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本編 燦聖教編
キラの怒り
しおりを挟む時は少し巻き戻り……
「おっ!あそこにいっぱい人がおるのじゃ」
『これは鉱石を発掘してるのね……』
『見たいだな……でも皆フラフラ歩いてないか?大丈夫なのか』
空を飛びパール達は鉱石場らしき人集りを見つけ、上空から少し様子を伺っている。
鉱石場所には大きな横穴があり、街人達はそこから鉱石を発掘し台座がある広場まで運び出し、また横穴に入り鉱石を発掘しに行っている様だ。
中にはフラフラしながら石を運び出している街人が複数いる。
だがその人達を、燦聖教と見られる黒マントを羽織った男達が電流が流れる鞭で叩いている。
「あぐっヤッヤメテくれっ!」
「ヤメテくれじゃないだろう?止めて欲しかったらサッサと立ち上がって仕事をするんだな?ほらっ」
「ぐあっ!」
鞭で叩かれた街人達は血を流し倒れるが、燦聖教の鞭は止まらない。
街人が立ち上がるまで叩き続ける。
『…オデ…イジメ…嫌い…』
街人を叩く燦聖教を見たキラがプルプルと震え、下に急降下する。
『わっちょっと!急に降りないでよっ』
背中に乗って居た二号と三号は突然急降下したキラの背中から落ちそうになる。
『…ゴメッ…』
キラが鉱石場に舞い降りると。
突然現れたドラゴンに鉱石場は騒然とし、燦聖教の男達は慌てて街人を盾にして後ろに隠れた。
街人達は疲れ果て逃げる気力もなく、茫然と立ち尽くしている。
キラはそれを見逃す訳もなく、燦聖教が居る最後尾まで飛びシッポで男達を殴り飛ばす。
「ぐあっ……」
『オデ…弱い者イジメ…嫌い…』
燦聖教の男達は無惨にも岩山まで飛ばされ、生き絶えた所にキラの背中に乗っていた三号がリザレクションを唱え復活させるも……。
『私もお仕置きしないとね?』
三号は雷を落とし燦聖教の男達を消し炭にした。
「キラも三号も……いきなりやり過ぎじゃっ!」
パールと一号を乗せたスバルも鉱石場に降りて来た。
『…だって…オデ…意地悪は嫌い…』
『そうよーコイツら屑なんだからっ!』
「まぁ……そうなんじゃが……街人までワシらを怖がっておるではないか!周りを見てみろ」
街人達はキラと三号の仕打ちを見て震えが止まらない。
『てへっ?それは……ねぇ?』
三号は反省するでもなく、燦聖教の男達を復活させた。
傷を負いフラフラの街人達にも回復魔法をかけた。
ーーあわっ体が痛くない!?ーー何が俺達に起こったんだ?ーー傷跡まで消えてるーー神様が助けに来てくれたんだーーああっやっと助かるのかーーありがとうございますーー神様ありがとうございますーー
街人達は震えが止まり助けてくれたパール達に平伏し涙を流し、何度も御礼を言い喜んでいる。
「洞穴の中にもまだ燦聖教はおるのか?」
パールが平伏した街人達に、他に燦聖教の男が残っていないか尋ねる。
「あっ……はいっ中に十人程」
『分かった!私が連れて来るっ!』
それを聴いた三号が嬉しそうに洞穴へと走って行く。
『あっ……ずるいっすよ!あっしもいくっす』
一号と三号は洞穴の中へと競う様に入って行った。
五分も経たないうちに、一号と三号は裸の男達を見えないロープで縛り、引き摺りながら洞穴から出てきた。
何故また裸なのかは……何も言うまい。
その後を街人達が元気に走り出て来た。
皆、三号によって体を回復して貰ったのだ。
街人達は自分達を回復し、燦聖教の男達を懲らしめてくれたパール達に平伏した。
そこにティーゴと銀太が登って来て、現状に驚き意味が分からずキョロキョロと周りを見てパールに質問する。
「一体何があってこーなったんだ!?」
「いやっ……ワシは何もしとらんのじゃ。でもまぁ?解決じゃ」
「ええっ?」
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