私のやるべき事は・・・わかっている。どこからか悲鳴が聞こえる。対応できるのは私だけ。
「第四将軍レスタ!この会場を封鎖しなさい!外にこの騒ぎを知らせてはならない!」
「は、はい!」
将軍が動くのを見て、私は続ける。
「みなさん、落ち着いて。事態の確認が取れるまで、その場から動かないでください。」
考えて。次にパニックを起こすのは?
見回してその方を見つける。
「ミーシャ様!」
よろよろと陛下方に近寄るミーシャ様に駆け寄る。私はバカなのかしら。わかってたんだから、もっとお側に控えていればよかった。
ミーシャ様は2人の手を握る。
危ない。レイとケイト姉の1番恐れていたことが起きてしまう。仕方がない、最終手段。
「シークレット!会場の皆様の安全確保!」
「ミーシャ様!お気を確かになさって!」
やっとミーシャ様にたどり着いた。その目は焦点が合っていない。
「あ、あ、」
言葉にならない声をだす彼女は闇に覆われだす。これはまずい。・・・!?こんな時にリューケ様まで。あーこれしか方法がない!
配下のみんなが私とサーシャ、ミーシャ様を残して避難してくれたおかげで、広くなった会場の中心に行って叫ぶ。
「封印解除!」
私は光を纏う。久しぶりだな、この感覚も、この痛みも。
「うっ。ああっ。」
光が引いていく。
ふう。この姿になるのはいつぶりかな。
「あああああああああああああ!!!」
叫ぶミーシャ様を見ると、彼女がいたはずのところには大きな黒い龍がいて、その横には呆然と立ち尽くしているサーシャ様が見える。
・・・龍は聞いてなかったよ、レイ、ケイト姉。
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