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本編 燦聖教編
燦聖教の結末
しおりを挟む「これで終わり……か」
シガーの森に燦聖教の奴らは何と三百人以上いた。こんな小さな村に……こんなにいるとは思わなかった。
この大人数を三号とスバルは、きっちりお仕置きしていた。
偶にベヒィとモスも混ざってたが。
全員のお仕置きが終わり、燦聖教の者達は隷属の首輪をつけられると、皆生気を失った虚ろな顔をし、パールと三号にローデンブルグへ連れて行かれた。
あんな人数を引き連れ転移するとか、パールは本当に規格外すぎる。
俺も転移魔法を覚えたいから、パールと銀太から教えてもらってるんだけど、中々上手く出来ない。
パール先生尊敬します。
眠らせていたバイコーン達は、ほとんど森に返って行ったけど、二十匹は俺の側から離れない。
気になるのが、全てのバイコーンの姿は皆同じだった筈なのに、一匹だけ翼が生えているバイコーンがいるのだ。
何で?俺が浄化した時はこんな奴いなかった。
もしかして、慈愛の手の効果で稀に進化するのか?そう考えると色々辻褄があう。
そうか、だからあの時キラも進化したのか。
ーー穢れ操られていた私達を浄化し、助けて頂きありがとうございます。
我らは主殿に忠誠を誓います。どうか我らも主殿とご一緒させて下さい。
翼の生えたバイコーンが念話で話しかけて来た。
「俺と一緒にか?それは……いいけど本当に良いのか?」
ーーああっもちろんです!有り難き幸せ。
「何でお前は念話が使えるんだ?」
ーー我らに埋め込まれた魔石は忌々しいですが、これのおかげで主殿と念話が出来ます。
それに主殿が清めてくれたおかげでこの魔石は心地よい。
まるで主殿に包まれている様、我らは幸せで満たされております。
「って事は他のバイコーンもか?」
ーー念話は進化した私しか使えない見たいです。
「なるほどな」
パール達が帰って来る前に、先にコイツらを異空間の仲間達に紹介するか。
「皆~俺コイツらを異空間に連れて行くから、お前達はここでパール達が戻ってくるの待っててくれるか」
『分かったのだー!』
『はいよー』
『俺は昼寝したいから一緒に行く』
『俺は風呂に入りたいから帰る』
スバルと二号は異空間に帰るらしい。
異空間の扉を出し、扉を開けると
ーーここっこれは!?どうなっているんですか?
『ここは……?なんて綺麗な場所』
扉の中を見て驚くツギハギ魔獣とバイコーン達。
「さっ立ち止まってないで中に入ろう」
魔獣達を中に入れ様とした時。
先程助けたアウルベアが走って来た。まだ森に帰らずここに居たのか。
『おっお兄ちゃん!』
ーー弟よ!
アウルベアの事をツギハギ魔獣はお兄ちゃんと呼び、お互いの鼻を擦り合わせている。
「えっあっお前達、兄弟なのか!」
『うん。僕とお兄ちゃんは一緒にアイツらに捕まって、そして僕は変な部屋に入れられてずっと痛い事をされて……ううっこんな体にされたんだ』
ーー弟を助けてくれてありがと。お前良いやつ
「どうする?アウルベアも来るか?」
ーーまぼろし……
アウルベアが中を見て固まる。
「幻じゃないよっさぁ中に入って!」
バイコーン達とアウルベア兄弟は恐る恐る異空間の中へ入って行く。
新しい魔獣を連れて来たのを、ジャイコブ達が逸早く気付き走って来る。
『新しい仲間ジャイ?』
「ああっバイコーン達とアウルベアの兄弟だ」
『何ぃお前アウルベアジャイ?翼生えてなんかカッコ良いジャイ』
『えっ……僕が?カッコ良い?醜いじゃなくて?』
『そうコブ我もそんなカッコ良い翼欲しいコブ。体も中々引き締まってるコブ』
『そっそんな……嬉しいっうう』
『おいおい泣くなジャイ』
『こんな時はジャイコブダンスコブ♪』
『そうジャイ!我らと踊るジャイ』
ジャイジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪
『さぁお前も一緒にー!』
『ジャイジャイ♪ジャイコブ♪』
『そうコブ♪もっと楽しくー♪』
ジャイジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪
ジャイコブ達は踊りながらアウルベア兄弟を連れて行った。
相変わらずジャイコブ達が来るとお祭り騒ぎになるな。くくっでもアウルベア兄弟が楽しそうにしてくれて良かった。
今まで辛かったんだ、この異空間で居る間は幸せになって欲しい。
「おーいっティーゴ!」
「あれっアレク?どうしたんだよそんなに慌てて!」
「いやなっバイコーンをティーゴが連れて来たからさっ、居てもたってもいられなくて!」
「バイコーンがどうかしたのか?」
「俺達獣人はさ?畑仕事が多いだろ?収穫した作物運ぶのを、バイコーン達に手伝って欲しいのさ。
後、最近は海に釣りに行っててな?俺達の足だと海まで二時間はかかっちまう、その時に背中に乗せて欲しいなと!」
アレク達は馬や牛が欲しいとずっと思ってて、俺に頼む予定だったらしい。なんてグッドタイミング。
ーー主殿。私達に仕事まで与えていただき感謝します。
翼の生えたバイコーンがお礼を言い、バイコーン達はアレクの後をついて行った。
さてと……銀太達の所に戻るとするか。
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