超絶転身少女 インフィニティアニキ 特撮ヒーローから魔法少女系νtuberに転職します

心絵マシテ

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四十一話 アニキ、と波打ち際ガーディアンズ

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「あくぁあ~ぱわっぁああ!!」

アイカちゃんの豪快なサブーが炸裂した。
ボクたちが何をやっているのか? 言うまでもない。
海ときたら西瓜割りか、ビーチバレーと相場は決まっている。

アイカちゃんたちの提案でお昼を賭けた3怨3の勝負が始まった。
チーム分けは公平をきす為にくじ引きで決めた。
ボクのチームはレネ子さんとリユちゃん。
対するは茜音ちゃんとフィグちゃん、そしてアイカちゃん。
審判には田宮さんが立候補した。

正直、お遊びの延長だと高をくくっていた。
まさか、ここまで本格的なコートやネットが用意されてくるとは、誰も思わなかっただろう。
すべては田宮家の提供で贈られてきたものだ……。
金に物を言わせるのは本当に正しいことなのか、頭を抱えるが折角の御厚意を無視できるほどの豪胆さはボクにはない。
にしても、ビーチボールってあんなに速度出たっけ?
闘弾ドッジボールなみに、うねって飛んでいるんですけど……これじゃビーチを忘れたバレーではないか。

まぁ、高校時代はセパタクロー部だったボクにかかれば造作もないことですけどね。
唯一、問題があるとすれば目のやり場に困ることぐらいだろうか。
人より背丈がちっこい分、ボクのアイラインは丁度、リユちゃんたちのお尻の部分に視線誘導させられてしまうのだ。
やましい気持ちで見てはいけないと分かっていても、ビキニという鎧の呪いは強力である。
気づくとお尻から目が離せなくなっている。

やはり個別で水着に着替えて正解だった……。
これだけの女の子たちに囲まれてしまったら、きっとボクは失神してしまうだろう。
アイカちゃんに再三、一緒に着替えようと迫られたが目つきがマジもんだった。
何がマジなのか知らないけど、眼元が血走っていたから間違いない。

「べつに減るもんじゃないし、良いだろ?」

「それでも、恥ずかしいの!」

このやり取りを何度やったことか……しまいにゃ「何、この可愛い生き物~!!」とか言いながら頬ずりされてしまった。
説得できたのは良かったけど、衝撃が強すぎてしばらく思考が停止していた。
女の子のスキップって、こうも過激なのか……。
慣れるまで時間がかかりそう。

「キュイちゃん、ボールが行ったよ!」

リユちゃんの言葉に我に返るとボールが目の前にあった。
咄嗟に身体をそらし弓なりになると、そこからバイシクルシュートを決めた。
地面が砂で良かった、これなら背中から着地しても怪我はないだろう。
そう思い安堵――――していている場合ではない! ボクが蹴ったのはネットとは真逆の方向だ。

「ヘブラッ! イゴォォッォ―――――!!」

「カッ、カルロスゥゥゥゥ―――!?」

背後から、騒々しい声が聞こえてきた。
慌てて起きあがるとボクは現場へと急行した。
騒ぎを聞きつけたヤジウマが集まる中、大の字になって倒れている男を発見した。
彼の傍らにはボクが蹴ったビーチボールが転がっている。
まさか、ビーチボールに吹っ飛ばされる奴なんていないだろう。
そう思いたいし信じたいけど、男が倒れているのは事実だ。

「おい! ビーチボールで狙撃してきたのは、どこのどいつだ!? おかげで、カルロスがボーンブレイクしちまったじゃないか!?」

フツーに骨折で良いのでは?
倒れた大柄な男の隣で友人と思われる少年が激昂していた。
怒りをあらわにしているも、倒れている彼を手当する様子は一向にない。
どこにでも居そうな、男の顔に妙な既視感を覚えるのは気のせいだろうか?

「あれ? 鴨川じゃん!」

「んげっ! 中条……なんで、オマエがここにいるんだ? それに小橘さんまで」

「ちょっと、人のこと関羽みたいに扱わないでよ! 失礼なやつねぇ」

「茜、そんなにキツク言わないの。鴨川君も悪気があってここにいるんじゃないから」

「えっ? バイキン!? バイキンみたいな見方されてんの、俺?」

「どちらかというと雑菌かしら?」

「そっか、雑菌かぁ~」

た、田宮さんまで加わって何を言っているの?
流星女子トリオに弄られて、何故か納得している鴨川君。
その姿を見ると、感慨深いものがある。
人気者になろうとし、単なる道化に堕ちた男子生徒の成れの果て、非モテ男なら誰でも経験する修羅道だ。

「あの……ゴメンね。そのボールはボクが蹴ったものなんだ」

このままでは、鴨川メモリーに傷がつく。変な危機感を感じたボクは、取り敢えず謝ることにした。

「あのな! 取り敢えず謝罪すればいいってもんじゃねぇってばよ」

見透かされていた……なら、どうしろというのだ?
そもそも、そこの男は気絶したフリをしているだけだ。
いい加減、気づくわ。
倒れている男はモールで、ボクをナンパしてきた野郎だ。

「ヤメテおけ、亥太郎いたろう。それはマストな解じゃなーぃ! ふっ、また出会ってしまったね、僕のミューズ」

「薬用せっけんじゃありません」

ダンサーのようにポージングしながら起き上がる男こと、カルロスに対して周囲から苛立つ気配が立ち込めてきた。
ここまで、面識のない人達からヘイトを集められる男は早々いない。

「まったく、太陽がまぶしいぜ。季節のジェラートとは、まさにこの事よ」

「じぇ、らーと???」

「カルロス、ソレを言うならジェラシーだ」

さて、コイツらをどう始末しようか……。
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