嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!

大福金

文字の大きさ
85 / 140
やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

第百六十一話 シルビア・グラードン王女

しおりを挟む

 王宮にある会議室にて、国王と宰相の二人が重苦しい空気の中、険しい表情をし頭を抱えていた。

「アレクよ……結局の所スタンピードは起こるのか?」

 国王が重い口を開くと

「辺境の村からキィ村、カチャ街と巡り王都に帰って来ましたが、何故かどの村も問題があり……」
「そうじゃのう」
「そしてそれは全て自然では無く、人為的に画策されたように感じました」
「人為的に!? なんの為にじゃ!?」
「そこまでは分かりませんが、嫌な予感がするのです。このままではアイリーン嬢が予言した王都に攻め寄るスタンピードも起こるのかと」
「そうなれば、聖女が結界を張らねば国が滅びる事になるじゃろう。じゃが、報告ではシャルロッテ・ハーメイ嬢が聖女としての力を覚醒したんじゃろう? ああ、そなたの娘であるソフィア嬢もな」

 国王に娘の名を出され、眉間により深い皺が刻み込まれる宰相アレク。

「ぐっ! ソフィアが聖女かどうかは分かりませんが、きっと二人なら力を合わせて結界を張り、この国を守ってくれるでしょう」

 宰相アレクは表情は不本意そうだが、拳を握りしめ熱弁する。

「してスタンピードの起こる時期はアイリーン嬢の予知の通りなら……」
「ええ、隣国から留学生が訪れた後、ヒロインとひと悶着ありその後、学園でのダンジョン研修にてアイザックとヒロインの仲が深まった後に、スタンピードが森で発生すると話しておりました」

「そうか……スタンピードはダンジョン研修の後だな」
「ええ……半年後にあるダンジョン研修が鍵かと」

 ヒロインとひと悶着とは何か? それはそんなに重要な話なんだろうか? なぜスタンピードがアイザックとヒロインの仲が深まった後なのか、少し意味の分からない部分はある。
 だが二人は敢えてその部分には触れず、半年後にあるダンジョン研修に向けて、警備の強化などの対策をねるのだった。


★★★



「ソフィア様! おはようございます」
「おはようシャルロッテ」

 教室につくと、シャルロッテが前で待っていた。相変わらず可愛い耳と尻尾がピコピコと喜んでいるよう。私に会うだけでそんなに喜んでくれるなんて、可愛いすぎる。

「さぁ中に入りましょう」

 ダイアナにエスコートされ、教室に入ると、一際輝くアイスブルーの長い髪をした女性が目に入る。あの人がグラードン王国からの留学生である第二王女様?

 思わずボウっと見てしまい目があってしまう。しまった、ええと何か言わないと。

「初めまして、ソフィア・グレイドルと申します。暫くの間学園を休んでおりましたが、今日から復帰しました。仲良くして下さいね」

「ああ貴方が……。初めましてグラードン王国王女、シルビア・グラードンですわ」

 挨拶した後、美しいカーテシーを披露してくれたのだけれど。

 一瞬だけど睨まれたような……気のせいだよね?

「貴方の横にいる方は、平民だけど素晴らしい魔力の持ち主で、このクラスでもトップレベルだとお聞きしましたわ」

 グラードン王女は、シャルロッテをにこにこと褒めたたえる。なんだ良い人じゃない。

「お褒め頂き光栄ですグラードン王女様、ですが私など横にいらっしゃるソフィア様と比べたら赤子レベルですわ」

 シャルロッテ……そこは私の名前を出す必要あるかな? うっとりとした顔で言いましたよ! って私を見て来るから、何も言えずに、笑い返すしか出来ないけれど。
 なぜか周りのみんなまでも、その通りだとか、女神様のように素晴らしいとか、王女様そっちのけで盛り上がっている。
 これはマズイと王女をチラリと見ると、無表情で笑ってない。
 ああほら、何か気分を害したっぽい。

「そそっそうですか。ソフィア様は素晴らしい魔力の持ち主なんですね。クラスメートにも慕われて、ぜひ私とも仲良くして下さいね」

 グラードン王女がニコリと笑い右手を差し出す。

「ええと……こちらこそ宜しくお願いします」

 返事を返し手を握り返すと

「キャッ! いっ痛い……」

 えっ!? 軽く握っただけだよ?

「ソフィア様と仲良くしたくて差し出した手を、痛めつけるように握るだなんて……私と仲良くしたくないのですね。女神の様なお方だとお聞きしましたのに……」

 グラードン王女は、右手を撫でながらポロリと涙を流す。

 ええとちょっと待って? そんなに強く握ってないし、泣くほどの事なの!?

「ええっソフィア様が!?」
「グラードン王女様に嫌がらせを!?」
「わざと!?」

 教室が騒めきだす。シャルロッテとダイアナが何かの誤解ですと、必死に弁明してくれるが、教室内の騒ぎはドンドン酷くなるばかり。

「なんだ?! この騒ぎは!」
「教室の外まで声が聞こえうるさかったよ?」

「アイザック様、ジーニアス様……」

 アイザック様とジーニアス様が教室に入って来くると、それを見たグラードン王女が、潤んだ目をしてしなだれかかるように、アイザック様の肩に触れ「私が悪いんです」と言った。

 これは一体なんなの? 
しおりを挟む
感想 848

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。