超絶転身少女 インフィニティアニキ 特撮ヒーローから魔法少女系νtuberに転職します

心絵マシテ

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六話 アニキ、孫と出会う

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金色に染めたボーイッシュな頭髪に、ハート型のピアス。
劇薬と毒物を混ぜたような奇抜すぎる恰好は、時として時空を超える。
くわえて、すらとした細身のボディと長い手足。
スタイルが、なまじ良いせいか? お婆さんは実年齢よりも若く見えてしまう。
ただし、精神年齢は二十代で止まっていると思われる。

「事情ですか……な、なにを、どう話せばいいのか…………しゅ、しゅみませ……」

困った……お婆さんの気持ちは有難いけれど、実際に聞かれると答えるのが難しい。
まさか、悪の組織に拉致られて、怪しいガーターベルトをはかされて気づいたら女の子になっていました!
なんて……清々しく言えるわけがないじゃん。
言ったとしても誰も信じてはくれないだろうし、戦隊ヒーローを引退しても自分がイエローだったことは守秘義務で口外していけない。

あくまで普通の女子……。
何歳ぐらいのか? 分からない……とにかく、この姿なら家出ってことで済ませられるんだけど……本当にそれでいいのか? 迷っている自分がいる。
多分、ボクの悩みを聞いてくれるなんて人は、このお婆さん以外にいないんじゃないのか?
そう考えると、急に恐くなってきた。
このままでは、確実に野垂死んでしまう。

今のボクにはセコイヤと戦う力はないし、資金面でも問題があるのではないのか!?
この姿で、どこかバイト先でも見つけるか……いや、身分証もないんだから普通に無理ゲーだわ。

「おう、悩め悩め~悩むのは若者の特権だ。だがよ、このババアに嘘やお為ごかしは通用しないぜ! そこんとろろ、ヨロシクぅ~」

宜しくされても……小生の中身は三十手前なんですけどね。
人が良いのはわかるけれど、このお婆さんは、どうしてハードルを上げてくるんだよ。
本当のことを話さない限り、ここから出られないような気がしてきた。

「やめねぇか! チエコ。人様の諸事情を詮索するじゃねぇよ。それこそ野暮ってもんだろう。スマンな、嬢ちゃん。ウチの婆さんが変わりモンで」

「はぁ? んなの聞いてねぇし。ゲンジさんがどう思おうとも、私は自分の道を行くんで!」

申し訳なさそうにカウンター越しからお爺さんが声をかけてくれた。
そしてお婆さんがそれを一蹴する。
彼らのやり取りを見ていると、実家の両親を思い出してしまう。
二人とも、元気でやっているのだろうか? 戦隊ヒーローになってから、ずっと会えていないな。

「ところでよ。アンタ、悪者に狙わているんだろう?」

これが高齢者の勘という奴なのだろうか? 的を射る言葉に内心ドキッとした。

「そ、そんなにゃことは……」

思わず噛んでしまった……動揺し過ぎだろっ、ボク!
言葉がチグハグになり続かない。
肩まで伸びた髪の毛に指を絡めながら弄っている自分に狂気を感じる。
ダメだ、いくら考えを巡らせても上手いこと誤魔化せるような言い訳が浮かんでこない。
そもそも、浮かんだところで人の親切心を裏切るような嘘をつきたくもない。

「まぁ、言いにくいことなら無理に聞きゃしないよ。ただ、アンタの顔が必死だったから聞いたまでさ」

「あの……実はボク、追われていて…………く、詳しくは説明できないのですが」

「ソイツは悪い奴なのかい?」

「はい、反社的な意味では……」

そこまで気にして貰っていたのなら、黙秘していられるわけもなかった。
すべてではないが、ボクは話せることだけをかいつまんで老夫婦に打ち明けてみた。
誘拐された事。自分が文無しで、どこにいるのか分からないこと。
性別や本名についてはあえて触れなかった。
このガーターベルトもセコイヤが秘密裏に作成したモノなのだろう。
オーバーテクノロジーであるコイツの存在を知ってしまったら、セコイヤの連中はこのラーメン屋を襲ってくるかもしれない。
懸念が拭えない以上は、余計な事を話してはいけない。

ボクが話している少しの間、夫妻は親身になって聞いてくれた。
もっと細かいところまで追求させると構えていたけれど、思いのほかボクのプライベートな部分には触れてこない。
二人には気ばかり遣わせてしまい何だか、歯がゆくもある。

「お爺ちゃん、お婆ちゃ――ん! タケノコ持ってきたよぉ~。うんしょっと!」

一通りの説明を済ませたタイミングで、店のドアが開く。
そこから弾むような女の子の声が飛び込んできた。

「おおっ、よく来たね。リユちゃん、爺ちゃんのラーメンでも食うかい?」

「いいの? じゃあ、いただこうかな?」

店の中に彼女が入ってくると、それまで威厳があった、お爺さんの表情が急にだらしなくなった。
そわそわしながら駆け寄り荷を受け取ると、彼女をテーブル席へとつれてゆく。

「おっす! 元気にしてたか?」
お婆さんの方は至って平常運転だった。
カウンター前を通る彼女に軽く手を振っている。
女の子も目を細めながら「うん!」と元気よく返事した。

「あっ」彼女と目が合うと思わず声が出てしまった。
職業柄、小さな女の子を相手にする機会はあったが年頃の娘さんに対する免疫はない。
というより、どう接すれば正解なのか?
以前のボクなら話かけただけで、警察に通報されていた。
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