明日の君は俺を知らない。

マジ卍

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秋が深まるころ、悠人の病状はまた悪化していた。
 けれど二人は、どんなに辛くても、離れないと誓い合っていた。



 病室の窓から見える銀杏の葉が、ゆっくりと舞い落ちていく。

 「蓮、ありがとう。お前がいてくれて、本当に良かった」

 悠人の声は弱々しかったが、瞳は真っすぐに蓮を見つめていた。

 「俺の人生にお前がいてくれて、幸せだった」

 蓮は涙をこらえながら、そっと手を握った。

 「俺もだよ。悠人。お前がいなかったら、俺は何を信じて生きていたかわからない」



 病気は残酷だった。
 だが、ふたりの絆はそれを越えていた。

 「お前と過ごした時間は、全部宝物だ」

 悠人は静かにそう呟き、蓮の手を強く握った。

 「だから、お願い……約束してほしい」

 「約束?」

 「俺がいなくなっても、笑って生きてほしいって」

 蓮は何度も頷いた。

 「絶対にだよ」



 そして別れの日。

 悠人は静かに息を引き取った。
 蓮の手の中で、最後の温もりを残して。



 時間は流れた。

 蓮は悠人との思い出を胸に、前を向いて歩き出した。
 辛くて、寂しくて、何度も涙を流したけれど——

 「悠人、俺はお前のこと忘れない。
 いつまでも、心の中で生きている」



 そして、ある春の日。

 街の公園で、蓮はふと立ち止まった。

 「……あれ?」

 遠くのベンチに、一人の男が座っている。
 ゆっくりと振り返ったその顔は——悠人だった。



 「久しぶりだな、蓮」

 悠人は笑った。
 記憶のない事故から奇跡の回復を遂げ、新たな人生を歩き始めていた。

 「お前に、また会えて嬉しい」

 蓮は涙を浮かべながら微笑んだ。

 「俺もだよ、悠人。ずっと待ってた」



 離れても、忘れても、また出会える。
 それは二人だけの奇跡の物語。

 これからの時間は、ふたりの手で新しく紡がれていく。
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