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本編 燦聖教編
次の目的地
しおりを挟む「ティーゴは船室におったのか……急におらん様になったから」
船室にある倭の部屋で、銀太達と寛いでいたら、パールとスバルそれに三号やジャイコブ達が戻って来た。
「だって神様って!皆が俺の事見るからさ恥ずかしくって」
『何で恥ずかしいの?』
三号はティーゴが恥ずかしがる意味が分からないらしく、人差し指を軽く顎に付け不思議そうに小首を傾げる。
『あれから神様大フィーバーだったのよ?
貴族の人達まで中央の塔に来てね。私達に頭を下げて何度もお礼を言われたわ』
『それを見た街の奴らがまた騒ぎ出してさぁ、神様や神の御使様とかの大歓声が街中に響いたぜ』
『最高潮の盛り上がりで我らのダンス登場ジャイ!あれは一番盛り上がったジャイ』
『そうコブ!盛大なダンスパーティーコブ』
どうやらジャイコブダンスを街の人達皆で踊ったらしい。
「そうそう!あのダンスでローデンブルグの人達の心が一つになったな。本当凄かった!」
船に戻って来たアレクがジャイコブダンスの事を興奮気味に話してくれる。
ジャイコブダンスは見たかったなぁ。船に帰らず何処かに隠れてたら良かったかな?
「それにな、貴族の人達も街の再建に協力すると言ってくれたんだ。これでローデンブルグの街は安泰だ」
アレクはホッとしたのかまた泣き出してしまった。
「アレクは本当良く泣くなぁ」
「だってよ…俺…幸せだなって思ったら…涙がさ」
それくらいアレク達獣人は過酷な状況だったんだよな。
まだローデンブルグしか救えてないけど、助けられて本当に良かった。
この国は燦聖教にどこまで侵略されているんだろう。
燦聖教の全貌が未だに掴めない。
「そうじゃ!ジャスター侯爵がこの国ジャバネイル王国の地図をくれたんじゃ」
地図か!それがあれば王都の場所も分かるし次の目的地の場所も行きやすくなる。
「それでじゃ!こっちに来て地図をみてくれ」
ピラッ
パールが地図を机の上に広げる。
「これは……」
王都はこの国の中心に作られているのか……。
ローデンブルグは王都から見て北西に位置するみたいだな。
「この王都は大分広いのじゃ。我が国の王都の二倍はあるのう」
「そんなにか……それに王都の周りは全て川か?」
「簡単に入って来れぬ様に王都の周りを全て水で囲ったんじゃろうの」
水で囲うって結構な広さだぞ、これを作るのにどれだけの労力と時間を費やしたんだろう。
「とりあえず最終目的地はこの水に囲まれた王都だよな?」
「うむ。王都にきっと燦聖教の悪玉がおるじゃろう」
「王都に今すぐ乗り込みたい所だけど、先ずはもっと情報が必要だよな。シガーの森で魔獣兵器を作ってる魔道具をぶっ壊してそれから王都に向かって情報を集めながら行くか?」
「そうじゃの。それが良いじゃろう。今日はもう直ぐ日も暮れる、明日シガーの森に向かうとしよう」
グウウーーッ!
パールのお腹が鳴る音が船室に響く。
「ブハッ……大きなお腹の音!」
「むう……今日はいっぱい動いたからじゃ!」
「異空間に戻って飯にしようか」
⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎
外にある作業台で料理を作ろうと準備をしてたら、銀太が寄ってきた。
『主~我は「カラアゲが食べたいだろ?」
『なっ!何で分かったのだ?』
「だって銀太寝言でカラアゲって言ってたぞ?」
『ふぬっ!我は寝言など……』
銀太は少し恥ずかしそうにしっぽを振る。
「ほらっどうぞ。カラアゲは作り置きがいっぱいあるからな」
俺はアイテムボックスからカラアゲを出す。
「ワシもカラアゲが食べたいのう……」
銀太が美味しそうにからを頬張ってるのを見て、パールが羨ましそうに俺にアピールしてくる。
「パールのもあるよ!」
俺はテーブルにカラアゲを大量に出した。
カラアゲの良い匂いに釣られて聖獣達が集まって来た。
いつも美味しそうに食べるよなぁ。
さてと……今日はパスタと言う物を作って見たいんだ。
創造魔法で小麦粉の料理を見ていたら。
パスタと言うのが出て来た。
どんな味なのか気になって仕方ない。
先ずはパンを作るみたいに卵と小麦粉などを混ぜて滑らかになるまで混ぜる……。
形を丸く整えて二時間寝かせる。これはアイテムボックス時間経過でっと。
この生地を薄く伸ばして細長く切るか。
思ったより簡単だな!
後は茹でるだけでパスタは完成か。
茹で上がったパスタを味見してみる。
「おおっ旨っ」
もちっとして歯応えもあり何よりこれだけで食べても旨い!小麦も卵も最高級だからか?
さてとこの麺を食べるソースはこれだ!
作業台にトゥマトを並べる。真っ赤に熟した完熟トゥマトだ。
先ずはフライパンで香りが強いニンニンを刻んで油で香ばしく炒め、そこにベヒィの新作キングオークの燻製を細かく切って一緒に炒める。
うわぁ……これだけで美味そうだ。
ここにトゥマトを投入!トゥマトを潰しながら混ぜトゥマトが煮詰まればソースの完成だ!
ここにパスタを入れ軽く混ぜればトゥマトパスタの完成だ!
はぁぁ……いい匂いがする。
どれっ一口。
「うまっ……
パスタはソースを絡めるとこんなに美味いのか
『ティーゴの旦那?何食べてるんだ?新しい料理か?』
「トゥマトパスタだよ」
急いでコピー料理でパスタをコピーして行く。本当このスキル便利だ。
「はいどうぞ」
スバルにトゥマトパスタを渡す。
『何か変わってるな。この細長いやつは何だ……どれ。こっこれは革命だ!トゥマトが革命起こしやがった。トゥマトの一番好きな料理は【トゥマトご飯の卵巻き】だったのに……やられちまったよ』
スバルよ何の革命だ。
『オデ…この細長いの…好き…食べてて…楽しい』
『ティーゴしゃま♪キューこれ大好きっキュ』
『ティアもなの!ちょっと食べるの難しいけど……美味しいの!』
あーあ……キューとティア、口の周り真っ赤じゃないか。
うわっ銀太もだ!口の周りどころじゃねーぞ。
トゥマトパスタ……美味いけど要注意だな。
この後……風呂場で皆を必死に洗うティーゴの姿があるのだった。
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