嫌われ者の【白豚令嬢】の巻き戻り。二度目の人生は失敗しませんわ!

大福金

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やり直しの人生 ソフィア十三歳魔法学園編

第百八十五話 出れない

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「「「ぎゃあああああ!」」」
「「「いやああああっ!」」」

 突然現れた死霊系魔物に、クラスメート達が叫びながら逃げ惑う。
 こんな気持ち悪い魔物に出会った事など、勿論ないだろうし、何より数が多すぎる。
 ざっと数えてみても余裕で百は超えていると思う。

 それが突然現れ襲って来たんだもの、みんな冷静でいられるわけがない。

「みんな落ちついて! 散り散りになっちゃダメだ! チームで固まるんだ!」

 ソウ先生が一人で勝手に行動せず、チームで集まってと言うも、それどころじゃないクラスメート達、散り散りに単独行動し、アンデットに襲われそうになっている。

 そんな姿を私は何もできず、ただ宙に浮いて見ているだけ。

 なんでここから出られないの!

 何度も何度も透明の球体を叩くが、ボヨンっとゴムのように弾かれる。
 そんな時視界端に、クラスメートの一人が転んだのが目にはいる。その真後ろからすかさずアンデッドが襲いかかろうとしていた。

 ———危ない!

「大丈夫か? こっちだ!」

 間一髪の所で、アレス様が剣でアンデットを叩っ斬った。

「こっちです!」

 ダイアナがアレス様達を、シャルロッテの所に誘導する。

 シャルロッテが結界を張り、アンデット達が入れない空間を作っていた。
 さすがだよダイアナ、シャルロッテ。
 みんなが冷静でいられない中、ちゃんと自分のやるべき事をこなしている。
 アレス様やファーブル様がクラスメート達を助け、シャルロッテが作った結界の中安全な場所に誘導している。

「フィア!  どこにいるんだ!?」

 私を呼ぶアイザック様の悲痛な声が聞こえてきた。
 クラスメートを助けながらも、私の事を必死に探しているアイザック様。

「ここです!」

 と、必死に叫ぶも、どうやらこのシャボン玉のような球体は、外からは中が見えないようだ。

「アイザック様。私は大丈夫ですから、先に自分のことを優先してください」

 そう必死に叫んでも、私の声は届かない。

「ソフィア! どこに居るんだ?」

 ジーニアス様までもが私を探す。

「私は大丈夫だから、シャルロッテの結界の中でいてください!」

 もちろんそんな声は届かない。
 なんでっ!

「ソフィア! 隠れてないで出てこい! アンデットが怖いなら俺が全て討伐してやるから」
「そうだね。僕の魔法で消滅させてあげるよ」

 アレス様とファーブル様も私を必死に探している。

「私は無事なんです! お願いだから自分の事だけに集中してください」
 
 今度は身体強化して、ドンドンっと何度も球体を叩く。
 だけどびくともしない。

「よしっ。みんな無事に中に入ったね」

 アイザック様達四人の活躍により、私以外の生徒が結界の中に入った。
 結界の外にいるのは、私を必死に探している四人だけ。
 ジャスパー様とソウ先生は結界に近付く死霊達から、みんなを守るように討伐している。

 そしてアイザック様たちは、死霊と戦いながら私を必死に探す。
 その私を探すという無駄な動きのせいで、四人に死角ができる。

「フィア何処にっ……ツッ!」

 アイザック様が横を向いた一瞬の隙に、剣を持ったアンデットに斬りかかられる。

「アイザック大丈夫か!」
「ジーニアスすまない。ありがとう」

 なんで私だけ……何もできないの。

 お願いだから! ここから出してぇ!

 私はそう願い、思いっきり魔法を放った。
 魔力の全開放はさすがにマズイかもしれないが、出られないよりいい。


 ……だけど。私の放った魔法は全て球体に吸収され、なんの効果もなかった


 ウソでしょ。

 さすがに全力で魔法を放ったら、ここから出られると思ったのに。

 


★★★

予約投稿をミスしたようで、こんな中途半端な時間に更新です。m(_ _)m
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