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本編 燦聖教編
クズス・ギルー伯爵にお仕置きだ!
しおりを挟む『着いたぜ……青色の屋根。この屋敷にクソ貴族がいるんだな!』
『ねぇ?獣人達は屋敷のどの辺りに居るの?』
『ふむ……この屋敷の地下ジャイね』
やっぱりだ。悪い事する奴って毎回屋敷に地下室があって、そこでコソコソと悪事を働いてるんだよな。
ギルー伯爵もやっぱり同じか。
「じゃあ屋敷に入るか」
『そうね?もうこのまま行きましょ』
三号がこのまま行こうと言い出した。どう言う意味だ?
次の瞬間、轟音と共に屋敷の屋根がぶっ飛んだ!屋根が綺麗サッパリ無くなり、三階建ての屋敷の中が丸見えだ。
中にいる使用人達が何が起こったのか理解出来ず、ワタワタと慌てふためいているのが見える。
はぁ……無茶苦茶するなぁ。
『これでスッキリしたよね?スバルも屋敷に降りやすいし?ねっ』
三号よ?良い事したみたいに言ってるけど……屋根?無くなしちゃいましたよ?良いのか?大丈夫なのか?後から弁償とか……。
ーーまっ良いかっ俺この国の人間じゃないし。それに悪人の屋敷だ!
スバルがグリフォンの姿のまま舞い降りると、使用人達のパニックは最高潮に。
ワーキャーっと悲鳴があちこちから聞こえてくる。
『もう!五月蝿いわね!今から五分以内にこの屋敷の外に出ないと皆、消し炭になるわよ?』
三号が三階部分の壁を全て壊した。
「ヒィィィーーーー!」
屋敷にいる人達は突然壁が無くなるは、自分達は消し炭にされるとあって、使用人達は我先にと大慌てで屋敷から飛び出す。
『おお……人がワラワラと屋敷から出てくるジャイ』
『屋敷に居た人達は皆居なくなったわね』
《エクスプロージョン》
ドゴォォォォォォォォーンッ!!
鼓膜が破れるんじゃないかと思うほどの爆発音が耳を貫いて行く。
『ふうっスッキリしたぁ!ほらっ見て地下室への階段が丸見えよ?』
ちょっと待って?三号?屋敷どこにやっちゃったの?消えて何もないけど?
『ふふっこの魔法いつもだと使えないのよね……炎属性苦手だから……ステータス二倍だと使えるのねっ!気持ち良い!』
三号よ……それって魔法使って壊したかっただけだろ?
まだ戦い足りないのか?
「三号!急に大魔法を発動するな!スバルが気付いて皆を背中に乗せて避難させてくれたから何もなかったけど……」
『ゴメンっでもほら?地下に直ぐ行けるよ?さっ早く行こ!』
三号は軽く舌をだし謝るとそそくさと地下に走って行った。
「まぁ?ええじゃろう……どうせこの貴族はおらんようになるんじゃからの?」
「おらんって……どこに行くんだよ?」
「それは……くくっお楽しみじゃっ!さぁワシらも早う行かんと三号が終わらせてしまうぞ?」
それはマズイ!
「行こう皆!」
『次は俺の出番だからな!』
『違うのだ!スバルよ次は我だ!』
ジャイジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪
皆が走って地下へと向かう。ジャイコブ達は踊りながらだけどな?
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
階段を降りると……地下には部屋が四つあった。
部屋をあけると獣人の子ども二人が震えながら中にいた。足枷が付いている。
「大丈夫だから?安心してくれ」
俺は隷属の首輪を取り足枷も取ってあげた。
「ど……して?」
獣人の子供達は不思議そうに俺を見る。
「俺達はな?助けに来たんだよ?もう大丈夫だからな。安心してくれ」
「僕達助かるの……?」
「良かった……怖かったの」
獣人の子供達は泣きだした。
「こっちの部屋には二人おった」
『この部屋にも二人だぜ?』
パール達が別の部屋にいた獣人達を連れて来てくれた。
六人か……後四人はどこに?
「あのねっ!ミイーちゃんとダイ君が連れて行かれたの!痛い事されるの!お願い助けてください」
獣人の子供が奥に連れて行かれた子供を助けてと言って来た。残りの四人か!
でも階段を降りたらこの四つの部屋しか無かったぞ?他に部屋が?
『この奥ジャイ。血の匂いがするジャイ』
『叫び声もするコブ』
血だって?それに叫び声?俺には何も聞こえないぞ?
「パール急ごう!」
「そうじゃの」
『この壁ね?任せて』
三号が壁を蹴破る!
奥から地下二階に降りる階段が現れた。
急いで階段を降り突き当たりにある重厚なドアを開けると。
「イヤダァ!痛いぃっやめてっ」
肥え太った男がナイフ使って獣人の子供の耳を、嬉しそうに切っていた。
「ふふっ切れ味の悪いナイフの味はどうですか?
ああ……っ中々切れませんね。綺麗に切れるまで繰り返しましょうね」
「イヤダァ!もうやめてっ」
男は子供達に夢中で俺達に気付いてない。
入り口近くに居た護衛の男達は、ジャイコブ達が切り裂いた。
「お前何してるんだよ!」
「なっ……どうやってこの部屋に入って来たんだ?」
「どうやってってそこのドアからじゃ」
パール……意味が違うと思うぞ?
「私の神聖なる儀式の邪魔をするとは……護衛達!コイツらを殺しなさい!」
『護衛ってコイツら?』
三号がジャイコブ達に切り裂かれた男達を投げつける。
「ひいっ!死っ……」
「ようやく自分の立場が分かったようじゃのう?」
ギルー伯爵を魔法で縛り、先に子供達を助けていく。
耳を切られていた獣人の子供達を、魔法で回復し頭を優しく撫でながら「もう大丈夫だからな」っと安心させるように何度も言った。
「もう痛くない?」
「痛い事されない?」
「もちろんだ!」
獣人の子供二人が泣きながら俺に抱きついて来た。優しく子供達を抱き上げる。
「軽い……」
子供達は痩せ細っていた。
「ティーゴ!こっちに来るのじゃ!」
パールの所に行くと鎖で繋がれた獣人の子供二人が惨たらしい姿で座っていた。
正しくは足を太腿まで切断され立つのは不可能だ。
「こんな姿にされ……この子達はまだ生きておるのじゃ」
耳を切られ両手も無い……身体中に傷がある。ふううっ……痛いだろうに。何でこんな事するんだよ。
《リザレクション》
パールがリザレクションをかけ回復したが……子供達はピクリとも動かず感情が全くなかった。
心が壊れてしまっていた。
「あのね……伯爵はロン君とルウちゃんが泣かなくなったから……新しいオモチャが必要って、一週間前から私達が痛い事されてたの」
「俺……一週間痛い事されただけで、怖くて辛くて。
でもロンとルウは半年以上痛い事されてた……ううっ」
獣人の子供は泣きながら思いだすのも嫌な筈なのに、教えてくれた。
「教えてくれてありがとう」
『この気持ち悪いデブ!許さないんだから』
『そうだな……人族のフリをした悪魔だな』
『こんな人族がおるんジャイな』
子供達の話を聞いた三号やスバルが怒りを露にする。
「ワシらは子供達をジャスター侯爵邸に連れて行ってくる」
『お仕置きは私達に任せて?』
『そうジャイ』
三号とスバルそれにジャイコブ達が、お仕置きするって息巻いてるけど……このメンバー大丈夫?
「お仕置きはほどほどにじゃよ?」
『『『『はーい』』』』
俺とパールと銀太はジャスター侯爵邸に転移した。
『さてと……どんなお仕置きがいい?この部屋いっーっぱい拷問道具あるもんね?全部ためす?』
「ややっやめっ……助けてっ」
ギルー伯爵は怖すぎて震えが止まらない。
『おっ?これは何ジャイ?人の形をした入れ物みたいジャイが……中が蓋も全て長い針だらけジャイ』
『入れてみる?太いからちゃんと閉まるかなぁ?』
「やっ……やめっそんな中に入ったら全身針で刺される……やめっ」
三号達は拷問道具にギルー伯爵を入れた。
「ひぃっ痛いっ!いたっ」
『蓋を閉めてないのにもう痛いコブ?』
『早く閉めようぜっ』
「いっいたいっ!やっやめっ」
『んっ…太いからちゃんと閉まらないわねっ』
「ひいっいだっ痛いっ」
三号が思いっきり蓋を閉めると、ギルー伯爵は針が身体中に貫通し死んでいた。
『あれっ?死んじゃった。拷問って難しいわね』
《リザレクション》
「はっわ?私は生きて……?」
『簡単に死なせないわよ!あんたが獣人にやった事と同じ事を、今から全て味わって貰うまで、何回でも生き返らせてあげる!』
「ヒィャァァァァァ!」
『まずは足ジャイか?』
『いや耳コブよ』
三号達による無邪気なお仕置きは、パールが呼びにくるまでずっと続くのだった。
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
新作書いて見ました。
【白豚令嬢の巻き戻り二度目の人生は失敗しませんわ】
よかったら読んで見ていただけると嬉しいです(*´꒳`*)
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